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農業法人へ転職する|第二新卒が農作業以外の職種を知る【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約18分
農業法人へ転職する|第二新卒が農作業以外の職種を知る【2026年版】

〜「農業=畑で作業する」だけではない事業になっています〜

農業に関わる仕事を考えるとき、多くの人は畑での作業を思い浮かべます。そして、体力と経験が必要だと考えて、候補から外します。

ただ、農業法人は企業です。生産だけでなく、加工、販売、営業、生産の管理、そして人の管理があります。

そして、経営として規模を大きくしている法人ほど、生産以外の職種を必要としています。

この記事では、農家と法人の違いから整理して、生産以外の入口をまとめます。

1. 結論:押さえるべきは3点

農業法人を考えるときの3つの前提

個人の農家とは、組織としての性質が違う

生産だけでなく、加工・販売まで手がける法人がある

生産以外の職種で、未経験から入れる入口がある

②が事業の広がりを決めています。

作って売るだけでなく、加工して付加価値をつけ、販路を作る。ここまでやる法人では、営業や企画の仕事が生まれます。

この構造を理解していると、志望動機が「自然の中で働きたい」から変わります。

2. 農家と農業法人の違い

個人の農家農業法人
組織家族が中心従業員を雇用する
規模限られる拡大を目指すことがある
雇用限定的正社員の採用がある
事業の範囲生産が中心加工・販売まで広がる
労働条件個別就業規則に基づく

3行目が、転職先として成立する理由です。

法人化している組織では、正社員としての雇用があり、労働条件が定められています。

ただし、規模と体制は法人によって大きく違います。従業員が数名の法人から、数十名以上の法人まであります。

出る側の視点は農業・JAから転職する|段取りと数字を武器に変える書き方、協同組合の側は農協・協同組合へ転職する|第二新卒が組織の仕組みと職種を知るにまとめています。

収益の仕組み

収益中身
生産物の販売市場、直接取引、通販
加工品の販売付加価値をつけて売る
契約栽培販売先を先に決めて作る
体験・観光農業体験、直売所
受託他の生産者からの作業の請負

2行目と3行目が、経営の安定に関わります。

生産物をそのまま売ると、価格が相場に左右されます。加工すると価格を自分で決められ、契約栽培なら販売先が先に決まります。

この違いを面接で話せると、事業の理解が伝わります。

3. 生産以外の職種

職種仕事の中身未経験の可否
営業・販路開拓取引先の開拓、価格の交渉可能
生産管理作付けの計画、工程の管理可能
加工・品質管理加工品の製造、衛生の管理可能
販売・直売所の運営店舗での販売、企画可能
事務・経理補助金の申請、経理可能
人事・労務従業員の管理、外国人材の受け入れ経験により可
生産(栽培・収穫)畑での作業可能(体力が要る)

営業・販路開拓が、最も入口が広い職種です。

作ったものをどこに売るかが、経営の中心的な課題だからです。飲食店、小売、通販の事業者を相手にする法人営業になります。

また、事務・経理も見落とされています。補助金や助成の申請には書類の作成が必要で、その担当が求められます。

食品の領域とのつながりは食品業界へ転職|第二新卒が知る職種の全体像と入口の広さを参照してください。

4. 話を聞いた例:営業から販路開拓へ移った人

知人に、食品の卸から農業法人の販路開拓へ移った人がいます。

その人が書類に書いたのは、次のような内容でした。

前職から出した材料

・飲食店を担当し、仕入れの相談を受けていた

・季節ごとの需要の変化を把握していた

・価格と品質の折り合いをつける交渉をしていた

・生産者から直接仕入れる案件を扱ったことがあった

4つ目が決め手になりました。

農業法人の営業は、生産の事情を理解したうえで、買う側と話す仕事です。両方の立場を知っていることが強みになりました。

面接では「自然の中で働きたい」ではなく、「作る側と買う側の間で、価格と品質の折り合いをつける仕事をしていた。作る側に立って、それをやりたい」という形で話しました。

この業界でも、前職の技能が使えるかが先に見られます。

5. 待遇と働き方の実態

項目傾向
給与法人の規模と事業の範囲による
休日作物と時期による。繁忙期は集中する
繁忙期作付けと収穫の時期
勤務地生産地が中心
体力生産職では必要。営業や事務では限定的

繁忙期の集中は、この業界の構造です。

作物の生育に合わせるため、時期をずらせません。その代わり、閑散期には休みが取りやすい法人もあります。

年間の休日の取り方を、面接で確認してください。

また、勤務地は生産地になります。都市部から移り住む場合、生活の変化を含めて判断する必要があります。

年間休日の読み方は年間休日日数の読み方|105日と125日で何が違うのか、地方への移動はUターン・地方転職|第二新卒が求人の少なさを埋める探し方を参照してください。

6. 確認する7項目

確認する7項目

従業員の人数

事業の範囲(生産のみか、加工・販売まで)

職種(生産/営業/管理/事務)

作物と、繁忙期の時期

年間の休日と、取り方

住居の手配(社宅や補助があるか)

販売先の内訳(市場/契約/直販)

⑦が経営の安定を示します。

契約栽培や直販の比率が高い法人は、価格の変動を受けにくくなります。

⑥も重要です。生産地に住む必要がある場合、住居の手配があるかで負担が変わります。

企業の見方は企業の将来性をどう見るか|公開情報から読む手順、求人票の読み方は求人票の読み方|第二新卒が9項目をこの順で読むと外さないを参照してください。

7. 求人の探し方

農業法人の求人は、一般の転職サイトには多くありません。

探す方法

農業に特化した求人のサイトを使う

自治体の移住・就業の支援の窓口を確認する

ハローワークで地域を指定して探す

法人の公式サイトを直接確認する

職種名で探す(営業+農業、生産管理+農業)

②については、地域によって就業や移住の支援の制度が用意されている場合があります。制度の内容や条件は自治体によって異なり、変更されることがあります。この記事は一般的な整理であり、個別の内容は所管の窓口に確認してください。

ハローワークの使い方はハローワークの使い方|第二新卒がエージェントと使い分ける基準、探し方の全体像は求人が見つからないとき|検索の幅を広げる5つの手にまとめています。

8. 面接で聞かれることと答え方

質問見られていること答え方の軸
なぜ農業か理解の深さ事業の仕組みに触れる
体力は大丈夫か認識の確認希望する職種に応じて答える
生活の場所を変えられるか定着の見込み具体的に答える
繁忙期の集中は認識の確認前職の繁忙期の経験で話す
前職の経験をどう活かすか翻訳の力具体的な業務で接続する

「自然の中で働きたい」だけの志望動機は、この業界で最も多く聞かれます。

代わりに、「作ったものをどこに売るかで、経営が変わる。その販路を作る仕事に関わりたい」という形にすると、事業の理解が伝わります。

また、生活の場所を変える判断については、具体的に答えてください。ここが曖昧だと、定着への懸念が残ります。

志望動機の組み立て方は未経験職種の志望動機の書き方|第二新卒が3ブロックで作る型と例文6パターンを参照してください。

9. よくある質問

農業の経験がなくても入れますか

職種によります。営業、事務、生産管理は、未経験可の求人があります。

体力に自信がありません

生産職では必要になります。営業や事務、加工の職種では、負担が限定的です。

住む場所はどうなりますか

生産地が中心になります。社宅や住居の補助がある法人もあるため、確認してください。

給与はどのくらいですか

法人の規模と事業の範囲によって幅があります。求人票の内訳を確認してください。

繁忙期は休めませんか

作物と時期によります。その代わり、閑散期に休みを取れる法人もあります。年間の取り方を確認してください。

独立を考えていますが

法人で経験を積んでから独立する人もいます。ただし、それを前提として伝えるかは、応募先との関係で判断してください。

移住の支援制度はありますか

地域によって用意されている場合があります。内容と条件は自治体によって異なり、変更されることがあります。所管の窓口に確認してください。

農協とどう違いますか

農業法人は生産する側、農協は生産者を支える組織です。農協・協同組合へ転職する|第二新卒が組織の仕組みと職種を知るを参照してください。

10. まとめ:今週やる3つのこと

農業法人は、生産以外の職種を見ると、入口が増えます。

今週やる3つのこと

求人を職種で分けて読む(生産/営業/管理/事務)

気になる法人の販売先の内訳を、公式サイトで確認する

前職で「作る側と買う側の間に立った」経験を書き出す

②をやると、その法人が価格の変動にどう対応しているかが見えます。これが分かると、面接での質問の質が変わります。

なお、移住や就業の支援制度には条件があり、内容が変更されることがあります。この記事は一般的な整理であり、個別の内容は所管の窓口に確認してください。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。