住宅・ハウスメーカー業界へ転職する|第二新卒が営業以外の職種を知る【2026年版】
〜求人の多くが営業職なので、他の職種があることに気づきにくい業界です〜
住宅・ハウスメーカーの求人を見ると、営業職が大半を占めます。そのため、「住宅業界=住宅営業」と理解して、そこで判断を終える人が多くいます。
ただし、家が建つまでには、設計、工程の管理、資材の調達、アフターの対応と、多くの職種が関わります。そして、それぞれに中途採用の入口があります。
また、この業界は「土日が繁忙」という構造を持っています。顧客が来場するのが休日だからです。これを知らずに入ると、生活の形でずれが生じます。
この記事では、業態と職種を分解して、営業以外の入口を整理します。
1. 結論:押さえるべきは3点
この業界を考えるときの3つの前提
① 単価が非常に高く、1件の重みが大きい
② 土日が繁忙になる構造がある
③ 営業以外に、設計・施工管理・アフターの職種がある
①がこの業界の性質を決めています。
顧客にとっては人生で最も高い買い物であり、決めるまでに数か月かかります。そのため、短期で数字を積み上げる営業とは性質が違い、関係を作り続ける仕事になります。
この理解があると、志望動機が「人と関わりたい」から一段深くなります。
2. 業態の違い
| 業態 | 中身 |
|---|---|
| 注文住宅 | 顧客の要望に合わせて設計・建築する |
| 分譲住宅 | 建てた住宅、または区画を販売する |
| 建売・不動産販売 | 完成した物件を売る |
| リフォーム・リノベーション | 既存の住宅を改修する |
| 賃貸住宅の建築 | 土地の活用として建てる |
| 住宅設備・建材 | 設備や材料を供給する |
リフォーム領域は、近年拡大している分野です。
新築の数が伸びにくい状況の中で、既存の住宅をどう活かすかという需要が増えています。この文脈は、面接で触れられると業界理解が伝わります。
住宅設備・建材は、メーカー側の立場です。ハウスメーカーや工務店を顧客とする法人営業になり、個人向けとは性質が違います。
不動産全体の入口は不動産業界へ転職|第二新卒が入口の広さと種類の違いを整理する、宅建の使い方は宅建を活かして転職する|第二新卒が資格手当と職種の実態を確かめるにまとめています。
3. 職種の全体像
| 職種 | 仕事の中身 | 未経験の可否 |
|---|---|---|
| 住宅営業 | 顧客への提案、契約まで | 可能 |
| 設計 | 間取り、仕様の設計 | 資格や実務が前提 |
| インテリアコーディネーター | 内装、設備の提案 | 経験により可 |
| 施工管理 | 現場の工程、品質、安全の管理 | 可能 |
| 積算・資材調達 | 費用の算出、資材の手配 | 可能 |
| アフターサービス | 引き渡し後の点検、対応 | 可能 |
| 用地の仕入れ | 土地の取得 | 経験者中心 |
| 法人営業(設備・建材) | メーカーや工務店への営業 | 可能 |
施工管理とアフターサービスは、営業以外で入口が広い職種です。
施工管理は、職人と工程を調整して、期日までに品質を保って完成させる仕事です。段取りの力が評価され、経験を積むと他の建設領域でも通用します。
施工管理の書類の書き方は施工管理の自己PR|第二新卒の書類が通る例文6パターンと数字の出し方、建設業界全体は建設業界へ転職|第二新卒が人手不足の意味を読んで職種を選ぶを参照してください。
アフターサービスという入口
引き渡し後の点検や、不具合の対応を担当する職種です。
対人の対応と、建物の知識の両方が身につきます。そして、営業のような数値目標が設定されない場合が多く、腰を据えて働きたい人に向いています。
この職種から、設計や施工管理へ移る道筋もあります。
4. 話を聞いた例:接客から施工管理へ移った人
知人に、飲食店の店長から住宅の施工管理へ移った人がいます。
その人が書類に書いたのは、次のような内容でした。
前職から出した材料
・毎日の仕込みと営業の段取りを組んでいた
・複数の業者と納品の時間を調整していた
・トラブルが起きたとき、優先順位をつけて処理していた
・アルバイトに手順を教え、品質を揃えていた
2つ目と4つ目が効きました。
施工管理は、複数の職人の作業を順番に組んで、期日までに完成させる仕事です。飲食店の段取りと、構造が同じです。
面接では「家を作る仕事がしたい」ではなく、「複数の人の作業を組み立てて、期日までに形にする仕事を続けたい。対象が料理から建物に変わる」という形で話しました。
建築の知識は入社後に覚えました。この業界では、段取りの力のほうが先に見られます。
翻訳の手順は未経験職種の自己PR|第二新卒が経験を翻訳する3手順と例文7パターンを参照してください。
5. 休日と勤務時間の実態
| 職種 | 休日の傾向 |
|---|---|
| 住宅営業 | 火曜・水曜が休みになることが多い |
| 設計 | 営業に連動する場合がある |
| 施工管理 | 現場の稼働に合わせる |
| アフターサービス | 顧客の都合に合わせる場合がある |
| 法人営業(設備・建材) | 土日祝が休みのことが多い |
顧客向けの職種は、土日が繁忙になります。
これは業界の構造であり、会社を変えても大きくは変わりません。土日休みを重視するなら、住宅設備・建材の法人営業など、顧客が法人の職種を選ぶ必要があります。
この点を面接で曖昧にすると、入社後にずれが生じます。
年間休日の読み方は年間休日日数の読み方|105日と125日で何が違うのかにまとめています。
6. 収益と給与の仕組み
| 項目 | 押さえること |
|---|---|
| 単価 | 1件が非常に高額 |
| 成約までの期間 | 数か月かかることがある |
| 給与の形 | 固定給に成果連動が加わる場合がある |
| 目標の設定 | 年間の棟数などで設定される |
| 資格手当 | 宅建や建築系の資格で支給される場合がある |
営業職では、固定給と成果連動の比率を必ず確認してください。
成果連動の比率が高い場合、収入の変動が大きくなります。求人票の年収欄が幅を持って書かれているときは、その内訳を面接で聞く必要があります。
読み方は求人票の年収の読み方|第二新卒が6項目に分解して比較する手順、固定残業代の見方はみなし残業を見抜く5項目|第二新卒が求人票の年収の中身を確認する手順を参照してください。
7. 確認する7項目
確認する7項目
① 業態(注文/分譲/リフォーム/設備・建材)
② 職種(営業/設計/施工管理/アフター)
③ 休日の曜日
④ 固定給と成果連動の比率
⑤ 目標の設定方法
⑥ 転勤の範囲
⑦ 資格取得の支援
③が生活の形を最も左右します。
求人票に「週休2日」とだけ書かれている場合、曜日が指定されているかを確認してください。
8. 面接で聞かれることと答え方
| 質問 | 見られていること | 答え方の軸 |
|---|---|---|
| なぜこの業界か | 理解の深さ | 単価と検討期間の長さに触れる |
| 土日勤務は可能か | 条件の合致 | 曖昧にしない |
| 目標は大丈夫か | 認識の確認 | 前職の目標管理で話す |
| 段取りの経験 | 施工管理の適性 | 調整した相手と方法で話す |
| 資格取得の意思 | 継続性 | 具体的に答える |
「家が好きだから」だけの志望動機は弱いです。
代わりに、「顧客が数か月かけて決める買い物であり、その間ずっと関係を作る仕事」という理解を示したうえで、前職の経験に接続します。
9. よくある質問
建築の知識は必要ですか
営業と施工管理では、入社後に覚える前提の求人があります。設計職では資格や実務が前提になります。
土日は休めますか
顧客向けの職種では難しいのが実情です。土日休みを重視するなら、住宅設備・建材の法人営業を検討してください。
宅建は必要ですか
職種によります。不動産の取引を伴う職種では評価されます。使い方は宅建を活かして転職する|第二新卒が資格手当と職種の実態を確かめるにまとめています。
ノルマは厳しいですか
営業職では棟数などの目標が設定されます。ただし単価が高いため、件数そのものは他業界の営業ほど多くありません。
施工管理は未経験でも入れますか
入れます。建設業界全体で人手が不足しており、未経験可の求人が出続けています。詳しくは建設業界へ転職|第二新卒が人手不足の意味を読んで職種を選ぶを参照してください。
リフォーム分野はどうですか
拡大している領域です。新築より単価は下がりますが、案件の数が多く、顧客との距離が近い仕事になります。
転勤はありますか
全国展開の企業では異動があります。地域に密着した工務店では範囲が限られます。判断は転勤あり・なしをどう決めるか|求人票の1行を確かめる手順を参照してください。
将来性はどう見ればいいですか
新築の数が伸びにくい状況の中で、リフォームや既存住宅の活用に取り組んでいるかが一つの見方です。公開されている資料で確認してください。
10. まとめ:今週やる3つのこと
住宅業界は、営業以外の職種を見ることと、休日の曜日を確認することで、判断が変わります。
今週やる3つのこと
① 求人を職種で分けて読む(営業/施工管理/アフター/法人営業)
② それぞれの休日の曜日を確認する
③ 前職で「複数の相手と段取りを組んだ」場面を書き出す
②をやらずに応募すると、入社後に生活の形でずれます。この業界では、休日の曜日が最初に確認すべき条件です。
この先、読むべき記事
- 不動産業界へ転職|第二新卒が入口の広さと種類の違いを整理する(隣接する領域の全体像)
- 建設業界へ転職|第二新卒が人手不足の意味を読んで職種を選ぶ(施工管理という入口)
- 施工管理の自己PR|第二新卒の書類が通る例文6パターンと数字の出し方(施工管理の書類)
- 宅建を活かして転職する|第二新卒が資格手当と職種の実態を確かめる(資格の使い方)
- 年間休日日数の読み方|105日と125日で何が違うのか(休日条件の確認)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。