物流の面接で聞かれる12問|第二新卒が段階別に準備する答え方【2026年版】
〜物流の面接は、9割が数字の話です〜
物流・SCM(サプライチェーン管理)は、第二新卒が未経験から入りやすい職種です。
理由は3つあります。人手不足が続いていること、業務が標準化されていて教えやすいこと、そして体力より段取りの能力が問われる職種であることです。
ただし、面接には明確な特徴があります。
ほとんどの質問が、数字に関するものになります。
1日に何件処理していたか。ミスは月何件あったか。それをどう減らしたか。
「頑張りました」「丁寧に対応しました」という答え方は、この職種では最も評価されません。
この記事では、一次・二次・最終の段階別に12問と、数字がない場合の作り方を整理します。
1. 結論:物流の面接は3つの軸で採点されている
| 軸 | 見られること | 段階 |
|---|---|---|
| ① 数字で話せるか | 件数・時間・ミス率を自分の言葉で言えるか | 全段階 |
| ② 段取りができるか | 優先順位をつけて処理できるか | 二次が中心 |
| ③ 現場と話せるか | 倉庫・ドライバー・協力会社と調整できるか | 二次・最終 |
③が、この職種の特徴です。
物流の仕事は、社内の他部署だけでなく、外部の運送会社や倉庫の作業者と日常的にやり取りします。
相手の立場が異なる人と、同じ目標に向かって調整できるかが問われます。
そして、①はほぼすべての質問に関わります。
物流センター長の方に話を聞いたことがありますが、こう言っていました。
「うちの仕事、9割は数字です。何個運ぶか、何時間かかるか、どこで何個止まってるか。数字で話せない人は、そもそも会話が成立しない」
2. 一次面接(人事・現場責任者)で聞かれる5問
2-1. Q1「自己紹介をお願いします」
60秒で、経歴・数字・志望の方向を話します。
「前職では、製造業で営業事務を2年担当しておりました。受発注処理を1日平均40件、月次の請求業務を約200件処理しておりました。受注ミスが月5件発生していた状況に対し、確認項目をチェックリスト化して提案し、月1件以下に減らした経験がございます。この、手順を整理してミスを減らす作業を、より大きな規模でやりたいと考え、物流職を志望しております。」
件数・頻度・改善の数字。この3つを必ず入れてください。
2-2. Q2「物流の仕事は、どんな仕事だと思いますか」
| 浅い答え | 深い答え |
|---|---|
| 荷物を運ぶ仕事 | モノが滞留しないように、在庫と輸送を設計する仕事 |
| 倉庫の管理 | 需要の予測と、それに合わせた在庫・人員の配置 |
| 配送の手配 | コスト・納期・品質の3つの制約の中で最適点を探す仕事 |
回答例
「コスト・納期・品質の3つを同時に満たすように、在庫と輸送を設計する仕事だと理解しています。この3つは互いにぶつかるので、どこを優先するかを状況ごとに決める判断が必要だと考えています。また、想定外のことが日常的に起きる分野なので、起きた後の対処の速さも問われると理解しています。」
2-3. Q3「なぜ物流を志望するのですか」
回答例
「営業事務で受発注を担当する中で、出荷が遅れる原因が、在庫の情報が古いことにあると気づいた場面がありました。システム上は在庫があるのに、実際には引き当てられていない、ということが月に数回起きていました。
この、情報と実物のずれを解消する仕事に関心を持ちました。物流は、まさにその部分を扱う職種だと理解しています。」
「体を動かす仕事がしたい」という理由は避けてください。物流職の多くは、デスクでの管理業務が中心です。
2-4. Q4「体力的にきつい場面がありますが、大丈夫ですか」
この質問は、覚悟の確認です。
回答例
「繁忙期に業務量が増えることは理解しております。前職でも、月末の請求業務が集中する時期があり、その期間は処理量が通常の1.5倍になっていました。その際は、前倒しできる作業を月中に済ませておくことで対応していました。
物流でも、繁忙期の前に準備を組めるかが重要だと考えています。」
「体力には自信があります」だけでは弱いです。「業務量が増えたときに、どう対処したか」を出してください。
2-5. Q5「なぜ弊社ですか」
回答例
「御社は自社倉庫を4拠点持たれており、輸送の一部も自社で行われていると求人票にありました。3PLとして他社の物流を請け負う形ではなく、自社商品の物流を一貫して設計されている点に関心があります。在庫の配置から輸送の手配まで、全体を見る経験が積めると考えております。」
「自社物流か、3PL(物流の受託)か」の違いは必ず調べてください。仕事の中身がまったく違います。
3. 二次面接(物流部長・センター長)で聞かれる4問
3-1. Q6「出荷が納期に間に合わない見込みになりました。どうしますか」
物流の面接で、最も高い確率で来る質問です。
回答例
「まず、どの程度遅れるかを確定させます。1日なのか、3日なのかで、対処が変わります。
次に、間に合わせる手段を検討します。分納できるか、他拠点から出せるか、輸送手段を変えて短縮できるか。コストが上がっても間に合わせるべき案件かを、営業担当に確認します。
同時に、間に合わない前提で顧客への連絡を準備します。手を尽くしてから連絡するのではなく、判明した時点で見込みを伝えるべきだと考えています。
最後に、なぜ遅れたかを記録します。同じ理由で繰り返すなら、仕組みの問題です。」
「確定させる→手段を探す→連絡を準備する→記録する」の4段階です。
「連絡を準備する」を必ず入れてください。これがないと、隠す人に見えます。
3-2. Q7「倉庫の作業者から『この手順は無理だ』と言われたら、どうしますか」
第1章の軸③を見る質問です。
回答例
「まず、実際に現場を見に行きます。手順書の上では成立していても、動線や設備の制約で無理なことがあると考えるためです。
そのうえで、何が無理なのかを具体的に確認します。時間が足りないのか、道具がないのか、人数が足りないのか。『無理』の中身によって、対処が変わります。
現場の判断が正しければ、手順を変えます。ただ、変えられない制約がある場合は、なぜその手順なのかを説明して、代替案を一緒に考えます。」
「現場を見に行く」を最初に言ってください。この職種では、机上の判断が最も嫌われます。
3-3. Q8「在庫を減らせと言われたら、何から手をつけますか」
回答例
「まず、在庫を回転率で分類します。よく出る商品と、ほとんど動かない商品では、対処が違います。
動かない在庫(滞留在庫)から手をつけます。いつから動いていないか、なぜ持っているのか、廃棄できるのかを確認します。
よく出る商品については、発注のタイミングを見直します。まとめて発注しているために在庫が膨らんでいるなら、発注の頻度を上げてロットを小さくする方向を検討します。ただし、輸送コストとのトレードオフになるので、そこは数字で比較します。」
「トレードオフになる」と言えると、理解の深さが伝わります。
3-4. Q9「前職で、数字を改善した経験を教えてください」
回答例
「受注ミスを減らした経験があります。月に5件ほど、数量や納品先の誤りが発生していました。
まず、直近3ヶ月のミスを内容別に集計しました。すると、5件のうち3件が『類似する商品コードの取り違え』であることが分かりました。
そこで、類似コードの商品について、入力時に必ず商品名も確認する手順を追加し、チェックリストを作成しました。結果として、ミスは月1件以下になりました。」
「集計した→原因を特定した→手順を変えた→数字が動いた」の4段階です。
4. 最終面接(役員・物流本部長)で聞かれる3問
4-1. Q10「最初は現場(倉庫)配属になる可能性がありますが、大丈夫ですか」
物流職では、この確認がほぼ必ず入ります。
回答例
「むしろ、現場を経験してから管理に回りたいと考えています。物流は、現場を知らないと管理の判断ができない職種だと理解しております。
ただ、現場に何年いるかの目安があれば伺いたいです。最終的には、拠点全体の数字を設計する側に関わりたいと考えております。」
「大丈夫です」だけで終わらせず、その先の希望も言ってください。
ただし、「早く管理に行きたい」という印象にならないよう、順序に気をつけてください。
4-2. Q11「3年後、どうなっていたいですか」
回答例
「3年後には、1つの拠点の日々の運用を一人で回せる状態を目指しています。入出荷の計画、人員の配置、トラブル時の判断まで含めてです。
そのうえで、複数拠点にまたがる在庫の配置や、輸送ルートの設計に関わっていきたいと考えています。」
4-3. Q12「他社の選考状況を教えてください」
「現在、3社の選考が進んでおります。いずれも物流・SCMの職種です。メーカーの自社物流と、3PLの両方を見ておりますが、御社が第一志望です。」
5. 面接前日の準備(75分)
| # | やること | 時間 |
|---|---|---|
| 1 | 応募先が自社物流か3PLかを確認する | 15分 |
| 2 | Q6の「確定→手段→連絡→記録」を声に出して練習 | 15分 |
| 3 | Q9の「集計→原因→変更→数字」を1本仕上げる | 20分 |
| 4 | 自分の業務を数字で3つ書き出す | 15分 |
| 5 | 逆質問を3つ書き出す | 10分 |
逆質問の例
| 質問 | 何が分かるか |
|---|---|
| 「1拠点あたり、1日の出荷件数はどのくらいですか」 | 業務の規模 |
| 「繁忙期は、いつごろでしょうか」 | 年間の波 |
| 「入社された方は、最初にどの業務を担当されますか」 | 配属の実態 |
6. 落ちる回答の型5つ
| # | 型 | なぜ落ちるか |
|---|---|---|
| ① | 数字が1つも出てこない | この職種では致命的 |
| ② | 「体を動かす仕事がしたい」 | 実務の多くは管理業務 |
| ③ | Q7で「手順書どおりにやってもらう」と答える | 現場と話せない人に見える |
| ④ | 遅延の質問で、顧客への連絡に触れない | 隠す人に見える |
| ⑤ | 自社物流と3PLの違いを知らない | 調べていないことが伝わる |
7. 数字がない場合の作り方
「自分の業務に数字がない」と感じる場合、次の質問で作れます。
| 質問 | 出てくる数字 |
|---|---|
| 1日に何件処理していましたか | 処理件数 |
| 何人のチームでしたか | 組織の規模 |
| ミスは月に何件ありましたか | 品質の指標 |
| 1件あたり何分かかっていましたか | 処理時間 |
| 担当していた取引先は何社ですか | 担当範囲 |
| 繁忙期は通常の何倍でしたか | 業務量の変動 |
正確でなくて構いません。
「1日およそ40件」「月に5件程度」という言い方で十分です。
ただし、面接では「概算です」と添えてください。断定して後で食い違うより、概算だと言った方が信頼されます。
8. 面接で見られている振る舞い
| 場面 | 見られていること |
|---|---|
| 数字を答えるとき | 即答できるか(普段から把握しているか) |
| トラブルの質問 | 順番を持っているか |
| 現場の話 | 実物を見に行く姿勢があるか |
| コストの話 | トレードオフを理解しているか |
物流の面接官は、現場出身の方が多くいます。
机上の話だけをすると、すぐに見抜かれます。
「実際に見てみないと分かりませんが」という前置きは、この職種では減点ではなく加点です。
9. よくある質問
物流は未経験でも入れますか?
入れます。第二新卒の採用が活発な職種です。ただし、数字で業務を語れることが前提になります。営業事務、販売、製造など、件数を扱っていた経験があると接続しやすくなります。
資格は必要ですか?
必須ではありません。入社後に必要に応じて取得する形が一般的です。フォークリフト運転技能講習の修了証は、現場配属がある場合に評価されることがあります。物流管理系の資格は、入社後で十分です。
自社物流と3PLは何が違いますか?
自社物流は、自社の商品の物流を設計・運用します。3PLは、他社の物流を請け負います。3PLは顧客ごとに要件が異なるため、提案や見積もりの要素が入ります。求人票の事業内容で必ず確認してください。
現場(倉庫)配属になったら、何年くらいですか?
会社によりますが、1〜3年が一般的です。最終面接で必ず確認してください。「現場を経験してから管理へ」という方針の会社と、最初から管理職種として採用する会社があります。
残業は多いですか?
繁忙期に集中します。業界と商材によって時期が異なり、小売向けなら年末年始、メーカーなら期末に集中する傾向があります。逆質問で「繁忙期はいつごろか」を必ず聞いてください。
転勤はありますか?
拠点を複数持つ会社では、可能性があります。求人票の「勤務地」欄と「転勤の有無」を確認し、面接でも確認してください。拠点が1箇所の会社なら、転勤はありません。
女性でも働けますか?
管理・事務系の職種では、女性の比率も高くなっています。現場作業を含む職種では、設備の状況によって差があります。逆質問で「同じ職種の方の男女比を教えてください」と聞いて構いません。
年収はどのくらいですか?
第二新卒・未経験からの入社では、業界や企業規模によって幅があります。3PLの大手と、地場の物流会社では水準が異なります。求人票の提示額と、みなし残業の有無を必ず確認してください。
10. まとめ:前日にやる3つのこと
物流の面接は、ほぼすべての質問が数字に関するものになります。
「頑張りました」ではなく「1日40件を処理し、ミスを5件から1件に減らしました」と言えるかどうかです。
前日にやること
① 応募先が自社物流か3PLかを、求人票と会社サイトで確認する
② 自分の業務を数字で3つ書き出す(件数・時間・ミス率のどれか)
③ 「出荷が間に合わないときの4段階」を声に出す(確定→手段→連絡→記録)
目安時間:合計50分
③は、二次面接でほぼ確実に来ます。
そして、「連絡を準備する」を飛ばさないでください。ここを飛ばすと、問題を隠す人に見えます。
この先、読むべき記事
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- 生産管理の面接|第二新卒が聞かれる想定問答12と評価される答え方(近い職種の面接)
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- 小売・スーパーから転職|第二新卒が店舗の数字を実績に変える5ステップ(小売からの接続)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。