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業界・職種研究

翻訳・通訳会社へ転職する|第二新卒がコーディネーターとして入る【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約18分
翻訳・通訳会社へ転職する|第二新卒がコーディネーターとして入る【2026年版】

〜訳す人ではなく、訳す人を動かす仕事があります〜

「英語を活かせる仕事に就きたい」

そう考えたとき、翻訳会社は選択肢に入りますが、多くの人が「翻訳者になる」道しか見ていません。

実際には、社内で最も人数が多いのはコーディネーターという職種です。そして、この職種は第二新卒が未経験から入りやすい入口になっています。

この記事では、事業の型と職種を整理したうえで、入口を並べます。

1. 結論:押さえるのは3つ

この業界を見るときの3つの視点

社内の中心は、翻訳者ではなくコーディネーター

求められるのは、語学より段取りと調整

納期が動かない。逆算が仕事の中核

①を知らずに応募すると、志望動機がずれます。

「翻訳がしたい」と書くと、募集している職種と合いません。

2. 事業の3つの型

同じ「翻訳会社」でも、扱うものが違います。

内容求められること
産業翻訳契約書、マニュアル、技術文書正確さ、専門分野の知識
映像・メディア翻訳字幕、吹き替え、記事表現力、納期の厳しさ
通訳の手配会議、商談、イベント人の手配、日程調整

1つめが、業界の中で最も規模が大きい領域です。

契約書、特許、医薬、IT関連の文書など、専門分野ごとに分かれています。

分野で仕事が変わる

  • 契約書・法務:正確さが最優先。誤訳が事業に影響する
  • 特許:専門用語が多い。技術の理解が必要
  • 医薬:規制が関わる。専門の翻訳者が限られる
  • IT・技術:更新が速い。量が多い

求人票に扱う分野が書かれていることが多いので、確認してください。

3. コーディネーターという職種

社内で最も人数が多い職種です。

業務内容
案件の受注顧客からの依頼を受け、見積もりを出す
翻訳者の手配分野と納期に合う翻訳者を探す
進行の管理納期までの工程を組み、進捗を追う
品質の確認訳文をチェックし、修正を依頼する
納品顧客へ納め、その後の対応をする

2つめと3つめが業務の中心です。

翻訳者の多くは外部の個人事業主なので、誰にいつ依頼するかを判断します。

1日の流れ

  • 朝:進行中の案件の状況を確認
  • 午前:新規の依頼に見積もりを出す
  • 午後:翻訳者へ依頼、納品されたものを確認
  • 夕方:顧客への納品、翌日の準備

複数の案件が並行して動くため、優先順位をつける力が問われます。

会社の規模で変わること

規模によって、任される範囲が違います。

規模特徴
少人数(10名前後)受注から納品まで一人で担当する
中規模(数十名)分野や工程で担当が分かれる
大手分野が細分化。海外拠点があることも

少人数の会社では、営業から品質確認まで幅広く経験できます。

一方、専門分野を深めたい場合は、その分野に特化した会社を選ぶほうが向きます。

4. 求められる語学の水準

翻訳者ほどの水準は求められません。

場面必要な水準
訳文の確認内容が合っているかを判断できる程度
顧客とのやり取り国内の顧客なら日本語で足りる
海外の顧客読み書きができれば対応できることが多い
翻訳者とのやり取り海外在住の翻訳者とは英語のこともある

読み書きができれば、入口としては足ります。

会話の機会は、会社と担当分野によって差があります。

語学以外に求められること

  • 期限を逆算して段取りする力
  • 複数の案件を並行して管理する力
  • 外部の人(翻訳者)とのやり取り
  • 細部を確認する正確さ

1つめと2つめのほうが、実務では重く見られます。

貿易事務、営業事務、制作進行などの経験は、そのまま材料になります。

5. 翻訳者として入る道

社内翻訳者を置いている会社もあります。

実際
社内翻訳者求人は少ない。実務経験を求められることが多い
外部の翻訳者個人事業主として登録する形
チェッカー訳文を確認する職種。入口になることがある
未経験からの登用コーディネーターを経て移る例がある

3つめのチェッカーは、翻訳の実務に近い入口です。

ただし、募集は多くありません。

未経験から翻訳者を目指す場合

第二新卒の段階で直接なるのは、現実的ではないことが多くなります。

まずコーディネーターとして業界に入り、実務を知ってから判断する順番が現実的です。

内側から見ると、どの分野に需要があるかが分かります。

6. 働き方の実際

納期が動かないことが、働き方を決めています。

項目実際
納期動かない。逆算が絶対
繁忙顧客の決算期や製品の発表時期に集中
急ぎの案件当日納品の依頼が入ることがある
残業会社と時期による差が大きい
リモート対応しやすい業務

3つめが、この仕事の負担になる部分です。

急ぎの依頼が入ると、翻訳者を短時間で見つける必要があります。

面接で確かめること

  • 「1人あたり何件の案件を並行して担当しますか」
  • 「急ぎの案件は、月にどのくらいありますか」
  • 「繁忙期はいつですか。残業はどのくらいですか」
  • 「登録している翻訳者は何名くらいですか」

4つめで、手配のしやすさが分かります。

登録者が多いほど、急ぎでも見つかりやすくなります。

業界の変化を知っておく

面接で話す材料になります。

  • 機械翻訳の精度が上がり、人が確認する工程の比重が変わってきた
  • 動画や音声の需要が増え、扱う媒体が広がっている
  • 短納期の案件が増え、手配の速さが問われるようになった

この変化をどう見ているかを聞かれることがあります。

「訳す作業」から「品質を担保する仕組み」へ比重が移っている、という理解を示せると、業界を調べていることが伝わります。

7. 求人票で確かめる7項目

読むべき箇所は決まっています。

項目見るところ
職種コーディネーター、チェッカー、営業
扱う分野産業翻訳、映像、通訳のどれか
語学の要件必須の水準、会話の要否
担当件数1人あたりの案件数
顧客国内か海外か
教育未経験者の受け入れ実績
ツール翻訳支援ツールの使用の有無

7つめは、業務の進め方に関わります。

翻訳支援ツールを使う会社では、その操作も業務に含まれます。

未経験可の求人

コーディネーターは、未経験可の募集が比較的あります。

「英語力より、調整の経験を重視します」と書かれている求人は、実態を表しています。

8. 志望動機の作り方

未経験からの応募では、3つを組み立てます。

要素書く内容
なぜこの領域か期限と調整のある仕事を選ぶ理由
なぜ翻訳会社か語学を「使う」のか「支える」のか
なぜこの会社か扱う分野、規模、顧客層

2つめで差がつきます。

「英語が好き」だけだと、翻訳者志望と受け取られます。訳す人を動かす側に回りたい、という点を明確にしてください。

例文の骨組み

「前職では制作会社の進行管理として、外部のデザイナーへの発注と納期の管理を担当していました。納品物の質は、誰にいつ依頼するかで決まると感じていました。翻訳も、分野に合う翻訳者を選び、逆算して進める点が同じだと考えています。御社は特許分野を中心に扱われており、専門性の高い案件に長く関われる環境だと感じています。」

外部の人に依頼して成果物を作った経験と、この会社を選んだ理由がつながる形にしてください。

9. よくある質問

翻訳会社で働くには、翻訳の資格が必要ですか

コーディネーターであれば必要ありません。社内で最も人数が多いこの職種は、翻訳者の手配と進行の管理が中心で、求められるのは語学より段取りと調整の力です。訳文の内容が合っているかを判断できる程度の語学力があれば、入口としては足ります。

どのくらいの英語力が必要ですか

読み書きができれば、コーディネーターとしては足ります。国内の顧客が中心の会社であれば、日常のやり取りは日本語です。海外在住の翻訳者と英語でやり取りすることはありますが、会話の機会は会社と分野によって差があります。求人票の語学要件を確認してください。

未経験から翻訳者になれますか

第二新卒の段階で直接なるのは、現実的ではないことが多くなります。社内翻訳者の求人は少なく、実務経験を求められることが一般的です。まずコーディネーターとして業界に入り、どの分野に需要があるかを内側から見てから判断する順番が現実的です。

前職の経験は、どう活きますか

貿易事務、営業事務、制作進行など、期限のある仕事を回した経験がそのまま活きます。外部の人に発注して成果物を作った経験があれば、特に強い材料になります。複数の案件を並行して管理した経験も、書類に書けます。数字を添えて具体的に書いてください。

残業は多いですか

会社と時期によって差が大きくなります。顧客の決算期や製品の発表時期に案件が集中し、当日納品の急ぎの依頼が入ることもあります。面接で「急ぎの案件は月にどのくらいありますか」「繁忙期はいつで、残業はどのくらいですか」を確認してください。

扱う分野は選べますか

会社によります。分野ごとに部門が分かれている会社では、配属で決まります。専門分野に特化した会社を選べば、その分野の知識が深まります。求人票に扱う分野の記載があることが多いので、契約書・特許・医薬・IT技術のどれが中心かを確認してください。

翻訳支援ツールは使えないと不利ですか

未経験の募集では、必須にしていない会社がほとんどです。入社後に習得する前提になっています。ただし、ツールを使う会社では操作も業務に含まれるため、求人票に記載があるかを確認してください。経験があれば、書類に書く価値があります。

3年後、どんな選択肢がありますか

社内で管理職や特定分野の専任になる道、事業会社の翻訳・ローカライズ担当へ移る道、通訳や翻訳の実務へ進む道があります。外部の人に依頼して納期通りに成果物を作る経験は、制作や編集の分野でも評価されます。担当した案件数と分野を記録しておいてください。

10. まとめ:訳す人ではなく、動かす人として入る

今週やる3つのこと

産業翻訳・映像・通訳手配のどれを見るかを決める

期限のある業務を逆算して進めた経験を、数字を入れて書き出す

求人票で、扱う分野と担当件数を確認する

翻訳会社の中心は、翻訳者ではなくコーディネーターです。

求められるのは語学より、期限を逆算して外部の人を動かす力です。その経験があれば、未経験でも道があります。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。