面接で希望年収を聞かれたら|第二新卒がその場で答えるための金額の決め方【2026年版】
面接の終盤で、こう聞かれることがあります。
「希望の年収はいくらですか」
この質問で、多くの人が固まります。
高く言えば落ちるかもしれない。低く言えばそのまま決まってしまう。正解が分からないまま、その場で考えて答えることになります。
そして、最も多い答えがこれです。
「御社の規定に従います」
これは失点ではありませんが、得点にもなりません。そして、提示額が低くなる方向に働きます。
この質問は、事前に金額を決めておけば怖くありません。
決め方には手順があります。そして、答え方には型があります。15分の準備で、その場で迷わず答えられるようになります。
この記事では、金額の決め方、幅で答える型、根拠の作り方、選考段階ごとの答え分け、そのまま使える回答例7パターンを整理します。
1. 結論:やることは3つ
1. 3つの数字を先に決める。下限、希望、上限です。
2. 幅で答える。1つの数字だけを言うと、交渉の余地がなくなります。
3. 根拠を1行だけ添える。根拠がない金額は、そのまま値切られます。
1番目が全てです。
面接の場で計算しようとするから固まります。3つの数字を紙に書いて持っていれば、その場では読み上げるだけです。
| 決める数字 | 意味 |
|---|---|
| 下限 | これを下回るなら辞退する額 |
| 希望 | 現実的に取りにいく額 |
| 上限 | 言っても不自然でない額 |
面接で口に出すのは、希望と上限の間です。下限は言いません。
2. なぜ「規定に従います」では損なのか
提示額を決めるのは、企業側の判断だからです。
企業には給与のレンジがあります。同じポジションでも、下限と上限で100万円近く幅がある場合があります。
希望を言わなければ、レンジの下のほうで提示されます。これは企業が意地悪をしているのではなく、判断材料がないためです。
| 応募者の回答 | 提示されやすい位置 |
|---|---|
| 「規定に従います」 | レンジの下限に近い |
| 「現年収以上を希望」 | 現年収の少し上 |
| 「○○万円を希望、理由は△△」 | 希望額に近い位置 |
3行目を目指してください。
そして、もう一つ理由があります。
希望額を言えない人は、自分の価値を説明できない人に見えます。
特に営業職や企画職では、この印象がマイナスに働きます。金額の交渉は、入社後の社内交渉と同じ性質の行為だからです。
高く言うと落ちるのか
金額だけを理由に落とされることは、ほとんどありません。
企業側は、希望額がレンジを超えていれば、その時点で伝えます。「その額は難しいですが、○○万円であればいかがですか」という会話になります。
落ちるのは、根拠のない金額を言った場合です。
現年収から200万円上げた額を、理由なしで提示する。これは金額の問題ではなく、判断の甘さの問題として評価されます。
3. 3つの数字の決め方
順番に決めてください。15分で終わります。
手順1:現年収を正確に出す
基本給、賞与、固定残業代、各種手当を全部足した年間の総支給額です。手取りではなく、総支給額で計算してください。
直近の源泉徴収票の「支払金額」が最も正確です。
手順2:下限を決める
「これを下回るなら、転職しないほうがいい」という額です。
生活費から逆算するか、現年収を基準にするかのどちらかです。職種を変える転職では、現年収から下がることを許容する場合もあります。その場合、どこまでなら耐えられるかを先に決めてください。
手順3:求人票のレンジを確認する
応募先の求人票に書かれている年収の幅を見ます。この上限が、現実的な天井です。
手順4:希望と上限を決める
| 決め方 | 目安 |
|---|---|
| 希望 | 現年収+0〜10%、かつレンジの中央付近 |
| 上限 | レンジの上限、または現年収+15%程度 |
レンジの上限を超える額を希望として出すのは避けてください。求人票を読んでいないと判断されます。
4. 幅で答える型
1つの数字だけを言うと、そこが天井になります。
幅で答えてください。
「450万円から500万円の範囲を希望しております」
この場合、企業側は450万円を基準に考えます。だから、幅の下限は希望額に設定してください。下限をそのまま言ってはいけません。
| 言い方 | 企業側の受け取り |
|---|---|
| 「500万円希望」 | 500が上限として固定される |
| 「450〜500万円」 | 450を基準に検討される |
| 「480万円以上」 | 480が下限として扱われる |
3行目の言い方も有効です。「以上」をつけると、上に伸びる余地が残ります。
幅は50万円以内にする
幅が広すぎると、判断材料になりません。
「400万円から600万円」と言われても、企業側は400万円で提示します。幅は50万円以内が適切です。
5. 根拠の作り方
金額に1行の根拠を添えてください。
使える根拠は4種類です。
| 根拠 | 例 |
|---|---|
| 現年収 | 「現在が○○万円のため、同水準以上を」 |
| 求人票のレンジ | 「求人に記載の範囲を踏まえて」 |
| 職務の範囲 | 「○○まで担当する前提であれば」 |
| 生活の条件 | 「転居を伴うため、その分を含めて」 |
最も無難で、最も使いやすいのが1番目です。
「現年収が420万円ですので、450万円から500万円の範囲を希望しております」
これで十分です。長い説明は不要です。
3番目は、職種を変える転職で有効です。
「営業だけでなく、企画側の業務も担当する前提とお伺いしましたので、その範囲を踏まえて480万円以上を希望しております」
職務の範囲を根拠にすると、交渉の性質が変わります。金額の主張ではなく、役割に対する評価の話になるためです。
使ってはいけない根拠
| 根拠 | なぜダメか |
|---|---|
| 「他社の内定額が○○万円」 | 比較材料として扱われ、心証が悪い |
| 「生活が苦しいので」 | 個人の事情は評価の材料にならない |
| 「同年代の平均が」 | 一般論であり、自分の価値の説明にならない |
1番目は特に注意してください。
他社の提示額を交渉材料に使うのは、最終段階で慎重に行う場合を除き、避けたほうが安全です。面接の場では出さないでください。
6. 選考段階ごとの答え分け
聞かれる段階によって、答え方を変えてください。
| 段階 | 答え方 |
|---|---|
| 書類・応募時 | 現年収のみ記載、希望は「相談」 |
| 一次面接 | 幅で答える、根拠は現年収 |
| 二次面接 | 幅で答える、根拠に職務範囲を追加 |
| 最終面接 | 具体的な額、条件面の確認も |
| 内定後 | 提示額に対して交渉 |
一次面接では、幅を広めに取って構いません。
この段階では、企業側も「レンジに収まるか」を確認しているだけです。細かく詰める場ではありません。
最終面接では、具体的な額を言ってください。
ここで曖昧にすると、内定後の交渉が難しくなります。最終面接での発言が、提示額の基準になります。
内定後の交渉は別の話
面接での希望年収と、内定後の交渉は分けて考えてください。
面接では希望を伝えるだけです。実際の交渉は、提示額を受け取ってから行います。
面接の段階で粘る必要はありません。むしろ、面接で金額の話を長引かせると、条件だけで選ぶ人だという印象になります。
7. そのまま使える回答例7パターン
1. 現年収を基準にする(最も無難)
「現年収が420万円ですので、450万円から500万円の範囲を希望しております。ただ、業務内容と役割を踏まえてご判断いただければと考えております」
2. 職務範囲を根拠にする
「求人に記載の職務範囲を踏まえて、480万円以上を希望しております。特に、企画側の業務も担当する前提であれば、その範囲での評価をいただけますと幸いです」
3. 年収が下がる可能性がある職種転換の場合
「未経験の職種への応募ですので、現年収からの上昇は想定しておりません。ただ、生活の面から400万円は確保したいと考えております。その上で、成果に応じて上げていければと考えています」
4. 求人票のレンジに合わせる
「求人に記載の400万円から550万円の範囲を拝見しております。私の経験を踏まえますと、450万円前後が妥当かと考えておりますが、ご判断いただければと存じます」
5. まだ判断材料が足りないと感じる場合(一次面接向け)
「現年収が420万円ですので、それを基準に考えております。具体的な額については、業務内容をもう少し詳しく伺った上で、改めてお話しできればと考えております」
6. 転居を伴う場合
「現年収が420万円です。今回は転居を伴いますので、その分を含めて470万円から510万円の範囲を希望しております」
7. どうしても具体的に言いたくない場合
「現年収が420万円ですので、大きく下がらない範囲でご検討いただけますと幸いです。具体的な額については、御社の基準を伺った上で相談させていただければと存じます」
7番目は、それでも「現年収」という数字を出しています。これが最低限です。数字を一つも出さない回答は避けてください。
8. 準備の手順と時間配分
| 作業 | 時間 |
|---|---|
| 源泉徴収票で現年収を確認 | 3分 |
| 下限・希望・上限を決める | 5分 |
| 求人票のレンジと照合 | 3分 |
| 回答の文面を1つ作る | 5分 |
合計16分です。
作った文面は、面接の直前に一度声に出して読んでください。
数字を口に出すことに慣れていないと、その場で声が小さくなったり、言い直したりします。これだけで自信のなさが伝わります。
1回声に出すだけで、当日の言い方が変わります。
面接前日にやる1分の確認
3つの数字を、手帳かスマートフォンのメモに書いてください。
「下限420/希望460/上限500」
面接の直前に見返せば、その場で計算する必要がなくなります。
9. よくある質問
Q. 現年収を正直に言うべきですか
言ってください。盛るのは避けてください。
内定後に源泉徴収票の提出を求められる場合があり、そこで食い違うと信用の問題になります。実額を伝えるほうが、結果的に交渉しやすくなります。
Q. 現年収に固定残業代は含めますか
含めてください。総支給額で計算します。
ただし、応募先の給与に固定残業代が含まれているかは別に確認してください。同じ450万円でも、固定残業代の有無で実質が変わります。
Q. 賞与の見込みはどう扱いますか
実績ベースで計算してください。
「見込み」ではなく、直近1年の実際の支給額です。業績連動で変動する場合は、その旨を添えて構いません。
Q. 希望を高く言いすぎたと感じたらどうしますか
その場で訂正せず、次の説明で調整してください。
「金額よりも、役割と成長の機会を優先して考えております」
この一言を添えると、金額だけを見ている人ではないと伝わります。
Q. 「いくらでもいい」と本当に思っている場合は
それでも数字を出してください。
「いくらでも」と答えると、レンジの下限で提示されます。本当にこだわりがなくても、現年収を基準として伝えるほうが損をしません。
Q. 未経験の職種でも希望を言っていいですか
言って構いません。ただし、根拠を変えてください。
未経験の場合、経験を根拠にできません。生活の条件か、現年収からの下げ幅の許容範囲を根拠にしてください。
Q. エージェント経由の場合はどうなりますか
担当者が事前に企業へ伝えています。
そのため、面接で答える額は、担当者に伝えた額と一致させてください。食い違うと、双方が混乱します。事前に担当者と金額をすり合わせておいてください。
Q. 提示額が希望を下回ったらどうしますか
内定後に交渉できます。
面接での希望と、内定後の提示額が異なることはよくあります。その時点で、理由を添えて再度相談してください。提示を受け取ってすぐに辞退する必要はありません。
10. まとめ:今週やる3つのこと
1. 源泉徴収票を出して、現年収の総支給額を確認する。手取りではありません。
2. 下限・希望・上限の3つの数字を決めて、メモに書く。15分で終わります。
3. 回答の文面を1つ作り、声に出して1回読む。これで当日の言い方が変わります。
「規定に従います」は、提示額を下げる方向にしか働きません。数字を1つ出すだけで、結果が変わります。
この先、読むべき記事
- 第二新卒の年収交渉|2ヶ月で2社内定時の交渉実額を全公開(内定後の交渉)
- 現年収の伝え方|第二新卒が盛らずに交渉を有利にする書き方(現年収の伝え方)
- 求人票の年収の読み方|第二新卒が6項目に分解して比較する手順(レンジの読み方)
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- 面接の流れ|第二新卒が一次・二次・最終で見られる場所の違い(段階ごとの違い)
- 選考中のアンケート・任意項目|第二新卒が答え方を判断する(書面での希望年収)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。