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業界・職種研究

印刷業界へ転職する|第二新卒が紙以外へ広がる事業を知る【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約18分
印刷業界へ転職する|第二新卒が紙以外へ広がる事業を知る【2026年版】

〜「紙が減っている業界」という理解だけで判断すると、事業の中身を見誤ります〜

印刷業界と聞くと、多くの人が「縮小している業界」という印象を持ちます。紙の需要が減っているのは事実です。

ただ、この業界の企業の多くは、その前提で事業を変えてきました。パッケージ、建材の表面材、電子部品の部材、そして情報の処理と発送。

「紙に印刷する」という技術を、別の対象に応用してきた歴史があります。

この記事では、事業の分類から整理して、第二新卒が入れる職種をまとめます。

1. 結論:押さえるべきは3点

この業界を考えるときの3つの前提

企業によって、主力の事業がまったく違う

「紙に印刷する」以外の事業が伸びている企業がある

営業は、顧客の課題を聞いて形にする仕事

①が最も重要です。

同じ「印刷会社」でも、チラシを刷る会社と、包装材を作る会社と、電子部品の部材を作る会社があります。

応募先がどの事業で稼いでいるかを調べずに面接に行くと、話が噛み合いません。

2. 事業の分類

分野中身
商業印刷チラシ、カタログ、販促物
出版印刷書籍、雑誌
パッケージ商品の箱、包装材、ラベル
ビジネスフォーム帳票、伝票
情報処理・発送請求書などの作成と送付
建材・生活資材建材の表面材、内装材
電子部品の部材精密な印刷技術の応用

下の3つが、多くの企業で伸びている領域です。

「情報処理・発送」は、大量の書類を作成して送る事業です。企業が自社でやるより、まとめて任せるほうが効率的なため、需要があります。

「建材・電子部品の部材」は、印刷の技術を紙以外に応用した領域です。精密に、大量に、均一に印刷する技術が、そのまま使えます。

パッケージ側は紙・パッケージ業界へ転職する|第二新卒が知る職種と入口、出版側は出版・メディア業界へ転職|第二新卒が編集職以外の入口を知るにまとめています。

「縮小している」の中身

紙の印刷が減っているのは事実です。

ただ、企業ごとに、その減少をどう補っているかが違います。

調べる方法

・公式サイトの事業紹介を見る

・公開されている資料で、事業別の割合を確認する

・直近数年で、何に投資しているかを見る

・採用している職種の種類を見る

4つ目が意外に分かりやすい指標です。

技術者やIT関連の職種を採用している企業は、事業を変えようとしています。

企業の見方は企業の将来性をどう見るか|公開情報から読む手順を参照してください。

3. 職種の全体像

職種仕事の中身未経験の可否
法人営業顧客の課題を聞き、提案する可能
制作進行・ディレクション納期と品質の管理可能
生産管理工場の工程を管理する可能
品質管理検査、規格への適合可能
企画・デザイン表現の設計実務経験が必要
技術・研究材料や工法の開発理系が中心
IT・システム情報処理の仕組みIT経験者

法人営業と制作進行が、第二新卒の入口として広い職種です。

制作進行は、顧客とデザイナーと工場の間に立って、納期までに形にする仕事です。段取りの力が評価され、他業界でも通用する経験になります。

「IT・システム」も見落とされています。情報処理の事業を持つ企業では、システムの人材を採用しています。

生産管理の書類は生産管理の自己PR|第二新卒の例文6パターンと納期と在庫の数字化、進行管理の書き方はWebディレクターの自己PR|第二新卒の例文6パターンと進行管理の書き方が参考になります。

4. 営業の実態

この業界の営業は、価格の交渉だけをしているわけではありません。

実際にやること

・顧客が何を伝えたいかを聞く

・それをどういう形にするかを提案する

・費用と納期の見通しを立てる

・デザインと工場の間で調整する

・仕上がりを確認して納品する

3行目と4行目が、実務では大きな比重を占めます。

顧客の要望をそのまま工場に流すと、費用も納期も合いません。実現できる形に翻訳するのが、この仕事の中心です。

そのため、「聞く力」と「調整する力」が評価されます。

5. 話を聞いた例:小売から法人営業へ移った人

知人に、雑貨店の販売職から印刷会社の法人営業へ移った人がいます。

その人が書類に書いたのは、次のような内容でした。

前職から出した材料

・店舗の販促物を、自分で企画して作っていた

・印刷会社に発注し、納期と費用を調整していた

・作った販促物ごとに、売上の変化を見ていた

・仕上がりが想定と違ったときの対応をしていた

2つ目と4つ目が効きました。

発注する側の経験があると、顧客が何に困るかが分かります。納期の焦り、色の違い、修正の手間。これらは実際に発注した人にしか分かりません。

面接では「印刷が好き」ではなく、「販促物を発注する側で、伝えたいことがうまく形にならない場面を見てきた。提案する側に回りたい」という形で話しました。

この業界でも、発注する側の経験は提案する側の材料になります。

6. 待遇と働き方の実態

項目傾向
給与メーカーとして安定した水準の企業が多い
休日土日祝が中心のことが多い
繁忙期顧客の商戦期や決算期に連動
納期短納期の案件がある
工場勤務生産管理や品質管理では発生する

繁忙期は、顧客の事情に連動します。

年末年始、決算期、新学期といった時期に、案件が集中する場合があります。年間の波を面接で確認してください。

また、短納期の案件では、進行が詰まることがあります。その頻度も聞いておくと、入社後のずれが減ります。

年間休日の読み方は年間休日日数の読み方|105日と125日で何が違うのかを参照してください。

7. 確認する7項目

確認する7項目

主力の事業は何か(商業/パッケージ/情報処理/建材など)

顧客の業界

職種(営業/制作進行/生産管理/品質/IT)

自社工場を持つか、外注か

直近数年で投資している領域

繁忙期と短納期案件の頻度

勤務地と転勤の範囲

⑤が将来を見るうえで最も有効です。

紙の印刷だけに依存している企業と、別の領域へ広げている企業では、3年後の状況が変わります。

公開されている資料で確認できることが多いので、面接前に見ておいてください。

出る側の視点は印刷会社からの転職|第二新卒が持っている3つの武器にまとめています。入る前に読んでおくと、離れる人の理由が分かります。

8. 面接で聞かれることと答え方

質問見られていること答え方の軸
なぜこの業界か理解の深さ紙以外の事業に触れる
縮小する業界だと思うか調べているか事業の変化で答える
段取りの経験進行管理の適性調整した相手と方法で話す
短納期は大丈夫か認識の確認前職の経験で話す
どの事業に関心があるか業界理解分野を挙げて答える

「縮小する業界だと思うか」は、実際に聞かれることがあります。

「紙は減っているが、御社は◯◯の領域に広げている」と具体的に答えられると、調べていることが伝わります。

この一問で、他の応募者と差がつきます。

志望動機の組み立て方は未経験職種の志望動機の書き方|第二新卒が3ブロックで作る型と例文6パターンを参照してください。

9. よくある質問

縮小している業界に入るのは危険ですか

企業によります。紙以外の領域に広げている企業を選べば、状況が変わります。事業別の割合を確認してください。

デザインができないと入れませんか

営業、制作進行、生産管理では不要です。デザインを担当する職種は、実務経験が求められます。

工場勤務になりますか

職種によります。営業は営業所や本社、生産管理や品質管理は工場に近い場所が一般的です。

短納期の案件は多いですか

分野によります。商業印刷では発生しやすく、パッケージや建材では計画的に進むことが多くなります。

IT系の職種はありますか

情報処理の事業を持つ企業では採用があります。大量の書類を作成して送る仕組みを支える職種です。

パッケージ業界とどう違いますか

重なります。印刷会社がパッケージも手がける場合があり、境目は明確ではありません。紙・パッケージ業界へ転職する|第二新卒が知る職種と入口を参照してください。

出版業界とは違いますか

違います。出版社は企画して売る側、印刷会社は作る側です。出版・メディア業界へ転職|第二新卒が編集職以外の入口を知るを参照してください。

未経験でも入れますか

入れます。営業と制作進行は、未経験可の求人があります。

10. まとめ:面接前にやる3つのこと

印刷業界は、「紙が減っている」だけで判断すると、事業の中身を見誤ります。

面接前にやる3つのこと

応募先の事業別の割合を、公開されている資料で確認する

直近数年で何に投資しているかを調べる

前職で「何かを発注した」場面を書き出す

①と②をやると、「縮小する業界だと思うか」という質問に具体的に答えられます。この一問が、面接での立ち位置を決めます。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。