第二新卒のキャリアを深掘りする。
業界・職種研究

サステナビリティ関連職へ転職|第二新卒が入口を見つける手順【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約15分
サステナビリティ関連職へ転職|第二新卒が入口を見つける手順【2026年版】

環境や社会の課題に関わる仕事をしたい。

そう考えて求人を探すと、すぐに行き詰まります。

「サステナビリティ」「ESG」という職種名の求人が、ほとんど見つからないからです。

理由は単純です。

この領域を専任の部署として持っている会社が、まだ限られているためです。

多くの会社では、経営企画、広報、総務、人事の担当者が兼務しています。

つまり、「サステナビリティ担当」という求人を探すのではなく、「その業務を含む部署」を探す必要があります。

そして、もう一つ知っておくべき点があります。

この仕事の実態は、情報を集めて、まとめて、開示することです。

理念を語る仕事ではなく、資料を作る仕事です。

この記事では、業務の実際、専任と兼務の違い、未経験からの入口、求人の探し方を整理します。

1. 結論:確認することは3つ

1. 専任部署があるかを確認する。求人の探し方が変わります。

2. 業務の実態が「情報の集約と開示」だと理解する。

3. 隣接する部署(経営企画・広報・総務)から入る道筋を検討する。

3番目が最も現実的です。

専任のポジションで未経験を採用する会社は多くありません。

一方、経営企画や広報の求人の中に、この業務が含まれている場合があります。

探し方見つかりやすさ
「サステナビリティ」で検索求人が少ない
「ESG」で検索さらに少ない
経営企画の求人の業務内容を読む含まれる場合がある
広報の求人の業務内容を読む含まれる場合がある

3行目と4行目の方法で探してください。

2. 業務の実際

この領域の仕事は、大きく3つに分かれます。

業務中身
情報の集約社内各部署から数字と取り組みを集める
資料の作成報告書、開示資料の作成
対外対応投資家、評価機関、取引先からの質問への回答

1行目が業務時間の大半を占めます。

環境に関する数字、人員に関する数字、取引に関する情報。

これらは各部署が持っており、それを集めてまとめる作業が中心になります。

そして、各部署は自分の業務で手一杯です。

だから、この仕事の実務は「他部署に協力してもらう」ことになります。

社内調整が業務の中核

依頼しても、期日までに出てこない。

これがこの職種の日常的な課題です。

だから、社内調整の経験が最も評価されます。

「前職では7部署から月次の資料を集めて期日までにまとめる業務を担当していました。提出遅れが常態化していたため、必要な項目を絞り、期日の3日前に確認を入れる運用に変えて、遅延を月4件から1件に減らしています」

この経験は、この職種の応募でそのまま評価されます。

3. 専任と兼務の違い

特徴
専任部署大企業に多い、業務が専門化
経営企画が兼務事業計画と一体で扱う
広報が兼務対外的な発信が中心
総務・人事が兼務社内の取り組みが中心

2行目が最も多い形です。

この領域は経営の方針と直結するため、経営企画が担当する会社が多くあります。

だから、経営企画の求人を見てください。

業務内容の欄に「サステナビリティ関連の取り組み」「統合報告書の作成」といった記載があれば、それがこの業務です。

求人票で見つける方法

次の言葉が業務内容に含まれているかを見てください。

言葉意味
統合報告書財務と非財務をまとめた報告書
サステナビリティ報告環境・社会に関する開示
非財務情報数字以外の開示情報
各種評価機関への対応外部からの評価への回答
社内の取り組みの推進社内向けの施策

これらが記載されている求人が、この領域の仕事です。

職種名が「経営企画」でも「広報」でも、業務内容を読めば判断できます。

4. 未経験からの入口

正直に書くと、直接の入口は狭い。

理由は2つあります。

1つ目は、求人の絶対数が少ないこと。

2つ目は、社内の各部署と対等にやり取りする必要があるため、社内での信頼が前提になる場合があること。

現実的な道筋は次の3つです。

道筋内容
社内異動経営企画や広報から異動
隣接職種から転職経営企画、広報、総務、人事
支援する側から入るコンサル、評価機関、認証機関

3行目が見落とされがちです。

企業のサステナビリティ対応を支援する会社があります。

コンサルティング会社、報告書の制作会社、認証や評価を行う機関です。

これらの会社では、未経験からの採用がある場合があります。

そして、この経験を積んだ後、事業会社の担当に移る道筋があります。

支援する側の仕事

会社の型仕事の中身
コンサルティング企業の取り組みの設計支援
報告書の制作統合報告書の編集・制作
評価・認証基準に沿った評価
調査・データ提供情報の収集と提供

2行目は、編集や制作進行の経験が活きます。

報告書は、企業から情報を集めて、読みやすい形に編集する仕事です。

メディアや制作会社の経験がある人は、この入口を検討する価値があります。

5. 他業界からの翻訳

前職翻訳できる経験
事務・管理各部署から情報を集めた経験
広報対外的な発信、資料の作成
経理数字の集約、開示資料
品質管理基準に沿った確認、記録
制作・編集資料の編集、進行管理
営業社外との折衝、説明する力

1行目が最も直接的です。

複数の部署から情報を集めて、期日までに1つにまとめる。

この経験があれば、業界が違っても書けます。

そして、4行目も相性が良い。

この領域では、定められた基準や枠組みに沿って情報を整理します。

基準に照らして確認し、記録する。この構造は品質管理と同じです。

数字を扱った経験を書く

この領域では、開示する情報の多くが数字です。

環境に関する数値、人員に関する数値、取引に関する数値。

だから、数字を集計して報告した経験があれば、必ず書いてください。

「前職では全12店舗の売上データを月次で集計し、部門長が判断するための報告資料を作成していました。集計だけでなく、前年との差の要因を1枚にまとめる形式に変更しています」

この経験は、報告書の作成業務と構造が同じです。

6. 志望動機の作り方

「環境問題に関心があります」を中心に置かないでください。

関心があることは前提として扱われ、差になりません。

そして、この職種の実態は情報の集約と開示です。

使える型は3つです。

中身
情報を集めてまとめる仕事がしたい前職の経験と直結
事業と社会の接点に関わりたい経営企画に近い理由
開示の仕組みに関わりたい制度への理解を示す

1番目が最も具体的です。

「前職では複数部署から情報を集めて報告資料にまとめる業務を担当していました。集める側の立場で、どう依頼すれば期日までに出てくるかを工夫してきた経験があります。企業の取り組みを整理して外部に伝える業務で、この経験を活かしたいと考えています」

これで、「関心があります」を使わずに志望動機が成立します。

7. この領域の動きを理解する

面接で問われる可能性がある点です。

近年、企業に対する情報開示の要請が強まっています。

投資家、取引先、取引所などから、財務以外の情報の開示が求められる場面が増えています。

そして、開示の枠組みや基準は、国内外で整備が進んでいます。

だから、この領域の業務は増える方向にあります。

ただし、具体的な制度や基準は改定が続いているため、この記事では詳細に立ち入りません。

面接前に、応募先が公開している報告書を1つ読んでおいてください。

それが最も具体的な準備になります。

報告書を読むときに見る場所

見る場所何が分かるか
目次何を開示しているか
数値のページどんな数字を扱うか
経営者のメッセージ会社の方針
発行の頻度業務の周期

1行目を見るだけで、その会社の担当者が何をまとめているかが分かります。

そして、面接でこう言えます。

「貴社の報告書を拝見し、○○の項目について数値を開示されている点が印象的でした。この情報は、どの部署から集められているのでしょうか」

この質問は、業務を具体的に理解しようとしている応募者として受け取られます。

8. 進め方と時間配分

時期やること
1週目前職の「情報を集めてまとめた」経験を書き出す
2週目経営企画・広報の求人の業務内容を読む
3週目応募候補が報告書を出しているか確認
4週目応募、面接で担当範囲と体制を確認

2週目が最も重要です。

職種名で検索するのではなく、業務内容の欄を読んでください。

「統合報告書」「非財務情報」「サステナビリティ」という言葉が含まれる求人を探します。

この方法だと、見つかる求人の数が大きく変わります。

面接で聞くこと

  1. 「この業務は専任でしょうか、他の業務と兼務でしょうか」
  2. 「担当されている方の人数を教えてください」
  3. 「報告書の作成は、どのくらいの期間で行われていますか」

1番目と2番目で、業務の実態がかなり分かります。

1名で兼務している場合、業務量が多くなる可能性があります。

9. よくある質問

Q. 未経験でもこの職種に就けますか

直接の入口は狭い領域です。

経営企画、広報、総務などの隣接職種から入るか、企業を支援する側の会社から入る道筋が現実的です。

Q. 求人が見つかりません

職種名ではなく、業務内容の欄を読んでください。

「統合報告書」「非財務情報」「サステナビリティ」という言葉が、経営企画や広報の求人に含まれている場合があります。

Q. 専門の資格は必要ですか

必須の資格はありません。

環境やサステナビリティに関する民間資格がありますが、採用の条件になっている求人は多くありません。

Q. 英語は必要ですか

会社によります。

海外の投資家や評価機関に対応する場合は求められます。国内向けの開示が中心の会社では、必須でない場合があります。

Q. 実際の仕事は何をしますか

情報の集約、資料の作成、対外的な質問への対応が中心です。

理念を語る仕事ではなく、社内から情報を集めてまとめる仕事です。

Q. どんな会社に専任部署がありますか

上場企業や、一定規模以上の会社に置かれている場合が多い。

応募候補が報告書を公開しているかを確認すると、取り組みの状況が分かります。

Q. 支援する側の会社とは何ですか

企業のサステナビリティ対応を支援する会社です。

コンサルティング、報告書の制作、評価や認証を行う機関などがあります。未経験からの採用がある場合があります。

Q. 面接の準備は何をすればいいですか

応募先が公開している報告書を1つ読んでください。

目次を見るだけで、その会社が何を開示しているかが分かります。これが最も具体的な準備になります。

10. まとめ:今週やる3つのこと

1. 前職で「複数部署から情報を集めてまとめた」経験を3つ書き出す。これがこの職種の核心です。

2. 経営企画・広報の求人の業務内容を読んで、この業務が含まれるものを探す。職種名で検索しないでください。

3. 応募候補の報告書を1つ読んで、目次を確認する。面接での質問がここから作れます。

「関心があります」ではなく、情報を集めてまとめた経験を志望動機の中心に置いてください。

この先、読むべき記事

この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。