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モバイルアプリエンジニアへ転職する|第二新卒が入る順番と学習の設計【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約18分
モバイルアプリエンジニアへ転職する|第二新卒が入る順番と学習の設計【2026年版】

〜作ったものを人に見せやすい、という一点が有利に働く領域です〜

未経験からエンジニアを目指すとき、多くの人はWebサービスの開発を選びます。その一方で、スマートフォンアプリの開発という選択肢は、あまり検討されません。

ただし、この領域には未経験にとっての利点があります。作ったものを実際に手元の端末で動かせるため、面接で見せやすいのです。

一方で、Web系にはない制約もあります。配信の前に審査があり、公開後の修正がすぐには反映されません。この違いを知らずに入ると、開発の進め方でずれが生じます。

この記事では、Web系との違いから整理して、入り方をまとめます。

1. 結論:押さえるべきは3点

この領域を考えるときの3つの前提

作ったものを手元で動かせるので、面接で見せやすい

配信前の審査があり、Web系のようにすぐ直せない

自社サービスか受託かで、仕事の性質が変わる

②が最大の違いです。

Webサービスは不具合が見つかれば直して即座に反映できますが、アプリは配信の仕組みを通す必要があります。そのため、出す前の確認に時間をかける文化があります。

この理解を面接で示せると、業務の実態を分かっていると伝わります。

2. Web系との違い

Webサービスモバイルアプリ
公開の方法自分たちで反映配信の仕組みを通す
修正の速さすぐ反映できる反映まで時間がかかる
動作環境ブラウザ端末とその世代
端末の機能使える範囲が限られるカメラ、位置、通知などを使える
利用者との距離サイトを開いてもらう端末に常駐する

「端末の機能を使える」という点が、この領域の面白さです。

カメラ、位置情報、通知といった機能を組み合わせて、Webではできない体験を作れます。

一方で、端末の世代や画面の大きさの違いに対応する必要があります。ここが、開発の手間として現れます。

職種全体の位置関係はエンジニアの職種の違い|入口を選ぶための地図を参照してください。

通知という仕組み

アプリが持つ大きな武器が、端末への通知です。

利用者に届く手段を持っているため、事業として継続的な接点が作れます。そのため、企業がアプリを持ちたがる理由の一つになっています。

この文脈を知っていると、「なぜこの会社がアプリを作るのか」を面接で話せます。

3. 自社サービスと受託の違い

自社サービス受託開発
作るもの自社のアプリを育てる顧客のアプリを作る
期間長期で改善を続ける案件ごとに区切られる
経験の幅一つを深く複数の種類に触れる
数字との関係利用状況を見て判断する仕様に沿って作る
未経験の入口一定数ある一定数ある

自社サービスでは、作った後の利用状況を見て改善を続けます。数字を見ながら判断する経験が積めます。

受託では、複数の案件に触れられるため、経験の幅が広がります。ただし、作った後どうなったかを追いにくい面があります。

会社の型の違いはSES・受託・自社開発の違い|未経験エンジニアが最初に選ぶ基準、事業会社との比較はSIerと事業会社の違い|どちらを選ぶかの基準にまとめています。

4. 話を聞いた例:見せられる成果物を作った人

知人に、事務職から未経験でアプリ開発の会社へ移った人がいます。

その人が作ったのは、次のようなものでした。

実際に作ったもの

・自分の家計を記録する、ごく小さいアプリ

・画面は3つだけ(入力、一覧、集計)

・データを端末に保存するところまで実装した

・面接では、自分の端末で動かして見せた

4つ目が決め手になりました。

面接の場で端末を出して動かせる、というのは、この領域ならではの強みです。画面を共有する手間もなく、その場で操作してもらえます。

規模は小さくて構いません。むしろ、なぜその機能にしたか、どこで詰まったかを説明できるほうが評価されます。

その人は「家計簿は世の中にたくさんあるが、自分が続けられる形が欲しかった」と話しました。作る理由が自分の中にあることが、志望動機の説得力になっています。

成果物の考え方は未経験エンジニアのポートフォリオ|第二新卒が評価されるのは「何を作ったか」ではないを参照してください。

5. 学習の順番

推奨する順番

対象とする端末の種類を1つに決める(両方は後回し)

公式の入門教材で、画面を1つ表示する

入力して保存し、一覧で表示するところまで作る

外部から情報を取得して表示してみる

実機に入れて動かす

⑤が重要です。

開発環境の中だけで動かした状態と、実際の端末に入れた状態では、確認できることが違います。面接で見せるためにも、実機で動く状態にしておいてください。

①については、両方を同時に学ぼうとしないでください。まず一方で、動くものを作りきることを優先します。

学習時間の作り方は働きながら学習時間を作る|平日30分の設計、言語選びの全体像は最初に学ぶプログラミング言語の選び方|第二新卒が目的別に決める順番にまとめています。

6. 求人票で確認する7項目

確認する7項目

自社サービスか受託か

対象とする端末の種類

アプリの利用者数や規模

チームの人数と体制

企画から関われるか、実装のみか

配信や審査の対応を誰がやるか

未経験者の受け入れ実績

⑤が経験の幅を決めます。

実装だけを担当する形と、企画の段階から関わる形では、身につく力が変わります。第二新卒であれば、後者のほうが材料が増えます。

技術名から環境を読む観点は技術スタックの見方|求人票の技術名から3年後を読むを参照してください。

7. 面接で聞かれることと答え方

質問見られていること答え方の軸
作ったものはあるか実際の経験端末で動かして見せる
なぜその機能にしたか考えて作ったか自分の困りごとから話す
どこで詰まったか調べる力手順と解決の経路で話す
なぜWeb系ではないか領域の理解端末の機能や通知に触れる
チームで作った経験は協働の姿勢一人でも工夫を話す

「なぜWeb系ではないか」は必ず聞かれます。

「アプリが好きだから」ではなく、「端末の機能を使って、常に手元にある形で届けられる」という違いに触れてください。

チーム開発の経験がない場合の答え方はチーム開発の経験がないとき|一人で作った実績の伝え方にまとめています。

8. その先のキャリア

進む先必要になるもの
もう一方の端末も担当両方の理解
サーバー側も担当バックエンドの知識
チームのまとめ役設計と調整の経験
企画・プロダクト側数字を見て判断した実績

アプリだけを続けるより、サーバー側にも触れておくと選択肢が広がります。

アプリは多くの場合、サーバーと通信して動きます。その仕組みを理解していると、不具合の切り分けが早くなります。

サーバー側の理解はフロントエンドとバックエンドの違い|第二新卒がどちらから入るか決める、データの扱いはデータベースエンジニアへ転職する|第二新卒が未経験から入る順番を参照してください。

9. よくある質問

どちらの端末向けから学べばいいですか

自分が持っている端末に合わせるのが最も効率的です。実機で動かして確認できるためです。

開発に必要な費用はかかりますか

学習の段階では、多くの場合ほとんどかかりません。ただし、実際に配信する段階では登録の費用が発生する場合があります。

配信までやらないと評価されませんか

されます。実機で動く状態であれば十分です。配信までやっていると加点になりますが、必須ではありません。

Web系より求人が少ないのでは

地域と時期によります。応募したい地域で検索して、数を数えてみてください。それが最も正確な情報です。

デザインもやる必要がありますか

会社によります。デザイナーが別にいる体制が一般的ですが、人数の少ない会社では兼ねる場合があります。

年収はどうですか

入口の段階では、他の未経験職種と大きくは変わりません。考え方は未経験エンジニアの年収|第二新卒が下がる幅と戻るまでの期間を参照してください。

個人開発を経歴に書けますか

書けます。ただし、規模より「なぜ作ったか」と「どう詰まったか」を書いてください。

Web系から移れますか

移れます。プログラミングの基礎は共通しているため、端末固有の部分を学べば移行できます。

10. まとめ:今週やる3つのこと

モバイルアプリ開発は、成果物を面接で見せやすいという、未経験にとっての利点があります。

今週やる3つのこと

自分が持っている端末に合わせて、学習の対象を決める

公式の入門教材で、画面を1つ表示するところまでやる

自分が困っていることを1つ挙げ、それを解くアプリを設計する

③が、志望動機と成果物を同時に作ります。自分の困りごとから始めたものは、なぜ作ったかを説明できます。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。