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仕事が覚えられないとき|第二新卒が3ヶ月で立て直す記録と聞き方【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約16分
仕事が覚えられないとき|第二新卒が3ヶ月で立て直す記録と聞き方【2026年版】

〜覚えられないのは記憶力の問題ではなく、記録の仕組みがないからです〜

転職して2ヶ月。まだ何も覚えられていない気がする。

同じことを何度も聞いてしまう。

この状態は、中途入社で非常に多く起きます。

そして、多くの人が「自分の記憶力の問題だ」と考えます。

ほとんどの場合、違います。

覚えられない理由は、次の4つのどれかです。

情報量が多すぎる、記録していない、教わり方が体系的でない、そもそも情報が存在しない。

このうち、自分で解決できるのは「記録していない」だけです。

そして、これが最も多い原因です。

この記事では、記録の取り方と、同じことを3回聞かないための仕組みを整理します。

1. 結論:原因を4つに切り分ける

原因内容自分で解決できるか
情報量が多すぎる中途入社は短期間に大量の情報が来る記録で解決
記録していない聞いたことを書いていない解決できる
教わり方が断片的手順の全体像が示されていない依頼すれば解決
そもそも情報がないマニュアルも手順書も存在しない会社の問題

①②が、大半の原因です。

中途入社では、入社1ヶ月で受け取る情報量が、新卒の研修3ヶ月分に相当することがあります。

これを記録なしで覚えるのは、不可能です。

そして、④の場合は、あなたの問題ではありません。

手順書がない、教える人がいない、という状態であれば、それは会社の体制の問題です。

2. なぜ中途入社は覚えられないのか

新卒との違いを整理してください。

項目新卒中途
研修期間数週間〜数ヶ月数時間〜数日
教える体制専任がいることが多い現場の人が片手間で
前提知識ゼロ前提で説明される「知っている前提」で説明される
質問しやすさ同期がいる相談相手がいない

3行目が、最大の要因です。

中途入社者には、「社会人経験があるから、これは分かるだろう」という前提で説明されます。

ところが、業界用語も、社内の略語も、システムの使い方も、その会社固有のものです。

「知っている前提」で説明されると、分からないまま話が進みます。

そして、聞き返すタイミングを逃します。

質問できる期間は短い

時期周囲の受け止め
入社1ヶ月分からなくて当然
2〜3ヶ月まだ聞いてよい
4ヶ月以降「まだ分からないのか」に変わる

だから、最初の3ヶ月で聞き切る必要があります。

そのためには、「何が分からないか」を把握している必要があります。

記録が必要な理由が、ここにあります。

3. 編集長の実体験:メモを取らずに2日目で困った

私がSaaS企業に転職した初日、ほとんどメモを取りませんでした。

「話を聞くことに集中しよう」と思っていたからです。

朝、上司から30分の事業説明。その後、先輩による製品デモ。午後はシステムの設定と社内ツールの説明。

すべて頷きながら聞きました。

そして翌日、何も覚えていませんでした。

断片的には記憶にあるのですが、つながっていません。

2日目に、上司にこう言われました。

上司「昨日の説明、どこまで入ってる?」

「……正直、整理できていません」

上司そりゃそうだよ。あの量、1日で入らない

「すみません」

上司「謝ることじゃなくて。ただ、メモは取った方がいい。今日から、聞いたことは全部書いて。で、分からない単語が出てきたら、意味が分からなくてもカタカナでいいから書いておいて

「意味が分からなくても、ですか」

上司後で聞けるから。書いてないと、何が分からなかったかも分からなくなる」

この日から、メモを取るようにしました。

分からない単語を書き溜めて、週の終わりにまとめて聞く形にしました。

最初の1ヶ月で、35個ほどの単語を聞きました。

そして、4ヶ月目あたりから、会議の議論についていけるようになりました。

ここで学んだのは、覚えるのではなく、後で理解するための材料を残すということです。

1日で覚えられる量ではありません。記録があれば、後から何度でも確認できます。

4. 記録の取り方

3つのノートを分ける

ノート書くこと
手順ノート業務の手順(自分用のマニュアル)
用語ノート分からない言葉(意味が分からなくても音で書く)
人ノート名前、所属、何を聞く人か

紙でもデジタルでも構いませんが、3つに分けてください。

混ぜると、後で探せなくなります。

① 手順ノートの書き方

教わったその場で、番号をつけて書いてください。

例:受注処理の手順

  1. 管理画面の「受注」タブを開く
  2. 「新規」ボタン → 顧客名を検索
  3. 商品コードを入力(※類似コードに注意)
  4. 数量と納期を入力
  5. 「確認」→ 内容を確認 → 「確定」
  6. 確定後、営業担当にチャットで連絡

「※」で、注意点を追記してください。

ミスした箇所は、必ず追記します。

② 用語ノートの書き方

意味が分からなくても、音のまま書いてください。

・「エスエフエー」→ SFA(営業管理システム)※後で確認済み ・「あの案件」→ ◯◯社の更新案件のこと ・「MRR」→ 月次の継続収益 ※後で確認済み ・「稟議通した?」→ 社内の承認手続き

確認できたら、意味を追記して「確認済み」と書いてください。

これで、同じことを2回聞かなくなります。

③ 人ノートの書き方

・田中さん(営業2課/課長)→ 案件の相談 ・佐藤さん(同じチーム/3年目)→ 日常業務の質問 ・鈴木さん(CS)→ 導入後のこと ・山本さん(総務)→ 備品・経費

「名前+所属+何を聞く人か」の3点です。

顔と名前が一致しなくても、メモがあれば確認できます。

5. 質問の型

「分かりません」だけで聞くと、相手も答えにくくなります。

使える型

① どこまで分かっているかを言う

「受注処理の手順で、確定までは分かりました。その後の連絡先が分かりません。

② 自分の理解を確認してもらう

私の理解では、確定した後に営業担当に連絡すると認識していますが、合っていますでしょうか。

③ まとめて聞く

今週分からなかったことを3つまとめました。10分ほどお時間いただけますでしょうか。」

③が最も効率的です。

1つずつその場で聞くと、相手の作業を中断させます。

週に1回、まとめて聞く時間を作ってもらうのが、双方にとって楽です。

依頼の仕方

週に1回、15分ほど、質問をまとめて聞かせていただく時間をいただけますでしょうか。都度お聞きすると、お手を止めてしまうので。」

この依頼は、ほぼ断られません。

むしろ、教える側の負担も下がるためです。

6. 同じことを3回聞かないための仕組み

1度目は問題ありません。2度目も許容されます。

3度目から、印象が変わります。

これを防ぐのが、記録です。

回数やること
1度目聞く → その場でメモする
2度目自分のメモを見る
メモにないメモが不足していた → 聞き直して追記
3度目起きない(メモがあるため)

「聞いた内容をメモしていない」ことが、3度聞く原因です。

メモを取るタイミング

タイミング適否
聞きながら書く最も良い
聞いた直後に書く良い
その日の終わりに書く抜ける
翌日書くほぼ残らない

「聞きながら書く」のが失礼だと感じる必要はありません。

むしろ、メモを取らない方が「聞く気がない」と受け取られます。

「メモを取らせてください」と一言添えれば、問題ありません。

7. 3ヶ月・6ヶ月での判断

覚えられない状態が続く場合、時期を区切って判断してください。

時期状態判断
1ヶ月何も分からない正常
3ヶ月基本の業務が一人でできる正常
3ヶ月基本の業務も一人でできない原因を特定する
6ヶ月まだ一人でできない環境か、業務の適性の問題

3ヶ月時点で原因を特定する

次の質問に答えてください。

質問はい →いいえ →
手順書やマニュアルはありますか②へ④(会社の問題)
教えてくれる人は決まっていますか③へ③(体制の問題)
記録は取っていますか④へ②(記録の問題)
同じ時期に入った人も同じ状態ですか会社の問題自分の進め方を見直す

最後の質問が重要です。

同時期に入った他の中途入社者も同じ状態なら、それは会社の教育体制の問題です。

自分だけが遅れているわけではありません。

上司への相談

3ヶ月時点で状況が変わっていない場合、上司に相談してください。

「入社から3ヶ月経ちましたが、◯◯の業務をまだ一人で進められていません。

どこから優先的に理解すべきか、ご相談させていただけますでしょうか。

「できていません」だけでなく、「どこから優先すべきか」を聞いてください。

上司は、あなたが何につまずいているか把握していないことがあります。

8. やってはいけない3つのこと

#やってはいけないことなぜ
分からないまま頷く後で必ず困る
一人で抱える状況が悪化する
「覚えが悪い」と自分を責める原因の特定が遅れる

①について

分からないまま頷くと、その場は済みますが、実務で必ず止まります。

そして、その時点で聞くと「なぜ最初に聞かなかったのか」となります。

「すみません、そこがまだ理解できていません」と、その場で言ってください。

③について

覚えられない原因の大半は、記録の仕組みがないことです。

記憶力の問題ではありません。

「自分の能力の問題だ」と考えると、記録を始めるという解決策に辿り着けません。

まず、メモを取ってください。

9. よくある質問

入社2ヶ月ですが、まだ何も覚えられません。

2ヶ月なら、正常な範囲です。中途入社では、3ヶ月で基本の業務が一人でできれば十分です。ただし、記録を取っていない場合は、今日から始めてください。

同じことを何度も聞いてしまいます。

聞いた内容をメモしていないことが原因です。1度目に聞いたら、その場でメモしてください。2度目は、自分のメモを見てから聞いてください。

質問すると、忙しそうで聞きづらいです。

週に1回、まとめて聞く時間を作ってもらってください。「15分ほど、質問をまとめて聞かせていただく時間をいただけますか」と依頼すれば、多くの場合は応じてもらえます。教える側の負担も下がります。

メモを取っていると、失礼になりませんか?

なりません。むしろ、メモを取らない方が「聞く気がない」と受け取られます。「メモを取らせてください」と一言添えれば、問題ありません。

手順書もマニュアルもない会社です。

それは、会社の体制の問題です。自分用の手順ノートを作ってください。そして、それが完成したら、共有できないか上司に相談してください。後任の教育にも使えるため、評価されることがあります。

3ヶ月経っても、一人で業務ができません。

原因を特定してください。手順書があるか、教える人が決まっているか、記録を取っているか、同時期の入社者も同じ状態か。この4つで、原因が絞れます。

「覚えが悪い」と言われました。

まず、記録を取っているかを確認してください。記録なしで覚えようとしている場合、記録を始めるだけで変わります。そのうえで、上司に「どこから優先すべきか」を相談してください。

向いていないのではないかと思います。

3ヶ月は判断を保留してください。入社直後にそう感じるのは、中途入社では非常に多い状態です。ただし、6ヶ月経っても変わらず、かつ記録も質問もしている場合は、業務の適性を検討する段階です。

10. まとめ:今日やる3つのこと

仕事が覚えられないのは、記憶力の問題ではなく、記録の仕組みがないからです。

中途入社では、短期間に大量の情報が来ます。記録なしで覚えるのは、不可能です。

今日やること

ノートを3つに分ける(手順/用語/人)

今日聞いた「分からない言葉」を、意味が分からなくても書き出す

「週に1回、15分まとめて質問する時間」を上司に依頼する

目安時間:合計20分

②を必ずやってください。

私は初日にこれをやらず、翌日に「何が分からないかも分からない」状態になりました。

意味が分からなくても、音のまま書いてください。後で聞けます。

書いていないと、何が分からなかったかも分からなくなります。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。