社内の申請・稟議の通し方|第二新卒が差し戻されない書き方【2026年版】
〜書式より、通す順番のほうが重要です〜
「この稟議、まだ承認されていないんですけど」
出したはずの申請が、どこかで止まっている。入社してしばらくは、この状況が起こります。
そして、止まる理由はだいたい決まっています。書き方か、順番か、事前の説明のどれかです。
この記事では、通る申請の作り方を整理します。
1. 結論:押さえるのは3つ
申請を通す3点
① 承認者が判断できる材料を、全部入れる
② 出す前に、承認者へ一言伝えておく
③ 期限から逆算して出す
②が最も効きます。
いきなり届いた申請は、内容が正しくても止まります。
2. 差し戻される5つの原因
理由はほぼ決まっています。
| 原因 | 直し方 |
|---|---|
| 目的が書かれていない | なぜ必要かを1文で |
| 金額の根拠がない | 見積もりを添える |
| 比較がない | 他の選択肢と比べた結果を書く |
| 承認者が知らない話 | 事前に説明しておく |
| 期限が近すぎる | 承認にかかる日数を見込む |
4つめが、最も多い理由です。
内容の問題ではなく、順番の問題で止まります。
差し戻しは時間を失う
1回差し戻されると、承認まで数日から1週間遅れます。
最初から通る形で出すほうが、結果的に早く終わります。
よくある申請の種類
日常的に出すものは、だいたい決まっています。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 購買・発注 | 金額の根拠が必須 |
| 契約の締結 | 法務や経理の確認が入る |
| 人員の増員 | 予算と人事の承認が必要 |
| 出張・外出 | 事前の承認が原則 |
| 業務の変更 | 影響範囲の説明が必要 |
| 制度の利用 | 有給、研修、資格支援など |
2つめは、承認の段階が多くなります。
契約書の内容確認が入るため、日数を多めに見込んでください。
3. 承認の流れを知る
誰を通るかを、先に確認します。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| 承認者 | 誰が、何段階で承認するか |
| 金額の基準 | 金額によって承認者が変わるか |
| 所要日数 | 各段階で何日かかるか |
| 差し戻しの扱い | 直した後、最初から回るか |
| 緊急時 | 急ぐ場合の手順があるか |
2つめは、多くの会社で決まりがあります。
10万円までは課長、それ以上は部長、といった形です。
図に書いておく
一度確認したら、自分用に流れを書いておきます。
誰の後に誰が承認するかが分かれば、止まっている箇所を特定できます。
所要日数を見込む
3段階の承認で、各2日なら6日かかります。
必要な日から逆算して、余裕を持って出してください。
4. 書き方の型
承認者が判断できる材料を並べます。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 件名 | 何の申請か。金額も入れると分かりやすい |
| 目的 | なぜ必要か(1〜2文) |
| 内容 | 何を、いつ、どこで |
| 金額 | 総額と内訳 |
| 比較 | 他の選択肢と、選んだ理由 |
| 効果 | 承認した場合、何が変わるか |
| 期限 | いつまでに承認が必要か |
5つめと6つめが、判断を後押しします。
比較があると、承認者が「他は検討したのか」と聞き返す必要がなくなります。
目的の書き方
「◯◯のため」だけでは足りません。
「現在△△に月◯時間かかっており、これを□時間に短縮するため」という形にすると、判断できます。
効果の書き方
数字で書けると、通りやすくなります。
- 削減できる時間
- 削減できる費用
- 対応できる件数の増加
数字が出せない場合も、何がどう変わるかを具体的に書いてください。
5. 事前に伝える
出す前の一言が、通過率を変えます。
| 場面 | 言い方 |
|---|---|
| 直属の上長へ | 「◯◯の申請を出そうと思っています」 |
| 内容の相談 | 「この内容で問題ないか、見ていただけますか」 |
| 金額が大きい | 「◯万円程度になりそうです」 |
| 急ぐ場合 | 「△日までに承認が必要です」 |
2つめをやっておくと、差し戻しがほぼなくなります。
なぜ効くのか
承認者は、知らない話を承認しにくいものです。
事前に聞いていれば、届いた時点で判断が済んでいます。
これは根回しというより、判断の材料を先に渡す行為です。
承認者が複数の場合
上位の承認者にも、上長経由で伝えてもらいます。
「部長にも一言お伝えいただけますか」と依頼して構いません。
6. 金額の書き方
最も確認される項目です。
| やること | 内容 |
|---|---|
| 見積もりを取る | 書面で入手する |
| 複数社から取る | 金額が大きい場合 |
| 内訳を書く | 何にいくらかかるか |
| 継続費用も書く | 初期費用と月額を分ける |
| 予算との関係 | 予算内か、超えるか |
4つめが抜けやすい項目です。
初期費用だけ書いて承認を得た後、月額が発生すると問題になります。
予算を超える場合
事前に、必ず上長へ相談してください。
申請だけを出しても、承認されません。
予算の変更が必要になるため、別の手続きが発生します。
7. 通らなかったとき
否決されることもあります。
| やること | 内容 |
|---|---|
| 理由を聞く | 何が足りなかったか |
| 材料を足す | 比較、根拠、効果 |
| 時期を変える | 予算の期に合わせる |
| 規模を小さくする | まず一部だけ試す |
| 諦める | 通らない理由が構造的な場合 |
4つめが最も現実的です。
いきなり全部ではなく、小さく試して結果を出してから再度出す形が通りやすくなります。
理由を聞くときの言い方
「今後の参考にしたいので、どの点が足りなかったか教えていただけますか」
否決を責める形にしないでください。
次に活かすための質問だと伝われば、答えてもらえます。
申請の記録を残す
出した申請は、控えておきます。
- 提出した日
- 内容の要点
- 承認された日
- 承認された金額
これがあると、次に似た申請を出すときに使えます。
また、通った申請の実績は、職務経歴書に書ける材料にもなります。「◯◯の導入を提案し、承認を得て運用を開始した」という形です。
8. 転職先で確認すること
会社によって、運用がかなり違います。
| 確認すること | 聞き方 |
|---|---|
| 使うシステム | 「申請はどのシステムを使いますか」 |
| 承認の段階 | 「何段階の承認が必要ですか」 |
| 金額の基準 | 「金額で承認者が変わりますか」 |
| 所要日数 | 「承認までどのくらいかかりますか」 |
| 過去の例 | 「似た申請の例を見せていただけますか」 |
5つめが最も実用的です。
過去に通った申請を見れば、書き方の型が分かります。
過去の例を見せてもらう
「参考にしたいので、過去の申請を見せていただけますか」
多くの会社では、システム上に履歴が残っています。
型を真似るのが、最も早い方法です。
9. よくある質問
申請が承認されずに止まっています
まず、どこで止まっているかを確認してください。承認の流れを把握していれば、誰のところにあるか分かります。そのうえで、その方に「◯◯の申請をご確認いただけますでしょうか」と伝えてください。急ぐ場合は、期限も併せて伝えます。
差し戻される原因は何ですか
目的が書かれていない、金額の根拠がない、他の選択肢と比較していない、承認者が事前に知らない、期限が近すぎるの5つです。特に4つめが多く、内容の問題ではなく順番の問題で止まります。出す前に一言伝えるだけで、通過率が変わります。
事前に伝えるのは、根回しになりませんか
判断の材料を先に渡す行為です。承認者は、知らない話を承認しにくいものです。事前に聞いていれば、届いた時点で判断が済んでいます。「◯◯の申請を出そうと思っています。この内容で問題ないか、見ていただけますか」で足ります。
目的は、どう書けばいいですか
「◯◯のため」だけでは足りません。「現在△△に月◯時間かかっており、これを□時間に短縮するため」という形にすると、承認者が判断できます。数字を入れて、何がどう変わるかを具体的に書いてください。
金額はどこまで細かく書きますか
総額と内訳、そして初期費用と継続費用を分けて書いてください。初期費用だけ書いて承認を得た後、月額が発生すると問題になります。金額が大きい場合は、複数社の見積もりを取って比較を添えると通りやすくなります。
予算を超える申請は、どうしますか
申請を出す前に、必ず上長へ相談してください。申請だけを出しても承認されません。予算の変更が必要になるため、別の手続きが発生します。時期を変える、規模を小さくするといった選択肢も含めて相談してください。
否決されたら、どうしますか
理由を聞いてください。「今後の参考にしたいので、どの点が足りなかったか教えていただけますか」と尋ねれば、答えてもらえます。そのうえで、材料を足すか、規模を小さくして再度出す形が現実的です。いきなり全部ではなく、一部を試してから広げてください。
転職先では、何を確認しますか
使うシステム、承認の段階数、金額による承認者の違い、所要日数、そして過去に通った申請の例です。最後が最も実用的で、型を真似るのが最も早い方法です。「参考にしたいので、過去の申請を見せていただけますか」と依頼してください。
10. まとめ:材料を全部入れて、事前に伝える
今週やる3つのこと
① 承認の流れ(誰が、何段階、何日)を確認して図に書く
② 過去に通った申請の例を、見せてもらう
③ 次の申請を出す前に、上長へ一言伝える
申請が止まる理由は、書き方より順番であることが多くあります。
出す前の一言と、判断できる材料を揃えることの2つで、通過率が変わります。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。