QAエンジニアの自己PR|未経験・第二新卒の例文6パターンと確認の型の書き方【2026年版】
QAエンジニアの自己PRで、未経験の応募者はこう書きます。
「細かいところに気がつく性格で、几帳面さには自信があります」
これでは通りません。性格の話であって、仕事の話ではないからです。
QAの仕事は、注意深く見ることではありません。「どこを、どういう順番で、どこまで確認するかを決めて、それを漏れなく実行し、記録に残す」ことです。
つまり、確認を設計する仕事です。性格ではなく手順の話です。
そして、この「確認を設計した経験」は、IT業界の外にいくらでもあります。チェックリストを作った、確認手順を決めた、ミスの原因を特定して再発を防いだ。全部使えます。
QAは、IT未経験から入りやすい入口の一つです。ただし、書き方を間違えると「注意深いだけの人」として落ちます。
この記事では、未経験から書ける材料、確認の型の示し方、数字の出し方、例文6パターン、そして面接での追撃質問への答え方を整理します。
1. 結論:入れる要素は3つ
- 確認の手順を自分で決めた経験
- ミスの原因を特定して、再発を防いだ経験
- 記録を残して、他人が使える形にした経験
3番目が、QAらしい要素です。
QAの成果物は、動くものではなく記録です。何を確認して、どうなったか。この記録が正確でなければ、開発側は直せません。
| 書くもの | 示していること |
|---|---|
| 確認の手順を決めた | 設計ができる |
| 原因を特定して再発を防いだ | 分析ができる |
| 記録を残した | 伝える形にできる |
「気がつく」「几帳面」は一切書かないでください。これらは性格の主張であり、能力の証明にはなりません。
2. なぜ「几帳面です」では通らないのか
QAの現場で必要なのは、注意力ではなく網羅性だからです。
人間の注意力は、確認の対象が増えると必ず落ちます。1,000項目を注意深く見ることは、誰にもできません。
だからQAは、注意力に頼らない仕組みを作ります。
| 注意力に頼る人 | 仕組みを作る人 |
|---|---|
| 全部を丁寧に見る | 見る順番と範囲を決める |
| 見落としたら反省する | 見落とした原因を潰す |
| 記憶で確認する | 手順書とチェックリストで確認する |
| 経験で判断する | 判断基準を文書化する |
右側の経験を書いてください。
そして、もう一つ理由があります。
QAは、開発者に「これは不具合です」と伝える仕事です。
伝え方が悪ければ、直してもらえません。感情的にならず、事実だけを整理して渡す力が必要です。この力も、性格ではなく手順で示せます。
3. 「確認の型」の示し方
QAの自己PRで最も評価されるのは、確認の型を持っていることです。
型とは、次の4つを決めることです。
- 何を確認するか(範囲)
- どの順番で確認するか(優先度)
- どうなったら合格か(基準)
- どう記録するか(形式)
3番目が最も重要で、最も書かれていません。
「合格の基準を先に決めた」という経験があれば、必ず書いてください。基準を決めずに確認を始める人は、確認が終わらないからです。
「確認の前に、合格とする条件を項目ごとに文章で書き出しました。判断が分かれる項目については、事前に依頼元に確認しています」
この2文で、QAの実務ができる人だと伝わります。
優先度のつけ方も書ける
QAの現場は、常に時間が足りません。全部を確認する時間はないという前提で、どこから見るかを決めます。
| 優先度の基準 | 内容 |
|---|---|
| 影響の大きさ | 壊れたときの被害が大きい箇所 |
| 使われる頻度 | 多くの人が毎日使う箇所 |
| 変更された箇所 | 今回手を入れた部分 |
| 過去に問題が出た箇所 | 再発しやすい部分 |
前職でも、時間が足りない中で優先順位をつけた経験は必ずあります。その基準を書いてください。
4. 例文6パターン
そのまま使える形で6つ用意しました。数字と固有名詞を自分のものに差し替えてください。
例文1:事務職からの応募
前職では管理部門で契約書の内容確認を担当し、月に約200件を処理していました。確認漏れが月に5件程度発生していたため、漏れた項目を集計したところ、8割が3つの項目に集中していました。この3項目を先頭に置いたチェックリストを作り、確認の順番を固定した結果、漏れは月1件以下になっています。あわせて、確認済みの記録を項目ごとに残す様式に変え、後から誰でも追えるようにしました。手順を決めて漏れを潰す進め方に適性を感じ、QAエンジニアを志望しています。
例文2:製造・品質検査からの応募
前職では製造ラインの検査を担当し、1日約800点を扱っていました。不良の流出が四半期に3件あったため、流出したものの共通点を確認したところ、いずれも目視のみで判定していた項目でした。判定が分かれやすい項目について、合格と不合格の見本を写真で用意し、基準を統一しています。実施後の半年で流出は0件です。判断の基準を明文化する作業が、ソフトウェアの検証でも同じだと考え志望しました。
例文3:カスタマーサポートからの応募
前職ではソフトウェアの問い合わせ対応を担当し、月間約300件に対応していました。不具合の疑いがある問い合わせについては、再現手順を自分で確認してから開発部門に連携する運用を自分で作っています。それ以前は「動きません」という内容のまま連携していたため、開発側からの差し戻しが月8件ありましたが、画面名・操作手順・期待した動作・実際の動作の4項目を必ず添える形式にした結果、差し戻しは月1件に減りました。
例文4:IT運用・ヘルプデスクからの応募
前職では社内システムの運用を担当し、月次のリリース後の動作確認を任されていました。確認項目が約120あり、毎回3時間かかっていたため、項目を影響度と変更箇所で3段階に分類しています。上位2段階を必ず確認し、最下位は隔月に変更した結果、確認時間は1時間半に短縮しつつ、リリース後の障害は増えていません。限られた時間で確認範囲を決める判断を、QAの仕事でも続けたいと考えています。
例文5:飲食・サービスからの応募
前職では飲食店の店長として、開店前の点検を担当していました。点検の抜けによるトラブルが月2件程度あったため、点検項目を「安全に関わるもの」「提供に関わるもの」「見た目に関わるもの」の3つに分け、上から順に確認する手順に変更しています。あわせて、確認者と時刻を記録する用紙を導入した結果、トラブルは3ヶ月で0件になりました。抜けを人の注意力に頼らない形にする仕事に関心を持ち、QAを志望しています。
例文6:テスト業務の経験が少しある場合
前職ではシステム開発の補助として、テストの実施を担当していました。設計された約400項目のテストケースを実行し、結果を記録する業務です。実施の中で、記載された手順では再現できない項目が複数あったため、手順の不足箇所を洗い出して設計者に差し戻す運用を提案しています。結果として、次の案件では実施中の差し戻しが4割減りました。実施だけでなく、設計側にも関わりたいと考え、QAエンジニアを志望しています。
5. 数字の出し方
QAの自己PRで使える数字は4種類です。
| 数字 | 例 |
|---|---|
| 確認した件数・項目数 | 月200件、約400項目 |
| 漏れ・不良の件数の変化 | 月5件→月1件 |
| かかった時間の変化 | 3時間→1時間半 |
| 差し戻しの件数の変化 | 月8件→月1件 |
| ー | ー |
2番目と4番目が最も強い。
「見つけた不具合の件数」は、実は評価されにくい数字です。件数が多いことは、開発の質が低かっただけかもしれないためです。
評価されるのは、流出を減らした数字です。本番に出てしまった不具合を減らした、という数字が最も価値があります。
数字が手元にない場合
件数と頻度で代替できます。
「月に数件あった漏れが、ほとんどなくなりました」でも成立します。ただし、面接では具体的に聞かれるので、おおよその数を思い出しておいてください。
6. 落ちる自己PR5つ
| 書き方 | どう受け取られるか |
|---|---|
| 「几帳面です」「細かいところに気づく」 | 性格の話 |
| 「地道な作業が得意です」 | 設計ができない人に見える |
| 見つけた不具合の件数だけ | 評価軸がずれている |
| 手順を決めた話がない | 言われた通りにやる人 |
| 記録・報告の話がない | 伝える力が不明 |
2番目に補足します。
「地道な作業が得意」は、QAでは褒め言葉になりません。
QAエンジニアは、地道な作業を減らす仕事だからです。手動で確認していたものを、手順化し、いずれ自動化していくのがこの職種のキャリアの方向です。
「地道な作業を、減らす工夫をした」まで書いてください。ここまで書けると、意味が正反対になります。
7. 面接で追撃される3問
質問1:「確認する範囲はどう決めますか」
QAの本質を問う質問です。
「全部を同じ深さで見る時間はない前提で考えます。まず、壊れたときの影響が大きい箇所と、今回変更が入った箇所を優先します。その上で、過去に問題が出た箇所を足します。前職では、この3つの基準で項目を3段階に分けていました」
「全部確認します」は不正解です。時間の概念がない人だと判断されます。
質問2:「開発者に不具合を伝えるとき、何を気をつけますか」
伝え方を見る質問です。
「事実だけを、再現できる形で渡すようにしています。画面名、操作手順、期待した動作、実際の動作の4つです。原因の推測や、直し方の提案は入れません。推測を入れると、そちらに引っ張られて確認が漏れることがあるためです」
「原因の推測を入れない」まで言えると、経験者に近い理解だと判断されます。
質問3:「見落としたことはありますか」
「ありません」は最悪の答えです。
「あります。前職で、確認項目に入れていなかった箇所で問題が出ました。振り返ると、変更範囲を開発側の説明だけで判断しており、実際に影響する範囲を自分で確認していませんでした。以降は、変更内容を自分で確認してから範囲を決めるようにしています」
見落としの事実と、そこから変えた手順をセットで話してください。
8. 応募先別の書き分け
| 応募先 | 強調する材料 |
|---|---|
| 事業会社のQA | 品質の基準づくり、開発との連携 |
| テスト専門会社 | 件数、正確さ、記録の形式 |
| ゲーム系のQA | 再現手順の作成、量への対応 |
| 自動化を進める組織 | 手作業を減らした工夫 |
テスト専門会社は、件数と正確さを見ています。大量の項目を漏れなく処理した経験を厚く書いてください。
事業会社のQAは、基準づくりを見ています。合格の基準を決めた経験や、開発側と調整した経験が刺さります。
自動化を進めている組織では、手作業を減らした経験が最も効きます。プログラミングの経験がなくても、手順を減らした話であれば書けます。
9. よくある質問
Q. 未経験でもQAエンジニアになれますか
IT職種の中では、入口が広いほうです。
プログラミングの経験を必須としない求人が一定数あり、第二新卒の年齢帯であれば実務未経験からの採用は現実的です。
Q. プログラミングはできる必要がありますか
入口では不要な求人が多い。ただし、先を考えると必要になります。
手動での確認から、自動化のためのコードを書く方向にキャリアが伸びるため、入社後に学ぶ前提で考えてください。書類の段階では、学習を始めている事実があれば十分です。
Q. 資格は評価されますか
JSTQB Foundation Level は、この職種では知名度があります。
必須ではありませんが、未経験からの応募で学習の意欲を示す材料としては有効です。取得済みなら書いてください。
Q. テスターとQAエンジニアは違いますか
会社によって呼び方が違いますが、一般的には範囲が違います。
テスターは設計された項目を実施する役割、QAエンジニアは項目の設計や品質の基準づくりまで含む役割とされることが多い。求人票の業務内容で判断してください。
Q. 開発職に移ることはできますか
可能です。実際に移る人はいます。
QAで製品の構造を理解した上で開発に移る道筋は、社内異動として用意されている会社があります。面接の逆質問で、その実績があるかを聞いてください。
Q. 単調でつまらないと聞きますが
実施だけを担当する役割では、そう感じる人はいます。
だからこそ、設計や基準づくりに関われるかを、応募の段階で確認してください。求人票の業務内容に「テスト設計」が含まれているかが判断材料になります。
Q. 残業は多いですか
リリース前に集中する傾向があります。
平常時は落ち着いていても、リリース直前に稼働が上がる構造です。面接で「リリースの頻度」と「直前期の稼働」を聞いてください。
Q. 自己PRは何字くらいが適切ですか
400〜600字が目安です。
例文の1つ分がこの分量です。複数のエピソードより、1つを「状況→手順の変更→結果」の形で書くほうが伝わります。
10. まとめ:今週やる3つのこと
1. 前職で「確認の手順を自分で決めた」経験を3つ書き出す。チェックリスト、点検表、確認の順番、どれでも構いません。
2. その手順を変える前と後で、漏れや時間がどう変わったかを数字にする。
3. 記録をどう残したかを1文で書く。誰が見ても分かる形にしたかどうかが、QAらしさです。
「几帳面です」を使わずに書けたら完成です。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。