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年功序列の会社で働くとき|第二新卒が昇給と昇進の実際を確かめる【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約18分
年功序列の会社で働くとき|第二新卒が昇給と昇進の実際を確かめる【2026年版】

〜若いうちは損に見え、長くいると得になる仕組みです〜

「頑張っても、給料が同期と同じ」

年功序列の会社に入ると、20代のうちにこの壁に当たります。成果を出しても、翌年の給与に反映されにくいためです。

ただ、この仕組みが一方的に不利というわけではありません。設計として、若いうちは抑えられ、後で戻る形になっているためです。

この記事では、制度の実際を整理したうえで、残る場合と動く場合の判断を分けます。

1. 結論:確かめるのは3つ

年功序列の会社で確かめる3つの点

昇給の幅と、昇格の年次はどう決まっているか

成果が反映される部分は、どこかにあるか

その会社に10年いる前提が、自分にあるか

③が最も大きな分岐です。

年功型は、長くいることで回収する設計です。途中で出ると、抑えられた分だけが残ります。

2. 年功型と成果型の違い

制度の性質を整理します。

項目年功型成果型
給与の決まり方勤続年数と等級成果と役割
20代の水準低め。差がつきにくい差がつく
30代後半以降上がる。安定する役割次第で上下する
評価の透明性基準が分かりやすい基準が会社ごとに違う
転職での扱い途中で出ると回収しにくい市場価値がそのまま反映される

純粋な年功型も純粋な成果型も、実際には多くありません。

多くの会社は、基本給が年功寄りで、賞与や手当に成果が反映される混合型です。

自社がどちらかを見分ける

  • 同期入社の給与に、差がついているか
  • 昇格の年次が、事実上決まっているか
  • 賞与の変動幅が大きいか

2つめが決まっている会社は、年功の要素が強い設計です。

3. 給与カーブを確かめる

いまの水準より、先の形を見ます。

確認する項目どこで分かるか
昇給の幅就業規則の給与規程、過去の昇給実績
等級ごとの給与帯賃金テーブル(公開している会社もある)
昇格の要件人事制度の資料、上長への確認
役職手当主任・係長・課長でいくら増えるか
賞与の算定基本給の何ヶ月分か。業績連動の部分

1つめの昇給の幅が、最も判断に効きます。

年に数千円なのか、1万円を超えるのかで、5年後の差が大きく変わります。

先輩の年収を推定する

直接聞きにくい場合でも、制度から逆算できます。

いまの自分の給与に、昇給の幅×年数を足すと、おおよその形が見えます。

なお、給与制度の詳細は会社ごとに異なります。ここに書いているのは一般的な整理です。

求人票からも読める

入社前に、ある程度は推測できます。

求人票の記載読み取れること
「年1回昇給」だけ幅の記載がない。年功寄りの可能性
「賞与年2回(前年度実績◯ヶ月)」業績連動の度合いが分かる
「昇給年1回・賞与年2回・評価年2回」評価の回数が多いほど成果が反映されやすい
モデル年収の記載がある何年目でいくらかが分かる

モデル年収が年次ごとに書かれている求人は、給与カーブが読めます。

記載がない場合は、面接で聞いてください。

4. 年功型が向いている場合

制度が合う人もいます。

状況年功型が向く理由
長く勤める前提がある抑えられた分が後で戻る
職種が専門的で入れ替わりが少ない経験がそのまま評価される
生活の安定を重視する給与の変動が小さい
育成に時間をかける仕事短期の成果で測られない
業界の変化が緩やか長期の経験が効く

3つめは、住宅や家族の設計と直結します。

給与の見通しが立つことは、それ自体が価値になります。

年功型でも動かせる部分

  • 昇格の年次を早める(一部の会社では飛び級がある)
  • 手当のつく役割を取りに行く
  • 資格手当のある資格を取る

基本給が動かなくても、手当で差がつくことがあります。

5. 年功型で不利になる場合

一方で、合わない状況もあります。

状況不利になる理由
数年で転職する見込みがある抑えられた分を回収できない
成果を評価してほしい反映される部分が小さい
業界の変化が速い長期の経験が陳腐化しやすい
上のポストが詰まっている昇格の順番が回ってこない
会社の成長が止まっている昇給の原資が増えない

4つめと5つめは、制度の問題ではなく会社の状態の問題です。

年功型は、人員構成が三角形であることを前提にした設計です。上が多いと機能しません。

人員構成を見る

  • 40代以上の管理職が多く、20代が少ない
  • 部長の下に課長が並んでいるが、その下が薄い
  • 直近5年で昇格した人がほとんどいない

これらは、順番が回ってこない可能性を示します。

6. 残る場合の戦略

年功型に残ると決めた場合、やることが変わります。

やること理由
昇格の要件を確認する何年目で何が必要かを把握する
手当のつく役割を取る基本給以外で差をつける
社外で通じる経験を積む会社の外での価値も保つ
記録を残す昇格の審査で使える材料を貯める

3つめが、長期的に効きます。

年功型の会社では、社内でしか通じない業務に寄りやすくなります。定期的に、外でも説明できる経験かを確認してください。

10年後の判断を先送りしない

「とりあえず残る」と決めた場合も、見直す時期を決めておきます。

30歳、または昇格の年次を目安にすると、判断の機会が作れます。

同期との差を気にしすぎない

年功型では、20代のうちは同期と差がつきにくい設計です。

差がつかないこと自体を問題として扱うと、判断がぶれます。

見るべきなのは、同期との比較ではなく、自分の5年後の見込みが納得できる形かどうかです。

7. 動く場合の判断

環境を変える場合、比較の軸を決めます。

見ること
いまの年収年功型では抑えられている可能性がある
5年後の見込み制度から逆算した金額
転職先の水準同じ職種の市場の相場
上がり方成果でどこまで動くか
安定性下がる可能性はあるか

いまの年収だけで比べると、判断を誤ります。

年功型は5年後に上がる設計なので、その時点の見込みと比べてください。

20代のうちに動くほうが有利な場合

年功型で抑えられた分は、勤続が短いほど失うものが少なくなります。

動くなら早いほうが、回収できなかった分が小さくて済みます。

ただし、成果型に移ると、成果が出ない年は上がりません。安定性は下がります。

8. 次の会社の制度を確かめる

面接で聞ける形にしておきます。

確認する項目聞き方の例
昇給の仕組み「昇給は年に何回、どのように決まりますか」
評価の頻度「評価は年に何回ありますか」
成果の反映「評価は給与にどう反映されますか」
昇格の年次「最短で何年目に昇格された方がいますか」
賞与「賞与の算定はどのようになっていますか」

4つめが、年功の度合いを最も正直に示します。

「最短で3年目」と具体的に返ってくる会社は、成果が反映される設計です。

面接での伝え方

年功序列そのものを批判すると、他責に聞こえます。

「成果が給与に反映される仕組みの中で働きたい」という方向で話してください。

前の会社の制度が悪いのではなく、自分に合う設計を選んでいる、という形にすると通ります。

なお、給与や評価の制度は会社ごとに異なります。この記事は一般的な整理であり、具体的な条件は各社に確認してください。

9. よくある質問

年功序列の会社は、20代にとって不利ですか

長く勤める前提があるかどうかで変わります。年功型は若いうちを抑え、後で戻す設計なので、数年で転職する見込みがあるなら回収できません。一方、長く勤めるなら安定した見通しが立ちます。まず、その会社に10年いる前提が自分にあるかを考えてみてください。

頑張っても給与が上がりません。どうすればいいですか

基本給が動かなくても、手当で差がつくことがあります。役職手当のつく役割を取りに行く、資格手当のある資格を取るといった方法です。まず、昇格の要件と手当の種類を人事や上長に確認してください。動かせる部分が見つかることがあります。

昇格の順番が回ってこないと感じます

人員構成を見てください。40代以上の管理職が多く、その下が薄い会社では、順番が長く待つ形になります。直近5年で昇格した人がいるかを確認すると、実態が分かります。制度の問題ではなく会社の年齢構成の問題であれば、時間では解決しにくくなります。

年功型から成果型に移ると、年収は上がりますか

一概には言えません。年功型で抑えられていた分、移った直後に上がることはあります。ただし、成果型では成果が出ない年は上がらず、下がる可能性もあります。いまの年収だけでなく、5年後の見込みと、上下の振れ幅の両方で比べてください。

転職するなら、早いほうがいいですか

年功型で抑えられた分は、勤続が短いほど失うものが少なくなります。その意味では、動くなら早いほうが回収できなかった分は小さく済みます。ただし、在籍が1年未満だと選考で理由を詳しく聞かれるため、経験を積んでから動くほうが説明はしやすくなります。

面接で年功序列を理由に話しても大丈夫ですか

制度そのものを批判すると他責に聞こえます。「成果が給与に反映される仕組みの中で働きたい」という方向で話してください。前の会社の設計が悪いのではなく、自分に合う環境を選んでいるという形にすると、前向きな理由として受け取られます。

次の会社が年功型かどうか、どう見分けますか

面接で「最短で何年目に昇格された方がいますか」と聞くのが確実です。具体的な年数が返ってくる会社は、成果が反映される設計です。答えが曖昧な場合や、「だいたい何年目で」という説明になる場合は、年功の要素が強い可能性があります。

年功型の会社で、社外でも通じる経験は積めますか

積めますが、意識が必要です。年功型の会社では、社内でしか通じない業務に寄りやすい傾向があります。自分の業務を、会社名を伏せて説明できるかを定期的に確認してください。説明が難しくなっていたら、外でも通じる仕事を意識して取りにいくことをおすすめします。

10. まとめ:10年いる前提があるかで決まる

今週やる3つのこと

昇給の幅と昇格の年次を、就業規則か人事に確認する

いまの給与に昇給幅×5年を足して、5年後の見込みを出す

直近5年で昇格した人がいるかを確かめる

年功序列は、それ自体が良いも悪いもありません。長く勤める前提があるかどうかで、有利にも不利にもなります。

判断の材料は、いまの年収ではなく5年後の見込みです。制度から逆算してから、外と比べてください。

なお、給与や評価の制度は会社ごとに異なります。この記事は一般的な整理であり、具体的な条件は各社に確認してください。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。