エージェント経由で内定を辞退する|担当者と企業への伝え方【2026年版】
エージェント経由で進んだ選考を辞退するとき、多くの人が迷います。誰に、いつ、どこまで理由を言うのか。
直接応募と違って、間に担当者がいます。この人の立場を理解しておくと、伝え方が決まります。エージェントは、候補者が入社して初めて報酬を得る仕組みで動いています。辞退は、担当者にとって成果がゼロになることを意味します。
だからといって、遠慮する必要はありません。ただ、伝える順番とタイミングを守ると、その後の関係が保たれます。
1. 結論:担当者に先、企業には担当者経由
順番
1、担当者に伝える。電話またはメール。決めたその日に。
2、企業への連絡は担当者に任せる。自分から企業に直接連絡する必要は、通常ありません。
3、企業に直接お礼を伝えたい場合は、担当者に確認してから。
やってはいけないのは、企業に先に伝えることです。担当者が知らないところで話が進むと、後の調整が混乱します。
タイミングは、決めたその日です。1日でも早いほうが、企業側も次の候補者に動けます。
2. 辞退の種類と伝え方の違い
| 種類 | タイミング | 伝え方 |
|---|---|---|
| 紹介された求人を断る | 紹介を受けて3日以内 | メールで十分 |
| 書類選考を辞退 | 応募後、選考前 | メールで十分 |
| 面接を辞退 | 日程が決まる前後 | メール。直前なら電話 |
| 内定を辞退 | 決めたその日 | 電話が望ましい |
| 内定承諾後に辞退 | 決めたその日 | 電話必須 |
下に行くほど、企業側の負担が大きくなります。
4行目と5行目は電話にしてください。メールだけだと、担当者が企業に説明しにくくなります。
5行目(承諾後の辞退)は、可能な限り避けてください。企業は採用枠を確保し、入社の準備を進めています。迷いがある段階なら、承諾を待ってもらう依頼のほうが、影響がはるかに小さく済みます。
3. 編集長の実体験:連絡を3日遅らせた失敗
自分が転職活動をしていたとき、辞退の連絡を3日遅らせたことがあります。
理由は、言いにくかったからです。担当者に何度も面談してもらい、書類も添削してもらった。その相手に「行きません」と言うのが気まずかった。
担当者「ご連絡ありがとうございます。承知しました」
私「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
担当者「大丈夫です。ただ、先方が入社日の調整を進めていたので、そこだけお伝えします」
3日の間に、企業側は準備を進めていました。
気まずさは、遅らせても消えません。むしろ増えます。そして、遅らせた分だけ相手の負担が増えます。
その後は、決めたその日に連絡するようにしました。結果として、担当者の反応は毎回あっさりしています。
辞退は日常的に起きることです。担当者は慣れています。気まずいのはこちらだけで、相手はすでに次の動きを考えています。
4. 電話での伝え方
内定辞退の電話の型
1、名乗る。 2、結論を言う。 3、理由を簡潔に述べる。 4、お礼と謝罪。
例
「お世話になっております。〇〇です。〇〇社の内定の件でご連絡いたしました。大変申し訳ないのですが、辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。他社からも内定をいただいており、業務内容を比較したうえで、そちらへの入社を決めました。ご紹介いただき、面接の対策までしていただいたにもかかわらず、このような結果となり申し訳ございません。」
理由は1文で十分です。詳しく説明する必要はありません。
担当者から聞かれること
| 質問 | 答え方 |
|---|---|
| 「どちらに決められましたか」 | 社名を言っても言わなくても構いません |
| 「決め手は何でしたか」 | 事実で答える(業務内容、条件など) |
| 「条件が変われば検討いただけますか」 | 検討の余地がなければ、はっきり断る |
3行目に注意してください。企業側が条件を上げてくることがあります。検討の余地がないなら、「条件ではなく業務内容で判断したので、変わりません」と明確に伝えてください。曖昧にすると、話が続きます。
5. メールでの文面
紹介された求人を断る場合
お世話になっております。〇〇です。
〇〇社のご紹介、ありがとうございました。
内容を拝見しましたが、勤務地が希望と合わないため、
今回は応募を見送らせていただきます。
引き続き、東京勤務の求人を中心にご紹介いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
断る理由を1つ添えると、次の紹介の精度が上がります。
選考を辞退する場合
お世話になっております。〇〇です。
〇〇社の選考につきまして、大変申し訳ないのですが
辞退させていただきたくご連絡いたしました。
他社の選考が進んでおり、そちらに集中したいと考えたためです。
お時間をいただいたにもかかわらず、申し訳ございません。
引き続きよろしくお願いいたします。
内定辞退(電話の後に送る場合)
お世話になっております。〇〇です。
先ほどはお電話にてご連絡させていただき、
ありがとうございました。
〇〇社の内定につきまして、あらためて辞退の意思を
お伝えいたします。ご紹介から面接の対策まで
ご対応いただいたにもかかわらず、申し訳ございません。
〇〇様には大変お世話になりました。
今後ともよろしくお願いいたします。
最後の1文を入れると、関係が続きます。今回は辞退でも、将来また使う可能性があります。
6. 理由をどこまで言うか
言う必要があること
- 他社に決めた(事実)
- 判断の軸(業務内容、条件、勤務地など)
言わなくてよいこと
- 他社の社名
- 具体的な提示年収
- 面接での印象など、主観的な内容
ただし、担当者に正直に伝えるほうが得な場合があります。
理由:判断の軸が分かれば、次の紹介の精度が上がります。「業務内容で決めた」と伝えれば、次からは条件より業務内容を重視した紹介が来ます。
伝え方の例
「年収は御社紹介の会社のほうが高かったのですが、新規開拓の比重が高いほうを選びました。今後も、条件より業務内容を優先してご紹介いただけると助かります。」
この一言で、次の紹介が変わります。
言わないほうがよいこと
| 内容 | 理由 |
|---|---|
| 企業への批判 | 担当者が企業に伝えることになる |
| 担当者への不満 | 辞退の場では別の話になる |
| 曖昧な理由 | 「なんとなく」だと話が続く |
辞退の理由別の伝え方
理由によって、伝え方が少し変わります。
他社に決めた場合
「他社からも内定をいただいており、業務内容を比較したうえで、そちらへの入社を決めました。」
最も一般的な形です。比較した軸を1つ添えると、次の紹介の精度が上がります。
条件が合わなかった場合
「ご提示いただいた条件を検討しましたが、勤務地の面で折り合いがつかず、辞退させていただきます。」
何が合わなかったかを具体的に言ってください。「条件が合わない」だけだと、次も同じ求人が来ます。
面接を受けて志望度が下がった場合
「面接でお話を伺い、業務内容が想定と異なることが分かりました。私が希望する〇〇の比重が小さいため、辞退させていただきます。」
企業の批判にせず、自分の希望との差として述べてください。
現職に残ることにした場合
「現職で異動の話が出ており、そちらで様子を見る判断をいたしました。」
この場合も、活動を続けるかどうかを伝えてください。
| 理由 | 伝えるときの要点 |
|---|---|
| 他社に決めた | 比較の軸を1つ添える |
| 条件が合わない | 何の条件かを具体的に |
| 志望度が下がった | 企業の批判にしない |
| 現職に残る | 活動を続けるか伝える |
どの理由でも、担当者が次に何をすればよいかが分かる形にするのが要点です。
7. 辞退した後の関係
辞退しても、その後も使えます。むしろ、多くの人がここを誤解しています。
やること
1、活動を続ける場合は、その旨を伝える。「引き続きご紹介いただけますと幸いです」の一文を入れてください。
2、活動を終える場合も、その旨を伝える。放置すると、担当者が連絡を続けることになります。
3、入社後に報告する。これは任意ですが、印象が良くなります。「〇月に入社しました。お世話になりました」の1通で十分です。
担当者との関係が続くと
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 次の転職で早く動ける | 経歴を把握してもらっている |
| 業界の情報が入る | 市場の状況を聞ける |
| 紹介を頼める | 知人を紹介する側にもなれる |
第二新卒の転職は、多くの場合これで終わりではありません。数年後にまた動く可能性があります。そのとき、一から説明し直すより、経歴を知っている担当者がいるほうが早い。
辞退の伝え方は、その関係を残せるかどうかを決めます。
8. 進め方と時間配分
| 手順 | やること | 目安時間 |
|---|---|---|
| 1 | 辞退を決めたら、その日のうちに担当者へ電話 | 10分 |
| 2 | 電話の後、確認のメールを送る | 10分 |
| 3 | 他に選考中の企業があれば、同時に辞退の連絡 | 各10分 |
| 4 | 活動を続けるか終えるかを担当者に伝える | メールに1文 |
| 5 | 入社後、報告のメールを送る(任意) | 5分 |
手順3を忘れないでください。1社に決めたら、他の選考中の企業すべてに辞退の連絡が必要です。応募管理のシートで、進行中の会社を確認してください。
手順1が最も重要です。「明日でいいか」と思った時点で、相手の負担が増えています。
9. よくある質問
辞退の連絡は電話とメールのどちらですか
内定辞退は電話が望ましいです。紹介や選考の辞退はメールで構いません。
担当者に引き止められたら
判断が変わらないなら、はっきり断ってください。「業務内容で判断したので、条件が変わっても同じです」と明確に伝えます。
企業に直接お礼を伝えたいのですが
担当者に確認してから連絡してください。エージェント経由の応募では、企業とのやり取りは担当者を通すのが原則です。
辞退すると、以降の紹介が減りますか
減りません。辞退は日常的に起きることです。ただし、理由を伝えないと、次の紹介の精度が上がりません。
承諾後に辞退したい場合は
その日のうちに電話してください。企業への影響が大きいため、可能な限り避けたい状況です。判断に迷う段階なら、承諾を待ってもらう依頼のほうが影響が小さく済みます。
複数のエージェントを使っていることを言うべきですか
聞かれれば答えて構いません。自分から言う必要はありませんが、隠す必要もありません。
辞退の理由を正直に言うと角が立ちませんか
事実を述べる限り、角は立ちません。企業や担当者への批判にならないよう注意してください。
活動を中断する場合も連絡が必要ですか
必要です。放置すると、担当者が連絡を続けることになります。「〇月頃に再開する予定です」と添えると、再開時に話が早くなります。
10. まとめ:辞退を決めたらやる3つのこと
辞退の伝え方は、タイミングがすべてです。
1つめ、決めたその日に担当者へ電話する。気まずさは遅らせても消えません。むしろ、相手の負担が増えます。所要10分。
2つめ、判断の軸を1文で伝える。「条件ではなく業務内容で決めた」など。この一言で、次の紹介の精度が変わります。所要1分。
3つめ、他に選考中の企業がないか確認して、まとめて辞退の連絡をする。応募管理のシートを見て、進行中の会社を洗い出してください。所要30分。
辞退しても、担当者との関係は続けられます。数年後にまた使う可能性を考えると、伝え方に10分かける価値があります。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。