入社前の研修・課題が出たとき|第二新卒が断れるのか、どこまでやるか【2026年版】
〜まだ入社していないのに、課題が届いた人へ〜
内定を承諾した後、入社日までの間に「事前に読んでおいてください」「この講座を受けてください」と案内が届くことがあります。
在職中の人にとっては、これが負担になります。今の仕事をしながら、退職の手続きも進めている時期だからです。
そして、「断ってもいいのか」が分かりません。まだ入社していない相手に対して、どこまで応じるべきかの基準がないためです。
この記事では、案内の型を分けたうえで、対応の仕方を整理します。
1. 結論:押さえるべきは3点
入社前の研修・課題の3つの前提
① 強制ではないものが多い(案内の書き方で判断できる)
② 在職中であることを伝えれば、調整されることが多い
③ 費用と時間の扱いは、事前に確認してよい
②が最も実用的です。
企業側も、中途入社者が在職中であることは分かっています。それでも案内が来るのは、一律に送っているだけの場合が多くあります。
一言伝えれば、時期をずらす、量を減らす、といった調整をしてもらえることがほとんどです。
2. よくある4つの型
| 型 | 中身 | 負担 |
|---|---|---|
| 資料の読み込み | 会社案内、業界の資料 | 小さい |
| 動画やオンラインの講座 | 基礎的な内容の受講 | 中程度 |
| 課題の提出 | レポート、自己紹介の作成 | 中程度 |
| 集合研修への参加 | 決まった日時に出席 | 大きい |
4行目が、最も調整が必要になります。
在職中は、平日の日中に参加できません。この場合、日程の相談が必要です。
1行目については、応じておくほうが入社後が楽になります。会社の事業や用語を先に知っておくと、初日からの理解が変わります。
案内の書き方で判断する
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| 「必ずご受講ください」 | 必須の可能性が高い |
| 「ご確認いただけますと幸いです」 | 任意の可能性が高い |
| 「入社日までに」と期限がある | 準備の一部として想定されている |
| 「余裕があれば」 | 任意 |
判断がつかない場合は、聞いてください。「こちらは必須の内容でしょうか」と確認するのは、失礼にあたりません。
3. 在職中であることを伝える
そのまま使える文面
「ご案内いただきありがとうございます。
現在も在職しており、平日の日中に時間を確保することが難しい状況です。
◯◯につきまして、入社後の対応でも差し支えないか、または期限をご相談させていただくことは可能でしょうか。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。」
「できません」ではなく「相談させてください」の形にしてください。
そして、対応できる範囲は先に示すと調整が早くなります。「週末であれば対応可能です」「資料の読み込みは進めております」といった一文を添えます。
入社までの準備の全体は内定から入社日までにやること|第二新卒の準備を時系列で全部、提出書類は入社時に出す書類|第二新卒が事前に揃える一覧と期限にまとめています。
4. 話を聞いた例:相談して調整された人
知人に、内定後に複数の課題が届いた人がいます。
その人の状況は、次のようなものでした。
実際に起きたこと
・オンラインの講座5本と、レポートの提出を案内された
・退職の手続きと引き継ぎの時期と重なっていた
・人事に、在職中である旨をメールで伝えた
・講座は入社後、レポートは入社日に持参する形に変わった
相談してから、返信は翌日に来たそうです。
企業側も、その状況を想定していなかっただけでした。一律の案内を送っていて、個別の事情までは把握していません。
その人は「黙って全部やろうとして、退職の手続きが遅れるところだった」と言っていました。
負担だと感じたら、伝えてください。それで印象が悪くなることは、まずありません。
5. 費用と時間の扱い
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 受講の費用 | 会社の負担か、自己負担か |
| 教材の費用 | 同上 |
| 移動の費用 | 集合研修がある場合 |
| 時間の扱い | 入社後の勤務時間に含まれるか |
| 入社前の期間 | 賃金の対象になるか |
費用については、案内に記載がなければ確認してください。
「こちらの費用はご負担いただく形でしょうか」と聞くだけで構いません。
時間の扱いについては、法令上の定めが関わる領域です。この記事は一般的な整理であり、個別の判断は専門機関や所管の窓口に確認してください。
6. 断ってよい場合
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 在職中で時間が取れない | 相談して調整する |
| 高額な費用の自己負担を求められる | 内容と理由を確認する |
| 退職の手続きに支障が出る | 優先順位を伝える |
| 内容が業務と関係ない | 必須かどうかを確認する |
| 案内が入社日の直前に来た | 期限の相談をする |
2行目については、慎重に確認してください。
入社前に高額な費用の負担を求められる場合、その理由と内容を確認する必要があります。納得できない場合は、内定を受けるかどうかも含めて考える材料になります。
この点についても、法令や契約に関わる部分があります。個別の事情については、専門機関に相談することをおすすめします。
条件面のずれについては内定後に条件が違ったとき|通知書と説明のずれを確認するを参照してください。
7. 受けておくと得な場合
すべてを断るのが正解ではありません。受けておくと入社後が楽になるものがあります。
受けておく価値があるもの
① 会社の事業や商品の資料(初日からの理解が変わる)
② 社内で使う用語の一覧
③ 業界の基礎的な知識
④ 使用するツールの操作
①と②が、最も効きます。
入社直後に最も困るのは、会話に出てくる用語が分からないことです。先に一覧を見ておくだけで、最初の1週間の負担が変わります。
時間が限られているなら、この2つに絞って対応してください。
入社直後の動き方は中途入社の初日にやること|第二新卒が最初の1日で押さえる7つ、立ち上がりの3か月は入社後の3ヶ月|第二新卒がつらい時期を抜ける順番にまとめています。
8. 内定者との交流会に誘われた場合
企業によっては、入社前に食事会や交流の場が設定されることがあります。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 参加できる | 参加すると入社後が楽になる |
| 日程が合わない | 正直に伝えて構わない |
| 在職中で難しい | 事情を伝える |
| 費用が発生する | 誰の負担かを確認する |
参加できるなら、参加する価値があります。
入社前に顔と名前が分かる人が1人でもいると、初日の緊張が下がります。
ただし、無理をして参加する必要はありません。日程が合わない場合は、正直に伝えれば問題ありません。
9. よくある質問
断ると印象が悪くなりますか
なりません。「できません」ではなく「相談させてください」の形にすれば、通常のやり取りとして扱われます。
全部やらないといけませんか
必須かどうかを確認してください。案内の書き方だけでは分からない場合、聞いて構いません。
費用は誰が負担しますか
案内に記載がなければ確認してください。入社前の費用負担については、内容と理由を確かめる必要があります。
在職中だと伝えていいですか
伝えてください。企業側も、中途入社者が在職中であることは想定しています。
課題の質が評価されますか
入社前の課題が、選考のように評価されることは多くありません。ただし、提出しないと連絡の手間をかけることになります。
入社前の時間は勤務時間になりますか
扱いは状況によります。法令上の定めが関わる領域のため、個別の判断は専門機関や所管の窓口に確認してください。
案内が来ない場合は
来ないこともあります。その場合は、自分で会社の公開情報を読んでおくだけで十分です。
内定者の交流会は参加すべきですか
参加できるなら価値があります。ただし、日程が合わなければ断って構いません。
10. まとめ:今日やる3つのこと
入社前の案内は、黙って全部やろうとせず、必要なら相談してください。
今日やる3つのこと
① 届いた案内が必須か任意かを、書き方から判断する
② 判断がつかなければ、確認のメールを送る
③ 時間が限られるなら、会社の資料と用語の一覧に絞る
③が最も費用対効果が高い対応です。入社後の理解の速さに、直接つながります。
なお、入社前の時間や費用の扱いには法令上の定めが関わります。この記事は一般的な整理であり、個別の判断は専門機関や所管の窓口に確認してください。
この先、読むべき記事
- 内定から入社日までにやること|第二新卒の準備を時系列で全部(入社までの全体の流れ)
- 入社時に出す書類|第二新卒が事前に揃える一覧と期限(提出書類の準備)
- 中途入社の初日にやること|第二新卒が最初の1日で押さえる7つ(初日の動き方)
- 入社後の3ヶ月|第二新卒がつらい時期を抜ける順番(立ち上がりの時期)
- 内定後に条件が違ったとき|通知書と説明のずれを確認する(ずれがあったとき)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。