不動産営業の自己PR|第二新卒の例文6パターンと件数と単価の書き方【2026年版】
不動産営業の自己PRで、応募者はこう書きます。
「人と接することが好きで、粘り強く提案を続けられます」
これは、この業界では特に不利に働く書き方です。
理由があります。
不動産業界の採用担当が最も避けたいのは、「押し込む営業をする人」だからです。
扱う金額が大きく、契約後のトラブルが重い。
だから、無理に契約を取る人は、会社にとってリスクになります。
「粘り強く」「諦めず」という表現は、この業界では警戒されます。
では、何を書くべきか。
「相手の条件を正確に把握して、合うものを提案した経験」です。
そして、この経験は他業界の営業でも持っている人が多い。
この記事では、書ける材料、売買と賃貸の違い、数字の出し方、例文6パターン、面接での追撃質問への答え方を整理します。
1. 結論:入れる要素は3つ
- 数字で管理していた経験(件数、成約率、単価)
- 相手の条件を掘り下げた経験
- 合わないときに、そう伝えた経験
3番目が、この業界特有の要素です。
不動産は、一度契約すると長く影響が残ります。
買った後、借りた後に「合わなかった」となると、取り返しがつきません。
だから、合わないものを勧めない判断が評価されます。
| 書くもの | 示していること |
|---|---|
| 数字の管理 | 営業としての基礎 |
| 条件を掘り下げた | 表面的な要望で判断しない |
| 合わないと伝えた | 長期の視点がある |
3番目を書ける人は、書類の段階で明確に差がつきます。
2. なぜ「粘り強く」が不利なのか
この業界では、契約後のトラブルが最も避けたい事態だからです。
金額が大きく、生活に直結する商材です。
そして、契約を急がせて成立させた案件は、後で問題になりやすい。
| 応募者が書きがちなこと | 採用担当の受け取り方 |
|---|---|
| 粘り強く提案を続けた | 押し込む可能性がある |
| 断られても諦めなかった | 相手の意思を尊重しない |
| 熱意で契約を取った | 判断が感情的 |
| 人と接するのが好き | 職種の理解が浅い |
代わりに書くべきは、次のような表現です。
| 書き方 | 示していること |
|---|---|
| 条件が合わない場合は他の選択肢を提示した | 相手の側に立てる |
| 予算を超える提案はしなかった | 判断の基準がある |
| 契約後の負担まで確認した | 長期の視点がある |
「売らなかった」経験を書く
「ご予算に対して維持の費用が過大になると判断した物件については、その旨をお伝えして別の条件でご提案していました。結果として、担当分の契約後のご相談は少なく推移しています」
この一文が、この業界では最も強い。
3. 売買・賃貸・投資での違い
応募先によって、書く比重が変わります。
| 分野 | 特徴 | 強調すること |
|---|---|---|
| 賃貸仲介 | 件数が多い、回転が速い | 件数、対応の速さ |
| 売買仲介 | 単価が大きい、期間が長い | 商談期間、資料の正確さ |
| 新築販売 | 商品が決まっている | 集客、案内の件数 |
| 投資用 | 相手が投資家 | 数字での説明 |
| 法人向け | 企業の物件 | 法人営業の経験 |
1行目と2行目では、求められる型がかなり違います。
賃貸仲介は、1日に複数の来客に対応し、その日のうちに決まることがあります。
売買仲介は、1件に数ヶ月かかり、資料の正確さと手続きの理解が求められます。
だから、前職の経験に近いほうを選ぶほうが通りやすい。
| 前職の型 | 相性が良い分野 |
|---|---|
| 件数を回す営業・販売 | 賃貸仲介、新築販売 |
| 商談期間が長い営業 | 売買仲介、法人向け |
| 数字を扱う営業 | 投資用、法人向け |
4. 例文6パターン
そのまま使える形で6つ用意しました。数字と固有名詞を自分のものに差し替えてください。
例文1:個人向け営業から(賃貸仲介向け)
前職では通信サービスの個人向け販売を担当し、月に約80件の契約を扱っていました。ご案内の際は、ご希望のプランをそのままお勧めするのではなく、使用の頻度と目的を確認してから提案を組み立てています。ご希望と実際の使い方が合わない場合は、その旨をお伝えして別のプランをご案内していました。結果として、担当分の3ヶ月以内の解約は店舗平均の3分の1です。条件を確認してから提案する進め方を、不動産の営業でも続けたいと考えています。
例文2:法人営業から(売買仲介・法人向け)
前職では法人向けの機器販売を担当し、年間約40件の商談を扱っていました。導入判断に3〜6ヶ月かかる商材のため、初回訪問で決裁の流れと関与する部署を必ず確認しています。この確認を徹底したことで、商談期間は平均5.2ヶ月から4.1ヶ月に短縮しました。金額が大きく判断に時間がかかる商材を扱ってきた経験を、不動産の売買で活かしたいと考えています。
例文3:販売・接客から
前職ではアパレル店舗で販売を担当し、月に約200名の接客を行っていました。お客様が最初に手に取った商品をそのままお勧めするのではなく、使う場面と頻度を伺ってから提案するようにしています。ご希望に合わないと判断した場合は、率直にお伝えして別の商品をご案内していました。結果として、担当した顧客の再来店率は店舗平均を8ポイント上回っています。相手の条件を確認してから提案する進め方は、不動産でも同じだと考えています。
例文4:金融・保険から
前職では個人向けの金融商品の提案を担当し、月に約60件の面談を行っていました。契約後の解約が起きやすい商材のため、面談時に「今の生活で無理なく続けられるか」を必ず確認しています。無理があると判断した場合は、金額を下げた提案か、時期を改めるご案内に切り替えていました。結果として、担当分の1年以内の解約率は部署平均の半分以下です。長期の負担を確認した上で提案する進め方を、不動産の営業でも続けたいと考えています。
例文5:不動産の事務・管理から
前職では不動産管理会社で、賃貸物件の入居後の対応を担当していました。約400戸を担当し、月に約60件の問い合わせに対応しています。入居後のご相談の内容を分類したところ、6割が契約前に確認できた項目に関するものでした。契約時の説明項目に追記する提案を行い、実施後は該当する相談が月20件まで減っています。契約前の説明が入居後の満足に直結することを、管理の側から見てきました。
例文6:営業事務・受付から
前職では住宅設備の販売会社で営業事務を担当し、月に約120件の見積もりと契約書類を処理していました。書類の不備による差し戻しが月8件発生していたため、確認の項目を金額・仕様・期日の3つに絞り、順番を固定した結果、差し戻しは月1件に減っています。不動産の契約では書類の正確さが重要だと理解しており、この経験を営業の場面でも活かしたいと考えています。
5. 数字の出し方
使える数字は5種類です。
| 数字 | 例 |
|---|---|
| 件数 | 月80件の契約、月200名の接客 |
| 成約率 | 案内から契約まで○% |
| 単価 | 平均○万円 |
| 期間 | 平均5.2ヶ月→4.1ヶ月 |
| 契約後の変化 | 解約率、再来店率 |
5行目が、この業界では最も強い。
契約を取った数より、契約が続いた割合のほうが評価されます。
解約率、更新率、再来店率、紹介の件数。
これらの数字を持っている場合は、必ず書いてください。
資格について
| 資格 | 位置づけ |
|---|---|
| 宅地建物取引士 | 業務上、重要な資格 |
| 取得予定 | 受験時期を明記 |
| その他の不動産系資格 | 補助材料 |
宅地建物取引士は、この業界で重視される資格です。
ただし、未経験の応募で必須とされない求人も多くあります。
入社後の取得を支援する会社があります。
取得済みなら書いてください。勉強中なら受験の時期を明記してください。
6. 落ちる自己PR5つ
| 書き方 | どう受け取られるか |
|---|---|
| 「粘り強く」「諦めず」 | 押し込む型に見える |
| 「人と接するのが好き」 | 職種の理解が浅い |
| 目標達成率だけを並べる | 手段が不明 |
| 数字が一つもない | 営業職では致命的 |
| 契約後の話が一切ない | 短期の視点のみ |
5番目に補足します。
不動産は、契約した後に生活が始まる商材です。
だから、契約後まで意識していた形跡があるかが見られます。
前職で、納品後や契約後のフォローをした経験があれば、必ず書いてください。
7. 面接で追撃される3問
質問1:「予算に合わないお客様には、どう対応しますか」
この職種で最も重要な質問です。
「まず、ご予算のどこが動かせるかを確認します。総額なのか、月々の負担なのかで選択肢が変わるためです。その上で、どうしても合わない場合は、その旨をお伝えして条件を変えたご提案をします。無理に進めると、契約後にご負担になると考えています」
「なんとか予算を上げてもらう」という答えは避けてください。
質問2:「目標が未達のとき、どうしますか」
「件数を増やす前に、案内から契約に至らなかった理由を分類します。条件が合わなかったのか、説明が不足していたのかで、打つ手が変わるためです。前職でも、失注の理由を分類して初回の確認項目を変えた経験があります」
「訪問数を増やします」だけだと、量で解決する人に見えます。
質問3:「なぜ不動産業界なのですか」
「大きな金額を扱いたい」「歩合で稼ぎたい」だけで答えないでください。
「前職も契約後に長く使われる商材でした。契約時の説明が後の満足に直結する構造に手応えを感じており、その影響がより大きい領域で仕事をしたいと考えました」
商材の性質への理解を示してください。
8. 応募先別の書き分け
| 応募先 | 強調する材料 |
|---|---|
| 賃貸仲介 | 件数、対応の速さ、繁忙期の処理 |
| 売買仲介 | 商談期間、書類の正確さ |
| 新築販売 | 案内の件数、集客の施策 |
| 投資用 | 数字での説明、法人対応 |
| 管理会社 | 契約後の対応、件数 |
1行目に補足します。
賃貸仲介には明確な繁忙期があります。
この時期は、1日に何組も対応します。
だから、繁忙期に件数を処理した経験があれば、それが強みになります。
「前職でも繁忙期には1日20名以上を接客しており、限られた時間で条件を確認する進め方に慣れています」
9. よくある質問
Q. 未経験でも不動産営業になれますか
入口は広い業界です。
営業経験、または接客・販売の経験があれば、未経験からの採用が継続的にあります。
Q. 宅地建物取引士は必要ですか
業務上重要な資格ですが、未経験の応募で必須とされない求人も多くあります。
入社後の取得を支援する会社があります。取得済みなら書き、勉強中なら受験時期を明記してください。
Q. 歩合制が不安です
会社によって固定給と歩合の比率が違います。
求人票で「固定給と変動給の内訳」を必ず確認してください。固定給中心の会社もあります。
Q. 労働時間は長いですか
会社と分野によって差が大きい。
賃貸仲介には明確な繁忙期があります。面接で「繁忙期はいつで、そのときの稼働はどのくらいか」を具体的に聞いてください。
Q. 賃貸と売買、どちらが入りやすいですか
賃貸仲介のほうが求人が多く、入口が広い。
売買は単価が大きく、書類や手続きの理解が求められます。前職の経験に近いほうを選んでください。
Q. 「粘り強い」と書いてはいけませんか
この業界では警戒されます。
押し込む営業をする人に見えるためです。代わりに、条件を確認して合うものを提案した経験を書いてください。
Q. 休日はいつですか
個人向けでは、土日が営業日になることが多い。
平日が休みになる働き方です。法人向けであれば、土日休みの場合があります。
Q. 自己PRは何字くらいが適切ですか
400〜600字が目安です。
例文の1つ分がこの分量です。件数、条件の確認、契約後の視点の3つを入れてください。
10. まとめ:今週やる3つのこと
1. 前職の件数・成約率・単価を書き出す。営業でなくても、接客の件数で構いません。
2. 「合わないと伝えた」経験を1つ思い出す。この業界で最も差がつく材料です。
3. 契約後・納品後のフォローの経験を1文で書く。短期の視点だけではないことを示せます。
「粘り強く」を使わずに書けたら完成です。この業界では、その表現が最も不利に働きます。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。