第二新卒のキャリアを深掘りする。
キャリア相談

また同じ理由で辞めそうなとき|第二新卒がパターンの正体を見つける4つの検証【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約12分
また同じ理由で辞めそうなとき|第二新卒がパターンの正体を見つける4つの検証【2026年版】

会社を変えたはずなのに、半年経つと前と同じ気持ちになっている。「またこれか」と思った瞬間、辞めたい気持ちより先に、自分に問題があるのではという不安が来る。第二新卒で2社目、3社目にいる人からよく聞く感覚です。

ここで多くの人が「自分は忍耐力がない」という結論に飛びます。でも、その結論は検証されていません。同じことが繰り返されるとき、原因は環境・役割・自分の運用の3つのどれかに必ず属します。どれなのかを確かめないまま次に移ると、4社目でも同じことが起きます。

この記事では、繰り返しの正体を突き止めるための4つの検証を順番に置きます。目的は自分を責めることでも会社を責めることでもなく、次に何を変えれば結果が変わるかを1つ特定することです。

1. 結論:原因は3つのどれかに属する

繰り返しの原因は、次の3つに分類できます。分類できれば、打ち手が変わります。

原因の層中身打ち手
環境業界構造や会社の体質に由来する移る先の条件を変える
役割職種そのものが合っていない職種を変える
運用働き方・関わり方の癖に由来する移らずに変えられる

いちばん見落とされるのが3つ目です。これは能力の話ではなく運用の話で、たとえば「頼まれると断れないので業務量が常に限界になる」「相談する相手を作らないまま抱える」といった、環境に関係なく再現される行動のことです。会社を変えても持ち歩くので、当然また同じことが起きます。

2. なぜ「自分のせい」に飛んでしまうのか

検証をする前に、まずこの思考の癖に気づいておくと、以降の作業が正確になります。

起きること背景実際
2回続くと自分の問題だと思う2回は偶然でも起こる回数共通点があるかはまだ不明
周囲の評価を根拠にする「またか」と言われた記憶が残る他人の観察も1〜2例にすぎない
耐えられれば解決すると考える忍耐で乗り切った経験がある構造の問題は耐えても変わらない

2回の一致は、まだパターンとは呼べません。共通点を書き出して初めて、パターンかどうかが分かります。しんどい作業ですが、書き出す価値は大きい部分です。

3. 検証1:2社の共通点を洗い出す

最初にやるのは、事実の並置です。感情ではなく、条件を並べます。

項目1社目2社目
業界・事業の形————
職種・担当範囲————
チームの人数と年齢構成————
評価のされ方————
1日の裁量の大きさ————
辞めたいと思ったきっかけ————

ここで一致する項目が2つ以上あれば、それが手がかりです。たとえば「どちらも1人で完結する仕事だった」「どちらも成果が数字で出ない仕事だった」「どちらも上司が忙しく相談できなかった」。一致がなければ、繰り返しではなく別々の出来事だった可能性が高くなります。棚卸しの手順はキャリアの棚卸しを1枚のシートで|書類も面接もここから作るが使えます。

4. 検証2:時期の一致を見る

次に、辞めたくなった「タイミング」を比べます。ここに一致があると、原因の層がかなり絞れます。

時期考えられる原因確かめること
入社1〜3ヶ月期待とのギャップ、立ち上がりの負荷入社前の情報収集の仕方
半年前後仕事を覚えた後の物足りなさ、人間関係裁量が増える設計になっていたか
1年前後評価のタイミング、将来像の不透明さ評価制度の中身を理解していたか
時期はばらばら特定の出来事が引き金その出来事の種類が共通しているか

入社直後に集中するなら、原因は入社前の情報収集に寄っています。これは運用の問題なので、次の転職で改善できます。半年〜1年に集中するなら、役割や評価の設計に寄っている可能性が高くなります。3ヶ月時点の切り分けは転職して3ヶ月で辞めたい|第二新卒がやる4つの切り分けと判断の期限にまとめています。

5. 検証3:辞めたい理由を「主語」で分ける

同じ「人間関係が辛い」でも、主語が違えば原因の層が変わります。

言い方主語属する層
特定の人と合わなかった相手環境(人事異動で変わりうる)
チーム全体の空気が合わなかった組織環境(会社の体質)
誰といても距離の取り方に困る自分運用(持ち歩く)
この職種は人と関わりすぎる仕事役割(職種の適性)

主語が「自分」に来る項目が2社とも同じなら、そこが繰り返しの正体です。ただし、これは欠点という意味ではありません。距離の取り方に困るなら、関わる人数が少ない職種を選ぶという解決もあります。人間関係を理由にする判断の軸は人間関係を理由に辞めるか|第二新卒が判断を分ける4つの軸で扱っています。

6. 検証4:改善を試した記録があるか

最後の検証です。辞める前に、何かを変えようとした記録があるかを確認します。

試したことあった場合なかった場合
上司に業務量を相談した環境の問題である可能性が高い運用を変える余地が残っている
担当や役割の変更を求めた役割の問題として検証済み職種の適性はまだ未検証
働き方を自分で変えてみた運用は試した後ここから試せる
異動の可能性を確認した社内の選択肢は使い切ったまだ手が残っている

試していないことがあるうちに辞めると、次でも同じ場所で詰まります。逆に、試したうえで変わらなかったなら、それは環境か役割の問題であり、移る判断に十分な根拠があります。社内で動かせる範囲は異動願いと転職はどちらを先に出すか|社内で動かせる範囲を確かめるを参考にしてください。

7. 層ごとの打ち手

原因が特定できたら、打ち手はそれぞれ違います。

環境が原因だった場合

同じ構造の会社を避けることが打ち手です。規模、事業の形、評価の仕組み、意思決定の速さ。「辞めた理由に直結した条件」を、次の応募先の除外条件にします。求人票と面接で確かめる項目に落とし込めば、再現を避けられます。

役割が原因だった場合

職種を変える検討に入ります。ただし職種を変えると、経験の一部が持ち出せなくなります。何が残り何が失われるかを見てから決めるほうが後悔しません。合う仕事の探し方は自分に合う仕事の探し方|第二新卒が「やりたいこと」から探すのをやめる理由にまとめています。

運用が原因だった場合

これは移らなくても変えられるので、まず今の場所で試す価値があります。断り方を決める、相談する相手を先に作る、抱える前に共有する。3ヶ月試して変わらなければ、そのとき移る判断をしても遅くありません。むしろ「試した」という事実が、次の面接での説明を強くします。

8. 面接でどう説明するか

繰り返しがある状態で応募すると、必ず理由を聞かれます。準備しておけば不利にはなりません。

避けたい説明置き換え
合わない会社が続いた共通点を分析し、条件を絞り込んだ
今度は大丈夫だと思う◯◯という条件で判断基準を変えた
人間関係が原因だった相談体制のある環境を条件に加えた
とくに理由はない2社の共通点はここだと特定した

面接官が確かめたいのは「同じことが自社でも起きるか」の一点です。分析した結果と、それを踏まえて何を条件にしたかを言えれば、繰り返しは弱点ではなくなります。回数が多い場合の書き方と答え方は転職回数が多い第二新卒|2社目・3社目を一本の線にする書き方と答え方にまとめています。軸が変わった場合の説明は転職の軸が途中で変わったとき|面接での説明のしかたを参照してください。

9. よくある質問

2回同じ理由で辞めたら、もう転職は不利になりますか

回数そのものより、説明ができるかどうかで見られ方が変わります。共通点を分析し、次の条件をどう変えたかを言えれば、むしろ自己認識のある応募者として受け取られることもあります。分析せずに繰り返している状態が最も説明しにくくなります。

自分の問題か環境の問題か、どうしても判断できません

判断できないときは、第三者に事実だけを並べて話してみると整理が進みます。感情を交えず、条件と時期を並置して伝えるのがコツです。それでも分からない場合は、まだ材料が足りないので、今の環境で1つ試してから判断するほうが確実です。

運用を変えるといっても、性格は変わらないのでは

性格を変える必要はありません。変えるのは行動の手順です。断るときの言い方を決めておく、相談する相手を先に決めておく、といった具体的な段取りの話であり、性質そのものを変えることではありません。

3社目でも同じことが起きたらどうすればいいですか

3回一致すれば、それはかなり確度の高いパターンです。その場合は、環境を変える方向ではなく、役割そのものを見直す検討に入るのが現実的です。職種の適性を確かめる方向に切り替えると、選択肢が変わります。

短い在籍を繰り返していると書類で落ちませんか

在籍期間が短いこと自体で書類が通らなくなることはあります。ただし職務経歴書の構成を変えることで、経験の一貫性を示すことは可能です。時系列を並べるだけでなく、共通して積んだ経験を先に置く形にすると読まれ方が変わります。

辞めたい気持ちが強くて分析どころではありません

その状態で無理に分析すると精度が落ちます。まずは体調と生活を整えることを優先し、判断は少し先送りしても構いません。休むこと自体が状況を悪化させることは通常ありませんし、整理は落ち着いてからのほうが正確になります。

上司に相談したら「甘え」と言われました

その反応自体が、相談体制の有無を示す情報になります。相談が機能しない環境なのか、相手を選び間違えたのかを分けて見る必要があります。社内の別の相手や社外の窓口に相談する選択肢も残っています。

分析した結果、原因が複数にまたがっている場合はどうしますか

その場合は、自分で変えられる層から手をつけるのが順番です。運用は今すぐ試せて、環境と役割は移らないと変えられません。運用を試したうえで残った不一致が、移る理由として説明できる材料になります。

10. まとめ:今週やる3つのこと

繰り返しは、性格の問題として片付けると解決しません。環境・役割・運用のどれに属するかを特定できれば、次に変えるものが1つに絞れます。そこまで来れば、辞めるにせよ残るにせよ、決断の質が変わります。

今週やる3つのこと

① 2社の条件を6項目で並べ、一致している項目に印をつける

② 辞めたくなった時期を並べて、一致があるかを見る

③ まだ試していない打ち手を1つ選び、3ヶ月の期限を切って実行する

同じ結論に戻ってきたとしても、検証を経た結論は前とは別物です。次に進むための根拠になります。

この先、読むべき記事

この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。