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エージェントの面接対策の使い方|第二新卒が模擬面接を最大限に使う手順【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約18分
エージェントの面接対策の使い方|第二新卒が模擬面接を最大限に使う手順【2026年版】

〜面接対策は「お願いすれば出てくるもの」ではなく、「引き出すもの」です〜

転職エージェントのサービスには、必ず「面接対策」が含まれています。ところが、実際に受けた人に聞くと、内容に大きな差があります。

模擬面接を1時間かけてやってくれる担当者もいれば、「よくある質問リスト」をメールで送って終わりの担当者もいます。

この差は、担当者の力量の差でもありますが、それ以上に「応募者が何を依頼したか」の差です。

面接対策は、こちらから具体的に依頼して初めて出てくるものです。「面接対策をお願いします」だけでは、標準的な質問リストが返ってくるだけになります。

この記事では、エージェントの面接対策で何を依頼すべきか、そして担当者によって質が違うときにどうするかを整理します。

1. 結論:依頼すべきは3つ、この順番で

順番依頼することタイミング
その企業の過去の面接で聞かれた質問書類通過の連絡が来たとき
面接官の役職と人数日程が確定したとき
模擬面接(30〜60分)面接の3〜5日前

①が最も価値があります。

エージェントは、同じ企業に過去も候補者を送っています。そこで実際に聞かれた質問の情報を持っていることがあります。これは、転職サイトにも口コミサイトにも出ていない情報です。

ただし、聞かなければ出てきません。

②は、準備の方向を決めます。一次が現場のリーダー、二次が部長、最終が役員なら、それぞれ聞くことが違います。

③は最後です。①②の情報を得てからやらないと、一般的な練習で終わります。

2. なぜ「面接対策をお願いします」では足りないのか

担当者の側から見ると、この依頼は範囲が広すぎます。

応募者の依頼担当者が返すもの
面接対策をお願いします一般的な想定質問リスト
御社が過去にこの企業へ送られた方が、面接で聞かれた質問を教えてください企業固有の情報
志望動機を読んでいただき、突っ込まれそうな点を指摘してください個別のフィードバック
30分、面接官役をお願いできますか模擬面接

依頼が具体的になるほど、返ってくるものの価値が上がります。

そして、これは担当者の負担を増やす依頼ではありません。担当者は、応募者が内定を得ることで報酬を得ます。具体的な依頼は、担当者にとっても動きやすい依頼です。

遠慮する必要はまったくありません。

ただし、依頼するタイミングは重要です。面接の前日に「模擬面接をお願いします」と言っても、担当者の予定が空いていません。日程が決まった時点で予約してください。

3. 編集長の実体験:模擬面接で、志望動機を全否定された日

私が第二新卒で転職活動をしていたとき、SaaS企業の二次面接の前に模擬面接をお願いしました。初めて自分から依頼した面接対策でした。

結果は、想定外でした。

担当者「では、志望動機をお願いします」

「はい。前職で広告の営業をする中で、より顧客に長く関わる仕事がしたいと思うようになりました。御社のSaaSは……」

担当者ストップ。今の、他のSaaS企業でもそのまま使えますよね

「……使えます」

担当者この会社は障がい福祉の領域でやってるんです。そこに触れないと、『SaaSならどこでもいいのでは』と受け取られます

「福祉のことは、正直よく知らなくて」

担当者知らなくていいんです。ただ、なぜその領域の会社の面接を受けているのかは、自分の言葉で言えないと厳しい

「……考えます」

担当者あと1つ。木戸さん、『思うようになりました』を3回使いました。面接官には、何も決めていない人に聞こえます」

この30分は、かなり効きました。

特に2つ目の指摘です。「思うようになりました」という表現を、私は自分で気づかずに繰り返していました。録音して聞き返すまで、自覚がありませんでした。

そして、志望動機を書き直しました。前職の広告営業で、単発の出稿で終わる関係にもどかしさを感じたこと。継続して関わる商材をやりたいと考えたこと。そして、その領域が福祉である理由を、自分の言葉で1文にしました。

本番の二次面接で、志望動機を話した後、部長がこう言いました。

「なぜうちの領域なのか、ちゃんと考えてきていますね」

この会社から内定が出ました。

ここで学んだのは、模擬面接の価値は「練習」ではなく「指摘」にある、ということです。

一人で練習していても、「他社でも使える志望動機になっている」ことには気づけません。第三者に聞いてもらって初めて分かります。

4. 依頼① 企業固有の情報を引き出す

書類選考の通過連絡が来たら、その返信で次のように依頼してください。

依頼の文面例

「書類通過のご連絡、ありがとうございます。

面接に向けて準備を進めたく、可能な範囲で教えていただきたいことがあります。

過去に御社から同社へご紹介された方が、面接で聞かれた質問面接官のご役職と人数選考で重視されている点

ご存じの範囲で構いませんので、お願いいたします。」

この3点を、日程調整の連絡と同時に依頼するのが最も効率的です。

得られる情報の例

情報準備への影響
「前職の退職理由を必ず深掘りされます」退職理由の準備に時間を配分
「一次は現場のマネージャー、二次は事業部長」一次は実務、二次は方向性を厚くする
「定着性を重視しています」長く働く意思を、根拠つきで用意
「未経験でも意欲があれば通る傾向」経験の不足を過度に気にしない

「重視されている点」は、最も役に立つ情報です。

担当者が知らない場合もあります。初めて紹介する企業なら、情報がありません。その場合は、「分かりません」という答えが返ってきます。それも情報です。

5. 依頼② 書類のフィードバックを受ける

模擬面接の前に、必ず志望動機と自己PRを見てもらってください。

依頼の仕方は、次のようにします。

依頼の文面例

「志望動機と自己PRを作成しました。

面接で突っ込まれそうな点と、この会社に対して弱い点を指摘いただけますでしょうか。」

「添削してください」ではなく「突っ込まれそうな点を指摘してください」と依頼するのが要点です。

添削だと、文章の整え方が返ってきます。面接で必要なのは、どこを追撃されるかの予測です。

指摘されやすい5つの点

指摘意味
他社でも使える内容会社固有の要素がない
数字がない実績が検証できない
主語が「会社」になっている自分が何をしたか不明
期間が短いのに「培った」と書いている誇張に見える
退職理由と志望動機が接続していない逃げの転職に見える

特に5つ目は、第二新卒で最も多い指摘です。

「残業が多くて辞めた」→「御社で成長したい」は接続していません。間に「何をしたいか」が必要です。

6. 依頼③ 模擬面接の受け方

依頼のタイミング

面接の3〜5日前が最適です。

前日だと、指摘を反映する時間がありません。1週間以上前だと、企業固有の情報がまだ揃っていないことがあります。

依頼の文面

依頼の文面例

「◯月◯日の面接に向けて、30分ほど模擬面接をお願いできますでしょうか。

面接官役をお願いし、受け答えの内容と話し方の両方について、指摘をいただきたいと考えています。

◯日〜◯日の間で、ご都合のよい時間をお知らせください。」

「内容と話し方の両方」と明記してください。これがないと、内容の確認だけで終わります。

模擬面接で必ずやること

やること理由
録音する自分の話し方は、聞き返さないと分からない
本番と同じ服装で受けるオンラインなら映り方も確認できる
途中で止めずに最後までやる中断すると本番の感覚が掴めない
指摘をその場でメモする後から思い出せない

録音は、担当者に一言断ってから行ってください。「自分で振り返りたいので録音してもよいですか」と聞けば、通常は許可されます。

そして、必ず聞き返してください。第3章の「思うようになりました」のような口癖は、聞き返さないと気づけません。

模擬面接で確認すべき5項目

  1. 志望動機が、他社でも使える内容になっていないか
  2. 退職理由と志望動機が接続しているか
  3. 1つの回答が長すぎないか(1分を超えると長い)
  4. 口癖が出ていないか
  5. 逆質問が用意できているか

7. 担当者によって質が違う場合の対処

面接対策の質は、担当者によって差があります。これは事実として受け止めてください。

状況対処
質問リストを送るだけで、模擬面接をやらない「30分、面接官役をお願いできますか」と明示的に依頼
依頼しても日程が合わない別のエージェントの担当者に依頼する
フィードバックが「大丈夫です」だけ「弱い点を3つ挙げてください」と数を指定
企業の情報を持っていない口コミサイト・企業の採用ページで自分で調べる

「弱い点を3つ挙げてください」と数を指定するのが有効です。

数を指定されると、担当者は探して答えます。「大丈夫です」で終われなくなります。

そして、それでも面接対策が薄い場合は、複数のエージェントを使ってください。

A社経由で応募した企業の面接対策を、B社の担当者に依頼することはできません。ただし、一般的な模擬面接なら、どの担当者にも依頼できます。

「他社経由で進んでいる選考があり、面接の練習をしたい」と伝えれば、対応してくれる担当者もいます。ただし、これは担当者の善意に依存するため、期待しすぎないでください。

担当者の見極めについては、専用の記事も参考にしてください。

8. 面接後の振り返りをエージェントと行う

面接が終わったら、当日中に担当者へ報告してください。これは、次の3つの理由で重要です。

理由内容
① 追加の情報を伝えられる面接で伝えきれなかった点を、担当者経由で補足できる
② フィードバックが得られる企業から担当者へ所感が入ることがある
③ 次の面接の準備に使える二次面接の内容を予測できる

①は、実際に効きます。

「志望動機の◯◯の部分を、うまく伝えられませんでした」と担当者に伝えると、担当者から企業へ補足が入ることがあります。これは、直接応募ではできない動きです。

報告の文面例

「本日、面接を受けてまいりました。

・聞かれた質問:退職理由、前職の実績、3年後のキャリア、逆質問 ・面接官:営業部の課長1名 ・うまく答えられなかった点:3年後のキャリアについて、具体性が足りませんでした ・所要時間:約45分

次の選考がある場合、この点を補強したいと考えています。

「聞かれた質問」を必ず列挙してください。担当者はこの情報を蓄積し、次の候補者に使います。そして、あなた自身の二次面接の準備にも使えます。

不採用だった場合も、必ず理由を聞いてください。企業からのフィードバックが担当者に入っている場合があります。

9. よくある質問

面接対策は無料ですか?

無料です。転職エージェントのサービスは、応募者側の費用負担がありません。企業側が採用時に手数料を支払う仕組みです。模擬面接、書類添削、日程調整、すべて費用はかかりません。

模擬面接を何回もお願いしてもいいですか?

問題ありません。ただし、担当者の時間も有限です。1社の面接につき1回、選考が複数社並行しているなら段階ごとに1回が現実的な範囲です。同じ内容で3回やっても効果は薄いため、指摘を反映してから次を依頼してください。

担当者が忙しそうで、依頼しづらいです。

依頼してください。担当者は、応募者が内定を得ることで報酬を得ます。面接対策の依頼は、担当者にとって望ましい動きです。遠慮して対策なしで面接に臨み、不採用になる方が、双方にとって損失です。

オンラインの模擬面接でも効果はありますか?

本番がオンラインなら、むしろオンラインでやるべきです。カメラの位置、背景、音声、目線の置き方を同時に確認できます。本番が対面の場合も、内容の指摘は同様に受けられます。

面接対策で教わった答えを、そのまま話していいですか?

丸暗記は避けてください。面接官は、暗記した回答を高い確率で見抜きます。指摘された「構成」を使い、言葉は自分のものにしてください。模擬面接の目的は、台本を作ることではなく、弱点を見つけることです。

複数のエージェントで、同じ面接の対策を受けられますか?

その企業を紹介したエージェントの担当者にしか、企業固有の対策は依頼できません。一般的な模擬面接であれば、他社の担当者に依頼できる場合があります。ただし、担当者の判断によります。

模擬面接の指摘が厳しくて、自信がなくなりました。

模擬面接は、指摘を受けるための場です。厳しい指摘が出たということは、本番の前に修正の機会を得たということです。指摘がゼロの模擬面接の方が、危険です。指摘を3つに絞り、優先度の高いものから直してください。

面接後の報告は、必ずしないといけませんか?

義務ではありませんが、してください。企業への補足が入る可能性があり、次の選考の準備にも使えます。また、報告のない応募者は、担当者から見て状況が把握できず、サポートの優先度が下がります。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

エージェントの面接対策は、依頼の具体性で、返ってくるものの価値が変わります。

「面接対策をお願いします」では、一般的な質問リストが返ってきます。「過去にこの企業で聞かれた質問を教えてください」なら、企業固有の情報が返ってきます。

今夜やること

進行中の選考について、担当者に「過去の面接で聞かれた質問」「面接官の役職と人数」「重視されている点」の3点を依頼するメールを送る

面接の3〜5日前に、模擬面接(30分)の日程を予約する

志望動機を読み返し、「他社でも使える内容になっていないか」を自分で確認する

目安時間:合計30分

③は、模擬面接の前に自分でやってください。第3章で私が指摘されたのは、まさにこの点でした。会社名を別の会社に置き換えても成立する志望動機は、まだ完成していません。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。