有給が取れない職場|第二新卒が確認と相談を進める順番【2026年版】
〜制度としてはあるのに、実際には使えていない人へ〜
有給休暇の残日数はある。それでも、申請しにくい空気がある。
「誰も取っていない」「繁忙期だから」「後任がいない」。理由はいくつも見つかります。
そして、使わないまま時間が経ちます。
この記事では、なぜ取れないのかを型に分けたうえで、確認と相談の順番を整理します。
なお、年次有給休暇には法令上の定めがあり、付与の日数や取得に関する仕組みが定められています。制度の内容は改正されることがあり、この記事は一般的な整理です。個別の判断や具体的な対応は、所管の窓口や専門機関に確認してください。
1. 結論:確認するのは3つ
順番に確認する3つ
① 自分の残日数と、付与の時期
② 取れない理由が、制度なのか運用なのか
③ 社内と社外に、どういう相談先があるか
①を把握していない人が多くいます。
残日数が分からないまま「取りにくい」と感じている状態では、判断ができません。
給与明細や社内の勤怠の仕組みで確認できることが多いので、まずそこから始めてください。
2. 取れない4つの型
| 型 | 実態 |
|---|---|
| 申請しにくい空気がある | 制度はあるが、誰も使っていない |
| 人手が足りず、抜けられない | 代わりがいない |
| 繁忙期が長い | 取れる時期が限られる |
| 申請しても通らない | 承認されない |
1行目が最も多い型です。
この場合、実は申請すれば通ることがあります。誰も試していないだけ、という状況が実際にあります。
2行目は、業務の属人化が原因です。手順書がなく、自分しかできない業務があると、抜けられません。この場合、手順書を作ることが解決につながります。
4行目については、状況によっては相談すべき事案になります。この記事は一般的な整理であり、個別の判断は所管の窓口や専門機関に確認してください。
3. 残日数と付与を確認する
確認する5項目
① 今の残日数
② 次に付与される時期
③ 繰り越しの扱い
④ 半日単位や時間単位で使えるか
⑤ 取得の実績が社内でどうなっているか
④が実用的です。
1日単位だと取りにくい場合でも、半日なら使える職場があります。制度として用意されているかを確認してください。
⑤については、社内の平均的な取得の状況を人事に聞ける場合があります。
付与の日数や繰り越しの扱いには法令上の定めがあります。詳細は所管の窓口や専門機関に確認してください。
社内制度の確認は退職前に確認する社内制度|第二新卒が精算を忘れて損しないための一覧にまとめています。
4. 話を聞いた例:手順書を作って取れた人
知人に、「自分が抜けると業務が止まる」という理由で休めなかった人がいます。
その人がやったのは、次のことでした。
実際にやったこと
・自分の業務のうち、自分しかできないものを書き出した
・それぞれの手順を、1枚ずつ書いた
・同じチームの人に、1回だけ実際にやってもらった
・その状態で、休みを申請した
結果として、申請は通りました。
それまで断られていたのは、その人が抜けると業務が止まるからでした。止まらない状態を作ったことで、断る理由がなくなりました。
その人は「休めない理由を、自分で作っていた面もあった」と話していました。
そして、この手順書は転職の際の引き継ぎにもそのまま使えました。
引き継ぎ資料の作り方は退職の引き継ぎ資料の作り方|そのまま使えるテンプレートと3時間で終わらせる手順を参照してください。
5. 申請を通しやすくする5つの手
順番にやること
① 自分しかできない業務の手順書を作る
② 誰かに1回やってもらう
③ 早めに申請する(直前だと調整が難しい)
④ 繁忙期を外す
⑤ 半日単位から始める
③が実務的に効きます。
直前の申請は、代わりの調整ができないため断られやすくなります。1か月前に伝えておくと、調整の余地が生まれます。
⑤も現実的です。1日休むのが難しい職場でも、半日なら通ることがあります。まず実績を作ると、次から申請しやすくなります。
6. 断られたときの相談先
| 順番 | 相談先 |
|---|---|
| ① | 直属の上司(理由と時期を確認する) |
| ② | その上位者 |
| ③ | 人事、または社内の相談窓口 |
| ④ | 社外の公的な相談窓口 |
①では、断られた理由と、いつなら取れるかを確認してください。
「今は難しいが、来月なら」という回答なら、時期の問題です。「そもそも取れない」という回答なら、別の問題になります。
④については、公的な相談の窓口が用意されています。具体的な相談先と手続きは、所管の窓口や専門機関に確認してください。
この記事は一般的な整理であり、個別の事情については専門機関に相談することをおすすめします。
7. 辞める判断
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 手順書を作ったら取れた | 残って続ける |
| 時期を選べば取れる | 残って続ける |
| 制度として運用されていない | 動いてよい |
| 社内で誰も取っていない | 動いてよい |
| 相談しても変わらない | 動いてよい |
4行目が構造の問題です。
職場全体で誰も取っていない状況では、一人が申請しても運用は変わりません。
そして、この状態は他の労働条件にも表れていることが多くあります。有給が取れない職場は、残業や業務量の面でも同じ運用になっている場合があります。
辞める判断は仕事を辞めたいと思ったとき|第二新卒が最初にやる3つの切り分け、退職の手順は退職の流れ|第二新卒が伝えるところから入社日までにやること全部にまとめています。
8. 退職時の有給消化と、次の会社での確認
退職を決めた場合、残日数の消化が課題になります。
断られたときの交渉手順は退職時の有給消化|断られたときの交渉手順とそのまま使える例文にまとめています。
次の会社で確認する項目は次のとおりです。
面接で聞く6項目
① 有給の取得率
② 半日・時間単位の制度があるか
③ 申請の仕組み
④ 繁忙期の時期
⑤ 年間休日の日数
⑥ 業務が属人化していないか
①は、企業が公開している場合があります。面接で聞いても差し支えのない項目です。
⑥も重要です。手順が共有されている組織では、抜けやすくなります。
年間休日の読み方は年間休日日数の読み方|105日と125日で何が違うのか、転職後の付与は転職後の有給はいつ付く|第二新卒が入社半年を乗り切る休みの作り方を参照してください。
9. よくある質問
残日数はどこで確認できますか
給与明細や、社内の勤怠の仕組みで確認できることが多くあります。分からない場合は人事に聞いてください。
理由を聞かれたら答える必要がありますか
取得の理由に関する取り扱いには法令上の定めが関わります。この記事は一般的な整理であり、個別の判断は所管の窓口や専門機関に確認してください。
申請しにくい空気があります
半日単位から始めて、実績を作る方法があります。また、早めに申請すると調整の余地が生まれます。
自分しかできない業務があります
手順書を作り、一度誰かにやってもらってください。それが、休めない状態を解消する最も確実な方法です。
断られたらどうしますか
まず理由と、いつなら取れるかを確認してください。そのうえで、社内の相談先、社外の窓口という順番があります。
退職時にまとめて消化できますか
残日数と退職日の設定によります。交渉の手順は退職時の有給消化|断られたときの交渉手順とそのまま使える例文にまとめています。
面接でこの理由を言っていいですか
「休みを取りやすい環境で働きたい」という形にすれば問題ありません。ただし、待遇の話だけにならないよう、仕事の内容と併せて述べてください。
転職したらすぐ有給は付きますか
付与の時期には定めがあります。転職後の有給はいつ付く|第二新卒が入社半年を乗り切る休みの作り方を参照してください。
10. まとめ:今週やる3つのこと
「取りにくい」と感じているうちは、まず自分の状況を数字で把握してください。
今週やる3つのこと
① 残日数と、次の付与の時期を確認する
② 自分しかできない業務を書き出す
③ そのうち1つの手順書を作る
②と③が、休めない状態を解消する最も確実な手です。そして、その手順書は転職時の引き継ぎにもそのまま使えます。
なお、年次有給休暇には法令上の定めがあり、内容は改正されることがあります。この記事は一般的な整理であり、個別の判断や具体的な対応は、所管の窓口や専門機関に確認してください。
この先、読むべき記事
- 退職時の有給消化|断られたときの交渉手順とそのまま使える例文(退職時の消化)
- 転職後の有給はいつ付く|第二新卒が入社半年を乗り切る休みの作り方(次の会社での付与)
- 業務量が多すぎるとき|第二新卒が切り分けて相談する手順(抜けられない原因)
- 年間休日日数の読み方|105日と125日で何が違うのか(休日条件の確認)
- 退職の引き継ぎ資料の作り方|そのまま使えるテンプレートと3時間で終わらせる手順(手順書の作り方)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。