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評価と昇給の仕組みを読む|求人票と面接で確かめる【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約15分
評価と昇給の仕組みを読む|求人票と面接で確かめる【2026年版】

求人票の年収欄には、幅が書かれています。「年収300万〜500万円」といった形です。

問題は、この幅の中でどう動くかが書かれていないことです。何をすれば上がるのか、何年でどこまで行くのか。ここが分からないまま入社すると、3年後に「上がらない」と気づきます。

そして、この情報は面接で聞けば分かります。聞かない人が多いだけです。

「評価制度を教えてください」という質問は、待遇の話ではなく「長く働く前提で聞いている」というメッセージにもなります。

この記事では、求人票から読める部分、面接で聞くべき項目、そして答えが曖昧なときの判断を整理します。

1. 結論:確認するのは3つ

①評価が何で決まるか。数値目標か、上司の判断か、等級ごとの基準か。ここで昇給の性質が変わります。

②年に何回、いつ反映されるか。評価の回数と、昇給の時期です。

③実際にどのくらい動くか。「モデルケースで、3年目の方はどのくらいですか」と聞きます。

この3つが答えられない企業は、制度が整っていない可能性があります。

2. 求人票から読めること

記載読めること
年収の幅到達できる上限
「昇給年1回」見直しの頻度
「賞与年2回」支給の回数
「業績による」変動の可能性
「評価制度あり」制度が存在する
「モデル年収」想定される進み方

最も情報があるのは、年収の幅です。上限が現在の年収と近い場合、その企業で伸ばせる範囲は限られます。

「モデル年収」の記載があれば、必ず読んでください。「入社3年目:〇〇万円」といった形で書かれていることがあります。

年収の幅の読み方

記載読み方
300万〜350万幅が狭い。伸びにくい可能性
300万〜600万幅が広い。役割で大きく変わる
「経験・能力を考慮」のみ判断できない。面接で聞く
上限が現在の年収に近い伸びしろが小さい

幅が広い場合、どこに位置づけられるかを面接で確認してください。下限で入るのか、中間なのかで、その後の見え方が変わります。

なお、賞与の記載が「年2回」だけの場合、支給の実績までは分かりません。「業績による」と書かれている場合は、過去の支給実績を面接で確認してください。

3. 編集長の実体験:3年目の年収を聞いた

私が第二新卒で内定をもらった会社は、求人票に「年収320万〜480万円」と書かれていました。

面接で、こう聞きました。

私「入社3年目の方は、どのくらいの水準になっていることが多いでしょうか」

面接官「そうですね、350万から380万くらいが多いです」

私「480万に到達される方は、どういう方でしょうか」

面接官「主任以上ですね。早い方で5年目、平均すると7年目くらいです」

この答えで、進み方が具体的に分かりました。

もう一つ聞きました。

私「評価は、何をもとに決まりますか」

面接官「半期ごとに目標を設定して、その達成度と、行動評価の2軸で見ます。行動評価は、等級ごとに基準が決まっています」

私「基準は、入社時に見られますか」

面接官「見られます。入社時の研修で説明します」

「基準が文書化されていて、入社時に見られる」ことが分かりました。これは、制度が整っている企業の特徴です。

同じ時期に受けた別の会社では、答えが違いました。

面接官「評価は、上長との面談で決まります」

私「評価の基準はありますか」

面接官「明文化されたものは……その都度、状況を見て判断しています」

この差は大きいと感じました。後者が悪いわけではありませんが、上司が変わると評価も変わる可能性があります。

私は前者に入社しました。年収の提示額は、後者のほうが高かったのですが、伸び方の見通しが立つほうを選びました。

なお、モデル年収は「その水準に到達している人がいる」ことを示しますが、全員がそうなるという意味ではありません。平均なのか、上位の例なのかを面接で確認してください。

4. 面接で聞く7項目

質問分かること
「評価は何をもとに決まりますか」評価の軸
「評価の基準は文書化されていますか」制度の整備の程度
「評価は年に何回ありますか」見直しの頻度
「昇給はいつ反映されますか」時期
「等級や職位の制度はありますか」昇進の道筋
「入社3年目の方は、どの役割ですか」実際の進み方
「賞与の算定基礎を教えてください」基本給か、総額か

6番目が最も実態を反映します。制度の説明より、実際に何年目でどうなっているかのほうが具体的です。

7番目も重要です。賞与が基本給を基礎に計算される場合、固定残業代が多い給与体系では賞与が小さくなります。

聞き方

「長く働くことを考えているので、評価と昇給の仕組みを伺えますでしょうか。何をもとに評価が決まるのか、入社3年目くらいの方がどういう役割になっているかを知りたいです。」

「長く働くことを考えている」という前置きを添えてください。待遇だけを気にしている印象になりません。

3〜5番目は、実際に何年目でどうなっているかを聞く質問です。制度の説明より、具体的な人の話のほうが判断材料になります。

5. 答えから読めること

答え方読めること
等級と基準を具体的に説明する制度が整備されている
「目標の達成度で決まります」数値目標が中心
「上長の評価で決まります」属人的。上司次第
「その都度、状況を見て」明文化されていない
答えに詰まる面接官が把握していない

5番目に注意してください。現場の責任者が評価制度を説明できない場合、実際に運用されていない可能性があります。

ただし、規模の小さい企業では、明文化された制度がないことも普通です。その場合は、「何をすれば評価されますか」という聞き方に変えてください。

制度がない企業の場合

「明文化された制度はありません」という答えでも、悪いわけではありません。

その場合は、次を聞いてください。

  • 「昇給の実績はどのくらいですか」
  • 「どういう方が早く任されていますか」
  • 「入社2〜3年で役割が変わった方はいますか」

制度の有無より、実際に人が伸びているかどうかが重要です。

エージェント経由なら担当者に聞ける

エージェントの担当者は、その企業に紹介した人がいれば、実際の昇給の状況を知っていることがあります。

「〇〇社に過去にご紹介された方はいますか。入社後の昇給や評価について、聞いている範囲で教えていただけますか」

面接では出てこない情報が得られることがあります。

6. やってはいけない5つ

対応何が起きるか
一次面接で年収の話ばかりする待遇だけを見ていると受け取られる
「昇給はどのくらいですか」とだけ聞く金額の話になり、仕組みが分からない
求人票の上限を前提に考えるその水準に届く人は限られる
曖昧な答えを深追いする面接の空気が悪くなる
入社後に確認しようとする交渉の余地がなくなる

2番目は、聞き方の問題です。「いくら上がりますか」ではなく「何をすれば上がりますか」と聞いてください。

後者のほうが、答えも具体的になります。

評価の軸で仕事の性質が変わる

評価が何で決まるかは、日々の働き方に直結します。

評価の軸日々の働き方
数値目標の達成度数字を追う。結果が明確
行動評価(等級基準)過程も見られる。基準の理解が必要
上司の裁量上司との関係と、見えている業務が影響
360度評価周囲との協働が評価に入る

数値目標が中心の職場では、達成しやすい目標を持つかどうかが年収に直結します。目標の設定の場で、自分から意見を言えるかどうかも聞いてください。

7. 入社後に確認すること

入社したら、次を確認してください。

項目確認の方法
評価の基準人事に資料の有無を聞く
自分の等級労働条件通知書か、人事に確認
次の評価の時期上司に確認
目標の設定期初の面談で決める
昇給の実績先輩に聞く

最初の評価面談の前に、基準を読んでおいてください。何を見られるかが分かれば、その期の動き方が変わります。

目標の設定は、上司と一緒に決めるものです。与えられるのを待つのではなく、自分から提案してください。

中途入社の初年度

中途入社の場合、入社した時期によって初年度の評価期間が短くなります。その場合、昇給や賞与がどう扱われるかを確認してください。

「〇月入社の場合、初回の評価と賞与はどのような扱いになりますでしょうか」

賞与が入社初年度は満額支給されない企業もあります。年収の計算に影響するため、内定時に確認してください。

8. 進め方と時間配分

段階時間やること
求人票の確認5分年収の幅、昇給・賞与の記載
質問の準備10分7項目から3つを選ぶ
面接での確認面接内逆質問の時間に
記録5分答えを管理表に
比較15分複数社の答えを並べる

複数社の答えを並べると、差がはっきり見えます。同じ質問をして、答えの具体性を比べてください。

9. よくある質問

評価制度を聞くと印象が悪くなりますか

なりません。「長く働くことを考えている」という前置きを添えれば、むしろ好意的に受け取られます。

一次面接で聞いていいですか

二次面接以降が適しています。一次では、業務内容の理解を優先してください。ただし、聞いてはいけないわけではありません。

求人票の上限まで上がりますか

上限に到達する人は限られます。「その水準の方は、何年目くらいですか」と聞くと、現実的な見通しが立ちます。

制度がない会社は避けるべきですか

避ける必要はありません。規模の小さい企業では、明文化された制度がないことは普通です。その場合は、昇給の実績と、伸びている人の特徴を聞いてください。

面接官が答えられませんでした

人事に確認してもらってください。「後日で構いませんので、教えていただけますか」と依頼できます。答えが来ない場合は、それも情報です。

賞与の算定基礎はなぜ重要ですか

基本給を基礎とする場合、固定残業代の多い給与体系では賞与が小さくなります。年収の総額が同じでも、内訳で差が出ます。

入社後に評価制度が変わることはありますか

あります。制度の見直しは定期的に行われます。入社時の説明が永続するわけではないことは、前提として理解しておいてください。

中途入社は評価で不利になりますか

制度上は同じ基準が適用されるのが一般的です。ただし、最初の期は評価期間が短くなることがあります。面接で「入社初年度の評価はどうなりますか」と聞いてください。

10. まとめ:今週やる3つのこと

年収の幅は、その中でどう動くかを聞かないと意味がありません。

1. 求人票で年収の幅と、モデル年収の記載を確認する。上限が現在の年収と近い場合、伸びしろが小さい可能性があります。

2. 面接で3つ聞く。「評価は何をもとに決まりますか」「基準は文書化されていますか」「入社3年目の方はどの役割ですか」。3つ目が最も実態を反映します。

3. 複数社の答えを並べる。同じ質問をすると、企業ごとの差がはっきり見えます。

聞くこと自体が、長く働く前提だというメッセージになります。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。