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エージェントにどこまで正直に話すか|第二新卒が隠すと不利になる5つ【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約16分
エージェントにどこまで正直に話すか|第二新卒が隠すと不利になる5つ【2026年版】

〜隠して困るのは、たいてい自分の方です〜

転職エージェントの面談で、どこまで正直に話すべきかは、多くの人が迷う点です。

「他社も使っていると言ったら、優先度が下がるのでは」 「在籍期間が短いことを、詳しく話したくない」 「現年収を低く言ったら、提示額が下がるのでは」

結論から言うと、次の5項目は、必ず正直に伝えてください。

隠しても、選考の途中か入社後に判明します。そして、判明したときの影響は、最初から伝えていた場合より大きくなります。

一方で、伝える義務のない情報もあります。

この線引きを理解しておくと、面談で迷わなくなります。

この記事では、正直に伝えるべき5項目と、伝えなくてよい情報を整理します。

1. 結論:正直に伝えるべき5項目

#項目隠すとどうなるか
現在の年収源泉徴収票で確認され、経歴詐称になり得る
在籍期間・職歴社会保険の記録で判明する
他社エージェントの利用状況重複応募が発生し、選考が止まる
選考中の企業重複応募のリスク
転職の希望時期・入社可能日内定後の調整が破綻する

①②は、事実関係の申告です。虚偽があると、経歴詐称として扱われる可能性があります。

③④は、実務上のリスクです。同じ企業に2つの経路から応募すると、企業とエージェントの間で調整が発生し、最悪の場合、両方の選考が止まります。

⑤は、内定後に必ず問題になります。

この5つを最初に伝えておけば、それ以外はかなり自由に話せます。

2. なぜ隠すと不利になるのか

それぞれ、判明する経路が決まっています。

項目判明する経路
現年収源泉徴収票・課税証明書(内定後に提出を求められる)
在籍期間雇用保険被保険者証・年金記録(入社手続き時)
職歴の有無同上
他社の利用企業側で応募が重複したときに判明
選考中の企業同上

①②は、入社手続きで必ず確認されます。

雇用保険被保険者証には、前職の情報が記載されています。

年金の記録にも、加入期間が残っています。

つまり、職歴を隠すことは、実務上ほぼ不可能です。

判明したときの影響

タイミング影響
面談中に訂正影響なし
選考中に判明選考が止まる可能性
内定後に判明内定取り消しの可能性
入社後に判明懲戒の対象になり得る

下に行くほど、影響が大きくなります。

だから、最初に言うのが最も安全です。

3. 編集長の実体験:他社の利用を伝えなかった1週間

私が第二新卒で転職活動をしていたとき、複数のエージェントに登録していました。

ただ、最初の面談では、そのことを伝えませんでした。

「他も使っていると言ったら、優先度が下がるのでは」と考えたからです。

結果として、1週間後に問題が起きました。

2社のエージェントから、同じ企業の求人を紹介されたのです。

私は気づかずに、両方に「応募します」と返答しました。

数日後、片方の担当者から連絡が来ました。

担当者「◯◯社の件ですが、既に別のエージェント経由で応募が入っていると、先方から連絡がありました

「……すみません、気づいていませんでした」

担当者他社さんも使われていますか

「はい。2社です」

担当者最初に言っていただければ、こちらで調整できました。今回は、先に応募が入った方で進めていただく形になります」

「選考には影響しますか」

担当者今回は大丈夫だと思います。ただ、企業によっては、この時点で見送りになることがあります。『管理ができていない候補者』と見られるので」

この一件で、応募先の管理表を作りました。

会社名、経路、応募日、状態。この4列を1枚にまとめて、紹介を受けるたびに確認するようにしました。

ここで学んだのは、隠して得られるものは何もなかったということです。

「他社を使っている」と伝えて優先度が下がることは、実際にはありませんでした。

担当者は、複数社の併用を前提に動いています。それが普通だからです。

4. ①② 年収と職歴の伝え方

① 現在の年収

正確な金額を伝えてください。

伝えること内容
額面の年収手取りではなく、額面
内訳基本給、賞与、みなし残業の有無
直近の実績昨年の実績(見込みではなく)

伝え方の例

昨年の年収は、額面で約380万円です。内訳は、月給28万円(うち固定残業代20時間分・3万3千円を含む)と、賞与が年2回で計約44万円です。」

「盛る」のは避けてください。

内定後に源泉徴収票の提出を求められることがあり、そこで差が判明します。

年収の伝え方については、専用の記事にもまとめています。

② 在籍期間・職歴

短くても、正確に伝えてください。

伝え方の例

「新卒で入社した会社に1年3ヶ月在籍し、退職しております。その後、3ヶ月の空白期間があり、現在の会社に入って8ヶ月です。

短い在籍期間や空白期間があると、伝えにくく感じます。

ただ、担当者はそれを前提に求人を選びます。

隠すと、通らない求人に応募することになり、時間を無駄にします。

そして、事実を伝えたうえで、「その期間に何をしていたか」を説明できるようにしてください。

5. ③④ 他社の利用と選考中の企業

③ 他社エージェントの利用

正直に伝えてください。

伝え方の例

現在、御社を含めて2社のエージェントを利用しております。重複応募を避けたいので、紹介いただく際に、既に応募済みの企業がありましたらお伝えします。」

担当者は、複数社の併用を前提に動いています。

むしろ、伝えておくことで、次のメリットがあります。

メリット内容
重複応募を防げる応募済みの企業を除外して紹介される
進行の速度が合う他社の選考状況を踏まえた提案がされる
内定時の交渉に使える他社の内定が交渉の材料になる

3つ目は、実際に効きます。

「他社から内定が出ており、回答期限が◯日です」という状況は、担当者が企業に交渉する材料になります。

④ 選考中の企業

企業名まで伝えるかは、判断が分かれます。

情報伝えるか
選考中の社数伝える
選考の段階(一次/最終)伝える
企業名重複を避けるために伝える
他社の提示年収内定後なら伝えてよい

企業名は、重複応募を防ぐために伝えてください。

担当者が、その企業を紹介対象から除外できます。

「他社経由で応募済みです」と一言伝えるだけで十分です。

6. ⑤ 転職の希望時期

これを曖昧にすると、内定後に必ず問題になります。

伝えること内容
転職の希望時期「3ヶ月以内」など
入社可能な最短日引き継ぎ期間を考慮した日
現職の退職の申し出期限就業規則の規定

伝え方の例

3ヶ月以内の転職を希望しております。現職の就業規則で、退職の申し出は1ヶ月前までと定められています。引き継ぎを含めて、内定から2ヶ月あれば入社可能です。

「なるべく早く」は避けてください。

具体的な日数がないと、企業側も調整できません。

そして、「まだ迷っている」という状態も、正直に伝えてよいです。

「転職するかどうか、まだ完全には決めきれていません。ただ、求人を見て判断したいので、まず情報をいただければと考えております。

ただし、この状態を伝えると、紹介の優先度は下がります。

担当者は、決まる可能性の高い候補者から対応するためです。

7. 伝えなくてよいこと

次の情報は、伝える義務がありません。

情報扱い
健康状態・通院歴業務に支障がない限り、伝える義務はない
家族の状況転勤の可否に関わる場合のみ、必要な範囲で
思想・信条・宗教聞かれても答える義務はない
貯蓄・資産の状況伝える必要はない
前職の詳細な人間関係転職理由として必要な範囲で十分
交際・結婚の予定伝える義務はない

これらを聞かれた場合、答えなくて構いません。

職業安定法に基づく指針では、人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地、思想・信条、労働組合への加入状況などの個人情報は、原則として収集してはならないとされています。

もしこれらを繰り返し聞かれる場合は、担当者の変更を申し出るか、別のエージェントの利用を検討してください。

転職理由の「本音」

転職理由については、事実を伝えつつ、表現は選んで構いません。

本音伝え方
上司と合わない「議論しながら進める環境で働きたい」
残業が多くて限界「業務の質を上げることに時間を使いたい」
給与が低い「成果が評価に反映される環境で働きたい」

ただし、担当者には本音を伝えた方が、合う求人が紹介されます。

「上司と合わなかったので、次はチームの雰囲気を重視したい」と伝えれば、担当者はそれを踏まえて選びます。

そして、企業に対しては、担当者が適切な表現に整えて推薦文を書きます。

推薦文の中身については、専用の記事にまとめています。

8. 企業に伝わる情報・伝わらない情報

担当者に話した内容が、すべて企業に伝わるわけではありません。

情報企業に伝わるか
職務経歴・年収伝わる
転職理由伝わる(整えられた形で)
面談での印象推薦文に書かれる
他社の選考状況社数程度は伝わることがある
他社の企業名通常は伝わらない
面談での雑談の内容業務に関係なければ伝わらない
健康状態本人の同意なく伝えるべきでない情報

担当者には守秘義務があり、収集した個人情報を目的外で第三者に提供することは、法令上も制限されています。

ただし、「企業への推薦に必要な情報」は、当然に伝わります。

気になる場合は、「この点は企業に伝えないでいただけますか」と明示的に依頼してください。

担当者は、その依頼に従います。

9. よくある質問

他社エージェントを使っていると言うと、優先度が下がりませんか?

下がりません。担当者は、複数社の併用を前提に動いています。むしろ、伝えないことで重複応募が発生し、選考が止まるリスクの方が大きくなります。

現年収を高めに伝えてもいいですか?

やめてください。内定後に源泉徴収票や課税証明書の提出を求められることがあり、そこで差が判明します。虚偽の申告は、経歴詐称として扱われる可能性があります。

在籍期間が短いことを、詳しく話したくありません。

期間は正確に伝えてください。ただし、退職の詳細な事情まで話す必要はありません。「業務内容が説明と異なっていたため」など、事実を簡潔に伝えれば十分です。

転職するか迷っている段階でも、正直に言っていいですか?

言ってよいです。ただし、紹介の優先度は下がる可能性があります。「求人を見て判断したい」と伝えれば、情報提供はしてもらえます。

健康状態を聞かれました。答えるべきですか?

業務に支障がない限り、伝える義務はありません。「業務に支障はありません」で十分です。繰り返し聞かれる場合は、担当者の変更を申し出てください。

担当者に話したことは、企業に全部伝わりますか?

すべては伝わりません。推薦に必要な情報が伝わります。企業に伝えたくない情報がある場合は、「この点は伝えないでいただけますか」と明示的に依頼してください。

選考中の企業名を伝える必要はありますか?

重複応募を防ぐために、伝えてください。担当者は、その企業を紹介対象から除外します。企業名を伝えるのが難しい場合は、少なくとも「他社経由で応募済みの企業があります」と伝えてください。

面談で嘘をついてしまいました。訂正できますか?

できます。すぐに訂正してください。面談中や面談直後の訂正であれば、実務上の影響はほぼありません。選考が進んでから判明する方が、はるかに影響が大きくなります。

10. まとめ:次の面談でやる3つのこと

エージェントに正直に伝えるべきは5項目です。

現年収、在籍期間・職歴、他社の利用状況、選考中の企業、転職の希望時期。

この5つは、隠しても後で判明します。そして、判明が遅いほど影響が大きくなります。

次の面談でやること

昨年の年収を、額面と内訳で書き出す(源泉徴収票を確認)

他社エージェントの利用状況と、応募済みの企業名を一覧にする

入社可能な最短日を、就業規則から逆算して出す

目安時間:合計30分

②を必ずやってください。

私は、これをやらずに重複応募を発生させました。

会社名・経路・応募日・状態の4列の表を1枚作るだけで、防げます。

そして、「他社も使っています」と伝えて優先度が下がることは、実際にはありませんでした。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。