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入社前の健康診断|第二新卒が費用・期限・提出範囲で迷わないための手順【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約14分
入社前の健康診断|第二新卒が費用・期限・提出範囲で迷わないための手順【2026年版】

内定承諾の後、入社書類の一覧にこう書かれていることがあります。

「健康診断書(3ヶ月以内に受診したもの)をご提出ください」

ここで慌てる人が多い。

理由は3つあります。費用が誰の負担か分からないどこで受ければいいか分からない入社日までに間に合うか分からない

この3つは、事前に手順を知っていれば全部先に潰せます。実際、内定から入社まで1ヶ月あれば十分に間に合う手続きです。

ただし、放置すると本当に間に合わなくなります。予約が2週間先になる医療機関は珍しくなく、結果の発行にさらに1〜2週間かかるためです。

この記事では、費用の考え方、受診先の選び方、日程の逆算、提出する項目の範囲、間に合わないときの対応までを整理します。

1. 結論:やることは3つ

1. 入社書類を受け取った日に、受診期限を確認する。「3ヶ月以内」なのか「入社日の1ヶ月前まで」なのかで、動き方が変わります。

2. 費用の扱いを人事に聞く。会社負担か自己負担か、負担なら上限があるか。聞くこと自体は普通の質問です。

3. その週のうちに予約を取る。これが最も重要です。

手順目安の日数
予約当日〜2週間先
受診半日
結果の発行3日〜2週間
提出即日

合計で最短1週間、長いと1ヶ月かかります。

内定承諾から入社までが1ヶ月を切っている場合は、承諾したその日に予約してください。

2. なぜ入社前に求められるのか

法律上の根拠があります。

労働安全衛生規則により、事業者は労働者を雇い入れるときに健康診断を行う義務があります。この「雇入時の健康診断」が、入社前後に求められる書類の正体です。

つまり、会社が勝手に求めているのではなく、会社側の義務です。

この点を理解しておくと、費用の交渉がしやすくなります。会社の義務として行うものであれば、費用は会社が負担するのが自然な考え方だからです。

誰の義務か実際の運用
事業者(会社)の義務会社が費用を持つケースが多い
応募者が受診して立替、後日精算
全額自己負担とする会社もある

3番目も違法ではありません。費用負担について明確な定めがないため、会社ごとに運用が分かれています。

だから、聞かないと分からないのが実態です。

聞くときの文面

入社書類についてご確認させてください。健康診断書の費用は会社でご負担いただけますでしょうか。自己負担となる場合は、提携の医療機関のご指定などがあればあわせてお教えください。

この聞き方であれば、費用を気にしている印象にはなりません。指定医療機関の有無を同時に聞いているためです。

3. どこで受けるか

受診先は3つの選択肢があります。

受診先費用の目安特徴
会社の指定医療機関会社負担が多い手続きが最も楽
一般の内科・クリニック5,000〜12,000円予約が取りやすい
健診センター8,000〜15,000円項目が揃っている

まず、会社の指定があるかを必ず確認してください。指定があれば、そこが最も早く確実です。

指定がない場合、「雇入時健康診断に対応していますか」と電話で確認してから予約してください。

一般のクリニックでは、必要な項目の一部(胸部エックス線、心電図など)を扱っていない場合があります。予約してから受けられないと分かると、その分だけ日程が後ろにずれます。

予約時に伝える言葉

電話でこう言えば話が早い。

「転職先に提出する、雇入時の健康診断を受けたいのですが、対応していますか。項目は法定11項目です」

「法定11項目」という言葉を出すと、受付側がすぐ判断できます。

対応していない場合は、その場で対応可能な医療機関を教えてもらえることもあります。

4. 検査される項目

雇入時の健康診断で定められている項目は、次の11種類です。

項目内容
既往歴・業務歴の調査問診票への記入
自覚症状・他覚症状の有無問診と診察
身長・体重・腹囲・視力・聴力計測
胸部エックス線撮影
血圧測定計測
貧血検査血液
肝機能検査血液
血中脂質検査血液
血糖検査血液
尿検査採尿
心電図検査検査

血液検査が含まれるため、前日から食事の制限がかかります。

多くの医療機関で「受診の10時間前から飲食を控える」と案内されます。午前の予約を取り、前日の夜21時以降は水以外を控えるという組み方が現実的です。

これを知らずに昼食後に受診すると、血液検査だけ後日に再受診になります。

会社独自の項目が加わる場合

業種によっては、法定項目に加えて検査が指定されることがあります。

  • 食品を扱う業種:検便
  • 深夜業を含む業種:追加の項目
  • 特定の物質を扱う業種:特殊健康診断

これらは費用も日数も変わるため、指定があるかを最初に確認してください。特に検便は、容器を受け取ってから提出するまでに数日かかります。

5. 日程の逆算

入社日から逆算する形で組んでください。

入社日までの日数動き方
2ヶ月以上通常の手順で問題なし
1ヶ月承諾直後に予約
3週間即日予約、結果の速達を依頼
2週間以内人事に相談、入社後受診の可否を確認

2週間を切っている場合は、隠さずに人事へ相談してください。

雇入時の健康診断は、入社後に受けることも認められています。実際、多くの会社が「入社日から1ヶ月以内に受診」という運用を持っています。

入社日までの日程について1点ご相談です。健康診断の予約が最短で○月○日となり、結果の発行が入社日を過ぎる見込みです。入社後の提出でも問題ないでしょうか。

この相談で問題になることは、まずありません。

黙って提出が遅れるほうが、印象としても手続きとしても悪くなります。

6. 前職の結果は使えるか

条件を満たせば使えます。

条件は2つです。

  1. 受診から3ヶ月以内であること
  2. 法定11項目を満たしていること

2番目が引っかかることが多い。

前職の定期健康診断は、年齢によって省略できる項目があります。35歳未満の場合、心電図や血液検査の一部が省略されている診断結果は珍しくありません。

省略項目があると、その分だけ追加受診が必要になります。

前職の結果対応
3ヶ月以内・全項目ありそのまま提出可
3ヶ月以内・項目に欠け欠けた項目のみ追加受診
3ヶ月超新規に受診

まず、手元の結果票を見て項目を数えてください。その上で人事に「前職の結果を提出してよいか」を確認すれば、二度手間を避けられます。

7. 結果の内容で内定が取り消されるか

原則として、健康診断の結果を理由とした内定取り消しは認められていません。

雇入時の健康診断は、採用の可否を判断するためのものではなく、入社後の適正な配置と健康管理のために行うものと位置づけられています。厚生労働省もその趣旨で運用を求めています。

つまり、この診断は「採るかどうか」ではなく「入社後にどう配置するか」の資料です。

よくある不安実際
数値に異常があると落ちる判断材料ではない
再検査になると不利になる配置の配慮に使われる
治療中だと伝えるべきか業務に支障が出る範囲で相談

不安がある場合は、受診先の医師に相談してください。提出する書類の範囲や書き方について、専門的な助言を受けられます。

なお、業務の遂行にあたって配慮が必要な事情がある場合は、入社前に人事へ相談しておくほうが、入社後の働きやすさにつながります。いつ、誰に、どこまで伝えるかは自分で決めて構いません。

8. 提出のしかた

提出時に確認しておくことが3つあります。

1. 原本かコピーか。原本を求められる場合、手元に残す分のコピーを先に取ってください。転職活動が続く可能性を考えると、原本は返却されない前提で動くほうが安全です。

2. 提出先。人事宛か、直属の上長宛か。健康に関する情報が含まれるため、宛先を間違えないでください。

3. 送り方。郵送なら、封筒に「親展」と記載します。データで送る場合は、指定された方法があるかを確認してください。

送り方注意点
手渡し封筒に入れて渡す
郵送親展、追跡できる方法で
データ指定の方法を確認

健康に関する書類は、他の入社書類と分けて扱ってください。まとめて送ると、意図しない範囲で共有されることがあります。

9. よくある質問

Q. 費用はいくらかかりますか

自己負担の場合、5,000〜15,000円が目安です。

医療機関と項目数で幅が出ます。健診センターより一般のクリニックのほうが安いことが多いですが、項目が揃っているかを先に確認してください。

Q. 保険は使えますか

使えません。健康診断は保険適用外です。

全額自己負担となるため、費用の会社負担について事前に確認する価値があります。

Q. 受診にどのくらい時間がかかりますか

実際の受診は1〜2時間程度です。混雑状況によって前後します。

在職中であれば、午前休を取って午前の枠で受けるのが最も効率的です。血液検査の食事制限とも噛み合います。

Q. 結果が出るまでどのくらいですか

3日〜2週間です。医療機関によって差が大きい。

予約時に「結果はいつ出ますか」と必ず聞いてください。入社日が近い場合は、その場で急ぎである旨を伝えると、対応してもらえることがあります。

Q. 提出が入社日に間に合わないとどうなりますか

事前に伝えていれば、ほぼ問題になりません。

入社後1ヶ月以内の提出を認めている会社が多数です。問題になるのは、連絡せずに遅れた場合だけです。

Q. 内定を複数持っている段階で受けるべきですか

承諾する会社が決まってからで構いません。

自己負担の場合、複数社分を受けると費用が重なります。ただし、承諾から入社までが短い場合は、承諾の見込みが立った時点で予約だけ取っておくのが現実的です。予約は変更もキャンセルもできます。

Q. 会社指定の書式がある場合は

その書式を医療機関に持参してください。

受診時に渡せば、その様式で記入してもらえます。後から書式を渡すと、追加の手数料や再訪問が必要になることがあります。予約時に「指定の書式があります」と伝えておいてください。

Q. 派遣や契約社員でも必要ですか

雇入時の健康診断は、常時使用する労働者が対象です。

期間の定めがある契約でも、1年以上の契約や更新の見込みがある場合は対象になります。派遣の場合は、派遣元が実施するのが原則です。

10. まとめ:今週やる3つのこと

1. 入社書類の受診期限と、指定医療機関の有無を確認する。この2つで動き方が決まります。

2. 費用負担を人事に一度で聞く。指定医療機関の有無とセットで聞けば自然です。

3. その週のうちに予約を取る。予約が2週間先になることを前提に、早く押さえてください。

間に合わないと分かった時点で相談すれば、ほぼ全て解決します。黙って遅れることだけを避けてください。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。