通勤時間をどう見積もるか|第二新卒が1日と1年で計算する【2026年版】
〜「片道1時間くらいなら大丈夫」と思っている人へ〜
求人を見るとき、勤務地は確認します。ただ、通勤時間を数字にして比べている人は多くありません。
「まあ、通えるだろう」で判断して、入社後にきつさに気づきます。
そして、通勤時間は入社後に変えられない条件です。業務の内容は慣れれば変わりますが、通勤にかかる時間は毎日同じだけかかります。
この記事では、通勤時間を数字にして、判断の基準を作ります。
1. 結論:押さえるべきは3点
通勤時間を考えるときの3つ
① ドアツードアで測る(電車に乗っている時間ではない)
② 1年に換算すると、判断が変わる
③ 時間より、乗り換えと混雑のほうが負担になることがある
②が最も効きます。
片道1時間は、往復2時間です。年間の勤務日数を掛けると、相当な時間になります。
この数字を出すと、「まあ通える」が「これは大きい」に変わります。
2. ドアツードアで測る
多くの人は、電車に乗っている時間だけで考えています。
| 区間 | 見落とされやすい |
|---|---|
| 自宅から最寄り駅 | 徒歩の時間 |
| 駅での待ち時間 | 本数が少ないと長い |
| 乗車時間 | ここだけを数えがち |
| 乗り換えの移動と待ち | 複数回あると積み上がる |
| 降車駅から会社 | 徒歩の時間 |
実際には、乗車時間の1.5倍前後になることがあります。
「電車で40分」の求人が、実際には片道1時間を超えることは珍しくありません。
応募前に、自宅から勤務地までを実際の経路で調べてください。
時間帯で変わる
通勤の時間帯は、日中とは所要時間が違います。
確認する点
・朝の時間帯の本数
・混雑による乗車の待ち
・遅延の起きやすさ
・帰りの時間帯の本数
可能であれば、実際の通勤の時間帯に一度移動してみてください。面接の日程を朝に設定すると、それが確認になります。
3. 1年に換算する
計算の仕方
・片道の時間 × 2 = 1日の通勤時間
・1日の通勤時間 × 年間の勤務日数 = 年間の通勤時間
・年間の通勤時間 ÷ 24 = 何日分か
この最後の計算が、判断を変えます。
片道1時間と片道30分では、年間で大きな差になります。
そして、この差は毎年続きます。3年、5年と積み上がります。
年収を比較するときも、この時間を含めて考えてください。給与が低いと感じるとき|第二新卒が確かめる順番と動かし方で触れた時間単価の考え方が、ここでも使えます。
4. 話を聞いた例:往復の時間で決めた人
知人に、2社の内定で迷っていた人がいます。
その人が最後に使ったのは、次の計算でした。
実際に比べたこと
・A社:片道25分、年収は少し低い
・B社:片道1時間15分、年収は少し高い
・年間の通勤時間の差を計算した
・その差を、年収の差で割った
結果として、通勤に費やす追加の時間に対して、年収の差が見合わないと判断しました。
その人はA社を選びました。
「年収だけで比べていたら、B社を選んでいた」と話していました。
数字にすると、感覚では見えないものが見えます。
複数内定の比較は複数内定を比較表で決める|迷ったときに置く7つの軸を参照してください。
5. 時間以外の負担
| 要素 | 負担の大きさ |
|---|---|
| 乗り換えの回数 | 回数が多いほど疲れる |
| 座れるかどうか | 立ちっぱなしは負担が大きい |
| 混雑の程度 | 時間が同じでも疲労が違う |
| 遅延の頻度 | 予定が読めない |
| 天候の影響 | 徒歩や自転車の区間 |
1行目と2行目が、実際の疲労を左右します。
片道1時間でも、座れて乗り換えがなければ、読書や学習の時間に使えます。
逆に、片道40分でも、乗り換え3回で立ちっぱなしなら、消耗します。
時間だけで判断せず、この条件も確認してください。
6. 許容できる上限を決める
決め方の手順
① 今の通勤時間を測る(ドアツードアで)
② 今の状態が楽か、きついかを判断する
③ それを基準に、上限を決める
④ その上限を、求人の絞り込みに使う
①が基準になります。
今の通勤が楽だと感じているなら、その時間が基準です。きついと感じているなら、今より短くする必要があります。
④が重要です。上限を決めておくと、求人の検索で絞り込めます。決めていないと、条件の良い求人に引っ張られて、通勤時間を後回しにします。
求人の絞り込みは検索条件の保存と新着通知|求人の見落としを防ぐ設定、求人票の読み方は求人票の読み方|第二新卒が9項目をこの順で読むと外さないにまとめています。
7. 求人票と面接で確認する項目
確認する7項目
① 勤務地の正確な住所
② 最寄り駅と、駅からの所要時間
③ 複数の拠点がある場合、どこに配属されるか
④ 転勤や異動の可能性
⑤ 在宅勤務の可否と頻度
⑥ 始業時刻(時差出勤があるか)
⑦ 通勤手当の上限
③が意外に見落とされます。
求人票に本社の住所が書かれていても、配属先が別の拠点である場合があります。面接で確認してください。
⑤も大きく影響します。週に数日でも在宅があれば、実質的な通勤時間は減ります。
⑦は費用の問題です。手当に上限があり、それを超える分は自己負担になる場合があります。
在宅勤務の確認はリモート可の求人を見抜く|第二新卒が入社後のギャップを防ぐ6項目、転勤の判断は転勤あり・なしをどう決めるか|求人票の1行を確かめる手順を参照してください。
8. 引っ越しという選択肢
通勤時間を短くする方法として、引っ越しがあります。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 費用 | 引っ越しと、初期費用 |
| 家賃の差 | 都心に近いほど上がることが多い |
| 時期 | 入社日との調整 |
| 住宅の手当 | 会社の制度があるか |
| 生活の変化 | 周辺の環境 |
家賃の差と、通勤時間の短縮を天秤にかけてください。
家賃が月に数万円上がっても、通勤が往復1時間短くなるなら、判断としては成立します。
段取りは転職と引っ越しを同時に進める|入社日から逆算する段取り、費用の見積もりは転職活動にかかるお金|第二新卒が在職中と離職中で見積もる内訳にまとめています。
9. よくある質問
何分までが許容範囲ですか
一律の基準はありません。今の通勤時間を測り、それが楽かきついかを基準にしてください。
電車の時間だけで見ていました
ドアツードアで測り直してください。実際には1.5倍前後になることがあります。
通勤時間は履歴書に書きますか
記入欄がある場合は書きます。履歴書の見落としやすい欄|通勤時間・扶養・本人希望を参照してください。
在宅勤務があれば長くても大丈夫ですか
頻度によります。週に何日出社するかを確認して、その日数で計算してください。
配属先が決まっていない求人は
面接で確認してください。「どの拠点への配属になりますか」と聞くのは自然な質問です。
通勤手当に上限がありますか
会社によります。求人票に記載がない場合は、面接で確認してください。
引っ越すべきか迷います
家賃の差と、年間の通勤時間の短縮を比べてください。数字にすると判断しやすくなります。
面接で通勤時間を聞かれたら
正確に答えてください。長い場合は、「通えると判断しています」と一言添えると、懸念が解消されます。
10. まとめ:今日やる3つのこと
通勤時間は、入社後に変えられない条件です。数字にして判断してください。
今日やる3つのこと
① 今の通勤時間を、ドアツードアで測る
② 年間に換算して、何日分かを出す
③ 許容できる上限を決めて、求人の絞り込みに使う
②の数字が、判断を変えます。「まあ通える」が「これは大きい」に変わることがあります。
この先、読むべき記事
- 求人票の読み方|第二新卒が9項目をこの順で読むと外さない(勤務地欄の確認)
- リモート可の求人を見抜く|第二新卒が入社後のギャップを防ぐ6項目(在宅勤務の実態)
- 転勤あり・なしをどう決めるか|求人票の1行を確かめる手順(勤務地が変わる可能性)
- 複数内定を比較表で決める|迷ったときに置く7つの軸(条件を並べて決める)
- 転職と引っ越しを同時に進める|入社日から逆算する段取り(引っ越しという選択肢)
- 運転がある仕事|第二新卒が求人票と面接で確かめる7項目(業務での移動時間)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。