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同期と比べてしまうとき|第二新卒が自分の基準を作り直す4ステップ【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約16分
同期と比べてしまうとき|第二新卒が自分の基準を作り直す4ステップ【2026年版】

〜比較で得られるのは焦りだけで、判断材料は1つも増えません〜

同期が昇進した。同期が有名企業に転職した。同期の年収が自分より高いらしい。

そういう情報が入ってくるたびに、自分の現在地が急に不安になる。

これは、社会人2〜4年目に最も多い相談です。そして、この焦りが理由で転職を決めると、たいてい失敗します。

理由は単純で、「同期より遅れている」という感覚は、転職先を選ぶ基準として何の役にも立たないからです。

「同期に勝てる会社」という条件で求人を探すことはできません。

ただし、「比べるな」と言われて比べなくなる人はいません。だから、この記事では「比べるのをやめる方法」ではなく、比較を判断材料に変換する方法を扱います。

比較そのものは、悪くありません。悪いのは、比較の対象を間違えていることです。

1. 結論:比べる対象を、3つ入れ替える

今、比べているもの入れ替えるもの
同期の年収自分の1年前の年収
同期の役職自分が1年前にできなかった業務
同期の転職先の知名度自分が3年後に持っていたい能力

比較の相手を「他人」から「1年前の自分」に変えるだけです。

これは精神論ではありません。実務的な理由があります。

同期との比較からは、次に何をすべきかが出てきません。

一方、1年前の自分との比較からは、「この1年で何ができるようになったか」「次の1年で何を積むか」が出ます。

比較の対象出てくるもの
同期の年収が50万高い焦り(行動が決まらない)
1年前より年収が20万上がった昇給のペース(転職判断の材料)
同期が課長になった焦り
1年前はできなかった提案書作成が、一人でできる職務経歴書に書ける実績

右の列だけが、行動につながります。

2. なぜ同期との比較が判断を狂わせるのか

3つの理由があります。

① 見えている情報が、都合よく選ばれている

同期から入ってくる情報は、良い部分だけです。

伝わること伝わらないこと
昇進したその部署の残業時間
有名企業に転職した入社後に苦戦していること
年収が上がったみなし残業が80時間分含まれること
大きな案件を担当したその案件が炎上していること

あなたが見ているのは、相手の見せたい部分だけです。

そして、あなた自身も、同期に対して同じことをしています。

② スタート地点が違う

業界が違えば、給与水準が違います。

コンサルティングファームの3年目と、地方の中小企業の3年目では、年収に200万円の差があることは普通です。

これは能力の差ではなく、業界の構造の差です。

比べても、意味がありません。

③ 評価の時点が短すぎる

20代の3年間で、キャリアの優劣は決まりません。

20代での状況30代でどうなるか
早く昇進したマネジメントに進む/専門性が薄い場合もある
転職を重ねた経験の幅がある/定着性を問われる場合もある
同じ会社に留まった専門性が深い/市場での比較経験がない

どのパターンにも、有利な面と不利な面があります。

3年目の時点でどれが正解かは、決まっていません。

3. 編集長の実体験:同期の転職先を聞いて、焦った日

私が新卒2年目の頃、同期の1人が、誰もが知っている大手企業に転職しました。

その話を聞いたとき、正直に言って、かなり焦りました。

自分は上場企業の子会社で広告営業をしていて、社名を言っても伝わらない。相手は、社名だけで伝わる会社に行った。

その週、転職サイトに登録しました。「有名企業」で検索して、片っ端から求人を見ました。

そして、エージェントの初回面談で、担当者にこう言われました。

担当者「木戸さん、今日お話を伺って、正直に言っていいですか

「はい」

担当者『何がやりたいか』の話が、一度も出てこなかったんです。出てきたのは、『規模の大きい会社』『名前の知られている会社』ばかりで」

「……そうですか」

担当者誰かと比べてます?

「……同期が、大手に転職したんです」

担当者それ、木戸さんの転職理由じゃないですよね。その同期の方が行った会社、木戸さんがやりたい仕事ありますか」

「……ないです。業界が全然違うので」

担当者だったら、今動くのは違うと思います。焦りで決めた転職先って、入ってから『なんでここ選んだんだろう』ってなりますよ」

この面談の後、私は活動をいったん止めました。

そして、半年後に改めて動き始めました。そのときは、「単発の関係で終わるのが嫌だ」という、自分の理由がありました。

結果として、SaaS企業に転職しました。社名を言っても、ほとんどの人には伝わりません。

ただ、そこで営業企画という職種に出会い、今の仕事につながっています。

ここで学んだのは、焦りで動くと、探す条件が「他人に説明しやすいこと」になるということです。

「大手」「有名」「高年収」。これらは全部、他人に説明するための条件です。

自分が毎日やる仕事の中身とは、関係がありません。

4. ステップ① 比較の対象を書き出す

まず、何と比べているのかを明確にしてください。

紙に、次の3つを書きます。

#質問
1誰と比べていますか(同期、友人、SNSで見る人)
2何を比べていますか(年収、役職、社名、業務内容)
3その情報は、どこから来ましたか(本人から、噂、SNS)

3番目が重要です。

情報源正確さ
本人から直接聞いた比較的正確(ただし良い面のみ)
共通の友人から聞いた誇張されている可能性
SNSの投稿最も編集されている

SNS経由の情報で焦っている場合、その情報の精度は最も低い、と認識してください。

5. ステップ② 比較を「事実」と「解釈」に分ける

焦りは、事実ではなく解釈から生まれます。

事実自分がつけた解釈
同期の年収が自分より50万高い自分は劣っている
同期が課長になった自分は評価されていない
同期が有名企業に転職した自分は市場価値が低い

右側は、事実ではありません。

「同期の年収が50万高い」という事実から、「自分は劣っている」は導けません。

業界が違う、会社の給与テーブルが違う、みなし残業の有無が違う。可能性はいくらでもあります。

分ける手順

書き出した比較について、次のように分けてください。

事実:同期のAが、大手メーカーに転職した

解釈:自分の経歴では、そういう会社には行けない

検証:本当にそうか? → 実際に求人を見て確認する

検証の欄が重要です。

「自分には無理だ」という解釈は、たいてい確認されていません。

実際に求人を見て、応募資格を読めば、行けるかどうかは分かります。

6. ステップ③ 自分の1年前と比べる

ここが、実務的に最も価値のある作業です。

次の表を埋めてください。

項目1年前現在
一人でできる業務
担当している規模(件数・金額)
説明できる数字
相談される場面
年収

この表が埋まると、2つのことが分かります。

1つ目:この1年で積んだもの。これは、そのまま職務経歴書に書けます。

2つ目:この1年で積めていないもの。これが、転職を検討する理由になります。

判断の分かれ目

表の状態判断
1年前と現在に、明確な差がある今の環境で積めている。焦る必要はない
1年前と現在が、ほぼ同じ環境を変えることを検討

「同期より遅れている」ではなく、「自分が成長していない」なら、それは動く理由になります。

この違いが重要です。

前者は他人の基準、後者は自分の基準です。

7. ステップ④ 3年後の基準を1つ決める

最後に、比較の基準そのものを作り直します。

次の質問に、1つだけ答えてください。

3年後、何ができるようになっていたいですか

「何になりたいか」ではなく「何ができるか」です。

弱い基準強い基準
年収600万円施策を設計して効果を検証できる
マネージャーになる後輩3人に業務を教えられる
有名企業で働く一人で顧客の課題を解決できる
同期より上に行く(基準になっていない)

右側の基準は、他人の状況に左右されません。

同期が昇進しても、自分の基準は変わりません。

この基準の使い方

年に2回、この基準に対して自分がどこにいるかを確認してください。

そして、今の環境でその基準に近づけないと分かったとき、それが転職の理由になります。

「同期が転職したから」ではなく、「この環境ではこの能力が積めないから」。

後者なら、面接でそのまま志望動機として話せます。

8. SNSとの距離の取り方

SNS経由の比較は、精度が最も低く、頻度が最も高いです。

対処効果
特定の人の投稿をミュートする相手に通知されず、関係は壊れない
アプリの通知をオフにする見る回数が減る
見る時間帯を決める夜に見ると、焦りが増幅しやすい
アプリを削除する最も効果的だが、極端

「ミュート」を推奨します。

フォローを外すと関係に影響しますが、ミュートは相手に伝わりません。

そして、投稿されているのは「見せたい部分」だけであることを、繰り返し思い出してください。

転職して半年で辞めたい人は、そのことを投稿しません。

9. よくある質問

同期と比べるのをやめられません。

やめる必要はありません。比較する相手を「1年前の自分」に1つ追加するだけで、行動につながる材料が増えます。比較そのものが問題なのではなく、比較から何も出てこないことが問題です。

同期が転職して年収が上がったと聞き、焦っています。

年収は、業界と職種でほぼ決まります。同じ能力でも、業界が違えば200万円の差が出ます。比べるべきは金額ではなく、「その業界に行きたいかどうか」です。

焦りで転職するのは、本当にダメですか?

焦り自体は、動くきっかけとして悪くありません。問題は、焦りのまま応募先を決めることです。「なぜその会社か」を自分の言葉で言えるなら、きっかけが焦りでも構いません。

同期に転職の相談をしてもいいですか?

社内の同期には、内定が出るまで話さないでください。悪意がなくても、話は広がります。社外の友人や、転職エージェントに相談してください。

同期より昇進が遅いのは、評価が低いということですか?

そうとは限りません。配属先の枠、上長の異動、部署の規模など、本人の能力以外の要因が大きく影響します。ただし、3年以上その状態が続き、理由が説明されないなら、上司に直接確認してください。

「自分の基準」がそもそも思いつきません。

「1年前にできなかったのに、今できること」を1つ探してください。それが、あなたが積んだものです。その延長線上に、3年後の基準を置けば十分です。

同期がいない環境で、比較対象が業界の平均になります。

業界の平均年収や平均勤続年数は、参考にはなりますが、基準にはなりません。平均は、あなたと異なる条件の人を含んだ数字です。転職エージェントとの面談で、自分の経歴に対する具体的な評価を聞く方が有効です。

転職エージェントに、焦りが理由だと言ってもいいですか?

言ってください。正直に伝えた方が、担当者は状況を判断できます。「今動くべきではない」と言ってくれる担当者は、信頼できます。逆に、焦りに乗じて応募を急かす担当者は、慎重に見てください。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

同期との比較から出てくるのは、焦りだけです。次に何をすべきかは、出てきません。

比較の相手を「1年前の自分」に変えると、職務経歴書に書ける材料と、転職を検討すべきかどうかの判断が出てきます。

今夜やること

第6章の表を埋める(1年前と現在で、一人でできる業務・担当規模・説明できる数字を比べる)

② 表の差が小さかった場合、その原因が環境か自分かを1文で書く

3年後に「できるようになっていたいこと」を1つ書く(何になりたいか、ではない)

目安時間:合計40分

①で明確な差があるなら、今の環境で積めています。同期が何をしていても、あなたは前に進んでいます。

差がないなら、それが動く理由です。そしてそれは、「同期が転職したから」よりずっと強い理由になります。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。