転職エージェントの断り方|第二新卒が使える文面と場面別の手順【2026年版】
〜断りにくいと感じている人ほど、丁寧に書きすぎて時間を使っています〜
転職エージェントを利用していると、断る場面が必ず出てきます。
紹介された求人に興味が持てない。選考の途中で辞退したい。内定を辞退したい。そもそもエージェントの利用自体をやめたい。
いずれも、断ることに問題はまったくありません。エージェントの担当者は、日常的に辞退の連絡を受けています。あなたの辞退が、担当者にとって特別な出来事になることはありません。
ただし、場面ごとに適切な伝え方があります。特に内定辞退は、企業への影響が大きいため、伝え方と速さが重要です。この記事では、そのまま使える文面を8パターン用意しました。
1. 結論:断り方は3つのルールで決まる
① 早く伝える
断ることそのものより、遅れることのほうが問題になります。選考の日程調整や、企業への連絡が発生するためです。決めたその日に伝えてください。
② 理由は簡潔に。詳しく説明しない
長文の説明は不要です。「他社で内定をいただいたため」「業務内容が希望と異なるため」の一行で十分です。詳しく書くと、かえって説得の余地を与えることになります。
③ メールで構わない
電話でなければ失礼、ということはありません。ただし、内定辞退だけは電話+メールの両方が望ましいです。企業への連絡が急がれるため、確実に伝わる方法を選びます。
2. 場面別・断り方の一覧
| 場面 | 伝え方 | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 紹介された求人を断る | メール1通 | 提案から2〜3日以内 |
| 面接の日程を辞退する | メール(急ぎなら電話) | 決めたその日 |
| 選考の途中で辞退する | メール(電話が望ましい) | 決めたその日 |
| 内定を辞退する | 電話+メール | 決めたその日、遅くとも翌日 |
| エージェントの利用を終了する | メール1通 | いつでも |
| 担当者の変更を依頼する | メールまたは電話 | いつでも |
内定辞退だけが「電話+メール」なのには理由があります。企業側は入社に向けた準備(受け入れ体制、他の応募者への連絡)を進めているため、1日の遅れが実務に影響します。メールだけだと、担当者が気づくまでにタイムラグが生じます。
3. 編集長の実体験:断りにくくて3日遅らせた失敗
私の第二新卒の転職活動では、内定を2社からいただきました。1社を選び、もう1社を辞退する必要がありました。
その辞退の連絡を、3日遅らせました。
当時の心境
「担当のエージェントの方が、本当に親身に対応してくれた人だった。書類も何度も見てくれたし、面接の前には電話で練習にも付き合ってくれた。
その人が紹介してくれた会社を断るのが、どうしても言い出しにくかった。何と言えばいいか分からなくて、メールの下書きを書いては消していた」
3日後に電話したときのこと
私「大変申し訳ないのですが、他社の内定を受諾することにいたしました」
担当者「そうでしたか。ご報告ありがとうございます。差し支えなければ、決め手を教えていただけますか」
私「無形商材の営業として、企画にも関われる範囲が広いという点でして……」
担当者「なるほど、それは納得です。良い選択だと思いますよ。企業には私から連絡しておきますね」
私「あの、本当に申し訳ありませんでした」
担当者「いえいえ。ただ、次からはもう少し早くご連絡いただけると助かります。企業さんも入社の準備を進めているので」
最後の一言が、まさに私の失敗でした。
3日間、私は「どう伝えるか」を悩んでいました。でも、担当者にとって重要だったのは伝え方ではなく、伝わる速さでした。
断ること自体は、まったく問題ではありません。問題なのは、遅れることだけです。この順序を間違えていました。
もう一つ気づいたことがあります。担当者は「決め手」を知りたがりました。これは責めているのではなく、次の求職者への提案に活かすためです。簡潔に理由を伝えるのは、担当者にとっても有益な情報になります。
4. そのまま使える文面8パターン
①紹介された求人を断る(最も頻度が高い)
件名:ご紹介いただいた求人について(氏名)
◯◯様
お世話になっております。◯◯です。
ご紹介いただきました株式会社◯◯の求人につきまして、検討いたしましたが、今回は応募を見送らせていただきます。
業務内容が◯◯(例:既存顧客の対応が中心)である点が、現在希望している方向と異なるためです。
お手数をおかけしますが、引き続きよろしくお願いいたします。
ポイント:理由を1つだけ添えると、次の紹介の精度が上がります。「希望と異なるため」だけだと、担当者は何を修正すべきか分かりません。
②面接の日程を辞退する
件名:◯◯社の面接辞退のご連絡(氏名)
◯◯様
お世話になっております。◯◯です。
◯月◯日に予定しております株式会社◯◯の面接につきまして、大変申し訳ありませんが辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
選考を進めるなかで、業務内容が希望と異なると判断したためです。
直前のご連絡となり申し訳ございません。よろしくお願いいたします。
③選考の途中で辞退する
件名:株式会社◯◯の選考辞退について(氏名)
◯◯様
お世話になっております。◯◯です。
株式会社◯◯の選考につきまして、辞退させていただきたくご連絡いたしました。
他社の選考が進んでおり、そちらに注力したいと考えたためです。
ご調整いただいたにもかかわらず、申し訳ございません。引き続きよろしくお願いいたします。
④内定を辞退する(メール。電話の後に送る)
件名:内定辞退のご連絡(氏名)
◯◯様
お世話になっております。◯◯です。
先ほどお電話でもお伝えしましたが、株式会社◯◯よりいただいた内定につきまして、辞退させていただきます。
他社よりいただいた内定を受諾することといたしました。◯◯(例:企画業務に関われる範囲)を重視して判断いたしました。
選考にあたり多くのご支援をいただきながら、このような結果となり申し訳ございません。◯◯様のご対応には大変助けられました。ありがとうございました。
ポイント:感謝を1文入れると、文面が締まります。ただし、謝罪を繰り返す必要はありません。1回で十分です。
⑤内定辞退の電話(話す内容)
「お世話になっております。◯◯です。
株式会社◯◯の内定について、ご連絡いたしました。大変申し訳ないのですが、辞退させていただきたく存じます。
他社からも内定をいただいており、そちらを受諾することにいたしました。
ご支援いただいたにもかかわらず、申し訳ございません。この後、メールでも同じ内容をお送りいたします。」
電話は1分で終わります。理由を詳しく説明しようとすると長引くので、簡潔に。「決め手は何でしたか」と聞かれたら、そこで答えれば十分です。
⑥エージェントの利用を終了する
件名:転職活動終了のご連絡(氏名)
◯◯様
お世話になっております。◯◯です。
このたび転職先が決まりましたため、貴社のサービス利用を終了させていただきます。
在職中の限られた時間のなかで、日程調整や書類の添削など、多くのご支援をいただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
⑦転職活動自体を中断する場合
件名:転職活動の一時中断について(氏名)
◯◯様
お世話になっております。◯◯です。
現在の状況を踏まえ、転職活動を一旦中断することといたしました。
恐れ入りますが、当面のあいだ求人のご紹介を控えていただけますと幸いです。再開する際には、あらためてご連絡いたします。
よろしくお願いいたします。
退会せずに中断する場合、この文面が使えます。後で再開しやすくなります。
⑧担当者の変更を依頼する
件名:担当者変更のご相談(氏名)
ご担当者様
お世話になっております。◯◯と申します。
現在◯◯様にご担当いただいておりますが、希望する職種の方向性について認識をすり合わせることが難しく、担当の変更をご相談させていただきたくご連絡いたしました。
お手数をおかけしますが、ご検討いただけますと幸いです。
担当者変更は、多くのエージェントで受け付けています。問い合わせ窓口か、公式サイトの問い合わせフォームから連絡してください。担当者本人に直接伝える必要はありません。
5. 断るときにやってはいけない5つ
| やってはいけないこと | なぜ問題か |
|---|---|
| 連絡せずに放置する | 企業への連絡が滞り、実害が出る。以降の利用にも影響 |
| 内定辞退をメールだけで済ませる | 気づくのが遅れ、企業への連絡が遅くなる |
| 嘘の理由を伝える | 次の紹介の精度が下がる。整合性がとれなくなる |
| 謝罪を長々と繰り返す | 読む時間を取らせる。1回で十分 |
| 内定承諾後に辞退する | 企業に大きな影響。可能な限り避ける |
最後の項目について補足します。内定を承諾した後の辞退は、法的には可能です(労働契約は解約できます)。ただし、企業は採用計画を変更する必要があり、他の候補者にも影響します。
そのため、内定承諾の判断は、他社の結果が出揃ってから行うのが原則です。承諾の期限が迫っている場合、エージェントに「他社の結果を待ちたい」と相談してください。期限の延長交渉は、エージェントの主要な業務のひとつです。
6. しつこい連絡への対応
担当者からの連絡が多すぎる、断ったのに同じ求人を勧められる。この場合の対処です。
段階1:頻度と手段を指定する
「恐れ入りますが、平日日中は業務のため電話に出られません。ご連絡はメールでいただけますと幸いです。また、求人のご紹介は週1回程度でお願いできますでしょうか。」
これで多くの場合は解決します。担当者は、指定がなければ最大限の頻度で連絡するのが標準的な動き方です。
段階2:担当者の変更を依頼する
頻度を伝えても改善しない場合、担当変更を依頼してください(第4章の文面⑧)。これは正当な依頼であり、遠慮する必要はありません。
段階3:利用を終了する
それでも改善しない場合、退会してください。無料サービスなので、合わないエージェントを使い続ける理由はありません。
「応募を急かされる」場合
「この求人は今日中に返事をしてください」と言われた場合、その求人が本当に急ぎなのか、担当者の都合なのかを確認してください。「検討に2日いただけますか」と伝えて、それが通らない求人は、入社後も同じペースを求められる可能性があります。
7. 断った後の関係はどうなるか
断っても、その後の紹介が止まることはありません。エージェントは、あなたが転職を決めることで報酬を得る仕組みなので、辞退されても次の求人を提案するのが自然な動きです。
| 状況 | その後 |
|---|---|
| 求人紹介を断った | 次の求人が提案される。問題なし |
| 選考を辞退した | 次の求人が提案される。問題なし |
| 内定を辞退した | 通常は問題なし。ただし理由は聞かれる |
| 内定承諾後に辞退した | 以降の利用に影響する可能性がある |
| 連絡せずに放置した | 以降の利用に影響する可能性がある |
影響が出るのは、下の2つだけです。それ以外は、通常の転職活動の範囲内の出来事として扱われます。
8. 複数エージェントを使っている場合の注意
複数のエージェントを併用している場合、断る場面が増えます。次の点に注意してください。
注意1:同じ企業を複数のエージェントから紹介された場合
先に紹介を受けたエージェント経由で応募するのが原則です。後から紹介された側には、「すでに他社経由で選考が進んでいます」と伝えてください。重複応募になると、企業側で混乱が生じます。
注意2:内定が出た時点で、他のエージェントにも連絡する
進行中の選考がある場合、辞退の連絡が必要です。内定が出た日のうちに、全エージェントに状況を伝えてください。
注意3:応募状況を1枚の表で管理する
| エージェント | 企業名 | 選考段階 | 状況 |
|---|---|---|---|
| A社 | 株式会社◯◯ | 二次面接済 | 進行中 |
| B社 | 株式会社△△ | 内定 | 承諾済 |
| B社 | 株式会社□□ | 一次面接済 | 要辞退連絡 |
この表がないと、辞退の連絡漏れが発生します。これが最も多いトラブルです。
9. よくある質問
断ると、次から良い求人を紹介してもらえなくなりませんか?
なりません。むしろ、断る理由を伝えることで、次の提案の精度が上がります。「業務内容が既存顧客中心である点が希望と異なる」と伝えれば、担当者は新規開拓中心の求人を探すようになります。断るのは、方向修正の機会でもあります。
電話で断るのが苦手です。メールだけではダメですか?
内定辞退以外は、メールだけで問題ありません。求人紹介の辞退、選考途中の辞退、利用終了は、すべてメールで完結します。内定辞退だけは、企業への連絡が急がれるため、電話も入れてください。電話は1分で終わります。
内定承諾後に、どうしても辞退したくなりました。
可能な限り早く、電話で伝えてください。法的には辞退できますが、企業と担当者に大きな影響が出ます。伝える際は、理由を簡潔に述べ、謝罪は簡潔に。「申し訳ありません」を繰り返すより、早く伝えることのほうが、実質的な誠意になります。
理由を詳しく聞かれたら、どう答えればいいですか?
簡潔に、事実だけを答えてください。「他社の内定を受諾しました」「業務内容が希望と異なりました」で十分です。詳しく答える義務はありません。ただし、担当者が理由を聞くのは、次の求職者への提案に活かすためなので、答えられる範囲で伝えると相手にとっても有益です。
担当者を変えてほしいと言うのは失礼ですか?
失礼ではありません。多くのエージェントが担当変更の仕組みを持っており、日常的に対応しています。担当者本人に伝えづらい場合、問い合わせ窓口や公式サイトのフォームから連絡してください。理由は「希望する職種の認識をすり合わせるのが難しい」程度で十分です。
退会したら、応募中の選考はどうなりますか?
応募中の選考がある場合は、退会しないでください。エージェント経由の応募は、担当者が企業との窓口になっているため、退会すると連絡が途切れます。すべての選考が終わってから退会してください。
「あなたのためを思って」と言われて断りにくいです。
担当者の善意は本物であることが多いですが、判断はあなたのものです。「ご助言ありがとうございます。検討したうえで、今回は見送らせていただきます」で終わらせて構いません。説得が続く場合、それは担当者の目標数字が関係している可能性もあります。断る理由を説明しすぎず、結論だけを繰り返してください。
断った企業に、後から応募し直せますか?
可能な場合もありますが、印象は良くありません。特に、選考途中や内定を辞退した企業への再応募は、慎重に判断してください。求人紹介の段階で見送っただけなら、後から応募することに問題はありません。担当者に「やはり検討したい」と伝えれば、進めてもらえます。
10. まとめ:今夜やる3つのこと
断ることは、転職活動の通常の一部です。悩む時間より、伝える速さのほうが重要です。
今夜やること
① 現在、返事を保留している連絡がないか確認する(求人の紹介、日程の打診)
② 断ると決めているものがあれば、第4章の文面をコピーして、今日中に送る
③ 複数エージェントを使っている場合、応募状況を1枚の表にまとめる(エージェント名/企業名/選考段階/状況)
③をやっておくと、内定が出たときの辞退連絡が漏れません。これが、複数エージェント利用で最も多いトラブルなので、先に潰しておいてください。
この先、読むべき記事
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- エージェントから紹介が来ないとき|第二新卒が動かすための3手(逆に連絡が来ないとき)
- 内定承諾の判断|第二新卒が返事をする前に確認する12項目(承諾の判断)
- 内定辞退の伝え方|第二新卒が角を立てずに断る手順と例文全文(企業への直接の辞退)
- 転職エージェント担当者の見極め方|第二新卒が初回面談で判別する6項目(担当者が合わないとき)
- エージェントの担当変更を頼む|角を立てずに伝える言い方(担当変更という選択肢)
- エージェント経由で内定を辞退する|担当者と企業への伝え方(内定を辞退する場合)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。