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法務の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと現実的な入り方【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約18分
法務の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと現実的な入り方【2026年版】

〜「コンプライアンスに貢献したい」で終わる志望動機が、なぜ全部同じに見えるのか。例文5パターンを置いておきます〜

法務は、未経験からの転職難度が高い職種です。

その前提を認めたうえで、現実的な入り方から書きます。

法務の求人の大半は「法務経験3年以上」「法学部卒」「法科大学院修了」といった条件がついています。第二新卒・未経験が正面から応募しても、書類で落ちるのが通常です。

ただし、入り方はあります。「法務」という看板の求人だけを見るのをやめることです。この記事では、現実的なルートと、志望動機の例文5パターンを整理します。

1. 結論:志望動機に入れる要素は3つだけ

法務の志望動機に入れる3要素

前職で「契約書・規程・ルールに触れた」場面(=実務の接点)

法務が「止める部署」ではなく「進める部署」だと理解していること(=職種理解)

その会社の事業に、どんな法的論点があるかを見たうえでの理由(=なぜここか)

未経験者が落とすのが②、差がつくのが③です。

書かなくていいのは「コンプライアンスに貢献したい」「法律に興味がある」「正義感が強い」の3つです。全員が書きます。

2. 現実的な入り方(重要)

正面から法務求人に応募する前に、この節を読んでください。

ルート現実性内容
総務・管理部門から入り、法務を兼務する中小企業では総務が法務を兼ねる。最も現実的
法務アシスタント・法務事務契約書の管理・製本・押印・期限管理から入る
法律事務所のパラリーガル未経験可の求人がある。実務経験が積める
契約書管理システムの営業・CS法務部門を顧客とする。知識が身につく
知財・特許事務専門は狭いが未経験可の求人がある
事業会社の法務(正面応募)未経験可はまれ。第二新卒枠に限られる

最も現実的なのは、最初の2つです。中小企業では、総務が契約書のチェックと管理を担当しているケースが多く、そこから法務の実務に触れられます。

「法務になりたい」と「法務の求人に応募する」は別です。3年後に法務を名乗れる位置にいるための入り方を選んでください。総務の志望動機は総務の志望動機にまとめています。

3. なぜ「コンプライアンス」では通らないのか

3-1. 法務は「止める部署」ではない

未経験者が最も誤解しているのがここです。

よくあるイメージ実際の法務
リスクを見つけて止めるリスクを踏まえたうえで、進められる形を探す
法律の知識で判断する事業の意図を聞いて、実現方法を設計する
契約書を読むのが仕事契約書は成果物。中心は事業部との対話
一人で完結する全部署と経営、社外(弁護士)との窓口

「ダメです」しか言わない法務は、現場から相談されなくなります。相談されなくなった法務は、リスクを事前に潰せません。だから、良い法務ほど「どうすればできるか」を返します。

志望動機で「リスクを防ぎたい」と書くと、この誤解を持っていると読まれます。「事業が進む形を法的に設計したい」と書いてください。

3-2. 法務の実務は地味な作業が大半

業務比率の目安(第二新卒が担当する範囲)
契約書のレビュー・修正大きい
契約書の管理(保管・期限・更新)大きい
押印・製本・締結手続き
社内規程の整備
事業部からの相談対応
法改正の情報収集
訴訟・紛争対応小(第二新卒はほぼ関与しない)

最初の数年は、契約書の管理と定型契約のレビューが中心です。ここを理解して志望していると示せると、他の応募者と差がつきます。

4. 例文5パターン(全文)

4-1. 営業 → 法務(契約書に触れていた)

前職では法人営業を担当し、受注時に基本契約書と個別契約書のやり取りを行っていました。先方から修正を求められた条項について、社内の管理部門に確認しながら進める過程で、どの条項がなぜ重要なのかを一つずつ理解していきました。特に、検収の定義と支払時期の条項が、実際のトラブルを防ぐ設計になっていることを知ったのが転機です。営業として契約を「通す」側にいましたが、契約の内容そのものを設計する側に回りたいと考え、法務を志望しています。御社は◯◯という事業を展開されており、取引先ごとに契約の形が変わる領域だと理解しています。定型ではない契約に関われる環境で経験を積みたいと考えています。

4-2. 一般事務・総務 → 法務

前職では総務として、契約書の保管と押印手続きを担当していました。部署ごとに保管方法が違い、契約の更新期限が把握できていない状態だったため、契約書の一覧を作成し、更新期限を管理する運用に変えました。この作業を通じて、契約書が単なる書類ではなく、期限や条件によって事業に影響する取り決めであることを実感しました。管理する側から、内容そのものを検討する側に進みたいと考え、法務を志望しています。現在、ビジネス実務法務検定2級の学習を進めています。

4-3. 法学部卒・新卒で別職種に就いた場合

大学では法学部で民法と商法を専攻していましたが、新卒では営業職に就きました。2年間営業として働くなかで、契約条件の交渉で法的な論点が出るたびに、自分が学んだことと実務が接続する感覚があり、専門として扱う職種に移りたいと考えるようになりました。学生時代の知識だけでは実務に足りないことは理解しており、ビジネス実務法務検定2級を取得したうえで応募しています。御社の法務は少人数体制と拝見しており、契約書のレビューから管理まで幅広く担当できる環境だと考えています。

4-4. 法律事務所・士業事務所からの転職

前職では法律事務所でパラリーガルとして、書類作成と期日管理を担当していました。訴訟資料の作成を通じて、紛争が起きたときにどの条項が争点になるかを実務として見てきました。その経験から、紛争が起きる前の段階、つまり契約を作る段階に関わりたいと考えるようになりました。事業会社の法務であれば、事業部と直接やり取りしながら契約を設計できると理解しています。御社は新しいサービスを継続的に立ち上げておられ、前例のない契約を検討する機会が多い環境だと考え、志望いたしました。

4-5. 未経験度が高いケース(販売・サービス業から)

前職ではアパレル店舗で販売を担当し、後半は店舗運営として業者との取引にも関わっていました。什器の発注や工事の依頼で契約書を交わす際、内容を確認するのは本部の担当者で、店舗側は署名するだけという状態でした。あるとき納品の遅延でトラブルになり、契約書に納期の定めがなかったことが原因だと知りました。取り決めの内容が実務を左右することを実感し、そこを設計する仕事に就きたいと考えるようになりました。現在ビジネス実務法務検定3級を取得し、2級の学習を進めています。未経験からのスタートになりますが、契約書の管理業務から着実に覚えていきたいと考えています。

5. 志望動機の作り方(60分)

時間やること
20分前職で契約書・規程・ルールに触れた場面を3つ書き出す
15分そのうち1つを、状況→気づいたこと→なぜ法務かの順に整理
10分応募先の事業を見て、どんな契約が発生しそうかを考える
10分3ブロック(①経験 ②職種理解 ③なぜここか)に流し込む
5分「コンプライアンス」「正義感」が残っていないか確認して削る

1行目が最重要です。契約書に触れたことがない人は、社内規程・就業規則・個人情報の取り扱いなど、ルールに関わった場面でも構いません。

6. 落ちる書き方5つ

具体例なぜ落ちるか
コンプラ型「コンプライアンスに貢献したい」全員が書く。実務が見えていない
止める型「リスクを未然に防ぎたい」法務を「止める部署」と誤解している
法律好き型「法律に興味があります」趣味の話。実務への接点がない
資格アピール型資格の話だけで実務の話がない資格は入口。実務への態度が見えない
憧れ型「専門性を身につけたい」何をしたいかが書かれていない

最も多いのがコンプラ型です。この言葉を使わずに書けるかが最初の関門になります。

7. 面接で追撃される3問

7-1. 「未経験でなぜ法務なのですか」

「営業として契約書を交わす場面に何度も立ち会いました。先方から条項の修正を求められたとき、なぜその条項が必要なのかを説明できない自分に何度もぶつかりました。通す側ではなく、内容を設計する側に回りたいと考えたのが理由です」

7-2. 「法務は地味な作業が多いですが、大丈夫ですか」

「契約書の管理や期限のチェックが中心になることは理解しています。前職でも、契約書の保管方法を整理して更新期限を管理する運用を作った経験があります。むしろ、そういう地道な整理が後から効いてくる仕事だと考えています。

7-3. 「事業部から『これで進めたい』と言われて、法的に問題がある場合はどうしますか」

この質問が、法務面接の核心です。

「まず、事業部が何を実現したいのかを確認します。問題があるのが『やりたいこと』なのか『やり方』なのかで、返す答えが変わるためです。やり方に問題があるだけなら、別の進め方を一緒に探します。目的自体が法的に難しい場合は、その理由を事業の言葉で説明したうえで、代替案があるかを検討します。判断がつかない場合は、自分で決めずに上長や顧問弁護士に確認します」

「ダメだと伝えます」で終わらせないでください。この一言で落ちます。

8. 資格は必要か

資格評価
ビジネス実務法務検定2級◎ 未経験からの応募で最も分かりやすい証明
ビジネス実務法務検定3級○ 学習の意思が伝わる
法学部卒○ 有利だが必須ではない
司法試験合格・予備試験◎ ただしこの層は別枠
行政書士△ 事業会社の法務では直結しない
知的財産管理技能検定○ 知財を扱う企業では有効

未経験から狙うなら、ビジネス実務法務検定2級が最も費用対効果が高い選択です。取得済み、または受験申し込み済みの状態で応募してください。

9. よくある質問

未経験・法学部卒でなくても法務になれますか

正面からの法務求人では厳しいのが実情です。総務兼務、法務アシスタント、パラリーガルから入るルートを検討してください。3年後に法務を名乗れる位置を目指すのが現実的です。

ビジネス実務法務検定は取るべきですか

未経験なら取ってください。2級まで取ると、書類での説得力が明確に変わります。学習中でも「◯月の試験に申し込み済み」と書けば十分です。

法務と総務の違いは何ですか

総務は「会社を回す」、法務は「取り決めを設計する」のが役割です。ただし中小企業では兼務が一般的で、総務として入って契約書業務を担当するケースが多くあります。総務の志望動機も参照してください。

英語は必要ですか

企業によります。海外取引がある企業では英文契約書のレビューが発生するため、TOEIC700〜800以上を求められることがあります。国内取引中心の企業では不要です。

志望動機は何文字が適切ですか

300〜400字が目安です。履歴書の枠に入れる場合は200字程度に縮めてください。書き分けは履歴書の志望動機欄の書き方にまとめています。

年収はどのくらいですか

法務は経験年数で明確に上がる職種です。未経験入社の初年度は横ばい〜やや下がることが多いですが、実務経験3年以降の伸びは大きくなります。交渉の考え方は第二新卒の年収交渉を参照してください。

求人が見つかりません

「法務」で検索するのをやめてください。「管理部門」「総務・法務」「契約書 管理」「法務アシスタント」で探すと、未経験可の求人が出てきます。エージェント経由なら、この探し方を担当者に伝えてください。

在籍期間が短くても応募できますか

できます。ただし法務は定着性を重く見る職種です。退職理由と志望動機の一貫性が前提になります。書き方は在籍半年・1年未満の職務経歴書を参照してください。

10. まとめ

法務は難度が高い職種ですが、入り口を変えれば道はあります。

今夜やる3つのこと

① 前職で契約書・規程・ルールに触れた場面を3つ書き出す

求人サイトで「法務」ではなく「総務 法務」「法務アシスタント」「契約書 管理」で検索し、上位10件の応募条件を見る。未経験可の枠がどこにあるかが5分で分かります

③ ビジネス実務法務検定2級の直近の試験日を調べて、申し込む

②が最も効きます。「法務」だけで検索している限り、未経験可の求人にはたどり着けません。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。