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未経験エンジニア1年目にやること|3か月・6か月・1年の目標【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約15分
未経験エンジニア1年目にやること|3か月・6か月・1年の目標【2026年版】

未経験でエンジニア職の内定を取ったあと、多くの人が次に不安になるのは「入ってから続けられるか」です。

転職活動の情報は大量にあるのに、入社後1年で何を積めばいいかを書いたものは驚くほど少ない。結果として、最初の3か月を「怒られないように過ごす期間」にしてしまう人が出ます。

この記事では、1年目を3か月・6か月・1年の3区切りに分けて、それぞれで置く目標と、やってはいけないことを整理します。

1. 結論:1年目のゴールは3つ

ゴール1、既存のコードを読んで、変更箇所を自分で特定できる。新しく書けることより先に、これです。実務では、ゼロから書く仕事は最初の1年でほぼ来ません。来るのは「この画面のこの表示を直して」という依頼です。

ゴール2、質問の粒度が下がっている。入社直後の「動きません」から、3か月後の「この関数の戻り値がnullになる条件を教えてください」へ。質問の具体性が、そのまま理解度の指標になります。

ゴール3、職務経歴書に書ける仕事が3つある。1年後に転職するかどうかは別として、書ける状態にしておくことが、次の選択肢を残します。

この3つは、頑張れば達成できるものではなく、意識的に取りに行かないと1年経っても揃わない種類のものです。

2. 期間別の目標を表で整理する

時期置く目標やってはいけないこと
1〜3か月開発環境を自力で立て直せる。既存コードの構造を把握する分からないことを溜め込む
4〜6か月小さな改修を1人で完了できる。レビュー指摘を次に持ち越さない指摘を人格の否定として受け取る
7〜9か月見積もりを出せる。詰まったときに自分で切り分けられる「調べています」で半日使う
10〜12か月後から入った人に説明できる。担当領域を1つ持つ与えられた仕事だけで終える

1〜3か月の「開発環境を自力で立て直せる」は軽視されがちですが、実は重要です。環境が壊れるたびに人を呼んでいると、そこで学習が止まります。手順をメモに残して、1回自分でやり直せた人は、その後の伸び方が変わります。

3. 編集長の実体験:3か月で辞めそうになった人が続いた理由

知人の会社に未経験で入った方が、入社2か月で相談に来たことがあります。

相談者「毎日、何も進まないまま終わるんです。周りは普通に手を動かしてるのに」

私「1日のうち、何に一番時間を使ってますか」

相談者「エラーの原因を探してます。半日とか」

私「半日詰まったとき、誰かに聞いてます?」

相談者「聞けないです。こんなことも分からないのかと思われるので」

私「聞くまでの時間、上司と決めてます?」

相談者「決めてないです」

このあと、その方は上司に「30分詰まったら聞きに行っていいですか」と確認しました。返ってきたのは「30分でも長い、15分にして」でした。

本人が遠慮していただけで、現場は早く聞いてほしかったわけです。

その方は1年後、担当領域を1つ任されるところまで行きました。転機は技術の習得ではなく、「詰まったら何分で聞くか」を明文化したことでした。

4. 最初の3か月でやる5つのこと

1つめ、開発環境の構築手順を自分用にメモする。先輩に手伝ってもらった手順を、その日のうちに書き出します。次に壊れたとき、自力で復旧できます。

2つめ、詰まったときの制限時間を上司と合意する。「15分調べて分からなければ聞きます」と最初に言っておきます。これを決めていないと、遠慮と焦りで時間が溶けます。

3つめ、質問はテンプレートで出す。次の4行を埋めてから聞きます。

内容
やろうとしたこと「注文一覧の並び順を変更しようとしています」
やったこと「該当のクエリにorder byを追加しました」
起きたこと「エラーは出ませんが、順番が変わりません」
調べたこと「クエリ自体はログで確認して、条件は反映されています」

この4行があると、答える側の時間が3分の1になります。相手の時間を減らせる人は、質問を歓迎されます。

4つめ、既存コードを1日30分読む時間を作る。直す予定のない部分でも構いません。書き方の癖と、ファイルの置き場所のルールが体に入ります。

5つめ、その日にやったことを3行で書き残す。やったこと・詰まったこと・明日やること。これが半年後、職務経歴書の材料になります。

5. コードレビューの指摘をどう受け取るか

未経験入社で一番心が削られるのがここです。整理しておきます。

指摘の種類意味対応
書き方の統一チームの規約に合わせてほしい規約ドキュメントを読み直す
設計の指摘動くが、後で困る構造になっているなぜ困るかを聞く。ここが一番学べる
バグの指摘特定の条件で動かない条件を再現して、自分でも確認する
質問の形の指摘「ここはなぜこうしましたか」否定ではなく確認。意図を答える

4行目を否定と誤解する人が多いです。「なぜこうしましたか」は、多くの場合そのまま質問です。理由があるなら答えれば済みますし、なければ「特に理由はありません、他の書き方があれば教えてください」で構いません。

指摘を受けたら、同じ指摘を2回受けない仕組みを作ります。指摘の内容を1行でメモに追記し、次に似た場面が来たら見返す。これだけで、3か月後の指摘数が明確に減ります。

詰まったときの切り分けの順番

1年目で最も差がつくのが、詰まったときの動き方です。順番を決めておくと、無駄に半日を溶かさずに済みます。

手順1、エラーメッセージを最後まで読む。途中で読むのをやめて検索に走る人が多いのですが、原因のファイル名と行番号が書かれていることがほとんどです。

手順2、そのメッセージをそのまま検索する。固有の値(ファイルパスやIDなど)は消してから検索します。

手順3、直前に自分が変更した箇所を戻してみる。動いていた状態に戻るなら、原因はその変更の中にあります。

手順4、変更を半分だけ戻す。どちらの半分に原因があるかを絞ります。これを繰り返すと、数回で原因の行にたどり着きます。

手順5、15分たったら聞く。ここまでやった内容を第4章のテンプレートに書いて聞けば、相手はすぐ答えられます。

手順かける時間
エラーメッセージを読む1分
検索する3分
直前の変更を戻す3分
変更を半分に絞る5分
聞く15分経過時点

手順4を知らない人が多いです。原因を「考える」のではなく「絞る」に切り替えると、詰まる時間が劇的に短くなります。

6. 6か月目にやる棚卸し

半年経ったところで、一度立ち止まって整理します。所要2時間です。

棚卸し1、担当した改修を全部書き出す。小さいものも含めて構いません。10件から20件くらいになるはずです。

棚卸し2、そのうち「自分1人で完了したもの」に印をつける。半年で3件以上あれば順調です。ゼロなら、次の3か月の目標をそこに置きます。

棚卸し3、まだ触っていない領域を書き出す。データベース周り、テスト、インフラ、リリース作業。触っていない領域が分かれば、上司との1on1で「次はここをやりたい」と言えます。

この3つめが効きます。与えられる仕事を待っていると、1年目が終わっても担当範囲が広がりません。半年時点で自分から手を挙げた人が、後半で伸びます。

7. 1年目に上司に聞いておく3つのこと

Q1「今の自分の評価で、次に上げるとしたらどこですか」

評価面談のときに聞きます。抽象的な答えが返ってきたら、「具体的にはどの作業ができるようになればいいですか」と重ねます。

Q2「担当を1つ持たせてもらうには、何が足りませんか」

担当領域を持つと、仕事の見え方が変わります。持てる条件を先に聞いておくと、逆算できます。

Q3「この先1年、チームで人が足りなくなる領域はどこですか」

チームの弱点は、そのまま自分の伸ばしどころになります。誰もやりたがらない領域を引き受けた人が、翌年に一番強い立場になっている場面をよく見ます。

1年目でやりがちな3つの失敗

失敗1、動いたコードをそのまま出す。動くことと、チームの規約に沿っていることは別です。提出前に、同じファイルの他の箇所がどう書かれているかを見てください。周りに合わせるだけで指摘が半分に減ります。

失敗2、分からない言葉をその場で流す。会議で出た用語をメモせずに終えると、翌週も同じ場所で止まります。知らない単語は、その場でメモアプリに1行書く。週末に5個まとめて調べる。これで1年後の理解度が変わります。

失敗3、雑務を軽く扱う。環境構築の手伝い、テストの実行、リリース時の確認作業。地味に見えますが、これらはシステム全体の形を覚える一番早い方法です。開発だけを見ていると、いつまでも自分の担当ファイルの外が分かりません。

失敗起きること対策
規約を見ずに出すレビューの往復が増える同じファイルの他の箇所を見る
用語を流す同じ場所で毎回止まるその場で1行メモ、週末に調べる
雑務を軽く見る全体像が見えないまま1年経つ手を挙げて引き受ける

8. 1年目の終わりに残すもの

転職するかどうかに関わらず、次の材料を残しておきます。

残すもの内容
担当した機能の一覧機能名・期間・自分の担当範囲
使った技術の一覧言語・フレームワーク・DB・ツール
数字対応したチケット数、改善した処理時間など
1人で完了した案件3件以上あると職務経歴書が書ける
チーム外との関わり他部署との調整、仕様の確認など

最後の行を見落とさないでください。エンジニアの職務経歴書で差がつくのは、技術の一覧より「誰とどう仕事を進めたか」の部分です。第二新卒で入った人は、前職の対人経験がここで効きます。

9. よくある質問

1年目で転職を考えてもいいですか

環境が明らかに合わない場合はあります。ただし1年未満での再転職は、次の選考で理由を必ず聞かれます。判断する前に、担当を変えられないか上司に相談する順番をおすすめします。

周りに追いつけている実感がありません

未経験1年目で追いつけている実感がある人のほうが稀です。比べる相手は同僚ではなく、3か月前の自分にしてください。第6章の棚卸しは、そのための作業です。

家に帰ってからも勉強すべきですか

業務時間内で手一杯なら、無理に増やす必要はありません。1年目は業務で触る量が圧倒的に多いので、そこから吸収するほうが効率的です。

質問しすぎだと思われないか心配です

第4章のテンプレートで質問していれば、まず思われません。丸投げの質問が続くと思われます。差は形式です。

開発以外の雑務が多くて不安です

1年目のうちは一定量あります。ただし半年経っても改修を任されないなら、上司に希望を伝えてください。伝えない限り、状況は変わりません。

資格は取るべきですか

必須ではありません。業務で触っていない領域を体系的に埋めたいときには有効です。基本情報技術者やクラウドの認定資格がよく選ばれます。

1年目の年収は上がりますか

会社の昇給の仕組み次第です。未経験入社の場合、2年目以降に実務経験が加わってから動くことが多いです。

元の職種の経験は活きますか

活きます。特に、仕様の確認や他部署との調整の場面で差が出ます。前職の経験を捨てるものと考えないでください。

10. まとめ:入社1週目にやる3つのこと

未経験エンジニアの1年目は、努力量ではなく詰まったときの動き方で差がつきます。

1つめ、「何分詰まったら聞くか」を上司と決める。15分か30分か。初日か2日目に確認してください。これを決めていないことが、最初の3か月を空転させる最大の原因です。

2つめ、質問の4行テンプレートをメモアプリに貼る。やろうとしたこと・やったこと・起きたこと・調べたこと。この4行を埋めてから聞く習慣がつくと、聞くこと自体が学習になります。

3つめ、その日の3行日記を始める。やったこと・詰まったこと・明日やること。1年後、これがそのまま職務経歴書の材料になります。1日3分です。

技術の勉強計画を立てる前に、この3つを終わらせてください。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。