奨学金の返済がある状態で転職する|第二新卒が確認する4つのことと進め方【2026年版】
毎月決まった額の返済がある状態で、転職を考える。「収入が途切れたらどうしよう」「年収が下がったら払えるだろうか」という不安が、動き出しの前に立ちはだかります。結果として、条件が合わない今の会社に留まり続ける人は少なくありません。
この不安は漠然としているうちは大きく見えますが、数字にして並べると、意外と扱えるサイズになることが多くあります。必要なのは、毎月の返済額と、生活が成立する年収の下限を先に確定させることです。
この記事では、返済を続けながら転職を進めるときに確認することと、進め方を整理します。なお、返済に関する制度や手続きの詳細は貸与元によって異なり、変更されることもあります。ここに書いているのは一般的な整理であり、個別の判断や手続きは必ず貸与元の窓口や専門機関に確認してください。
1. 結論:先に決めるのは「年収の下限」
| やること | 中身 | 効果 |
|---|---|---|
| 毎月の返済額を確認する | 金額と、あと何年続くか | 不安が数字になる |
| 生活費の下限を出す | 家賃・光熱・食費・通信・返済 | 必要な手取りが決まる |
| 年収の下限に換算する | 手取りから逆算する | 応募先の除外条件になる |
| 在職中に進めるか決める | 収入を途切れさせない前提 | 進め方が定まる |
3番目まで出すと、求人票を見る目が変わります。「年収◯万円以上」という除外条件ができれば、迷う求人が減ります。手取りと提示年収の差は給与明細の見方|提示年収と手取りの差を埋めるにまとめています。
2. 不安が大きく見える理由
| 状態 | 実際 |
|---|---|
| 返済額を正確に把握していない | 明細を見れば1分で分かる |
| いつまで続くか分かっていない | 残り回数は記録に出ている |
| 収入が途切れる前提で考えている | 在職中に進めれば途切れない |
| 年収が下がる前提で考えている | 下がるとは限らない |
1番目と2番目を確認していない人が、想像以上に多い部分です。毎月引き落とされているので気にしていない、という状態のまま不安だけが続く。まず明細を開いて、金額と残り回数を書き出すところから始めてください。
3. 在職中に進める
返済がある場合、収入を途切れさせない進め方が基本になります。
| 在職中に進める | 辞めてから探す | |
|---|---|---|
| 収入 | 途切れない | 途切れる |
| 期間の制約 | 面接の日程調整が必要 | 時間は自由 |
| 判断 | 条件を比べて選べる | 焦って決めやすい |
| 返済への影響 | ない | 期間によっては生じる |
返済がある状態では、在職中に進めるほうが判断の質が上がります。無収入の期間があると、条件を妥協しやすくなるためです。在職中の段取りは在職中の転職活動|第二新卒が働きながら2ヶ月で決める段取りと面接の入れ方、土日中心の進め方は土日だけで進める転職活動|在職中の3か月スケジュールにまとめています。
どうしても離職期間が生じる場合
その期間の返済をどうするかは、貸与元に確認するのが確実です。制度上、状況に応じた相談を受け付けている場合があります。ここで重要なのは、支払いが難しくなってから動くのではなく、見込みが立った段階で早めに相談することです。手続きや条件は貸与元によって異なるため、必ず窓口で確認してください。
4. 年収の下限を出す
感覚ではなく、数字で決めます。
| 項目 | やること |
|---|---|
| 毎月の固定支出 | 家賃、光熱、通信、保険、返済を足す |
| 変動する支出 | 食費、交通費、日用品の平均を出す |
| 必要な手取り | 固定+変動+余裕分 |
| 年収への換算 | 手取りから概算で逆算する |
「余裕分」を必ず入れてください。ぎりぎりの計算で決めると、想定外の出費で行き詰まります。手取りと年収の関係は控除の内容で変わるので、概算で構いません。正確な計算が必要な場合は専門機関に確認してください。
年収が下がる転職を検討する場合の判断は年収が下がる転職の判断基準|第二新卒が3年で戻せるかを見る、条件の優先順位のつけ方は年収・時間・やりがい|第二新卒が優先順位を決める3ステップを参考にしてください。
5. 転職活動そのものにかかる費用
活動中にも出費があります。先に見積もっておくと慌てません。
| 項目 | 目安の考え方 |
|---|---|
| 交通費 | 面接の回数×往復 |
| 証明写真 | 撮り直しの可能性も含める |
| 服装の準備 | 手持ちで足りるか確認する |
| 書類の郵送 | 指定がある場合のみ |
在職中であれば、この費用は月の収入の中で吸収できる範囲に収まることがほとんどです。詳しい内訳は転職活動にかかるお金|第二新卒が在職中と離職中で見積もる内訳にまとめています。
6. 応募先を選ぶときの見方
年収の下限が決まったら、求人票の見方が定まります。
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 固定給と変動給の比率 | 安定して受け取れる部分はいくらか |
| みなし残業の有無 | 提示額に何時間分が含まれるか |
| 賞与の扱い | 年収に含まれている前提かどうか |
| 試用期間中の条件 | 期間中に給与が変わるか |
| 住宅手当などの条件 | 該当しなくなると下がるか |
返済がある場合、変動する部分が大きい求人はリスクが高くなります。固定給で下限を満たしているかを基準にすると判断がぶれません。分解の手順は求人票の年収の読み方|第二新卒が6項目に分解して比較する手順、試用期間の扱いは試用期間とは|第二新卒が入社前に押さえる期間・給与・本採用の基準にまとめています。
7. 面接で聞かれるか
返済の有無を面接で聞かれることは、通常ありません。
| 場面 | 扱い |
|---|---|
| 面接で聞かれる | 通常はない。私的な事情の範囲 |
| 自分から話す | 話す必要はない |
| 希望年収を聞かれる | 下限を根拠に答えてよい |
| 条件交渉の場面 | 返済を理由にせず、相場と経験で話す |
希望年収を伝えるときに、返済を理由として説明する必要はありません。相場と自分の経験を根拠にするほうが交渉として成立します。伝え方は面接で希望年収を聞かれたら|第二新卒がその場で答えるための金額の決め方にまとめています。
8. 転職後にやること
入社したら、返済まわりの手続きを確認しておきます。
| やること | 理由 |
|---|---|
| 引き落とし口座の残高を確認する | 給与の支払日が変わることがある |
| 初回の給与日を把握する | 入社月は支給がずれることがある |
| 住所変更があれば届け出る | 通知が届かなくなる |
| 勤務先の変更手続きの要否を確認する | 制度によって必要な場合がある |
とくに1番目と2番目に注意してください。前職と新しい会社で給与の支払日が違うと、入社月に空白が生じることがあります。入社前に初回の給与日を確認し、その月の引き落としに足りるかを見ておくと安心です。手続きの詳細は貸与元や勤務先に確認してください。
転職後の支給の仕組みは退職後の手続き|第二新卒がやる健康保険・年金・住民税・失業給付の全部、給与の見方は給与明細の見方|提示年収と手取りの差を埋めるを参考にしてください。
9. よくある質問
返済があると転職で不利になりますか
選考で不利になることは通常ありません。返済の有無は私的な事情であり、面接で聞かれることも基本的にありません。応募書類に記載する必要もありません。
離職期間中の返済はどうなりますか
制度上、状況に応じた相談を受け付けている場合があります。ただし条件や手続きは貸与元によって異なるため、必ず窓口に確認してください。支払いが難しくなってからではなく、見込みが立った段階で早めに相談するほうが選べる対応が多くなります。
年収が下がる転職は避けるべきですか
下限を下回らないなら、選択肢から外す必要はありません。仕事内容や働き方が改善し、数年で戻せる見込みがあるなら合理的な判断になります。下限を先に決めておけば、この判断がしやすくなります。
転職活動中にお金がかかりますか
在職中であれば、交通費や写真代など月の収入で吸収できる範囲に収まることがほとんどです。離職中は生活費が別途必要になるため、在職中に進めるほうが負担は小さくなります。
ローンの審査に影響しますか
転職直後は勤続年数が短くなるため、審査で不利に働く場合があります。住宅や車のローンを予定している場合は、順番を検討する価値があります。詳細は金融機関に確認してください。
転職先に返済のことを伝える必要はありますか
伝える必要はありません。私的な事情の範囲であり、勤務先が把握する性質のものではありません。ただし制度上、勤務先の変更届が必要な場合があるため、その点は貸与元に確認してください。
給与の支払日が変わると困ります
入社前に初回の給与日を確認しておいてください。前職の最終給与と新しい会社の初回給与の間隔が空くことがあります。引き落としの時期と照らし合わせて、足りない月がないかを見ておくと安心です。
返済を理由に転職を諦めるべきですか
諦める前に、年収の下限を数字で出してみてください。漠然と不安なままだと選択肢が全部消えて見えますが、下限が決まると応募できる求人が意外に残ることが多くあります。判断はそこからで間に合います。
10. まとめ:今週やる3つのこと
返済があるからといって、転職ができないわけではありません。必要なのは、年収の下限を数字で確定させること。それだけで判断ができるようになります。
今週やる3つのこと
① 毎月の返済額と、残り何年続くかを明細で確認する
② 固定支出と変動支出を足して、必要な手取りの下限を出す
③ その下限を年収に換算し、応募先の除外条件として書き出す
数字が出れば、不安の大きさが変わります。判断はその後で構いません。なお制度や手続きの詳細は貸与元によって異なるため、個別の判断は必ず窓口や専門機関に確認してください。
この先、読むべき記事
- 年収が下がる転職の判断基準|第二新卒が3年で戻せるかを見る(年収が下がる場合の判断)
- 給与明細の見方|提示年収と手取りの差を埋める(手取りの計算)
- 在職中の転職活動|第二新卒が働きながら2ヶ月で決める段取りと面接の入れ方(収入を途切れさせない進め方)
- 転職活動にかかるお金|第二新卒が在職中と離職中で見積もる内訳(活動中の費用)
- 転職とローン審査の順番|第二新卒が勤続年数で損しないための整理(審査への影響)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。