物流業界へ転職|第二新卒が現場と本社で変わる仕事を整理する【2026年版】
物流業界の求人は、常に出ています。
「未経験歓迎」「学歴不問」「資格取得支援あり」。条件が良く見える求人が並びます。
そして、この業界は実際に人手が足りていません。
ただし、「人手不足」の中身を分けて考える必要があります。
足りていないのは、主に現場の作業と輸送を担う人です。
一方で、物流を設計し管理する側の職種は、募集の数は多くないものの、経験を積むと市場価値が高くなります。
この2つを混ぜて「物流業界」として考えると、判断を誤ります。
そして、この業界にはもう一つ特徴があります。
他業界からの転換が効きやすい。製造、小売、飲食など、在庫や納期を扱った経験は、そのまま材料になります。
この記事では、業態の違い、現場職と本社職、人手不足の読み方、他業界からの翻訳方法を整理します。
1. 結論:確認することは3つ
1. 業態を決める。運送、倉庫、3PL、国際物流で仕事が違います。
2. 現場職か管理職かを決める。働き方も将来も変わります。
3. 交代勤務と勤務地を確認する。現場は早朝・深夜がある場合があります。
2番目が最も重要です。
| 項目 | 現場職 | 管理・本社職 |
|---|---|---|
| 仕事 | 作業、輸送、現場の管理 | 設計、改善、顧客対応 |
| 勤務時間 | 早朝・深夜がある場合 | 日勤中心 |
| 未経験の入口 | 広い | 中 |
| 経験の蓄積 | 現場の運用 | 物流の設計 |
4行目に注目してください。
現場での経験は、次の転職で「物流の設計ができる人」としては評価されにくい。
だから、現場から入る場合は、その後に管理側へ移る道筋があるかを確認してください。
2. 業態の違い
| 業態 | 何をするか | 未経験の入口 |
|---|---|---|
| 運送会社 | 荷物を運ぶ | 広い(ドライバー中心) |
| 倉庫会社 | 保管、入出庫 | 広い |
| 3PL(物流の受託) | 顧客の物流を丸ごと請け負う | 中〜広い |
| フォワーダー(国際物流) | 輸出入の手配 | 中 |
| 荷主企業の物流部門 | 自社の物流を管理 | 中 |
3行目が、この業界で伸びている領域です。
3PLは、顧客企業の物流を設計から運用まで請け負う事業です。
単に運ぶだけでなく、「どう運ぶと効率が良いか」を設計します。
だから、この領域では管理・企画の職種があり、経験を積むと市場価値が高くなります。
5行目も見落とされがちです。
メーカーや小売の物流部門も、物流の仕事です。
この場合、所属は荷主企業になるため、待遇や働き方がその会社の基準になります。
フォワーダーという選択肢
国際物流を手配する会社です。
輸出入の書類、通関の手配、船や航空便の予約を扱います。
書類の正確さと、期限の管理が業務の中心です。
事務や貿易事務の経験がある人は、この領域を検討する価値があります。
3. 職種ごとの入口
| 職種 | 未経験の入口 | 仕事の中身 |
|---|---|---|
| ドライバー | 広い | 輸送(免許が必要) |
| 倉庫作業 | 広い | 入出庫、仕分け |
| 倉庫の管理者 | 中 | 人員配置、進捗の管理 |
| 物流の企画・設計 | 中 | 拠点や配送の設計 |
| 営業 | 広い | 荷主への提案 |
| 貿易事務 | 中 | 輸出入の書類 |
| 配車・運行管理 | 中 | 車両と便の手配 |
5行目が、他業界の営業から移る場合の入口です。
物流の営業は、荷主企業に対して「物流をこう設計すればコストが下がる」という提案をします。
つまり、単に運ぶ話ではなく、改善の提案です。
前職で、コストや効率の改善を提案した経験があれば、それが材料になります。
配車・運行管理という職種
荷物と車両を組み合わせて、便を手配する仕事です。
限られた車両で、どの順番でどこを回るかを決めます。
パズルのような性質があり、段取りが得意な人には向きます。
そして、運行管理者という資格が関わる領域です。入社後に取得を支援する会社があります。
4. 「人手不足」の読み方
この業界の求人が多い理由を、正しく理解してください。
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 荷物の量が増えている | ネット通販の拡大など |
| 担い手が減っている | 高齢化 |
| 労働時間の規制 | 一人あたりの労働時間に上限 |
| 定着しにくい面がある | 労働環境が理由の離職 |
3行目が近年の大きな変化です。
ドライバーの時間外労働に上限規制が適用されるようになり、一人あたりの労働時間が制限されました。
これにより、同じ量の荷物を運ぶのに、より多くの人が必要になっています。
つまり、人手不足の一部は制度の変化によるものです。
そして、この変化は働く側にとっては改善の方向です。
だから確認が必要になる
制度が変わっても、運用が追いついていない会社があります。
面接で、次を確認してください。
- 「直近1年の平均的な労働時間を教えてください」
- 「勤務の開始時刻と終了時刻を教えてください」
- 「休日の取得状況を教えてください」
具体的に答えられる会社と、曖昧な会社で明確に差が出ます。
5. 他業界からの翻訳
| 前職 | 翻訳できる経験 |
|---|---|
| 製造 | 工程の管理、納期、在庫 |
| 小売・店舗 | 在庫の管理、発注、棚卸 |
| 飲食 | 発注、在庫、期限の管理 |
| 営業 | 提案、コストの説明 |
| 事務 | 書類の処理、期限の管理 |
| 建設・設備 | 段取り、複数の関係者の調整 |
2行目と3行目が、意外と強い。
小売や飲食で在庫を管理した経験は、物流の実務と直結します。
発注のタイミング、期限の管理、欠品と過剰の間の調整。この構造は同じです。
「前職では飲食店で発注を担当し、月間の食材原価率を管理していました。期限のある在庫を扱うため、欠品と廃棄の両方を抑える発注量の調整を続けており、廃棄率を4.2%から2.1%に下げています」
この経験は、物流の管理職の応募で評価されます。
「数字で管理した」経験を書く
この業界では、次の数字が使われます。
| 数字 | 意味 |
|---|---|
| 出荷件数 | 業務量 |
| 誤出荷率 | 正確さ |
| 積載率 | 車両の効率 |
| リードタイム | 受注から出荷までの時間 |
| 在庫回転 | 在庫の効率 |
前職の経験を、これらに近い数字で書き直してください。
「1日400件の出荷を管理し、誤出荷を月5件から1件に減らした」という形が最も伝わります。
6. 働き方と年収の実際
| 項目 | 傾向 |
|---|---|
| 勤務時間 | 現場は早朝・深夜がある場合 |
| 年間休日 | 会社による差が大きい |
| 年収 | 業態と職種で幅が大きい |
| 資格手当 | ある会社が多い |
2行目に注意してください。
この業界では、年間休日105日前後の求人と、120日以上の求人の両方があります。
そして、この差は生活に直結します。
求人票の年間休日を必ず確認し、120日以上で絞ってから探すことを勧めます。
条件を満たす会社は、実際に存在します。
資格について
| 資格 | 位置づけ |
|---|---|
| 運行管理者 | 配車・運行管理で必要 |
| フォークリフト | 倉庫作業で有用 |
| 通関士 | 国際物流で評価される |
| 各種運転免許 | ドライバー職で必要 |
いずれも、入社後に取得を支援する会社があります。
応募の段階で必須ではない場合が多い。
7. 応募先の選び方
| 基準 | 見る場所 |
|---|---|
| 業態 | 運送/倉庫/3PL/国際 |
| 年間休日 | 120日以上で絞る |
| 勤務時間 | 早朝・深夜の有無 |
| 荷主の構成 | 特定1社に依存していないか |
| 管理職への道筋 | 教育・登用の記載 |
4行目が重要です。
売上の大半が特定の荷主1社という会社があります。
この場合、その契約が終わると事業が大きく影響を受けます。
複数の荷主と取引がある会社のほうが、安定性があります。
5行目も確認してください。
現場から入る場合、管理側に移る道筋があるかで、数年後が変わります。
面接で「現場から管理職に移られた方の実績」を聞いてください。
8. 進め方と時間配分
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1週目 | 業態と、現場/管理を決める |
| 2週目 | 年間休日120日以上で求人を絞る |
| 3週目 | 前職の在庫・納期の経験を数字にする |
| 4週目 | 応募、面接で労働時間と登用を確認 |
2週目を必ずやってください。
「未経験歓迎」の求人は大量にあるため、条件で絞らないと選べません。
年間休日120日以上、勤務時間が明記されている、という2点で絞ると、候補が現実的な数になります。
志望動機の作り方
「社会に不可欠な仕事だから」を中心に置かないでください。
使える型は3つです。
| 型 | 中身 |
|---|---|
| 在庫と納期を扱ってきた | 前職の経験と直結 |
| 効率を設計する側に回りたい | 現場から管理へ |
| 変化の時期に関わりたい | 規制と自動化への理解 |
1番目が最も具体的です。
9. よくある質問
Q. 未経験でも物流業界に入れますか
入口が広い業界です。
倉庫作業、ドライバー、営業では未経験可の求人が継続的にあります。管理・企画の職種は、経験や実績が求められる場合があります。
Q. 現場作業から管理職になれますか
会社によります。
面接で「現場から管理職に移られた方の実績」を具体的に聞いてください。答えられない会社では、その道筋が薄い可能性があります。
Q. 労働時間は長いですか
会社によって差が大きい。
ドライバーの時間外労働には上限規制が適用されるようになり、改善が進んでいる会社もあります。面接で直近の実績を確認してください。
Q. 年間休日はどのくらいですか
105日前後の求人と、120日以上の求人の両方があります。
この差は大きいため、120日以上で絞ってから探すことを勧めます。
Q. 資格は先に取るべきですか
多くの場合、入社後に取得を支援する会社があります。
応募の段階で必須ではないことが多い。求人票の必須要件を確認してください。
Q. 3PLとは何ですか
顧客企業の物流を、設計から運用まで請け負う事業です。
単に運ぶだけでなく効率を設計するため、管理・企画の職種があります。経験を積むと市場価値が高くなる領域です。
Q. 荷主企業の物流部門はどうですか
選択肢の一つです。
所属は荷主企業になるため、待遇や働き方はその会社の基準になります。物流専業の会社とは条件が異なる場合があります。
Q. 自動化で仕事はなくなりますか
作業の一部は自動化が進んでいます。
一方で、設計や管理の仕事は残ります。現場から入る場合は、管理側への道筋を確認しておくほうが安全です。
10. まとめ:今週やる3つのこと
1. 業態と、現場職か管理職かを決める。働き方も将来も変わります。
2. 求人を年間休日120日以上で絞る。条件を下げる前に、まず絞ってください。
3. 前職の在庫・納期の経験を数字で書き出す。件数と、減らした数字が最も効きます。
現場から入る場合は、管理側に移る道筋があるかを必ず確認してください。ここで数年後が変わります。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。