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履歴書・職務経歴書

退職理由の書き方|第二新卒が書類で落ちない3行の型と書かないこと【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約17分
退職理由の書き方|第二新卒が書類で落ちない3行の型と書かないこと【2026年版】

〜履歴書の職歴欄に書く退職理由は、原則1行で終わります〜

退職理由の書き方でつまずく人は多いですが、実は書類によって書くべき量がまったく違います。ここを分けずに考えるから、難しく感じます。

  • 履歴書の職歴欄:「一身上の都合により退職」の1行で終わり
  • 職務経歴書:書かないのが標準。書くなら2〜3行
  • 志望動機の中:ここが本番。転職理由として前向きに書く

つまり、本当に頭を使うべきなのは志望動機の中の1〜2文だけです。それ以外は型が決まっています。

この記事では、書類ごとの正しい書き方と、ネガティブな理由をそのまま使える表現に直す言い換え表を用意しました。

1. 結論:書類ごとに3つの型を使い分ける

① 履歴書の職歴欄 → 「一身上の都合により退職」

自己都合退職なら、これで完結します。理由を詳しく書く欄ではありません。会社都合の場合は「会社都合により退職」と書きます。ここを詳しく書くと、かえって読みにくい履歴書になります。

② 職務経歴書 → 原則、書かない

職務経歴書は「何をやってきたか」を書く書類です。退職理由の記載欄は本来ありません。ただし、在籍が極端に短い場合や、複数回の転職がある場合は、簡潔に添えると誤解を防げます。

③ 志望動機・面接 → ここで前向きに説明する

採用側が本当に知りたいのはここです。「なぜ辞めたのか」ではなく「なぜ辞めて、次に何を求めているのか」。この接続が書けているかどうかが、書類通過を分けます。

2. なぜ退職理由で落ちるのか

書類選考で退職理由が原因で落ちるとき、理由はほぼ次の4つです。

落ちるパターン採用側が受け取るもの
不満だけが書いてある次でも同じ不満を持つのではないか
理由が抽象的で検証できない何が起きたのか分からず、判断できない
会社や上司を批判している環境のせいにする人ではないか
志望動機とつながっていない辞めた理由と、来たい理由が別々に見える

4番目が最も多い失敗です。

たとえば「残業が多かったので退職しました」と書き、志望動機に「御社の事業に共感しました」と書く。この2つは論理的につながっていません。読み手からすると、「残業が理由なら、事業内容は関係ないのでは」となります。

正しくは、退職理由と志望動機が同じ1本の線でつながっている必要があります。

前職では月80時間の残業が常態化しており、業務の進め方を改善する提案をしましたが、体制上の理由で変更が難しい状況でした。限られた時間で成果を出す働き方を身につけたいと考え、業務効率化を事業として扱われている貴社を志望しました。

これなら、辞めた理由と来たい理由が1本になります。

3. 編集長の実体験:退職理由を書き直して通過率が変わった話

私の第二新卒の転職活動で、最初の12社は書類がほとんど通りませんでした。当時の職務経歴書には、こう書いていました。

最初に書いていたもの

「業界の将来性に不安を感じ、成長業界へ移りたいと考えて退職を決意しました。」

エージェントの担当者に見せたとき、こう言われました。

担当者「これ、『今の会社がダメだから逃げます』としか読めないんですよ」

「でも、事実なんですけど」

担当者「事実かどうかじゃなくて、木戸さんが何をやりたいかが1文字も書いてないんです。業界の不安は木戸さんの話じゃなくて業界の話でしょう」

「……たしかに」

担当者「不安を感じたのは事実でいいんです。その後に『だから自分は何を身につけたいのか』を足してください」

書き直したのがこれです。

書き直したもの

「前職では紙媒体の広告営業を担当し、既存の掲載枠を提案する形が中心でした。担当していた飲食店のお客様から、集客の悩みそのものを相談される場面が増え、媒体の枠を売る以上の提案をしたいと考えるようになりました。

課題を伺ったうえで解決の手段を組み立てる仕事に移りたいと考え、退職を決めました。」

言っている事実はほぼ同じです。紙媒体の先行きが不安だったことも、転職したかったことも変わっていません。

変えたのは主語だけです。「業界が不安」から「自分が何をしたいか」へ。

この書き換え後、10社に応募して6社の書類が通りました。退職理由の2〜3行で、通過率がここまで動きます。

4. 書いてはいけない4つ

書いてはいけないものなぜダメかどうするか
会社・上司・同僚への批判内容の真偽に関わらず、批判する人だと見られる事実だけを書き、評価を書かない
給与への不満次も給与で辞めると読まれる「業務範囲を広げたい」など、仕事の中身に置き換える
「人間関係が合わなかった」検証できず、次も同じかもしれないと思われる具体的な業務上の理由に置き換える
嘘(虚偽の理由・在籍期間)経歴詐称にあたる。入社後に発覚するリスク書きたくないことは「書かない」で対処する

4番目について補足します。退職理由を書きたくない場合、嘘を書く必要はなく、書かないという選択ができます。履歴書の職歴欄は「一身上の都合により退職」で十分ですし、職務経歴書に退職理由の記載義務はありません。

嘘と、書かないことは、まったく別です。前者は経歴詐称ですが、後者は普通の書き方です。

5. ネガティブな理由の言い換え表

実際の退職理由を、そのまま使える表現に変換する表です。嘘をつくのではなく、同じ事実の別の側面を書きます。

実際の理由書類に書ける表現
残業が多すぎた限られた時間で成果を出す働き方を身につけたい/業務の進め方を改善できる環境で働きたい
給与が低かった成果が評価に反映される環境で働きたい/担当範囲を広げて貢献したい
上司と合わなかった業務の進め方について提案できる環境で働きたい/裁量を持って進めたい
仕事がつまらなかった決まった手順の運用が中心だったため、企画から関わる仕事に移りたい
会社の将来が不安だった成長段階の事業で、変化に対応する経験を積みたい
ノルマがきつかった短期の数字だけでなく、顧客との継続的な関係を作る営業に取り組みたい
教育がなかった早い段階から実務を任せていただいた一方、体系的に力をつけられる環境を求めている
業務内容が聞いていた話と違った入社時に想定していた◯◯の業務を担当する機会がなく、その領域で経験を積みたい
人手不足で雑務ばかりだった幅広い業務を経験できた一方、専門性を深める段階に進みたい
社風が合わなかった意思決定の速い環境で、自分の提案を形にする経験を積みたい

この表の使い方には注意が必要です。言い換えた表現を丸ごとコピーすると、面接で深掘りされたときに崩れます。必ず「自分の会社で実際に起きた具体例」を1つ添えてください。

✕ 「限られた時間で成果を出す働き方を身につけたいと考えました」だけ

○ 「前職では月80時間程度の残業が常態化しており、業務の割り振りを見直す提案を上長にしましたが、体制上難しい状況でした。限られた時間で成果を出す進め方を身につけたいと考えています」

6. 例文8パターン

例文①:残業・労働時間が理由

前職では法人営業として2年間勤務し、月平均で70〜80時間の残業がありました。案件の管理表を作成して優先順位を可視化する提案を行い、自チームでは一定の改善ができましたが、部全体の業務量の配分は変えられませんでした。

時間当たりの成果を高める進め方を身につけたいと考え、業務プロセスの改善に取り組まれている貴社を志望しました。

例文②:業務内容が想定と異なった

前職には、Webサイトの運用と改善に携われると伺って入社しました。実際には、入社後の1年半は既存クライアントの請求処理と問い合わせ対応が業務の中心で、サイト改善に関わる機会がありませんでした。上長にも相談しましたが、体制上、担当変更が難しい状況でした。

Webの数字を見て改善する仕事に取り組みたいという当初の希望が変わらないため、その業務が中心となる環境を求めて転職を決めました。

例文③:キャリアの方向性(未経験職種へ)

前職ではアパレル販売として3年間、接客と売り場運営を担当しました。売り場の数字を毎日見るなかで、なぜ売れたのか・売れなかったのかを分析する部分に最も関心を持つようになりました。

販売の現場で得た感覚を、データをもとに検証する仕事に活かしたいと考え、マーケティング職への転換を目指して退職を決めました。

例文④:成長環境を求めて

前職では、決まった手順で進める定型業務が中心でした。手順の改善提案を行い、月次の処理時間を約3割削減しましたが、担当範囲を広げる機会は限られていました。

業務改善の経験を、より広い範囲で活かしたいと考え、担当範囲が明確に広がる環境を求めて転職を決めました。

例文⑤:会社の方針転換

入社時は新規顧客の開拓を担当する予定でしたが、入社半年後に事業方針が変わり、既存顧客のフォローが業務の中心となりました。既存顧客の継続率向上に取り組み、担当エリアの解約率を前年より2ポイント下げることができました。

一方で、新規開拓の経験を積みたいという希望は変わらないため、その業務が中心となる環境を求めています。

例文⑥:在籍が短い場合(6ヶ月未満)

前職には◯月に入社し、◯月に退職しました。在籍期間が短くなった理由は、入社前に説明を受けていた勤務体系(月20時間程度の残業)と実際(月60時間超)に大きな差があり、入社2ヶ月の時点で人事に確認したところ、当面は変更が難しいとの回答であったためです。

短期間の在籍となったことは事実として受け止めており、次は入社前に業務量と体制を具体的に確認したうえで、長く貢献できる環境を選びたいと考えています。

例文⑦:会社都合の場合

前職では、所属していた事業部の縮小に伴い、◯月付で退職となりました。在籍中は法人営業として担当30社を持ち、担当エリアの売上を前年比108%まで伸ばしました。

事業部の終了は組織判断によるものですが、担当していた業務そのものは継続したい領域であるため、同じ領域で募集されている貴社を志望しました。

例文⑧:職務経歴書に短く添える場合(2行)

<退職理由> 定型業務の運用が中心であったため、企画・改善に関わる範囲へ業務の幅を広げたいと考えたためです。在籍中は担当業務の手順を見直し、月次処理時間を約3割削減しました。

7. 面接で追撃される3つの質問

書類に書いた退職理由は、面接で必ず掘られます。

Q1.「退職する前に、社内で解決しようとしましたか」

最頻出です。「相談しました」と言えるかどうかで、印象が大きく変わります。上司への相談、異動希望の提出、業務改善の提案——何かひとつでも動いていれば、それを具体的に話してください。

何もしていなかった場合も、正直に「その時点では相談すべきだと思い至らず、今振り返ると先に確認すべきでした」と答えるほうが、取り繕うより印象は良くなります。

Q2.「同じことがうちで起きたらどうしますか」

再現性の確認です。「今度は先に相談します」「入社前に体制を確認したうえで判断したいと考えています」のように、同じ状況になったときの行動を答えてください。「御社ではそういうことはないと思っています」は、答えになっていません。

Q3.「本当の理由は他にありませんか」

まれに直球で聞かれます。言い換えた表現しか用意していないと、ここで詰まります。言い換えの元になった具体的な事実(第5章の注意書き)を用意しておけば、「率直に申し上げると、残業時間が大きな要因でした。ただ、それだけでなく…」と自然に答えられます。

8. 履歴書・職務経歴書・志望動機の書き分け

書類分量内容
履歴書の職歴欄1行「一身上の都合により退職」(会社都合なら「会社都合により退職」)
職務経歴書0〜3行原則書かない。在籍が短い/転職回数が多い場合のみ簡潔に
職務経歴書の自己PR触れないここは能力の話。退職理由は書かない
志望動機1〜2文「前職で◯◯を経験し、△△を求めて転職を決めた」の形で組み込む

最も多い間違いは、職務経歴書に退職理由を長く書いてしまうことです。職務経歴書は実績を伝える書類なので、そこに退職理由が3行以上あると、読み手の注意がそちらに向いてしまいます。

退職理由の説明の本体は、志望動機の中に置いてください。そこに置くと、「辞めた理由」ではなく「次に求めているもの」として読まれます。同じ内容でも、置く場所で受け取られ方が変わります。

9. よくある質問

「一身上の都合」だけで本当にいいですか?

履歴書の職歴欄はそれで十分です。むしろ詳細を書くと、書類の形式として不自然になります。詳しい説明は、志望動機の中と面接で行います。

会社都合退職の場合はどう書きますか?

職歴欄には「会社都合により退職」と書きます。会社都合は本人の落ち度ではないため、隠す必要はまったくありません。ただし、事業縮小・部門閉鎖など具体的な背景を1行添えると、読み手の疑問が解消されます。

在籍が3ヶ月です。理由を書くべきですか?

書いたほうがいいです。3ヶ月未満の在籍は、書かないと想像で埋められます。例文⑥の形で、①何が想定と違ったか、②社内で確認したか、③次にどう選ぶか、の3点を簡潔に書いてください。

体調が理由の場合はどう書きますか?

詳細を書く義務はありません。「一身上の都合により退職」で問題ありません。すでに回復していて業務に支障がない場合、面接で「現在は業務に支障のない状態です」と一言添えれば十分です。詳しい説明を求められた場合も、答えられる範囲で構いません。

退職理由と転職理由は違うものですか?

厳密には違います。退職理由は「なぜ辞めたか」(過去)、転職理由は「なぜ次に移るか」(未来)です。書類では、この2つを1本の線でつなぐのが理想です。「◯◯が難しかったため辞め、△△ができる環境を求めている」という形になっていれば、両方を同時に説明できます。

転職回数が複数ある場合は、全部書きますか?

履歴書の職歴欄には全部書きます(省略は経歴詐称にあたります)。ただし退職理由の説明は、直近の1社分で構いません。複数社に共通する理由がある場合は、「一貫して◯◯の経験を積みたいと考えており」という形で、1本の線として説明するほうが効果的です。

「次も同じ理由で辞めるのでは」と思われないためには?

「社内で解決を試みた事実」を1つ書くことです。上司への相談、改善提案、異動希望の提出、いずれか。これがあるかないかで、「環境のせいにする人」と「動いたうえで環境を変える判断をした人」に分かれます。

面接で嘘がバレたらどうなりますか?

在籍期間や役職の虚偽は経歴詐称にあたり、内定取り消しや入社後の解雇の理由になり得ます。退職理由の「言い換え」は嘘ではありませんが、事実と異なる理由を作るのは避けてください。書きたくないことは、書かないという選択で対処できます。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

退職理由は、書類ごとに書く量が決まっています。悩むべきなのは志望動機の中の1〜2文だけです。

今夜やること

実際の退職理由を、正直に紙に書く(そのまま書類に使わないので、率直に)

② 第5章の言い換え表で対応する表現を探し、そこに「自分の会社で実際に起きたこと」を1つ足す

③ その2〜3行を、志望動機の冒頭に置いてみる(職務経歴書の目立つ場所ではなく、志望動機の中に)

③まで進むと、「辞めた理由」が自動的に「次に求めているもの」として読まれる形になります。置き場所を変えるだけで、印象が変わります。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。