エージェントの面接対策の使い方|第二新卒が模擬面接を最大限に使う手順【2026年版】
〜面接対策は「お願いすれば出てくるもの」ではなく、「引き出すもの」です〜
転職エージェントのサービスには、必ず「面接対策」が含まれています。ところが、実際に受けた人に聞くと、内容に大きな差があります。
模擬面接を1時間かけてやってくれる担当者もいれば、「よくある質問リスト」をメールで送って終わりの担当者もいます。
この差は、担当者の力量の差でもありますが、それ以上に「応募者が何を依頼したか」の差です。
面接対策は、こちらから具体的に依頼して初めて出てくるものです。「面接対策をお願いします」だけでは、標準的な質問リストが返ってくるだけになります。
この記事では、エージェントの面接対策で何を依頼すべきか、そして担当者によって質が違うときにどうするかを整理します。
1. 結論:依頼すべきは3つ、この順番で
| 順番 | 依頼すること | タイミング |
|---|---|---|
| ① | その企業の過去の面接で聞かれた質問 | 書類通過の連絡が来たとき |
| ② | 面接官の役職と人数 | 日程が確定したとき |
| ③ | 模擬面接(30〜60分) | 面接の3〜5日前 |
①が最も価値があります。
エージェントは、同じ企業に過去も候補者を送っています。そこで実際に聞かれた質問の情報を持っていることがあります。これは、転職サイトにも口コミサイトにも出ていない情報です。
ただし、聞かなければ出てきません。
②は、準備の方向を決めます。一次が現場のリーダー、二次が部長、最終が役員なら、それぞれ聞くことが違います。
③は最後です。①②の情報を得てからやらないと、一般的な練習で終わります。
2. なぜ「面接対策をお願いします」では足りないのか
担当者の側から見ると、この依頼は範囲が広すぎます。
| 応募者の依頼 | 担当者が返すもの |
|---|---|
| 面接対策をお願いします | 一般的な想定質問リスト |
| 御社が過去にこの企業へ送られた方が、面接で聞かれた質問を教えてください | 企業固有の情報 |
| 志望動機を読んでいただき、突っ込まれそうな点を指摘してください | 個別のフィードバック |
| 30分、面接官役をお願いできますか | 模擬面接 |
依頼が具体的になるほど、返ってくるものの価値が上がります。
そして、これは担当者の負担を増やす依頼ではありません。担当者は、応募者が内定を得ることで報酬を得ます。具体的な依頼は、担当者にとっても動きやすい依頼です。
遠慮する必要はまったくありません。
ただし、依頼するタイミングは重要です。面接の前日に「模擬面接をお願いします」と言っても、担当者の予定が空いていません。日程が決まった時点で予約してください。
3. 編集長の実体験:模擬面接で、志望動機を全否定された日
私が第二新卒で転職活動をしていたとき、SaaS企業の二次面接の前に模擬面接をお願いしました。初めて自分から依頼した面接対策でした。
結果は、想定外でした。
担当者「では、志望動機をお願いします」
私「はい。前職で広告の営業をする中で、より顧客に長く関わる仕事がしたいと思うようになりました。御社のSaaSは……」
担当者「ストップ。今の、他のSaaS企業でもそのまま使えますよね」
私「……使えます」
担当者「この会社は障がい福祉の領域でやってるんです。そこに触れないと、『SaaSならどこでもいいのでは』と受け取られます」
私「福祉のことは、正直よく知らなくて」
担当者「知らなくていいんです。ただ、なぜその領域の会社の面接を受けているのかは、自分の言葉で言えないと厳しい」
私「……考えます」
担当者「あと1つ。木戸さん、『思うようになりました』を3回使いました。面接官には、何も決めていない人に聞こえます」
この30分は、かなり効きました。
特に2つ目の指摘です。「思うようになりました」という表現を、私は自分で気づかずに繰り返していました。録音して聞き返すまで、自覚がありませんでした。
そして、志望動機を書き直しました。前職の広告営業で、単発の出稿で終わる関係にもどかしさを感じたこと。継続して関わる商材をやりたいと考えたこと。そして、その領域が福祉である理由を、自分の言葉で1文にしました。
本番の二次面接で、志望動機を話した後、部長がこう言いました。
「なぜうちの領域なのか、ちゃんと考えてきていますね」
この会社から内定が出ました。
ここで学んだのは、模擬面接の価値は「練習」ではなく「指摘」にある、ということです。
一人で練習していても、「他社でも使える志望動機になっている」ことには気づけません。第三者に聞いてもらって初めて分かります。
4. 依頼① 企業固有の情報を引き出す
書類選考の通過連絡が来たら、その返信で次のように依頼してください。
依頼の文面例
「書類通過のご連絡、ありがとうございます。
面接に向けて準備を進めたく、可能な範囲で教えていただきたいことがあります。
・過去に御社から同社へご紹介された方が、面接で聞かれた質問 ・面接官のご役職と人数 ・選考で重視されている点
ご存じの範囲で構いませんので、お願いいたします。」
この3点を、日程調整の連絡と同時に依頼するのが最も効率的です。
得られる情報の例
| 情報 | 準備への影響 |
|---|---|
| 「前職の退職理由を必ず深掘りされます」 | 退職理由の準備に時間を配分 |
| 「一次は現場のマネージャー、二次は事業部長」 | 一次は実務、二次は方向性を厚くする |
| 「定着性を重視しています」 | 長く働く意思を、根拠つきで用意 |
| 「未経験でも意欲があれば通る傾向」 | 経験の不足を過度に気にしない |
「重視されている点」は、最も役に立つ情報です。
担当者が知らない場合もあります。初めて紹介する企業なら、情報がありません。その場合は、「分かりません」という答えが返ってきます。それも情報です。
5. 依頼② 書類のフィードバックを受ける
模擬面接の前に、必ず志望動機と自己PRを見てもらってください。
依頼の仕方は、次のようにします。
依頼の文面例
「志望動機と自己PRを作成しました。
面接で突っ込まれそうな点と、この会社に対して弱い点を指摘いただけますでしょうか。」
「添削してください」ではなく「突っ込まれそうな点を指摘してください」と依頼するのが要点です。
添削だと、文章の整え方が返ってきます。面接で必要なのは、どこを追撃されるかの予測です。
指摘されやすい5つの点
| 指摘 | 意味 |
|---|---|
| 他社でも使える内容 | 会社固有の要素がない |
| 数字がない | 実績が検証できない |
| 主語が「会社」になっている | 自分が何をしたか不明 |
| 期間が短いのに「培った」と書いている | 誇張に見える |
| 退職理由と志望動機が接続していない | 逃げの転職に見える |
特に5つ目は、第二新卒で最も多い指摘です。
「残業が多くて辞めた」→「御社で成長したい」は接続していません。間に「何をしたいか」が必要です。
6. 依頼③ 模擬面接の受け方
依頼のタイミング
面接の3〜5日前が最適です。
前日だと、指摘を反映する時間がありません。1週間以上前だと、企業固有の情報がまだ揃っていないことがあります。
依頼の文面
依頼の文面例
「◯月◯日の面接に向けて、30分ほど模擬面接をお願いできますでしょうか。
面接官役をお願いし、受け答えの内容と話し方の両方について、指摘をいただきたいと考えています。
◯日〜◯日の間で、ご都合のよい時間をお知らせください。」
「内容と話し方の両方」と明記してください。これがないと、内容の確認だけで終わります。
模擬面接で必ずやること
| やること | 理由 |
|---|---|
| 録音する | 自分の話し方は、聞き返さないと分からない |
| 本番と同じ服装で受ける | オンラインなら映り方も確認できる |
| 途中で止めずに最後までやる | 中断すると本番の感覚が掴めない |
| 指摘をその場でメモする | 後から思い出せない |
録音は、担当者に一言断ってから行ってください。「自分で振り返りたいので録音してもよいですか」と聞けば、通常は許可されます。
そして、必ず聞き返してください。第3章の「思うようになりました」のような口癖は、聞き返さないと気づけません。
模擬面接で確認すべき5項目
- 志望動機が、他社でも使える内容になっていないか
- 退職理由と志望動機が接続しているか
- 1つの回答が長すぎないか(1分を超えると長い)
- 口癖が出ていないか
- 逆質問が用意できているか
7. 担当者によって質が違う場合の対処
面接対策の質は、担当者によって差があります。これは事実として受け止めてください。
| 状況 | 対処 |
|---|---|
| 質問リストを送るだけで、模擬面接をやらない | 「30分、面接官役をお願いできますか」と明示的に依頼 |
| 依頼しても日程が合わない | 別のエージェントの担当者に依頼する |
| フィードバックが「大丈夫です」だけ | 「弱い点を3つ挙げてください」と数を指定 |
| 企業の情報を持っていない | 口コミサイト・企業の採用ページで自分で調べる |
「弱い点を3つ挙げてください」と数を指定するのが有効です。
数を指定されると、担当者は探して答えます。「大丈夫です」で終われなくなります。
そして、それでも面接対策が薄い場合は、複数のエージェントを使ってください。
A社経由で応募した企業の面接対策を、B社の担当者に依頼することはできません。ただし、一般的な模擬面接なら、どの担当者にも依頼できます。
「他社経由で進んでいる選考があり、面接の練習をしたい」と伝えれば、対応してくれる担当者もいます。ただし、これは担当者の善意に依存するため、期待しすぎないでください。
担当者の見極めについては、専用の記事も参考にしてください。
8. 面接後の振り返りをエージェントと行う
面接が終わったら、当日中に担当者へ報告してください。これは、次の3つの理由で重要です。
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| ① 追加の情報を伝えられる | 面接で伝えきれなかった点を、担当者経由で補足できる |
| ② フィードバックが得られる | 企業から担当者へ所感が入ることがある |
| ③ 次の面接の準備に使える | 二次面接の内容を予測できる |
①は、実際に効きます。
「志望動機の◯◯の部分を、うまく伝えられませんでした」と担当者に伝えると、担当者から企業へ補足が入ることがあります。これは、直接応募ではできない動きです。
報告の文面例
「本日、面接を受けてまいりました。
・聞かれた質問:退職理由、前職の実績、3年後のキャリア、逆質問 ・面接官:営業部の課長1名 ・うまく答えられなかった点:3年後のキャリアについて、具体性が足りませんでした ・所要時間:約45分
次の選考がある場合、この点を補強したいと考えています。」
「聞かれた質問」を必ず列挙してください。担当者はこの情報を蓄積し、次の候補者に使います。そして、あなた自身の二次面接の準備にも使えます。
不採用だった場合も、必ず理由を聞いてください。企業からのフィードバックが担当者に入っている場合があります。
9. よくある質問
面接対策は無料ですか?
無料です。転職エージェントのサービスは、応募者側の費用負担がありません。企業側が採用時に手数料を支払う仕組みです。模擬面接、書類添削、日程調整、すべて費用はかかりません。
模擬面接を何回もお願いしてもいいですか?
問題ありません。ただし、担当者の時間も有限です。1社の面接につき1回、選考が複数社並行しているなら段階ごとに1回が現実的な範囲です。同じ内容で3回やっても効果は薄いため、指摘を反映してから次を依頼してください。
担当者が忙しそうで、依頼しづらいです。
依頼してください。担当者は、応募者が内定を得ることで報酬を得ます。面接対策の依頼は、担当者にとって望ましい動きです。遠慮して対策なしで面接に臨み、不採用になる方が、双方にとって損失です。
オンラインの模擬面接でも効果はありますか?
本番がオンラインなら、むしろオンラインでやるべきです。カメラの位置、背景、音声、目線の置き方を同時に確認できます。本番が対面の場合も、内容の指摘は同様に受けられます。
面接対策で教わった答えを、そのまま話していいですか?
丸暗記は避けてください。面接官は、暗記した回答を高い確率で見抜きます。指摘された「構成」を使い、言葉は自分のものにしてください。模擬面接の目的は、台本を作ることではなく、弱点を見つけることです。
複数のエージェントで、同じ面接の対策を受けられますか?
その企業を紹介したエージェントの担当者にしか、企業固有の対策は依頼できません。一般的な模擬面接であれば、他社の担当者に依頼できる場合があります。ただし、担当者の判断によります。
模擬面接の指摘が厳しくて、自信がなくなりました。
模擬面接は、指摘を受けるための場です。厳しい指摘が出たということは、本番の前に修正の機会を得たということです。指摘がゼロの模擬面接の方が、危険です。指摘を3つに絞り、優先度の高いものから直してください。
面接後の報告は、必ずしないといけませんか?
義務ではありませんが、してください。企業への補足が入る可能性があり、次の選考の準備にも使えます。また、報告のない応募者は、担当者から見て状況が把握できず、サポートの優先度が下がります。
10. まとめ:今夜やる3つのこと
エージェントの面接対策は、依頼の具体性で、返ってくるものの価値が変わります。
「面接対策をお願いします」では、一般的な質問リストが返ってきます。「過去にこの企業で聞かれた質問を教えてください」なら、企業固有の情報が返ってきます。
今夜やること
① 進行中の選考について、担当者に「過去の面接で聞かれた質問」「面接官の役職と人数」「重視されている点」の3点を依頼するメールを送る
② 面接の3〜5日前に、模擬面接(30分)の日程を予約する
③ 志望動機を読み返し、「他社でも使える内容になっていないか」を自分で確認する
目安時間:合計30分
③は、模擬面接の前に自分でやってください。第3章で私が指摘されたのは、まさにこの点でした。会社名を別の会社に置き換えても成立する志望動機は、まだ完成していません。
この先、読むべき記事
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- 転職エージェント担当者の見極め方|第二新卒が初回面談で判別する6項目(担当者の質の見極め)
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- 不採用の理由を次に活かす|第二新卒が5つの型で切り分ける方法(面接後の振り返り)
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。