人間関係を理由に辞めるか|第二新卒が判断を分ける4つの軸【2026年版】
〜「逃げ」だと言われそうで、誰にも相談できていない人へ〜
退職理由として最も多いものの一つが人間関係です。その一方で、最も言い出しにくい理由でもあります。
「どこに行っても人間関係はある」「甘い」と言われるのではないか。そう思って、一人で抱え込む人が多くいます。
ただ、この理由で辞めること自体は、判断として成立します。問題は、辞める前に切り分けをしたかどうかです。
この記事では、判断を分ける軸を整理して、次に同じことを繰り返さない方法までまとめます。
1. 結論:分ける軸は4つ
判断を分ける4つの軸
① 特定の相手との相性か、職場全体の空気か
② 時間で変わる可能性があるか
③ 業務に支障が出ているか
④ 自分の側で変えられる部分があるか
①が最も重要です。
特定の1人との相性なら、その人が異動する、自分が異動する、という形で解決する可能性があります。
職場全体の空気であれば、それは組織の文化であり、自分の努力では変わりません。
この2つを分けずに「人間関係が悪い」とまとめると、判断が曖昧になります。
2. 相性の問題と構造の問題
| 相性の問題 | 構造の問題 | |
|---|---|---|
| 対象 | 特定の相手 | 職場全体 |
| 他の人の様子 | 困っているのは自分だけ | 他の人も同じ |
| 時間 | 異動や交代で変わる | 変わりにくい |
| 対処 | 距離の取り方を変える | 環境を変える |
| 辞める判断 | 慎重に | 妥当なことが多い |
見分ける方法は、周りを観察することです。
同じ職場の他の人も、同じように困っているか。離職率が高いか。前任者がどう辞めたか。
自分だけが感じているなら相性、複数の人が同じなら構造の可能性が高くなります。
上司との関係の場合
上司との関係が問題であれば、その上司が変わる可能性を確認してください。
異動の周期がある組織では、数年で変わることがあります。ただし、その数年を待てるかどうかは別の判断です。
上司が変わったばかりの場合は上司が変わったとき|辞める前に見る3か月を参照してください。
3. 辞める前に試せること
順番に試すこと
① 接する頻度と方法を変える(対面を減らす、文字で残す)
② 仕事の進め方を変える(確認のタイミングを増やす)
③ 相談できる他の人を見つける
④ 上位者や人事に相談する
⑤ 異動の希望を出す
①が最も現実的です。
やり取りを口頭から文字に変えるだけで、負担が下がる場合があります。記録が残るため、認識のずれも減ります。
③も効きます。職場に相談できる人が1人でもいると、状況の受け止め方が変わります。
⑤については、社内で動ける範囲がある場合の選択肢です。異動願いと転職はどちらを先に出すか|社内で動かせる範囲を確かめる、社内公募の使い方|辞めずに職種を変える手順にまとめています。
4. 話を聞いた例:切り分けて残った人
知人に、上司との関係で辞めようとしていた人がいます。
その人が、辞める前にやったのは次のことでした。
実際にやったこと
・困っている場面を、1週間分書き出した
・その場面が、業務のどこで起きているかを整理した
・報告のタイミングを変えて、確認の回数を増やした
・別の先輩に、進め方を相談するようにした
結果として、状況が改善しました。
書き出してみると、問題が起きていたのは「報告が遅い」と指摘される場面に集中していました。報告のタイミングを変えたところ、指摘が減りました。
その人は「人間関係が悪いと思っていたが、実際は仕事の進め方の問題だった」と話していました。
ただし、これは全員に当てはまる話ではありません。書き出してみて、進め方では変わらないと分かるなら、それは別の判断になります。
5. 辞めてよい場合の基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 試したうえで変わらなかった | 動いてよい |
| 職場全体の空気の問題 | 動いてよい |
| 相談する相手が誰もいない | 動いてよい |
| 業務に明確な支障が出ている | 動いてよい |
| 心身に影響が出ている | 早めに動く |
最後の行は、優先して対応すべき状況です。
眠れない、体調に変化が出ている、といった状態が続いているなら、まず休むことと、医療機関や専門の相談窓口に相談することを検討してください。この記事は一般的な整理であり、個別の事情については専門機関に相談することをおすすめします。
また、業務上の問題として扱うべき事案であれば、社内の相談窓口や外部の機関があります。そちらも一般的な整理として、専門機関への相談を優先してください。
辞めるかどうかの全体の判断は退職を悩む期間を最短化する3つの判断軸|第二新卒の決断完全ガイド、仕事を辞めたいと思ったとき|第二新卒が最初にやる3つの切り分けにまとめています。
6. 面接での伝え方
人間関係を退職理由としてそのまま述べると、「同じ理由でまた辞める」と受け取られる可能性があります。
| 避ける言い方 | 使える言い方 |
|---|---|
| 「上司と合いませんでした」 | 「進め方の認識を揃える機会が少ない環境でした」 |
| 「職場の雰囲気が悪かった」 | 「相談しながら進める働き方を選びたい」 |
| 特定の人を批判する | 状況を構造で説明する |
| 「だから辞めました」 | 「◯◯という環境で力をつけたい」 |
右側は、事実を変えていません。個人ではなく、仕組みや環境として説明しています。
そして、「自分から動いた」ことを添えてください。「報告の頻度を変えて、相談できる相手を探した。それでも変わらなかった」という形にすると、受け身に聞こえません。
変換の型と例文は退職理由の伝え方|面接で落とされない変換の型と例文12パターン、前職を批判しない伝え方は前職を悪く言わない伝え方|同じ状況を構造で説明するにまとめています。
7. 次の職場で繰り返さないために
面接で確認する6項目
① 配属先のチームは何名か
② 直属の上司はどんな人か
③ 相談する相手は誰になるか
④ 報告や共有の頻度
⑤ 直近1年で辞めた人の理由
⑥ 中途入社の人が定着しているか
②は聞いてよい質問です。「どのような方と一緒に働くことになりますか」という形にすれば自然です。
可能であれば、配属先の人と話す機会をもらってください。面接の場で「配属予定の部署の方とお話しする機会はいただけますか」と聞けます。
職場を見る方法は職場見学を頼んでいいか|入社前に現場を見る手順、逆質問は面接の逆質問|第二新卒がそのまま使える30例と聞いてはいけない質問を参照してください。
8. 転職後の関係の作り方
環境が変わっても、関係は自分から作る必要があります。
入社後にやること
① 最初の1か月で、周りの人の役割を把握する
② 報告と相談の頻度を、早めに擦り合わせる
③ 困ったときに聞ける相手を、意識的に作る
④ 前職と比べる発言をしない
②が最も効きます。
報告の頻度についての認識のずれは、人間関係の問題として現れやすい部分です。入社直後に「どのくらいの頻度で報告すればよいですか」と聞いておくと、後の摩擦が減ります。
詳しくは転職後の人間関係の作り方|中途入社が最初の半年でやることにまとめています。
9. よくある質問
人間関係を理由に辞めるのは甘いですか
甘くはありません。ただし、切り分けをしたかどうかで、次の説明の説得力が変わります。
どこに行っても同じではないですか
同じ場合もあれば、変わる場合もあります。職場全体の空気の問題であれば、環境を変えることで変わります。
我慢したほうがいいですか
心身に影響が出ている場合は、我慢を続けないでください。まず休むことと、専門機関への相談を検討してください。
何か月試せばいいですか
3か月が目安です。やり方を変えて、その結果を見てください。
上司に相談していいですか
その上司との関係が問題でなければ、相談して構いません。問題が上司にある場合は、その上位者か人事に相談する方法があります。
面接で正直に言っていいですか
事実を、構造として説明してください。特定の個人を批判する言い方は避けてください。
相談できる人が社内にいません
社外の窓口があります。転職相談はどこにする|第二新卒が無料で相談できる5つの窓口と使い分けを参照してください。
転職しても同じ悩みが出たら
その場合は、進め方や伝え方に共通の要因がある可能性があります。ただし、2回続けて合わなかっただけ、という場合もあります。先に、何が同じで何が違ったかを整理してください。
10. まとめ:今週やる3つのこと
人間関係を理由に辞めることは、切り分けをしたうえでなら、正当な判断です。
今週やる3つのこと
① 困っている場面を、1週間分書き出す
② それが特定の相手との問題か、職場全体かを分ける
③ やり取りの方法を1つ変えてみる(口頭を文字にするなど)
①をやると、問題が思っていたより限定的だと分かる場合があります。逆に、全体の問題だと分かれば、それは動く根拠になります。
この先、読むべき記事
- 仕事を辞めたいと思ったとき|第二新卒が最初にやる3つの切り分け(辞める判断の全体)
- 上司が変わったとき|辞める前に見る3か月(上司との関係の場合)
- 退職理由の伝え方|面接で落とされない変換の型と例文12パターン(面接での伝え方)
- 転職後の人間関係の作り方|中途入社が最初の半年でやること(次の職場での作り方)
- 転職相談はどこにする|第二新卒が無料で相談できる5つの窓口と使い分け(相談先を探す)
- 板挟みになるとき|第二新卒が間に立つ負担を減らす5つの手(間に立つ負担の問題)
- 相談できる人がいない職場|第二新卒が孤立を抜けるための順番(孤立しているとき)
- 社風が合わないと感じるとき|第二新卒が4つの軸で言語化する(人か社風かを切り分ける)
- 社内の対立に巻き込まれたとき|第二新卒が立ち位置を決める(対立に巻き込まれたとき)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。