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現年収の伝え方|第二新卒が盛らずに交渉を有利にする書き方【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約16分
現年収の伝え方|第二新卒が盛らずに交渉を有利にする書き方【2026年版】

〜盛らなくても、内訳を正しく書けば評価は変わります〜

転職活動では、必ず現在の年収を聞かれます。

エージェントの面談、応募フォーム、面接。どこかで必ず出てきます。

そして、多くの人がここで2つの失敗をします。

1つ目:手取りの金額を答えてしまう。

2つ目:内訳を書かずに、総額だけを答えてしまう。

1つ目は、実際より低い金額を伝えることになります。額面と手取りでは、2割前後の差があります。

2つ目は、より深刻です。

「年収380万円」とだけ書くのと、「年収380万円(基本給25万円、賞与年2回計44万円、みなし残業20時間分を含む)」と書くのでは、企業側の受け取り方が変わります。

後者は、基本給の水準が分かるため、提示額を組み立てやすくなります。

この記事では、正しい伝え方と、希望年収の決め方を整理します。

1. 結論:伝えるのは「額面」と「内訳」

#伝えること内容
額面の年収手取りではない
基本給月給からみなし残業を引いた額
賞与回数と、直近の支給実績
みなし残業の有無時間数と金額
主な手当住宅手当など、固定的に支給されるもの

この5つを揃えると、企業側は提示額を組み立てやすくなります。

書き方の例

昨年の年収は、額面で約380万円です。

内訳は、月給28万円(うち固定残業代20時間分・3万3千円を含む)、賞与が年2回で計約44万円です。手当は、通勤手当のみです。

基本給は24万7千円になります。

最後の1文が効きます。

基本給を明示すると、賞与の計算基準が分かり、企業側が提示額を設計しやすくなります。

2. 額面と手取りの違い

年収を聞かれたときは、必ず額面で答えてください。

用語内容
額面(総支給額)税金・社会保険料を引く前の金額
手取り(差引支給額)実際に振り込まれる金額

目安として、手取りは額面の75〜85%程度です。

つまり、額面380万円なら、手取りは約290〜320万円になります。

手取りの金額を「年収」として伝えると、実際より低く申告することになります。

そして、提示される年収も、それに引きずられます。

額面の確認方法

書類見る場所
源泉徴収票「支払金額」の欄
給与明細「総支給額」の欄(月額)
課税証明書「収入金額」の欄

最も確実なのは、源泉徴収票の「支払金額」です。

これが、その年の額面の年収です。

手元にない場合は、会社に再発行を依頼できます。

3. 編集長の実体験:手取りで答えて、提示額が下がりかけた

私が第二新卒で転職活動を始めたとき、最初のエージェントの面談で、現年収を手取りで答えました。

正確には、手取りだと気づいていませんでした。

毎月振り込まれる金額を12倍して、賞与を足した数字を伝えていました。

面談の後半で、担当者がこう聞きました。

担当者「その金額、源泉徴収票で確認されました?

「いえ。振り込まれてる額から計算しました」

担当者それ、手取りです

「……あ」

担当者額面だと、2割くらい上です。そのまま伝えると、提示額がその水準で組まれます」

「そんなに変わりますか」

担当者変わります。企業は『現年収+α』で提示を組むので、スタート地点が2割低いと、提示額も低くなります

その場で、源泉徴収票を確認しました。

担当者の言うとおりで、額面は伝えた金額より約70万円高い数字でした。

そして、もう1つ指摘されました。

担当者「あと、内訳も書いてください。基本給がいくらで、賞与がいくらか」

「総額だけじゃダメですか」

担当者ダメではないですが、損します。木戸さんの会社、みなし残業入ってますよね。それを書かないと、基本給が実際より高いと思われる可能性があります

ここで学んだのは、年収の伝え方1つで、提示額が変わるということです。

盛る必要はありません。正確に、内訳まで書くだけです。

そして、確認にかかった時間は5分でした。

4. 内訳の書き方

基本の型

年収:◯◯万円(額面/◯年実績)

・月給:◯◯万円(うち固定残業代◯時間分・◯万円を含む) ・基本給:◯◯万円 ・賞与:年◯回、計◯万円(◯年実績) ・手当:住宅手当◯万円/月、通勤手当(実費)

この形式で書けば、必要な情報がすべて揃います。

みなし残業がある場合

必ず明記してください。

書かないと、基本給が実際より高いと誤解されます。

書き方企業側の受け取り
「月給28万円」基本給が28万円だと解釈される可能性
「月給28万円(固定残業代20時間分・3万3千円を含む)」基本給24万7千円と正確に伝わる

後者の方が、実態に近い提示が受けられます。

賞与が変動する場合

直近の実績を書いてください。

「賞与は業績連動のため、年によって変動します。昨年の実績は年2回で計44万円、一昨年は計38万円でした。

「年2回」だけでは、金額が分かりません。

実績の金額を書いてください。

5. 在籍1年未満の場合

年収の実績がない場合の書き方です。

見込み年収を計算する

計算式

月給 × 12 + 賞与の見込み額

賞与の見込みは、就業規則または内定時の提示を基にしてください。

書き方の例

「現在の会社に入社して8ヶ月のため、年収の実績はございません。月給26万円(固定残業代なし)で、賞与は年2回・計2ヶ月分の規定です。

年間の見込みは、約364万円になります。

「見込み」であることを明記してください。

実績と見込みを混同すると、後で食い違いが出ます。

前職の年収も伝える

在籍が短い場合、前職の年収も伝えてください。

企業側が、水準を判断する材料になります。

「前職では、年収約350万円(額面)でした。現職は8ヶ月のため実績がなく、見込みで約364万円です。」

6. 希望年収の決め方

現年収を伝えると、次に「希望年収は」と聞かれます。

決め方の基準

状況希望年収の目安
同じ職種・同じ業界現年収と同等〜+10%
同じ職種・違う業界現年収と同等
違う職種(未経験)現年収と同等〜−10%も想定
明確に成長している業界へ+10%以上もあり得る

職種を変える場合、年収が下がる可能性を織り込んでください。

未経験の職種では、経験者と同じ水準は提示されません。

伝え方

伝え方の例

現年収と同等の380万円を希望しております。ただ、未経験の職種への挑戦になりますので、350万円程度までは検討可能です。

これを下回る場合は、生活の面で厳しくなります。

「下限」を明確に伝えてください。

これがないと、担当者はどこまで交渉すべきか判断できません。

そして、下限は現実的な数字にしてください。

生活費から逆算した金額であれば、根拠として説明できます。

「御社の規定に従います」は避ける

この答えは、判断を放棄しています。

そして、提示額は下限に近い水準になる可能性があります。

希望と下限を明示する方が、結果として良い提示につながります。

7. 盛るとどうなるか

現年収を実際より高く伝えた場合、次の経路で判明します。

経路タイミング
源泉徴収票の提出内定後〜入社時
課税証明書の提出内定後(求められる場合)
前職への確認まれ(本人の同意が必要)

源泉徴収票は、入社時の年末調整のために提出を求められることがあります。

そこに記載された「支払金額」が、申告した年収と大きく違えば、判明します。

判明した場合の影響

タイミング影響
選考中に訂正影響は小さい
内定後に判明提示条件の見直し、内定取り消しの可能性
入社後に判明経歴詐称として扱われる可能性

「少し盛る」程度でも、リスクに見合いません。

そして、盛らなくても、内訳を正確に書けば評価は変わります。

第4章のとおり、みなし残業を明記すれば、基本給の水準が正しく伝わります。

8. 交渉に使える材料

年収の交渉が通りやすいのは、根拠がある場合です。

材料交渉のしやすさ
他社からより高い提示がある最も強い
現年収が提示額より高い強い
応募先の求人票の上限に届いていない
資格・スキルが要件を上回る
単に「もっと欲しい」通らない

1行目が最も効きます。

ただし、実際に内定が出ている場合に限ってください。

虚偽の内定を材料にすると、企業に確認された場合に信用を失います。

交渉の依頼の仕方

エージェント経由なら、担当者に依頼してください。

提示いただいた条件について、1点ご相談させてください。

現年収が380万円で、提示が360万円となっております。現年収と同等の水準までご検討いただくことは可能でしょうか。

入社の意思は固まっております。

最後の1文を必ず入れてください。

「条件次第では辞退する」という含みがあると、交渉が難しくなります。

年収交渉の詳細は、専用の記事にまとめています。

9. よくある質問

年収は額面と手取り、どちらを答えますか?

額面です。手取りで答えると、実際より2割程度低く申告することになります。源泉徴収票の「支払金額」の欄が、額面の年収です。

源泉徴収票が手元にありません。

会社に再発行を依頼できます。または、市区町村で課税証明書を取得する方法もあります。直近の給与明細から概算することもできますが、賞与の反映に注意してください。

少しだけ高めに伝えてもいいですか?

やめてください。内定後に源泉徴収票の提出を求められることがあり、そこで差が判明します。盛らなくても、内訳を正確に書けば評価は変わります。

在籍1年未満で、年収の実績がありません。

見込み年収を計算して伝えてください。「月給×12+賞与の規定額」です。「見込み」であることを明記し、前職の年収もあわせて伝えてください。

希望年収を高く言うと、書類で落とされませんか?

可能性はあります。ただし、極端に高くなければ、大きな影響はありません。「現年収と同等」を基準にし、下限も明示してください。

「御社の規定に従います」と答えてもいいですか?

避けてください。判断を放棄していると受け取られ、提示額は下限に近くなる可能性があります。希望と下限を明示する方が、結果として良い提示につながります。

未経験の職種だと、年収は必ず下がりますか?

下がる可能性が高くなります。ただし、業界を変えることで維持できる場合もあります。下限を決めておき、それを下回る場合は他社を検討してください。

みなし残業を含む金額を、年収として伝えていいですか?

年収の総額としては、含めて構いません。ただし、みなし残業の時間数と金額を明記してください。明記しないと、基本給が実際より高いと誤解されます。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

現年収は、額面で、内訳まで書いて伝えてください。

盛る必要はありません。正確に書くだけで、提示額の組み立て方が変わります。

今夜やること

源泉徴収票の「支払金額」を確認する(額面の年収)

給与明細で、月給の内訳を確認する(基本給/固定残業代/手当)

第4章の型に当てはめて、年収の記載を1枚作る

目安時間:合計20分

①を必ずやってください。

私は、振り込まれる金額から計算して、手取りを年収として伝えていました。

額面は、その金額より約70万円高い数字でした。

確認にかかった時間は、5分です。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。