第二新卒のキャリアを深掘りする。
業界・職種研究

建設業界へ転職|第二新卒が人手不足の意味を読んで職種を選ぶ【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約15分
建設業界へ転職|第二新卒が人手不足の意味を読んで職種を選ぶ【2026年版】

転職サイトを見ていると、建設業界の求人がかなり目に入ります。

「未経験歓迎」「学歴不問」「資格取得支援あり」。条件が良く見える求人が並びます。

そして、この業界は実際に人手が足りていません。

だから入口は広い。ただし、「人手不足だから入りやすい」という事実の裏側を読む必要があります。

人手が足りない理由は、需要が伸びているからだけではありません。働き方の面で人が定着しにくい側面があるから、という要素もあります。

この両面を理解した上で選べば、この業界は第二新卒にとって現実的な選択肢です。

資格が評価される構造があり、経験年数が年収に直結しやすく、年齢が若いことがそのまま有利に働きます。

この記事では、業態の違い、職種ごとの入口、資格の位置づけ、働き方の実際、求人票の見方を整理します。

1. 結論:確認することは3つ

1. 業態を決める。ゼネコン、サブコン、設備、開発。仕事が全く違います。

2. 職種を決める。施工管理か、それ以外かで生活が変わります。

3. 働き方の実態を、面接で具体的に確認する。これが最も重要です。

3番目を飛ばさないでください。

この業界は、会社によって働き方の差が非常に大きい。同じ「施工管理」でも、担当する現場の種類と会社の方針で、生活が全く違います。

確認すること聞き方
担当する現場の数「1人あたり何現場を担当しますか」
現場の場所「勤務地の範囲を教えてください」
休日「現場の休みは週何日ですか」
労働時間「繁忙期の1日の流れを教えてください」

この4つを聞かずに入社すると、想像と大きくずれます。

2. 業態の違い

業態役割
ゼネコン(総合建設)工事全体を取りまとめる
サブコン(専門工事)電気、空調、配管などを担当
設備・メンテナンス建物の設備を維持する
不動産開発企画し、発注する側
住宅(ハウスメーカー)個人向けの住宅

未経験からの入口が広いのは、上から2番目と3番目です。

サブコンは、専門工事ごとに会社が分かれており、企業数が多い。その分、中途採用の枠も多くなります。

設備・メンテナンスは、新築ではなく既存の建物を扱います。現場が固定されることが多く、働き方が比較的安定しています。

業態で働き方が変わる

業態働き方の傾向
ゼネコン現場に常駐、工期に左右される
サブコン現場に出るが、範囲が限定的
設備・メンテナンス定期業務中心、当番がある場合
不動産開発内勤中心、発注する側
住宅顧客対応、土日が中心

5行目に注意してください。

ハウスメーカーの営業や設計は、顧客が個人であるため土日が稼働日になります。平日休みが基本です。

3. 職種ごとの入口

施工管理

建設業界で最も求人数が多い職種です。

工程、品質、安全、原価の4つを管理します。自分で作業をするのではなく、職人と工程を管理する仕事です。

未経験からの入りやすさ高い
資格入社後に取得を支援する会社が多い
年収経験年数と資格で上がりやすい
働き方会社と現場によって差が大きい

この職種は、「未経験可」の求人が非常に多い。ただし、働き方の差が大きいため、確認が必須です。

設備管理・ビルメンテナンス

建物の設備を維持する仕事です。

施工管理より働き方が安定している傾向がありますが、当番や夜勤がある場合があります。

建設事務・積算

見積もりの作成や、工事の書類を扱う仕事です。

内勤中心で、事務職の経験が活きます。求人数は施工管理より少ないものの、現場に出ない選択肢として存在します。

不動産開発・発注者側

建てる側ではなく、発注する側です。

未経験からの入口は狭いものの、内勤中心で働き方は安定しています。

4. 「人手不足」の読み方

この業界の求人が多い理由を、正しく理解してください。

理由は複数あります。

理由内容
需要がある建て替え、更新、災害対応
高齢化現場の担い手が減っている
定着しにくい面がある働き方が理由の離職

3行目を無視しないでください。

ただし、この点は近年変化が進んでいます。

建設業でも時間外労働の上限規制が適用されるようになり、働き方の見直しが進んでいます。週休2日を導入する現場も増えています。

だから、「建設業界=激務」と一括りにするのは正確ではありません。

会社ごとの差が大きい、というのが実態に近い。

だから確認が必要になる

面接で、次の質問をしてください。

「現場の休日について伺わせてください。週休2日は確保されていますか。土曜日の稼働はどのくらいの頻度でしょうか」

この質問への答えが、その会社の実態を最もよく示します。

具体的に答えられる会社と、曖昧に答える会社で、明確に差が出ます。

5. 資格の位置づけ

この業界の特徴は、資格が年収に直結しやすいことです。

資格位置づけ
施工管理技士(2級・1級)実務経験が受験の要件、取得で評価が上がる
電気工事士電気系の工事で必要
建築士設計に関わる場合
各種設備の資格設備管理で評価される

重要なのは、多くの資格が実務経験を受験の要件としている点です。

つまり、先に入社して経験を積まないと、資格が取れません。

だから、応募の段階で資格を持っている必要はありません。むしろ、資格取得の支援がある会社を選ぶほうが合理的です。

求人票で見る場所

記載意味
「資格取得支援あり」費用の補助がある
「資格手当あり」取得後に給与が上がる
「有資格者優遇」未経験でも可だが、条件が変わる

2行目が具体的に金額まで書かれている求人は、資格の取得を推奨している会社です。

面接で「取得までの平均的な期間」と「支援の内容」を聞いてください。

6. 他業界からの翻訳

前職の経験を、施工管理の言葉に置き換えてください。

前職翻訳できる経験
営業納期の管理、社内外の調整
販売・店舗人の配置、進行の管理
製造工程の管理、安全、品質
物流段取り、期日の管理
飲食人の管理、原価、複数の同時進行
事務書類の管理、記録

施工管理の本質は、「複数の関係者を、期日までに動かす」ことです。

この構造を経験した仕事なら、業界が違っても書けます。

「前職では飲食店の店長として、8名のスタッフの配置と、日次の進行を管理していました。当日の欠員や来客の変動が頻繁にある中で、優先順位を組み替えて対応しています」

この経験は、施工管理の応募で評価されます。職人の配置と工程の管理は、構造が同じだからです。

体力の話は書かない

「体力には自信があります」は書かないでください。

施工管理は、体力より段取りの仕事です。体力を強調すると、仕事の中身を理解していないと判断されます。

書くなら、「予定が動く中で段取りを組み直した経験」です。

7. 求人票の見方

この業界の求人票では、次の項目を必ず確認してください。

項目見る理由
年間休日105日と125日では生活が違う
勤務地現場の範囲、転居の有無
固定残業代時間数と金額
担当現場数記載がなければ面接で聞く
資格取得支援費用と手当の内容

1行目が最も差が出ます。

年間休日105日は、週休2日でも祝日が休みでない場合の数字です。125日であれば、土日祝が休みに近い。

この20日の差は、1年で大きい。

3行目にも注意してください。

この業界では、固定残業代が含まれる求人が多い。月45時間分が含まれている場合、その時間までは追加の支払いがありません。

「月給35万円(固定残業代45時間分を含む)」と「月給30万円(残業代別途)」では、後者のほうが条件が良い場合があります。

8. 進め方と時間配分

時期やること
1週目業態と職種を決める
2週目前職の「段取りの経験」を書き出す
3週目求人票を年間休日と固定残業代で絞る
4週目応募、面接で働き方を具体的に確認

3週目が最も重要です。

「未経験歓迎」の求人は大量にあります。だから、条件で絞らないと選べません。

年間休日120日以上、固定残業代が30時間以内、という基準で絞ると、候補が現実的な数になります。

この基準を満たす会社は、実際に存在します。条件を下げる前に、まず絞ってから探してください。

面接での確認を必ず行う

求人票の記載と、実際の運用が違う場合があります。

面接で、次の3つを具体的に聞いてください。

  1. 直近1年の、平均的な残業時間
  2. 土曜日の稼働の頻度
  3. 1人が担当する現場の数

これらを聞くことは、失礼ではありません。むしろ、長く働く前提で考えている人だと受け取られます。

9. よくある質問

Q. 未経験でも施工管理になれますか

入口が最も広い職種の一つです。

第二新卒の年齢帯であれば、未経験からの採用は現実的です。ただし、会社による働き方の差が大きいため、確認が必須です。

Q. 文系でも大丈夫ですか

問題ありません。

施工管理は、工程と人の管理が中心です。建築の知識は入社後に学ぶ前提の会社が多い。

Q. 資格は先に取るべきですか

多くの資格は実務経験が受験の要件のため、先には取れません。

入社後に取得を支援する会社を選ぶほうが合理的です。

Q. 残業は多いですか

会社と現場によって差が非常に大きい。

時間外労働の上限規制が適用されるようになり、改善が進んでいる会社もあります。面接で直近1年の実績を具体的に聞いてください。

Q. 転勤はありますか

会社によります。

全国の現場を担当する会社と、地域に限定されている会社があります。求人票の勤務地の欄と、面接での確認が必要です。

Q. 年収は上がりますか

経験年数と資格で上がりやすい構造です。

資格手当が明記されている会社では、取得後の変化が見えやすい。求人票で手当の金額を確認してください。

Q. 現場に出ない職種はありますか

あります。

積算、建設事務、不動産開発、設計の補助など、内勤中心の職種があります。ただし、施工管理より求人数は少ない。

Q. 女性でも働けますか

働いている人はいます。

設備の整備状況は会社と現場によって差があるため、面接で確認してください。近年は改善が進んでいる現場が増えています。

10. まとめ:今週やる3つのこと

1. 業態と職種を決める。「建設業界」だけでは、働き方が判断できません。

2. 求人票を、年間休日120日以上・固定残業代30時間以内で絞る。条件を下げる前に、まず絞ってください。

3. 面接で、残業時間・土曜の稼働・担当現場数の3つを具体的に聞く。

「人手不足だから入りやすい」の裏側を確認した上で選べば、この業界は現実的な選択肢です。

この先、読むべき記事

この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。