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働きながら学び直す|時間と費用の設計【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約15分
働きながら学び直す|時間と費用の設計【2026年版】

「このままでいいのか」と感じたとき、多くの人が最初に考えるのが学び直しです。

資格、スクール、オンラインの講座、大学院。選択肢は多く、費用も期間も幅があります。

そして、始めた人の多くが途中でやめます。理由は意志の弱さではなく、目的と時間の設計が曖昧だったことです。

さらに、学んだことが転職で評価されるかどうかは、内容と使い方によります。「勉強しました」だけでは材料になりません。

この記事では、何を学ぶかの決め方、時間と費用の設計、転職での評価、そして続けるための工夫を整理します。

1. 結論:決めるのは3つ

①何のために学ぶか。転職のためか、今の業務のためか、将来のためか。ここで選ぶものが変わります。

②いつまでに、何ができるようになるか。「〇〇を学ぶ」ではなく「〇〇ができる状態」を決めてください。

③週に何時間使うか。使える時間から逆算して、内容を決めます。逆にすると続きません。

「何か学ばなければ」という動機だけで始めないでください。3か月で止まります。

2. 目的で選ぶものが変わる

目的向いている手段
転職のために職種を変える実務に直結する技能、動くものを作る
今の業務の質を上げる業務に関連する知識、資格
将来の選択肢を広げる基礎的な知識、汎用性の高い技能
職種の要件を満たす求人票に書かれている資格
学び直したいという気持ち何でもよい。ただし転職とは分ける

最も注意が必要なのは、5番目です。

「学びたい」という気持ちは正当ですが、それを転職の材料にしようとすると、方向がずれます。純粋な学びと、転職のための学習は、分けて考えてください。

求人票から逆算する

転職が目的なら、学ぶ内容は求人票から決めてください。

  1. 行きたい職種の求人を10件見る
  2. 必須要件に共通して出てくるものを書き出す
  3. その中で、独学で埋められるものを選ぶ

この順番で決めると、学んだことがそのまま応募の材料になります。

逆に、興味から始めて後で使い道を探すと、転職には結びつきません。

3. 編集長の実体験:目的を決めてから始めた人

私の知人に、事務職からデータを扱う職種を目指した人がいます。仮にPさんとします。

Pさんは、最初にこう言っていました。

Pさん「プログラミングを勉強しようと思っています」

私「何のためですか」

Pさん「これからは必要かなと思って」

私は、求人を見ることを勧めました。

私「行きたい職種の求人を10件見て、必須要件を書き出してみてください」

1週間後、Pさんの答えが変わりました。

Pさん「プログラミングは、必須要件に入っていない求人が多かったです。代わりに、データを集計して整理する技能と、業務の理解が求められていました」

私「では、そこから始められますね」

Pさん「はい。今の業務でも使うので、無駄になりません」

Pさんは、平日30分と休日3時間で学習を始めました。

Pさん「業務で使えるので、覚えたことをすぐ試せるんです。それが続く理由になりました」

6か月後、Pさんは応募を始めました。

面接官「今の業務で、データの集計をされているんですね」

Pさん「はい。月次の報告の集計を担当していて、手作業だった部分を仕組みで処理する形に変えました」

学習の成果を、業務の実績として説明できました。

Pさんは内定を得ました。

Pさん「求人を先に見ておいてよかったです。何となくプログラミングを始めていたら、方向が違っていました」

4. 時間の設計

期間週あたりの時間到達の目安
3か月週8時間(約100時間)基礎を一通り
6か月週8時間(約200時間)業務で使える水準の入口
1年週8時間(約400時間)実務の経験と組み合わせて材料になる

週8時間が、働きながらの現実的な上限です。平日30分×5日+休日6時間で組み立てられます。

「週20時間やる」という計画は、2週間で崩れます。

時間から内容を決める

順番を間違えないでください。

  • 悪い順番:学ぶ内容を決める → 必要な時間を計算する → 時間が足りない
  • 良い順番:使える時間を決める → その中で何ができるかを決める

週8時間で3か月なら、100時間です。この100時間で到達できる範囲を、先に確認してください。

なお、平日と休日で内容を分けてください。平日30分はまとまった作業に向かないため、読む・復習する時間に使い、休日にまとまった作業をする形が現実的です。

5. 費用の考え方

手段費用の目安の性質
独学(書籍、無料の教材)低い
オンラインの講座中程度。月額のものが多い
資格の受験受験料と教材費
スクール高い。まとまった額が必要
大学院最も高い。期間も長い
公的な職業訓練無料または低額。ただし離職中が対象のことが多い

まず独学で始めて、止まったら費用をかけるという順番を推奨します。

最初から高額な選択をすると、合わなかったときの損失が大きくなります。

また、勤務先に学習の支援制度がある場合があります。資格の受験費用、講座の補助、書籍の購入。まず社内の制度を確認してください。

支援制度の確認

「業務に関連する資格や講座について、費用の補助制度はありますか」

人事か総務に聞けば分かります。制度があるのに使っていない人は多くいます。

なお、学習の記録は残しておいてください。「いつから、週何時間、何をやったか」の3項目だけで足ります。面接で継続を説明するときの根拠になります。

6. 転職での評価

評価される評価されにくい
学んだことを業務で使った「勉強しました」だけ
作ったものがある講座を修了しただけ
求人の要件に直結している要件と関係のない内容
継続している過去に少し触れただけ
説明できる名称を挙げるだけ

最も評価されるのは、1番目です。

学んだことを今の業務で使い、その結果を説明できると、実績として扱えます。

「業務の集計を手作業で行っていましたが、学習した内容を使って処理の仕組みを作りました。月に〇時間かかっていた作業が〇時間になっています」

これは「勉強しました」ではなく「業務改善の実績」です。

学習中でも応募できる

完了を待つ必要はありません。

「〇〇を学習中で、〇月に資格を受験する予定です。業務では〇〇の部分で使い始めています」

「使い始めている」と言えることが重要です。学習と業務がつながっていることを示してください。

面接での説明のしかた

学び直しについて聞かれたときは、3つを答えてください。

項目内容
なぜ始めたか業務で困った具体的な場面
何をしているか内容と、週の時間
どう使っているか業務での応用

1番目を「将来のため」で終わらせないでください。業務で困った場面から始まっていると、動機が具体的になります。

「月次の集計に時間がかかっており、処理を自動化できないかと考えたのが始まりです。週8時間で学習を続けており、今は一部の集計を仕組みで処理する形に変えています」

7. 続けるための設計

工夫内容
到達点を「できる状態」で書く「〇〇を学ぶ」ではなく「〇〇が作れる」
業務で使えるものを選ぶすぐ試せると続く
平日は30分に固定長時間を目標にすると止まる
前日に翌日の内容を決める始めるまでの時間をなくす
週1回、進捗を確認する30分。方向のずれを直す

2番目が最も効きます。

学んだことをすぐ業務で試せると、成果が見えるため続きます。逆に、業務と関係のない内容は、成果が見えないまま数か月経ちます。

止まったときの対処

1週間できなかった場合、取り返そうとしないでください。翌週から同じペースで再開してください。

1か月以上止まった場合は、内容が合っていない可能性があります。目的と内容がずれていないか、確認してください。

業務外の学習は書類にも書ける

職務経歴書には、業務の実績だけでなく学習の内容も書けます。書く場所は、自己PRか、末尾の「自己啓発」の欄です。

「業務の集計の効率化を目的として、〇〇を独学で学習しています(週8時間、〇か月継続)。学習した内容を用いて、月次の集計の一部を自動で処理する形に変更しました」

期間と継続の頻度を書いてください。「学習中」だけだと、どの程度取り組んでいるかが伝わりません。

8. 進め方と時間配分

段階時間やること
目的の言語化30分何のために学ぶかを1文で
求人の確認90分行きたい職種の求人10件の要件
内容の決定30分使える時間から逆算
支援制度の確認15分勤務先の制度を人事に確認
学習週8時間平日30分+休日6時間
週次の確認週30分進捗と方向のずれ

最初の2時間で、方向が決まります。この2時間を飛ばして始めると、数か月後に方向のずれに気づきます。

9. よくある質問

何を学べばいいか分かりません

行きたい職種の求人を10件見て、必須要件を書き出してください。共通して出てくるものが、学ぶべき内容です。

働きながら何時間できますか

週8時間が現実的な上限です。平日30分×5日+休日6時間で組み立てられます。それ以上を目標にすると、続きません。

スクールに通うべきですか

まず独学で始めて、止まったら検討してください。最初から高額な選択をすると、合わなかったときの損失が大きくなります。

費用の補助はありますか

勤務先に制度がある場合があります。人事か総務に確認してください。制度があるのに使っていない人は多くいます。

資格は転職で評価されますか

求人の要件に入っている資格なら評価されます。要件と関係のない資格は、評価につながりにくくなります。

学習中でも応募していいですか

できます。「〇月に受験予定」「業務で使い始めている」と書けば、意欲と実行力が伝わります。完了を待つ必要はありません。

大学院はどうですか

期間と費用が大きいため、目的を明確にしてください。転職のためだけであれば、他の手段のほうが早いことがほとんどです。

途中でやめてしまいます

業務で使える内容を選んでください。すぐ試せると成果が見えるため、続きます。また、平日の目標を30分に下げてください。

10. まとめ:今週やる3つのこと

学び直しは、始める前の2時間で結果が決まります。

1. 行きたい職種の求人を10件見る。必須要件に共通して出てくるものを書き出してください。学ぶ内容は、ここから決めます。

2. 使える時間を先に決める。週8時間が現実的な上限です。時間から逆算して、内容の範囲を決めてください。逆にすると続きません。

3. 勤務先の支援制度を確認する。資格の受験費用、講座の補助。制度があるのに使っていない人は多くいます。人事か総務に聞くだけです。

業務で使える内容を選んでください。すぐ試せると、続きます。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。