上司との1on1の使い方|第二新卒が評価と成長につなげる【2026年版】
〜報告の場にすると、機会を1つ失います〜
「特に困っていることはないです」
1on1でこう答えて、10分で終わる。第二新卒の時期に、最も多いパターンです。
ただ、この時間は本来、こちらから使える場です。上長の時間を、自分のために確保できる機会は他にあまりありません。
この記事では、報告の場と分けたうえで、1on1の使い方を整理します。
1. 結論:押さえるのは3つ
1on1を機能させる3点
① 報告の場にしない(進捗は別の場で伝える)
② 話したいことを2つ、事前に決めておく
③ 判断に迷っていることを持っていく
①ができていない1on1が、最も多くあります。
進捗の確認だけなら、その場である必要はありません。
2. 報告の場との違い
目的が違います。
| 項目 | 通常の報告 | 1on1 |
|---|---|---|
| 目的 | 状況を把握してもらう | 考えを整理する、方向を確認する |
| 主導 | 業務の進行に従う | こちらから話題を出せる |
| 内容 | 事実 | 迷い、考え方、先のこと |
| 頻度 | 都度 | 定期(週1〜月1) |
| 時間 | 短い | 30分程度 |
3つめが最も大きな違いです。
1on1では、まだ答えの出ていないことを話せます。
進捗だけで終わらせない
「順調です」で終わると、30分が10分になります。
進捗は最初の5分で済ませ、残りを別の話に使ってください。
会社が1on1を置く理由
背景を知っておくと、使い方が変わります。
| 会社側の目的 | 何を見ているか |
|---|---|
| 早期離職を防ぐ | 困りごとを早く拾いたい |
| 育成の進み方を見る | どこで詰まっているか |
| 期待値をすり合わせる | 評価のずれを減らしたい |
| 業務の状況を把握する | 報告に出てこない部分 |
いずれも、こちらから話さないと成立しません。
上長は、聞き出す側として時間を取っています。何も出てこないと、目的が果たせないまま終わります。
3. 持っていく3つの材料
事前に用意しておくと、時間が有効になります。
| 材料 | 内容 |
|---|---|
| 迷っていること | 判断がつかない案件、進め方 |
| 確認したいこと | 期待されている水準、優先順位 |
| 先のこと | 半年後に何を任されるのか |
3つめを聞く人が、意外と少なくいます。
「この先、どういう順番で任せていただけますか」と聞くだけで、上長の頭の中が分かります。
前日にメモを作る
1on1の前日に、3行だけメモを作ります。
- 今日話したいこと(2つ)
- 迷っている案件(1つ)
- 聞きたいこと(1つ)
これがあると、その場で考えずに済みます。
送っておくと、なお良い
前日にメモを送っておくと、上長も準備できます。
「明日の1on1で、この2点を相談させてください」と1行送るだけで足ります。
4. 話すことがないとき
毎回、材料があるとは限りません。
| 状況 | 使える話題 |
|---|---|
| 特に問題がない | 期待されている水準を確認する |
| 業務が順調 | 次に任されることを聞く |
| 何も浮かばない | 最近うまくいったこと、いかなかったこと |
| 相手に聞きたい | 上長がこの職種で意識してきたこと |
3つめが、最も使いやすい型です。
「先週うまくいったこと」と「うまくいかなかったこと」を1つずつ持っていけば、話が続きます。
「特にありません」を避ける
この一言で、時間が終わります。
材料がないと感じても、最近の業務から1つだけ取り出してください。
小さなことでも、話すことで整理されます。
5. 評価につなげる使い方
1on1は、評価の準備の場としても使えます。
| 聞くこと | 効果 |
|---|---|
| 期待されている水準 | 目標のずれを早く直せる |
| 現時点の評価 | 期末に驚かずに済む |
| 足りない点 | 残りの期間で手が打てる |
| 次の等級の要件 | 何を積めばよいかが分かる |
2つめを、期の途中で聞いてください。
期末の評価面談で初めて知ると、修正する時間がありません。
聞き方
「現時点で、期待されている水準に届いていない点はありますか」
この聞き方なら、答えやすくなります。
「評価はどうですか」だと、まだ決まっていないと返されます。
逆に聞かれることもある
上長から質問される場面もあります。
| よく聞かれること | 準備しておく答え |
|---|---|
| 困っていることはあるか | 小さくてもよいので1つ用意する |
| 業務量はどうか | 感覚ではなく時間で答える |
| 今後やりたいことは | 半年〜1年の範囲で答える |
| 人間関係はどうか | 業務に影響がある範囲で答える |
2つめは、数字で答えると調整の話になります。
「忙しいです」ではなく「◯◯に週△時間かかっています」と伝えてください。
6. 制度がない場合
1on1の仕組みがない職場もあります。
| 方法 | 進め方 |
|---|---|
| 自分から依頼する | 「月に1回、30分いただけますか」 |
| 既存の場を使う | 定例の後に5分だけ残る |
| 昼食や移動の時間 | 業務外の時間で話す |
| 別の人と作る | 直属でなくても、相談できる人と |
1つめは、断られることがあまりありません。
理由を添えると、通りやすくなります。「進め方の相談をまとめてさせていただきたい」で足ります。
頻度の目安
- 入社直後:週1回
- 3ヶ月以降:隔週または月1回
最初は多めに、慣れたら間隔を空ける形が現実的です。
7. 話さないほうがいいこと
何でも話す場ではありません。
| 内容 | 理由 |
|---|---|
| 他の人の批判 | 立場上、扱いに困る |
| 待遇への不満だけ | 材料がないと聞き流される |
| 確定していない転職の話 | 扱いが会社によって違う |
| 個人的な事情の詳細 | 必要な範囲だけで足りる |
2つめは、伝え方を変えると届きます。
不満としてではなく、「評価と処遇の仕組みを確認したい」という形にすると、話が具体的になります。
転職の相談はしていいか
原則として、社内の上長に転職の相談はしないほうが安全です。
立場上、会社の側で対応する必要があるためです。
異動や職種の変更で解決する可能性がある場合のみ、「◯◯の経験を積みたい」という形で伝えてください。転職そのものの相談は、社外の窓口を使うほうが適切です。
1回30分の使い方
時間の配分を決めておくと、話が散らかりません。
| 時間 | 使い方 |
|---|---|
| 最初の5分 | 進捗の共有。短く済ませる |
| 次の15分 | 迷っていること、相談 |
| 次の5分 | 期待されている水準の確認 |
| 最後の5分 | 次回までにやること、決まったこと |
最後の5分を必ず残してください。
決まったことを口に出して確認すると、認識のずれが残りません。
8. 上司のタイプに合わせる
同じ進め方が全員に合うわけではありません。
| タイプ | 合わせ方 |
|---|---|
| 話を聞く型 | こちらから話題を出す |
| 指示を出す型 | 選択肢を持っていく |
| 雑談から入る型 | 前半は流れに任せ、後半で本題 |
| 時間に厳しい型 | 最初に「2点あります」と宣言する |
4つめは、どのタイプにも有効です。
冒頭で議題の数を伝えると、時間配分がしやすくなります。
記録を残す
話した内容と、決まったことを1行ずつ残します。
次回の冒頭で「前回の◯◯ですが」と続けられると、話が積み上がります。
毎回ゼロから始まる1on1は、時間の使い方としてもったいない形です。
9. よくある質問
1on1で話すことがありません
「先週うまくいったこと」と「うまくいかなかったこと」を1つずつ持っていってください。小さなことでも構いません。また、業務が順調なときこそ、次に任されることや期待されている水準を聞く機会になります。「特にありません」で終わらせないでください。
進捗の報告だけで終わってしまいます
進捗は最初の5分で済ませ、残りを別の話に使ってください。1on1の価値は、まだ答えの出ていないことを話せる点にあります。判断に迷っている案件、期待されている水準、この先の任され方といった、通常の報告では扱わない話題を持っていってください。
事前に準備するべきですか
前日に3行のメモを作ると、その場で考えずに済みます。話したいこと2つ、迷っている案件1つ、聞きたいこと1つで足ります。さらに、そのメモを前日に送っておくと上長も準備でき、時間の使い方が良くなります。
評価について聞いてもいいですか
聞いてください。ただし「評価はどうですか」だと、まだ決まっていないと返されます。「現時点で、期待されている水準に届いていない点はありますか」という聞き方にすると、答えやすくなります。期末に初めて知ると、修正する時間がありません。
会社に1on1の制度がありません
自分から依頼して構いません。「月に1回、30分いただけますか。進め方の相談をまとめてさせていただきたいです」と理由を添えると、通りやすくなります。制度として難しい場合は、定例の後に5分だけ残るといった方法もあります。
転職を考えていることを、上司に話していいですか
原則として、避けるほうが安全です。上長は立場上、会社の側で対応する必要があります。ただし、異動や職種の変更で解決する可能性がある場合は、「◯◯の経験を積みたい」という形で伝えてください。転職そのものの相談は、社外の窓口を使うほうが適切です。
上司との相性が良くない場合は
話す内容を業務に絞り、事実と選択肢を中心にすると噛み合いやすくなります。また、冒頭で「今日は2点あります」と議題の数を伝えると、時間配分が明確になります。直属の上長以外にも相談できる人を作っておくと、負担が分散します。
話した内容は記録すべきですか
残してください。話した内容と決まったことを1行ずつで足ります。次回の冒頭で「前回の◯◯ですが」と続けられると、話が積み上がります。毎回ゼロから始まる1on1は、時間の使い方としてもったいない形になります。
10. まとめ:報告ではなく、迷いを持っていく
今週やる3つのこと
① 次の1on1で話したいことを2つ、いま書き出す
② 「期待されている水準に届いていない点」を聞いてみる
③ 制度がなければ、月1回30分を自分から依頼する
1on1は、上長の時間を自分のために使える場です。
報告で埋めると、その機会を1つ失います。まだ答えの出ていないことを持っていってください。
この先、読むべき記事
- 報告・連絡・相談のやり方|第二新卒が信頼を作る型(通常の報告との違い)
- 入社後の目標設定と最初の評価面談|第二新卒が最初の期にやること(評価の準備)
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。