初めての商談同行|第二新卒が準備することと当日の役割【2026年版】
〜見学ではなく、役割を持って入ります〜
「明日、一緒に来て」
初めての同行は、何をすればいいか分からないまま終わりがちです。後ろに座って聞いているだけで、90分が過ぎます。
ただ、同行には役割があります。それを先に決めておけば、1回の同行で得られるものが大きく変わります。
この記事では、準備から振り返りまでの手順を整理します。
1. 結論:やることは3つ
同行で押さえる3点
① 自分の役割を、前日までに確認する
② 記録を取る(発言ではなく、決まったこと)
③ 終了後、その日のうちに振り返る
①を聞かずに当日を迎えると、見学になります。
「明日は何をすればよいですか」と、前日に聞いてください。
2. 事前に確認する6項目
前日までに埋めます。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 相手 | 会社名、部署、氏名、役職 |
| 経緯 | いつから、どんなやり取りがあるか |
| 目的 | 今回の商談で何を決めたいか |
| 自分の役割 | 記録、資料の配布、説明の一部 |
| 持ち物 | 名刺、資料、パソコン |
| 集合 | 場所と時間 |
2つめと3つめが、最も理解に効きます。
背景が分かっていないと、話の意味が取れません。
相手の会社を調べる
事業内容、規模、直近の発表を見ておきます。
10分で足ります。
会社の公式サイトの事業紹介と、ニュース欄を見るだけで、話についていける度合いが変わります。
過去のやり取りを読む
社内に記録が残っていることが多くあります。
「これまでのやり取りの記録はありますか」と聞いてください。
営業以外でも同行はある
商談への同席は、営業職だけのものではありません。
| 職種 | 同行する場面 |
|---|---|
| 営業 | 商談、提案、条件の調整 |
| 技術・エンジニア | 仕様の確認、導入の説明 |
| カスタマーサクセス | 導入後の打ち合わせ |
| 企画・マーケティング | 顧客の声を聞く場 |
| 事務・管理 | 契約や手続きの説明 |
2つめの技術側での同席は、機会があれば手を挙げる価値があります。
顧客がどこで詰まるかを直接見られるのは、社内の資料からは得られない情報です。
3. 当日の役割
役割があると、集中できます。
| 役割 | 内容 |
|---|---|
| 記録 | 決まったこと、宿題、次の予定 |
| 資料の配布 | 開始前に人数分を配る |
| 時間の管理 | 終了時刻を意識する |
| 一部の説明 | 事前に決めた箇所を話す |
| 質問への補足 | 分かる範囲で答える |
初回は1つめから始めるのが一般的です。
記録を取ろうとすると、話を追う必要が出るため、理解が深まります。
自己紹介
同席する以上、名乗ります。
「◯◯部の△△と申します。本日は同席させていただきます」で足ります。
黙って座っていると、相手も戸惑います。
座る位置
先輩の隣か、少し下座に座ります。
案内された席に座れば、間違いありません。
4. 記録の取り方
発言をすべて書く必要はありません。
| 書くこと | 内容 |
|---|---|
| 決まったこと | 合意した内容 |
| 宿題 | 誰が、いつまでに、何を |
| 相手の関心 | 何に反応したか |
| 出た数字 | 金額、期間、数量 |
| 次の予定 | 日時と、扱う内容 |
3つめが、実は最も価値があります。
相手が身を乗り出した話題は、次の提案の材料になります。
分からない用語
その場で聞かず、書き留めておきます。
商談の後で、先輩に確認してください。
相手の前で基本的な用語を聞くと、話の流れが止まります。
書きすぎない
下を向いて書き続けると、話に入れなくなります。
要点だけを短く書き、顔を上げる時間を作ってください。
5. 話を振られたとき
初回でも、質問が来ることがあります。
| 場面 | 答え方 |
|---|---|
| 自己紹介を求められた | 短く名乗る。経歴は聞かれてから |
| 意見を聞かれた | 分かる範囲で。分からなければ正直に |
| 専門的な質問 | 「確認して回答いたします」 |
| 前職の話を聞かれた | 一般的な範囲で。機密は話さない |
3つめを使えれば、その場は乗り切れます。
分からないことを、その場で答えないでください。
分からないと言ってよい
入社直後であることは、相手も分かっています。
「入社したばかりで、確認してご回答いたします」で問題ありません。
曖昧に答えるほうが、後で問題になります。
前職の話には注意
前の会社の具体的な情報は話さないでください。
守秘義務に関わることがあります。
一般的な業界の話にとどめてください。
6. 終了後の振り返り
その日のうちにやります。
| やること | 内容 |
|---|---|
| 記録を整理する | 決まったこと、宿題、次の予定 |
| 先輩に共有する | 認識のずれを確認する |
| 分からなかった点を聞く | 用語、判断の理由 |
| 社内に報告する | 記録を所定の場所に残す |
3つめが、同行の価値を決めます。
「なぜあの場面でその提案をしたのですか」を聞いてください。
聞くべきこと
- なぜその順番で話したのか
- 相手のどの反応を見ていたのか
- どこで判断が変わったのか
この3つを聞くと、次の同行での見方が変わります。
記録の共有
その日のうちに、先輩へ記録を送ります。
「認識に違いがあればご指摘ください」と添えてください。
7. 回数を重ねる
同行の目的は、一人で行けるようになることです。
| 段階 | 役割 |
|---|---|
| 1〜3回目 | 記録を取る。全体の流れを掴む |
| 4〜6回目 | 一部の説明を担当する |
| 7〜10回目 | 前半を任せてもらう |
| その後 | 一人で訪問。同行してもらう形に切り替わる |
段階を上げるには、自分から申し出る必要があります。
申し出るときの言い方
「次回、◯◯の説明の部分を担当させていただけますか」
範囲を限定して頼むと、通りやすくなります。
いきなり全部を任せてほしいと言うより、現実的です。
同行してもらう側になったら
一人で行けるようになった後も、同行を頼める場面があります。
- 大きな金額の商談
- 相手の役職が高い場合
- 条件の交渉が必要な場面
- 初めての業界
「同席をお願いできますか」と頼むことは、力不足を示すものではありません。
判断が必要な場面で一人で決めるほうが、リスクが大きくなります。
8. 記録が経歴になる
同行の経験も、書ける材料になります。
| 書き方 | 例 |
|---|---|
| 件数 | 「年間◯件の商談に同席」 |
| 役割 | 「議事録の作成と、次回の提案資料を担当」 |
| 成果 | 「担当した◯件のうち△件が受注に至った」 |
| 移行 | 「入社6ヶ月で単独訪問に移行」 |
4つめが、立ち上がりの速さを示します。
いつから一人で行けるようになったかは、分かりやすい指標です。
記録しておくこと
- 同行した件数
- 担当した役割
- 単独訪問に移った時期
- 関わった商談の結果
後からまとめて思い出すのは難しいので、その都度残してください。
9. よくある質問
同行のとき、何をすればいいですか
前日に「明日は何をすればよいですか」と聞いてください。役割を確認せずに当日を迎えると、後ろで聞いているだけになります。初回は記録を取る役割から始めるのが一般的で、話を追う必要があるため理解も深まります。
事前に何を調べますか
相手の会社の事業内容、規模、直近の発表を10分程度で確認してください。加えて、これまでのやり取りの記録が社内にあるかを聞いてください。背景が分かっていないと、当日の話の意味が取れません。
記録には何を書きますか
決まったこと、宿題(誰がいつまでに何を)、相手の関心、出た数字、次の予定の5つです。発言をすべて書く必要はありません。特に「相手が何に反応したか」は、次の提案の材料になります。
分からない用語が出てきました
その場で聞かず、書き留めておいてください。商談の後で先輩に確認します。相手の前で基本的な用語を聞くと、話の流れが止まります。ただし、商談の内容そのものに関わる重要な用語であれば、先輩が説明を挟んでくれることもあります。
質問を振られたら、どう答えますか
分かる範囲で答え、分からなければ「確認してご回答いたします」と伝えてください。入社直後であることは相手も分かっています。曖昧に答えるほうが、後で問題になります。「入社したばかりで」と前置きしても構いません。
前職の話を聞かれました
一般的な業界の話にとどめてください。前の会社の具体的な情報は、守秘義務に関わることがあります。取引先名、金額、非公開の数字は話さないでください。判断に迷う場面では、話を広げないほうが安全です。
商談の後、何をすればいいですか
その日のうちに記録を整理し、先輩に共有してください。「認識に違いがあればご指摘ください」と添えると、確認してもらえます。加えて、分からなかった点や「なぜあの場面でその提案をしたのか」を聞くと、次の同行での見方が変わります。
一人で行けるようになるまで、どのくらいですか
会社と職種によりますが、半年前後を目安としているところが多くあります。段階を上げるには、自分から申し出る必要があります。「次回、◯◯の説明の部分を担当させていただけますか」と、範囲を限定して頼むと通りやすくなります。
10. まとめ:役割を持って入り、その日に振り返る
今週やる3つのこと
① 次の同行の前日に、自分の役割を確認する
② 記録に書く5項目を、様式として作っておく
③ 商談の後、「なぜその順番で話したのか」を聞く
同行は見学ではありません。役割を持って入ると、1回で得られるものが変わります。
そして、その日のうちの振り返りが、次の同行での見方を作ります。
この先、読むべき記事
- 名刺交換と社外での立ち居振る舞い|第二新卒が押さえる基本(訪問先での振る舞い)
- 議事録と資料作成|第二新卒が最初に評価される仕事(記録の取り方)
- 報告・連絡・相談のやり方|第二新卒が信頼を作る型(商談後の報告)
- 守秘義務がある仕事の書き方|性質と量だけで伝える(前職の情報の扱い)
- 初めての出張|第二新卒が段取りと精算で迷わない手順(訪問の段取り)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。