テスト自動化へ進む|第二新卒が手動テストから移る順番【2026年版】
〜手を動かす仕事から、仕組みを作る仕事へ〜
「毎回、同じ画面を同じ順番で確認している」
手動でテストをしていると、繰り返しの多さに気づきます。そして、その繰り返しは、仕組みに置き換えられます。
テスト自動化は、その仕組みを作る仕事です。手動テストの経験がある人にとって、次の段階として現実的な道になります。
この記事では、移るための順番を整理します。
1. 結論:押さえるのは3つ
テスト自動化を理解する3点
① すべてを自動化するわけではない
② 手動テストの経験が、そのまま材料になる
③ 作って終わりではなく、維持する仕事である
③が、実務で最も比重が大きい部分です。
画面や仕様が変われば、自動化した仕組みも直す必要があります。
2. 手動テストとの違い
役割が変わります。
| 項目 | 手動テスト | 自動化 |
|---|---|---|
| 主な作業 | 手順に沿って確認する | 確認する仕組みを作る |
| 必要な力 | 観察力、網羅性 | 設計力、コードを書く力 |
| 成果の出方 | その回の品質 | 継続的な確認の実現 |
| 評価 | 見つけた不具合の数 | 削減した工数、検出の速さ |
| 求人の量 | 多い | 手動より少ないが増えている |
手動テストの経験は、自動化の前提として必要です。
何をどう確認すべきかが分からないと、自動化する対象を決められません。
手動が不要になるわけではない
自動化に向く領域と、向かない領域があります。
| 向く | 向かない |
|---|---|
| 毎回同じ手順で確認するもの | 初めて実施するもの |
| 回数が多いもの | 見た目の印象を確認するもの |
| 結果が明確に判定できるもの | 仕様が固まっていないもの |
この判断ができることが、自動化を担当する人の価値になります。
3. 担当する4つの領域
具体的な仕事の中身です。
| 領域 | やること |
|---|---|
| 自動化する対象の選定 | どのテストを自動化するか決める |
| 仕組みの構築 | 実際にコードを書き、動く形にする |
| 継続的な実行 | 変更のたびに自動で走る仕組みに組み込む |
| 維持と改善 | 仕様変更に合わせて直し続ける |
4つめが、実務では最も時間を使います。
作った後に放置されると、動かなくなって使われなくなります。
よくある失敗
- 対象を絞らず、全部を自動化しようとする
- 作った後に誰も直さない
- 失敗しても原因が分からない形になっている
2つめが最も多い失敗です。
維持する人と時間が確保されているかが、成否を分けます。
4. 必要なスキル
段階的に身につけます。
| スキル | 必要な水準 |
|---|---|
| 手動テストの経験 | 前提。何を確認すべきかが分かる |
| プログラミング | 基本的な文法と、簡単な処理が書ける |
| 自動化のツール | 実務で使われるものを1つ |
| 実行の仕組み | 変更のたびに自動で走らせる仕組みの理解 |
| 不具合の切り分け | 失敗の原因が仕組み側か対象側かを判断する |
2つめは、高度な水準を求められません。
複雑な処理を書くより、読みやすく直しやすい形にすることが重視されます。
学習の順番
- 手動テストで、確認の観点を体に入れる
- プログラミングの基礎(1つの言語)
- 自動化のツールを1つ、動かしてみる
- 実行を自動化する仕組みの理解
順番を飛ばさないでください。
ツールから入ると、何を自動化すべきかの判断ができません。
年収と求人の動き
手動テストと比べると、水準が上がる傾向があります。
| 項目 | 傾向 |
|---|---|
| 年収 | 手動テストより高めに設定されることが多い |
| 求人数 | 手動より少ないが、増えている |
| 求める経験 | 手動テスト1〜3年+自動化の経験 |
| 業界 | 自社サービスを持つ会社に多い |
4つめが探すときの手がかりになります。
継続的に機能を追加する会社ほど、自動化の必要性が高くなります。受託中心の会社では、案件によって扱いが変わります。
5. 現職で作れる材料
いま手動テストをしているなら、材料を作れます。
| やること | 効果 |
|---|---|
| 繰り返しの多い手順を洗い出す | 自動化の候補が見える |
| 1つだけ自動化してみる | 実績になる |
| 削減した時間を測る | 数字で示せる |
| チームで使える形にする | 他の人が使った実績になる |
2つめから始めてください。
小さくても、実際に動くものを作った経験は、書類に書けます。
書ける形
「毎回30分かかっていた◯◯の確認を自動化し、5分に短縮した。チームの他2名も使用している」
時間と、使った人数の両方があると強くなります。
会社に仕組みがない場合
自分の業務の範囲で、小さく始められます。
ただし、業務時間に何をするかは上長に確認してください。
「テストの効率化を試したい」と伝えると、通ることが多くあります。
6. 求人票の読み方
同じ職種名でも、中身が違います。
| 見るところ | 読み取れること |
|---|---|
| 自動化の比率 | 手動と自動、どちらが中心か |
| 既存の仕組み | ゼロから作るのか、あるものを維持するのか |
| チームの人数 | 1名なら、実質1人で回す |
| 使用ツール | どのツールを使っているか |
| 開発との距離 | 開発チームに入っているか、別部門か |
2つめが、仕事の性質を決めます。
ゼロから作る場合は設計の経験が積め、既存の維持なら仕組みの理解が早く進みます。
「QAエンジニア(自動化)」の求人
未経験可の募集もありますが、多くは手動テストの経験を求めます。
手動の経験が1年以上あれば、応募できる求人が出てきます。
7. この職種の働き方
日常の業務の性質を整理します。
| 項目 | 実際 |
|---|---|
| リリース前 | 忙しくなる。確認が集中する |
| 仕様変更 | 自動化した部分の修正が発生する |
| 開発との連携 | 仕様の確認が日常的にある |
| リモート | 対応しやすい職種 |
| 成果の見え方 | 動いているときは目立たない |
5つめは、プラットフォーム系の職種と共通する性質です。
止まったときに目立つため、数字で成果を示す習慣が必要になります。
記録しておくこと
- 自動化した項目の数
- 削減した時間
- 検出した不具合の数
- 実行の頻度
この4つを月ごとに記録しておくと、評価の場でも転職の書類でも使えます。
開発チームとの関係
自動化を担当すると、開発者と話す機会が増えます。
- 仕様の意図を確認する
- 変更の予定を先に聞く
- 直しやすい形を一緒に考える
2つめができると、仕組みが壊れる前に手を打てます。
自動化の維持は、変更を知るのが遅いほど大変になります。開発チームとの距離が近い環境ほど、仕事がしやすくなります。
8. 面接での伝え方
手動から移る場合、次を話します。
| 質問 | 答え方の方向 |
|---|---|
| なぜ自動化か | 繰り返しを仕組みに置き換えたい理由 |
| 自動化した経験 | 小さくても、実際に作ったものを話す |
| 何を自動化すべきか | 対象を選ぶ判断ができることを示す |
| 学習の進め方 | 自分で調べて手を動かした事実 |
3つめが、最も評価される部分です。
「全部自動化したい」と答えると、実務の理解が浅いと受け取られます。
答え方の骨組み
「手動で毎回実施していた◯◯の確認が、月に△時間かかっていました。手順が固定されており結果の判定も明確だったため、自動化の対象として適していると考え、□□を使って仕組みを作りました。実行時間は5分になり、チームの他2名も使っています。一方、画面の見た目の確認は判定基準が定めにくいため、手動のまま残しています。」
自動化した部分と、しなかった部分の両方を話せると、判断力が伝わります。
9. よくある質問
プログラミングの経験がなくてもできますか
基礎から始める必要があります。ただし、高度な水準は求められません。複雑な処理を書くより、読みやすく直しやすい形にすることが重視されます。まずは1つの言語で、基本的な文法と簡単な処理が書ける状態を目指してください。
手動テストの経験は必要ですか
必要です。何をどう確認すべきかが分からないと、自動化する対象を決められません。手動の経験があることは、この職種では前提であり強みでもあります。1年以上の経験があれば、応募できる求人が出てきます。
すべてのテストを自動化するのですか
しません。毎回同じ手順で、回数が多く、結果が明確に判定できるものが向いています。一方、初めて実施するもの、見た目の印象を確認するもの、仕様が固まっていないものは手動のまま残します。この判断ができることが、担当者の価値になります。
いまの職場でできる準備はありますか
繰り返しの多い手順を洗い出し、そのうち1つだけ自動化してみてください。小さくても、実際に動くものを作った経験は書類に書けます。削減した時間を測り、チームの他の人が使った実績まで作れると、強い材料になります。
何から学べばいいですか
手動テストで確認の観点を体に入れ、次にプログラミングの基礎、その後で自動化のツールを1つ動かしてみる順番です。ツールから入ると、何を自動化すべきかの判断ができません。順番を飛ばさないでください。
作った後は、どうなりますか
維持する仕事が続きます。画面や仕様が変われば、自動化した仕組みも直す必要があります。実務では、この維持に最も時間を使います。作った後に誰も直さない状態になると、動かなくなって使われなくなります。
求人はどのくらいありますか
手動テストの求人より少ないものの、増えています。「QAエンジニア(自動化)」といった職種名や、業務内容に自動化の記載がある求人を探してください。未経験可の募集もありますが、多くは手動テストの経験を求めます。
面接では何を聞かれますか
なぜ自動化に取り組みたいのか、実際に自動化した経験、何を自動化すべきかの判断、学習の進め方の4つが中心です。特に3つめが評価されます。「全部自動化したい」と答えると、実務の理解が浅いと受け取られるので注意してください。
10. まとめ:1つ作って、時間を測る
今週やる3つのこと
① いまの業務で、繰り返している手順を書き出す
② そのうち1つを選び、かかっている時間を測る
③ 上長に「テストの効率化を試したい」と相談する
テスト自動化は、手動テストの延長ではなく、仕組みを作る仕事です。
ただ、何を自動化すべきかの判断には、手動の経験が必要になります。その経験を持っていることが、この道に進む前提であり強みです。
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- QAエンジニアの面接で聞かれる12問|第二新卒が未経験から通る答え方(QAの面接対策)
- QAエンジニアの志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと入りやすい理由(志望動機の型)
- テストから開発へ移る|第二新卒が現職で作れる材料と順番(開発へ移る道)
- プラットフォームエンジニアという職種|第二新卒が知る仕事の実際(同じく仕組みを作る職種)
- エンジニアの職種の違い|入口を選ぶための地図(職種の全体像)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。