板挟みになるとき|第二新卒が間に立つ負担を減らす5つの手【2026年版】
〜どちらの言い分も分かるのに、どちらからも責められる人へ〜
上司は「早くやれ」と言い、現場は「無理だ」と言う。その間に立って、両方から不満を向けられる。
これは、経験の浅い担当者に最も集まりやすい負担です。決める権限はないのに、伝える役割だけを担っているためです。
そして、この状態が続くと消耗します。自分の判断で解決できないことに、感情を使い続けることになります。
この記事では、板挟みが起きる構造を整理して、負担を減らす手を並べます。
1. 結論:押さえるべきは3点
板挟みへの3つの原則
① 決められないことを、自分で決めようとしない
② 両者のやり取りを、自分の中で完結させない
③ 記録に残して、判断を上位者に返す
①が最も重要です。
板挟みが苦しいのは、決める権限がないのに、決めることを求められているからです。
「どちらを優先するかを決めてください」と返すのは、責任逃れではありません。本来そこで決めるべき人に、判断を戻す行為です。
2. 板挟みが起きる4つの構造
| 構造 | 例 |
|---|---|
| 上と下の間 | 上司の指示と、現場の実態が合わない |
| 部署と部署の間 | 営業の約束と、製造の能力が合わない |
| 顧客と社内の間 | 顧客の要望と、社内の方針が合わない |
| 複数の上位者の間 | 指示する人が2人いて、内容が違う |
4行目が最も対処しにくい構造です。
指示が2つあるとき、どちらに従っても、もう一方から指摘されます。
この場合は、両者に同時に確認するのが唯一の解決です。「◯◯様からはAと伺い、△△様からはBと伺っています。どちらを優先すべきでしょうか」と、両方が見える形で聞きます。
これを個別に聞くと、また板挟みになります。
3. 自分で抱えないための伝え方
| 場面 | 使える言い方 |
|---|---|
| 指示が実行できない | 「現状ではこの制約があります。どう進めますか」 |
| 期限が合わない | 「この期限だと◯◯が間に合いません。優先順位を教えてください」 |
| 相手の言い分が違う | 「両方の内容を共有させてください」 |
| 判断を求められた | 「私の判断では決めきれないので、確認させてください」 |
| 責められた | 事実だけを述べ、感情に応じない |
2行目の型が最も汎用的です。
「できません」ではなく、「この条件だと、何が犠牲になるか」を示して、選んでもらう形にしてください。
これは断りではなく、判断材料を渡す行為です。相手も、その情報がないと判断できません。
4. 話を聞いた例:会議の場に出した人
知人に、営業と製造の間で板挟みになっていた人がいます。
その人がやったのは、次のことでした。
実際にやったこと
・両者の言い分を、それぞれ文字にして記録した
・双方の要求が両立しないことを、1枚にまとめた
・上司に「この2つは両立しません」と示した
・両部署の担当者が同席する場を設定してもらった
4つ目で状況が変わりました。
それまでは、その人が両者の言葉を運ぶ役割になっていました。直接話す場ができたことで、その役割が不要になりました。
本人は「自分が間に立ち続けたのが原因だった」と話していました。
間に立つと、両者は直接話さなくなります。その状態を解消するのが、最も効く手です。
5. 負担を減らす5つの手
順番にやること
① やり取りを口頭から文字に変える(記録が残る)
② 両者の要求が両立しないことを、1枚にまとめる
③ 判断を上位者に返す
④ 直接話す場を作ってもらう
⑤ それでも変わらなければ、相談先を変える
①が最初にやるべきことです。
口頭のやり取りだと、「言った・言わない」が起きます。文字にすると、両者が同じ内容を見られます。
④が最も根本的な解決です。間に立つ役割そのものをなくす方向に動いてください。
⑤については、直属の上司が構造の一部になっている場合、その上や人事に相談する方法があります。
6. 記録の残し方
| 記録 | 目的 |
|---|---|
| いつ、誰が、何を言ったか | 認識のずれを防ぐ |
| 両立しない箇所 | 判断を求める材料になる |
| 自分がどう対応したか | 後から説明できる |
| 判断を仰いだ日時と内容 | 責任の所在が明確になる |
4行目が自分を守ります。
「判断を仰いだが、返答がなかった」という記録があると、後から問題が起きたときに説明できます。
これは疑うためではなく、事実を残すためです。
メールやチャットで確認を送るだけで、記録は残ります。特別なことをする必要はありません。
7. 転職を判断する場合
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 直接話す場ができた | 残って続ける |
| 上位者が判断してくれた | 残って続ける |
| 判断を返しても戻ってくる | 動いてよい |
| 部署間の対立が構造的 | 動いてよい |
| 心身に影響が出ている | 早めに動く |
3行目が最も苦しい状況です。
判断を求めても「君が調整して」と返される場合、権限のない調整役を続けることになります。
最後の行については、優先して対応してください。眠れない、体調に変化が出ているといった状態が続いているなら、まず休むことと、医療機関や専門の相談窓口に相談することを検討してください。この記事は一般的な整理であり、個別の事情については専門機関に相談することをおすすめします。
判断の軸は仕事を辞めたいと思ったとき|第二新卒が最初にやる3つの切り分け、人間関係が絡む場合は人間関係を理由に辞めるか|第二新卒が判断を分ける4つの軸を参照してください。
8. 面接での伝え方
板挟みの経験は、書き方次第で強い材料になります。
| 弱い伝え方 | 使える伝え方 |
|---|---|
| 「板挟みでつらかった」 | 「両部署の要求を整理し、判断材料を作った」 |
| 「調整に疲れた」 | 「両立しない条件を1枚にまとめ、会議で共有した」 |
| 「誰も助けてくれなかった」 | 「直接話す場を設定して、やり取りを減らした」 |
| 会社を責める | 自分の行動で話す |
右側は、調整の経験として述べています。
複数の関係者の間に立って、要求を整理して、合意を作った。これは業種を問わず評価される経験です。
板挟みそのものは苦しい状況ですが、そこでやったことは実績になります。
翻訳の手順は未経験職種の自己PR|第二新卒が経験を翻訳する3手順と例文7パターン、退職理由の変換は退職理由の伝え方|面接で落とされない変換の型と例文12パターンにまとめています。
9. よくある質問
判断を返すのは無責任ですか
無責任ではありません。決める権限がない立場で決めるほうが、後で問題になります。
両方に確認すると角が立ちませんか
個別に聞くほうが、後で角が立ちます。両方が見える形で確認するのが、最も摩擦が少なくなります。
記録を取るのは相手を疑うことになりませんか
なりません。認識を揃えるための共有として送れば、通常のやり取りです。
上司が構造の一部になっています
その上位者か、人事に相談する方法があります。状況によっては、社外の相談窓口も選択肢になります。
会議の場を作ってもらえません
一度、両者を含めたメールで確認を送る方法があります。同じ内容を両方が見る状態を作ってください。
自分の調整力が足りないのでしょうか
調整力の問題ではなく、権限の問題であることが多くあります。決められないことは、調整では解決しません。
経歴書にどう書けばいいですか
「複数の関係者の間で、要求を整理して合意を作った」という形にしてください。関わった部署の数や、案件の件数を添えると具体的になります。
次の職場で繰り返さない方法は
配属先のチームの人数と、報告の経路を面接で確認してください。指示する人が複数いる体制かどうかも、聞いてよい項目です。
10. まとめ:今週やる3つのこと
板挟みは、間に立ち続けることで固定されます。その役割から降りる方向に動いてください。
今週やる3つのこと
① やり取りを口頭から文字に変える
② 両立しない箇所を1枚にまとめる
③ それを上位者に渡し、判断を求める
③は責任逃れではありません。本来そこで決めるべき人に、判断を戻す行為です。
この先、読むべき記事
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- 業務量が多すぎるとき|第二新卒が切り分けて相談する手順(量の問題との違い)
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- 社内の対立に巻き込まれたとき|第二新卒が立ち位置を決める(対立に巻き込まれたとき)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。