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エンジニアに英語は必要か|読む力から始める順番【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約15分
エンジニアに英語は必要か|読む力から始める順番【2026年版】

エンジニアを目指すとき、「英語ができないと厳しいのでは」という不安を持つ人がいます。

結論から書きます。日本国内で働く多くのエンジニアにとって、必要なのは「読む力」だけです。話す力も、書く力も、最初は求められません。

そして、その「読む力」も、英会話の勉強で身につくものとは違います。技術文書は語彙が限られていて、構文も単純です。受験英語の読解ができる程度で、十分に読めるようになります。

この記事では、実務で英語がどこで出てくるのか、必要な水準、勉強の優先順位、そして面接での伝え方を整理します。

1. 結論:必要なのは3つ

①エラーメッセージを読む力。実務で最も頻繁に出てくる英語です。翻訳せずに読めると、問題の解決が速くなります。

②公式ドキュメントを読む力。日本語の情報が古い、または存在しない場合、公式の英語の文書が唯一の情報源になります。

③検索結果を読む力。技術的な問題の解決策は、英語のサイトに書かれていることが多くあります。

この3つはすべて「読む」だけです。話す力が必要になるのは、外資系や海外のチームと働く場合に限られます。

2. 実務で英語が出てくる場面

場面必要な力頻度
エラーメッセージ読む毎日
公式ドキュメント読む週に数回
技術的な質問と回答のサイト読む週に数回
ライブラリの説明文書読む随時
コード内のコメント・変数名読む・書く毎日
海外チームとのやり取り書く・話す職場による

上から5つは、国内のどの職場でも発生します。最後の1つだけが、職場によって変わります。

エラーメッセージの読み方

エラーメッセージは、決まった型で書かれています。いくつかのパターンを覚えると、大半が読めるようになります。

よく出る単語は限られています。「見つからない」「定義されていない」「型が違う」「権限がない」「予期しない」といった意味の単語が繰り返し出てきます。

翻訳ツールに貼るより、そのまま読むほうが速くなります。ただし、最初のうちは翻訳して構いません。同じメッセージに何度も出会ううちに、読めるようになります。

なお、コード内に出てくる英単語も、実際に使われるものは限られています。取得、作成、更新、削除、検索、件数、一覧。この程度の語が繰り返し出てくるだけで、難しい単語はほとんど出てきません。

3. 編集長の実体験:英語で止まっていた人

私の知人に、未経験からエンジニアになった人がいます。仮にRさんとします。

Rさんは、学生時代から英語が苦手でした。入社後、それが作業速度に影響していました。

Rさん「エラーが出るたびに、全部翻訳ツールにかけていました」

私「時間がかかりませんか」

Rさん「かかります。1日に何十回もやるので」

先輩に相談したところ、こう言われたそうです。

先輩「翻訳しないで、まず単語を3つだけ拾ってみてください。何が、どうなった、どこで。それだけで大体分かります」

Rさんが試したところ、多くのエラーはこの3語で意味が取れました。

Rさん「『見つからない』『定義されていない』『型が合わない』。この3種類でほとんどでした」

3か月後、Rさんは翻訳ツールを使う回数が大きく減りました。

Rさん「英語ができるようになったわけじゃないんです。エラーメッセージの型を覚えただけで」

公式ドキュメントについても、同じ進め方をしました。

Rさん「最初から全部読もうとすると挫折します。使いたい機能の名前で検索して、その部分だけ読む。それなら読めました」

Rさんは英語の勉強を一度もしていません。必要な範囲を絞ったことで、実務が回るようになりました。

Rさん「『英語ができないとエンジニアは無理』と思っていた時期が一番損でした」

覚えておくと効くパターン

エラーメッセージには、決まった言い回しがいくつかあります。「存在しない」「型が一致しない」「予期していないものがある」「権限がない」「接続できない」。この5種類で、実務で出会うエラーのかなりの部分が説明できます。

出てきたエラーを1行でメモしておくと、2か月ほどで同じものの繰り返しだと気づきます。覚えるのは英語ではなく、エラーの種類です。

4. 必要な水準

場面必要な水準
エラーメッセージ単語を3つ拾えれば足りる
公式ドキュメント必要な項目を検索して、その部分だけ読む
技術記事コードの部分を先に見て、説明を補助的に読む
コード内の英語中学レベルの単語で足りることが多い
海外チームとのやり取り職場によって大きく変わる。書く力が中心

共通しているのは、全文を読む必要がないことです。技術文書は、必要な部分を探して読む形で使います。

資格の点数は必要か

国内の一般的なエンジニア職では、英語の資格を要件にしている求人は多くありません。

要件になるのは、外資系、海外拠点とのやり取りがある職場、海外向けの製品を扱う職場です。その場合は求人票に明記されているので、書かれていなければ気にする必要はありません。

なお、業務で英語のやり取りが発生する職場かどうかは、面接で確認してください。「英語を使う場面はありますか。あるとしたら、読み書きと会話のどちらですか」と聞けば分かります。

5. 勉強の優先順位

未経験からエンジニアを目指す段階では、英語より優先すべきものがあります。

優先度やること
1使う言語の基本を身につける
2動くものを1つ作る
3エラーメッセージの型を覚える
4公式ドキュメントを部分的に読む練習
5英語そのものの学習

5番目に手を出す前に、3番目と4番目で足ります。実務で英語に触れる量は多いので、使いながら慣れるのが最も効率的です。

読む練習のしかた

日本語の記事で調べたあと、同じ内容の公式ドキュメントを開いてみてください。内容を知った状態で読むと、英語の文書が理解しやすくなります。

これを繰り返すと、そのうち日本語の記事を経由せずに読めるようになります。いきなり英語から読もうとすると挫折します。

検索するときのコツ

技術的な問題を調べるとき、エラーメッセージをそのまま検索窓に入れるのが最も速い方法です。翻訳してから調べると、同じ問題にたどり着けません。

固有の値(ファイル名やユーザー名など)は除いて、共通する部分だけを検索してください。同じエラーに遭遇した人の記録が見つかることが多くあります。

6. 誤解されやすい5つ

誤解実際
英語ができないとエンジニアになれない読む力があれば足りることが多い
会話力が必要国内の多くの職場では不要
資格の点数が要件になる明記されていなければ不要
翻訳ツールを使うのは良くない使って構わない。減らしていけばよい
英語の勉強を先にすべき技術の学習が優先

4番目については、遠慮なく使ってください。ただし、同じメッセージを何度も翻訳している場合は、その型を覚えたほうが速くなります。

日本語の情報だけで進めることの危険

日本語の技術記事は数が多く、探しやすい一方で、更新が止まっているものが混ざっています。

古い記事の通りに進めて動かず、原因が分からないまま時間を使う。これは未経験の学習でよく起きる失敗です。

公式の文書は、その技術を作っている側が更新しています。日本語の記事で全体像をつかんだあと、細かい仕様は公式で確認するという二段構えにすると、この失敗が減ります。

7. 面接で聞かれたときの答え方

英語について聞かれるのは、次の場面です。

  • 「英語のドキュメントは読めますか」
  • 「英語での業務が発生する可能性がありますが、大丈夫ですか」
  • 「学習のときに、どういう情報源を使っていましたか」

1問目には、実際にやっていることを答えてください。「読めます」と言い切る必要はありません。

「必要な部分を探して読む形であれば対応できます。学習中も、日本語の情報がない場合は公式のドキュメントを見て進めていました」

3問目は、実は情報の探し方を見ている質問です。日本語の記事だけで進めていた場合も、正直に答えて構いません。

「基本は日本語の記事を使っていましたが、情報が古い場合は公式のドキュメントを確認していました」

「英語は苦手です」で止めないでください。どう対処しているかを続けると、印象が変わります。

書く場面で困らないために

コード内の変数名や関数名は英語で付けるのが一般的です。ここで悩む時間が長くなる人がいます。

対策は、チーム内で使われている名前を真似することです。既存のコードを見れば、その職場でよく使われる語がわかります。独自の英語を考える必要はありません。

8. 進め方と時間配分

段階時間やること
エラーの型を覚える毎日5分出てきたエラーの意味をメモ
公式ドキュメントを開く週1回30分日本語で調べた後、同じ内容を英語で読む
単語のメモ週10分繰り返し出てくる単語だけ記録
面接の答えを作る20分3問への答えを用意

週1時間もかかりません。英語の学習として時間を取るより、実務や学習の中で触れる形が効率的です。

9. よくある質問

英語ができないとエンジニア転職は不利ですか

国内の求人では、要件になっていないことが大半です。不利になるとしたら、英語そのものではなく、情報を探す力が不足している場合です。

資格の点数は書いたほうがいいですか

持っていれば書いて構いません。ただし、なくても不利にはなりません。要件に明記されている求人だけ、点数が意味を持ちます。

翻訳ツールに頼っても大丈夫ですか

大丈夫です。使いながら、頻出のパターンを覚えていけば十分です。最初から翻訳なしで読む必要はありません。

公式ドキュメントが読めません

全部を読もうとしていないか確認してください。使いたい機能の名前で該当箇所を探して、そこだけ読むのが実務での使い方です。

外資系を目指す場合はどうですか

その場合は会話力が必要になります。求人票に英語の要件が明記されているので、そこに書かれた水準を確認してください。国内企業とは前提が違います。

コードのコメントは英語で書くべきですか

職場の方針によります。入社後に既存のコードを見て、それに合わせてください。統一されていることのほうが重要です。

変数名を英語で付けるのが難しいです

よく使う語の対応を覚えると解決します。取得、作成、更新、削除、一覧、件数といった業務でよく出る概念から覚えてください。複雑な単語は必要ありません。

学習に英語の教材を使うべきですか

日本語の教材で構いません。ただし、日本語の情報が古い分野では、公式の英語の文書を確認する習慣をつけてください。

10. まとめ:今週やる3つのこと

エンジニアに必要な英語は、「読む」だけで、しかも全文を読む必要はありません。

1. エラーメッセージを、翻訳する前に3語だけ拾ってみる。何が、どうなった、どこで。この3つが分かれば、大半のエラーは意味が取れます。

2. 日本語で調べた内容を、公式ドキュメントでも確認する。内容を知った状態で読むと、英語の文書が理解しやすくなります。週1回で十分です。

3. 面接での答えを1つ用意する。「必要な部分を探して読む形であれば対応できます」。苦手だと言い切らず、対処のしかたを続けてください。

英語の勉強に時間を使う前に、技術の学習を優先してください。英語は使いながら慣れます。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。