IT営業の自己PR|未経験・第二新卒の例文6パターンと技術と顧客をつないだ経験【2026年版】
IT営業の自己PRで、未経験の応募者はこう書きます。
「IT業界の成長性に魅力を感じ、前職の営業経験を活かして貢献したいと考えています」
これは志望動機であって、自己PRではありません。しかも、成長性に触れる書き方は、全員が使います。
IT営業が他業界の営業と違うのは、売るものを自分だけでは説明しきれない点です。
システムやサービスの中身は、技術者のほうが詳しい。だから商談には技術担当が同席し、営業は顧客の困りごとを技術者に伝え、技術者の説明を顧客の言葉に戻す役割を担います。
つまり、IT営業の中心にあるのは「訳す仕事」です。
そして、この経験は他業界の営業でも持っている人が多い。社内の技術部門や製造部門と組んで提案した経験があれば、そのまま書けます。
この記事では、他業界の営業経験の翻訳方法、技術知識の示し方、例文6パターン、そして面接での追撃質問への答え方を整理します。
1. 結論:入れる要素は3つ
- 顧客の困りごとを聞き出した経験
- 社内の別部門と組んで提案を作った経験
- 専門的な内容を、相手に合わせて説明した経験
2番目と3番目が、IT営業らしい要素です。
多くの応募者は1番目だけを書きます。ヒアリング力の話で終わっている書類が、最も多い。
| 書くもの | 示していること |
|---|---|
| 困りごとを聞き出した | 営業としての基礎 |
| 別部門と組んで提案を作った | 技術者と組める |
| 相手に合わせて説明した | 訳す力がある |
3番目が書けると、書類の段階で明確に差がつきます。
「同じ内容を、現場の担当者には作業の変化として、決裁者には費用と期間として説明を分けていました」
この一文が、IT営業の実務そのものです。
2. なぜ「成長性に魅力を感じ」では通らないのか
業界の状況の話であって、応募者の話ではないからです。
そして、IT営業の採用担当が最も気にしているのは、別のところにあります。
「技術者と話ができるか」です。
IT営業は、社内の技術者と日常的にやり取りします。ここでうまく連携できない営業は、機能しません。
| 技術者から見て困る営業 | 評価される営業 |
|---|---|
| できない約束をしてくる | 実現可能性を先に確認する |
| 顧客の要望を丸投げする | 要望を整理して渡す |
| 期日だけを伝えてくる | 背景と優先度も伝える |
| 分からないまま説明する | 分からないと言える |
右側の経験を書いてください。
特に4番目です。「分からないことを分からないと言える」ことは、この職種では美点です。
分かったふりをして誤った説明をすると、後で大きな問題になります。「その場で答えず、持ち帰って確認する」判断ができる人が求められます。
「持ち帰った」経験を書く
「技術的な質問を受けた際は、その場で推測で答えず、必ず持ち帰って技術担当に確認してから回答していました。回答までの目安の日数をその場で伝えることで、待たせている印象を減らしています」
後半の一文があると、単に慎重なだけの人ではないと伝わります。
3. 技術知識をどこまで示すか
結論から書くと、書類の段階では技術用語を使わないほうが安全です。
理由は2つあります。
1. 誤用すると、その一点で落ちる。技術者が書類を読む場合、用語の誤用はすぐに分かります。
2. 用語を知っていることは評価されない。IT営業に求められるのは、用語の知識ではなく訳す力だからです。
| 書き方 | 評価 |
|---|---|
| 技術用語を並べる | 誤用のリスクのみ |
| 用語を使わずに構造を説明 | 訳す力が伝わる |
| 学習中の内容を1文で添える | 意欲が伝わる |
2番目を目指してください。
ただし、面接では話が変わります。面接前には、応募先のサービスが「誰の、どんな作業を、どう変えるものか」を1文で言えるようにしておいてください。
学習を書くなら、この形
「基礎知識として、システムの開発工程と、クラウドサービスの基本的な区分について学習を進めています」
これで十分です。資格名を並べるより、何を理解しようとしているかが伝わるほうが評価されます。
4. 例文6パターン
そのまま使える形で6つ用意しました。数字と固有名詞を自分のものに差し替えてください。
例文1:メーカー営業からの応募
前職では製造業向けの機器販売を担当し、年間約40件の商談を扱っていました。カタログ通りの仕様で収まる案件は少なく、大半で社内の技術部門と組んで仕様を検討しています。顧客の要望をそのまま技術部門に渡すと実現可能性の判断に時間がかかるため、要望を「必須」「あれば良い」「不要」の3段階に整理してから相談する形に変えました。この運用にしてから、見積もりの提示までの日数が平均12日から7日に短縮しています。技術者と組んで提案を作る進め方を、IT営業でも続けたいと考えています。
例文2:無形商材の営業からの応募
前職では法人向けの広告枠の提案営業を担当し、月に約25件の商談を扱っていました。提案の際、同じ内容を相手によって説明の仕方を変えるようにしています。現場の担当者には運用の手間がどう変わるかを、決裁者には費用と効果の見込みを中心に説明していました。この分け方を意識してから、社内稟議で止まる案件が減り、受注率は部内平均を2ポイント上回っています。相手に合わせて説明を組み替える仕事に手応えを感じ、IT営業を志望しています。
例文3:ITサポート・社内SEからの応募
前職では社内システムのヘルプデスクを担当し、月間約200件の問い合わせに対応していました。うち月10件程度はベンダーへの改修依頼となるため、利用者の要望を仕様の言葉に置き換えて渡す役割を担っています。要望をそのまま伝えると認識のずれが起きるため、画面の該当箇所、現状の動作、期待する動作の3点を必ず添える形式に統一し、差し戻しを月4件から1件に減らしました。使う人と作る人の間を訳す仕事を、営業側から担いたいと考えています。
例文4:人材・サービス業の営業からの応募
前職では人材サービスの法人営業を担当し、月に約30社を訪問していました。求人の要望を伺う際、「経験3年以上」といった条件をそのまま受け取らず、その条件が必要な理由まで確認するようにしています。理由を確認すると、実際には特定の業務ができれば経験年数は問わない場合が多く、条件を広げることで充足率が上がりました。担当エリアの充足率は、着任時の62%から半年で78%になっています。要望の背景を確認する進め方は、IT営業でも同じだと考えています。
例文5:個人向け営業からの応募
前職では通信サービスの個人向け販売を担当し、月に約80件の契約を扱っていました。専門的な内容を初めて聞く方に説明する機会が多く、用語を使わずに説明する練習を重ねています。特に、契約後のトラブルにつながりやすい項目については、必ず言い換えた説明と、元の用語の両方を伝えるようにしていました。結果として、担当分の契約は3ヶ月以内の解約が店舗平均の3分の1です。専門的な内容を訳す力を、法人向けのIT営業で活かしたいと考えています。
例文6:IT業界の非営業職からの応募
前職ではシステム開発会社で開発の進行補助を担当し、5〜8名の案件を常時2〜3件並行で見ていました。顧客との仕様確認の場に同席することが多く、開発側の説明を顧客向けに言い換える役割を担っています。認識のずれによる手戻りが案件あたり平均3回発生していたため、確認事項を画面の図とセットで提示する形式に変えた結果、手戻りは平均1回に減りました。開発の実際を知った上で、提案の側に回りたいと考え志望しています。
5. 数字の出し方
IT営業の自己PRで使える数字は5種類です。
| 数字 | 例 |
|---|---|
| 商談・訪問の件数 | 月25件、年間40件 |
| 受注率 | 部内平均を2ポイント上回る |
| 商談期間 | 平均12日→7日 |
| 社内連携の回数・部門数 | 技術部門と月10件 |
| 手戻り・差し戻しの変化 | 月4件→1件 |
4番目と5番目が、IT営業らしい数字です。
他業界の営業では書かれない数字なので、書くだけで差がつきます。社内の別部門とどのくらい組んでいたかは、必ず書いてください。
数字が思い出せない場合
頻度で代替できます。
「週に2回、技術部門との打ち合わせに参加していました」。これで連携の量が伝わります。
正確に思い出せない数字を盛るのは避けてください。面接で内訳を聞かれます。
6. 落ちる自己PR5つ
| 書き方 | どう受け取られるか |
|---|---|
| 「IT業界の成長性に魅力」 | 全員が書く |
| 技術用語を並べる | 誤用のリスクだけ |
| 目標達成率だけを並べる | 押し込み型に見える |
| 社内連携の話が一切ない | 一人で完結する営業 |
| 「勉強していきます」で締める | 意欲の表明のみ |
4番目に補足します。
一人で完結してきた営業は、IT営業では苦戦します。
自分だけで説明し、自分だけで決めてきた進め方は、技術者との連携が前提のこの職種では通用しません。
逆に、前職で社内を巻き込んだ経験がある人は、業界未経験でも高く評価されます。
7. 面接で追撃される3問
質問1:「技術的な質問に答えられないとき、どうしますか」
この職種で最も重要な質問です。
「その場で推測では答えません。持ち帰って技術担当に確認し、回答します。ただ、待たせるとご不安になるため、その場で『いつまでに回答します』と日数をお伝えするようにしていました」
「答えられるように勉強します」だけでは不十分です。実務では、常に分からないことが出てきます。
質問2:「顧客の要望が技術的に難しいと言われたら、どうしますか」
板挟みの場面での動き方を見る質問です。
「まず、なぜ難しいのかを技術側から具体的に聞きます。工数の問題か、仕組み上できないのかで、顧客への返し方が変わるためです。工数の問題であれば、要望を段階に分けて、優先度の高いものから実現する案を提示します」
「できないと伝えます」で終わると、間に立つ意味がない人だと見られます。
質問3:「当社のサービスをどう理解していますか」
準備なしでは答えられません。
事前に、そのサービスが「誰の、どんな作業を、どう変えるか」を1文にまとめておいてください。
「サイトを拝見した限りでは、○○の作業を手作業で行っている企業が対象だと理解しています。まず、その作業に月何時間かけているかを伺うところから始めると思います」
技術の説明を求められているのではありません。誰の何を解決するかを言えれば十分です。
8. 応募先別の書き分け
| 応募先 | 強調する材料 |
|---|---|
| SIer・受託開発 | 社内技術部門との連携、要件の整理 |
| SaaS・自社サービス | 商談数、受注率、継続の視点 |
| ITインフラ・機器販売 | 仕様の調整、決裁の流れ |
| IT商社・代理店 | 複数商材の扱い、提案の組み合わせ |
SIerと自社サービスで、求められる型がかなり違います。
SIerは1件あたりの金額が大きく、商談期間が長い。要件を整理した経験と、決裁の流れを追った経験が刺さります。
自社サービスは件数を回します。商談数と受注率、そして契約後の継続の視点が刺さります。
求人票の「平均商談期間」と「対象企業規模」を見て、書く比重を変えてください。
9. よくある質問
Q. IT未経験でもIT営業になれますか
営業経験があれば、入口は広い職種です。
技術知識より、顧客の困りごとを聞き出し、社内と連携できるかが評価軸のため、他業界の営業経験がそのまま材料になります。
Q. どこまで技術を勉強すべきですか
入社前は、開発の工程とサービスの区分が分かる程度で十分です。
深い技術知識は、扱う商材が決まってから学ぶほうが効率的です。汎用的な知識を先に詰め込む必要はありません。
Q. 資格は評価されますか
基本情報技術者などが挙げられますが、必須ではありません。
営業職の採用では、資格より営業実績の翻訳のほうがはるかに評価されます。
Q. SIerと自社サービス、どちらが良いですか
働き方が違うため、優劣ではなく好みの問題です。
1件を深く追いたいならSIer、件数を回して数字を作りたいなら自社サービス、という分け方が現実的です。求人票の商談期間で判断できます。
Q. 技術職に移ることはできますか
可能です。実際に移る人はいます。
顧客と製品の両方を知った上で技術職に移るルートは、社内異動として用意されている会社があります。面接の逆質問で実績を聞いてください。
Q. 年収はどのくらいですか
会社と役割で幅が大きく、一律には言えません。
インセンティブの比率が高い会社と、固定給中心の会社があります。求人票では「固定給と変動給の内訳」を確認してください。
Q. ノルマは厳しいですか
会社によって差が大きい部分です。
面接で「直近の期の目標達成者の割合」を聞くのが最も確実です。半数以上が達成している会社と、2割の会社では設計思想が違います。
Q. 自己PRは何字くらいが適切ですか
400〜600字が目安です。
例文の1つ分がこの分量です。営業実績に6割、社内連携の話に4割の配分にすると、IT営業らしい書類になります。
10. まとめ:今週やる3つのこと
1. 前職で社内の別部門と組んで提案を作った経験を、3つ書き出す。技術部門、製造部門、管理部門、どれでも構いません。
2. 同じ内容を相手によって説明し分けた経験を1つ書く。これが訳す力の証明です。
3. 技術用語を書類から全部消す。用語なしで構造を説明できるほうが、評価されます。
「IT業界の成長性」を使わずに書けたら完成です。
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- 営業職の自己PR|第二新卒の書類が通る例文6パターンと数字の出し方(営業の自己PR全般)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。