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広報・PRの志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約19分
広報・PRの志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方【2026年版】

〜「情報発信が好き」「会社の魅力を伝えたい」で終わる志望動機が、なぜ全部同じに見えるのか。例文5パターンを全文で置いておきます〜

広報・PR職は、第二新卒の転職市場で最も倍率が高い職種のひとつです。募集人数が少なく、応募は多い。しかもその応募の大半が、同じ書き出しで始まります。

「情報発信が好きで、会社の魅力を多くの人に伝えたいと考えています」

この一文の問題は、「伝えたい」で止まっていることです。広報の仕事は伝えることではなく、第三者に取り上げてもらうことだからです。自分で発信するだけなら、それは広報ではなくSNS運用やコンテンツマーケティングです。

この記事では、未経験・第二新卒が広報・PRの志望動機を書くときに何を書けば読まれるのかを、例文5パターンの全文つきで整理します。

1. 結論:志望動機に入れる要素は3つだけ

広報・PRの志望動機に入れる3要素

前職で「相手が動きたくなる形に情報を整えた」場面(=翻訳能力の証明)

広報を、マーケティングやSNS運用と区別して理解していること(=職種理解)

その会社が「今、何を知られていないか」を調べたうえでの理由(=なぜこの会社か)

未経験者が落とすのが②、圧倒的に差がつくのが③です。

書かなくていいのは「発信が好き」「人と話すのが好き」「会社の顔になりたい」の3つです。全員が書くので、加点になりません。

2. なぜ「発信が好き」では通らないのか

2-1. 広報は「自分で言う」のではなく「他人に言ってもらう」仕事

ここが最大の誤解です。広報とマーケティングの違いは、誰の口から出るかにあります。

広報・PRマーケティング・SNS運用
発信者メディア・第三者自社
費用基本的に無償(報道)広告費・制作費
制御効かない(書かれ方は相手次第)効く
効果信頼性が高い。持続する即効性がある。止めると止まる

「制御が効かない情報を、それでも動かす仕事」だという理解が伝わると、それだけで上位に入ります。「自社アカウントで発信したい」と書くと、職種を取り違えていると判断されます。

2-2. 実務の大半は「地味な下ごしらえ」

広報の華やかなイメージと実務のギャップも、面接で確認される点です。実際の業務はこう分かれます。

領域主な業務
メディアリレーション記者との関係構築、プレスリリース配信、問い合わせ対応
コンテンツ制作リリース原稿、取材対応の想定問答、社長コメント
社内広報(インナー)社内報、全社会議、理念の浸透
危機管理ネガティブ報道への対応、クレーム時の対外説明
実績管理掲載件数・広告換算・リーチの集計

「取材を取る」より「取材を受けられる状態を作る」時間のほうが長い職種です。ここに触れられると、実態を理解していると伝わります。

2-3. 社外広報と社内広報を区別しているか

求人票を読むと、必ずどちらかに寄っています。

  • 「メディアリレーション」「プレスリリース」「取材対応」→ 社外広報
  • 「社内報」「エンゲージメント」「インナーコミュニケーション」→ 社内広報
  • 「採用広報」「オウンドメディア」→ 人事・マーケ寄り

第二新卒で入口が広いのは採用広報とアシスタント枠です。純粋な社外広報の未経験採用は数が少ないため、併願を前提に組み立ててください。

3. 実例:私が「取り上げてもらう側」に回った場面

私は広報の専任だったことはありませんが、営業時代に自分で言うのをやめて、他人に言ってもらった経験があります。

入社2年目・提案の場面

私「弊社の媒体は反響数が多くて、掲載企業様からも評価をいただいていまして……」

店長「みんなそう言うのよ、営業さんは」

私「……そうですよね」

その日から、自社の説明をやめて同じ地域・同じ業態の掲載店舗の実例だけを持っていくようにしました。「この店舗さんは掲載後こう変わりました」という話に切り替えたところ、提案の通り方が明らかに変わりました。

自分で「良い」と言っても信じてもらえないが、第三者の事実として提示すると受け取られる。これは広報の原理そのものです。この経験は志望動機の①として機能します。

4. 例文5パターン(全文)

4-1. 前職:営業 → 広報(社外広報)

前職では中小企業向けに広告商材を提案していました。自社の強みを説明しても信用されない場面が続いたため、説明をやめて同じ地域・同じ業態で掲載された企業の実例だけを持っていく形に変えたところ、提案の通過率が明確に上がりました。自分で言うより、第三者の事実として提示するほうが受け取られると実感した経験です。広報は、自社で発信するのではなくメディアという第三者に取り上げてもらう仕事だと理解しており、この考え方が直接つながると考えています。貴社は◯◯という領域で事業を展開されていますが、検索した限りメディア掲載は業界紙が中心で、一般紙やWebメディアでの露出は限られているようにお見受けしました。そこを広げる役割で貢献したいと考え志望しました。

4-2. 前職:カスタマーサポート → 広報(採用広報・オウンド)

前職ではSaaSのカスタマーサポートで、月間約600件の問い合わせに対応していました。同じ質問が繰り返し来ていたため、過去6か月の入電理由を分類して上位3項目が全体の41%を占めることを特定し、ヘルプ記事を3本書き直して該当の問い合わせを月間約80件減らしました。書いた記事が検索から読まれ、問い合わせ前に自己解決される状態を作れたことが、伝える仕事に関心を持った出発点です。読み手が何につまずくかを、実際の声から知っていることが自分の強みだと考えています。貴社は採用広報に力を入れられていると伺っており、社員の言葉を、社外の読み手が理解できる形に翻訳する役割で貢献したいと考えています。

4-3. 前職:編集・ライター・制作 → 広報

前職では制作会社で、クライアントのオウンドメディアの記事編集を担当していました。担当した1社で、公開後のアクセスがほとんど伸びない状態が続いていたため、記事単位の流入と滞在時間を集計したところ、読まれている記事はすべて「導入前の疑問に答えるもの」だと判明し、企画の方針を変えて月間セッションを約2.3倍にしました。書くこと自体は経験してきましたが、自社が発信できる範囲には限界があり、第三者に取り上げられる情報にはまた別の設計が必要だと感じています。貴社は◯◯という新しい領域で、まだ言葉が定着していない段階だと理解しており、その言語化とメディアへの提示に関わりたいと考え志望しました。

4-4. 前職:営業事務・アシスタント → 広報アシスタント

前職では営業アシスタントとして、見積作成・受注処理に加えて、社内向けの月次報告資料の作成を担当していました。各部署から集めた数字がばらばらの形式で届いて集計に時間がかかっていたため、提出フォーマットを統一し、必要な項目だけを入力する形に変更して、資料作成にかかる時間を月あたり約12時間削減しました。あわせて、数字だけだと読まれないことがわかったため、各部署の担当者に一言コメントを添えてもらう欄を設けたところ、社内での閲覧率が上がりました。情報は、正確さだけでなく受け手が読みたくなる形にして初めて届くと考えています。広報の実務は資料や原稿の準備が大きな比重を占めると理解しており、その土台を支える役割から入りたいと考えています。

4-5. 前職:販売・接客 → 広報(完全未経験・社内広報寄り)

前職ではアパレル店舗で接客販売を担当し、後半は新人教育も任されていました。教える人によって伝え方が違い、新人が混乱していたため、3か月分の質問を書き出して上位20項目をマニュアル化し、独力で業務を回せるまでの期間を平均2週間短縮しました。作るときに意識したのは、正しさより読む人が最初に知りたい順に並べることで、実際に現場で使われる資料になったのはその点が大きかったと考えています。社内に情報を届ける仕事は、正確に書くことと同じくらい、読まれる形にすることが重要だと理解しています。貴社は拠点が複数にまたがっていると伺っており、社内広報として拠点間の情報のばらつきをなくす役割で貢献したいと考えています。

5. 志望動機を1時間で作る手順

5-1. 【20分】「相手が動く形に情報を整えた」場面を掘る

次の3つに答えてください。

  1. 前職で、伝え方を変えたら相手の反応が変わった場面はどこか
  2. 何を、どういう形に変えたか
  3. 反応や数字はどう変わったか

広報の経験でなくて構いません。提案資料、社内マニュアル、報告書、店頭のPOP。「受け手に合わせて形を変えた」構造ならすべて使えます。

5-2. 【20分】応募先が「何を知られていないか」を調べる

これが③になります。広報の志望動機で最も差がつく工程です。

調べる方法読み取ること
社名でニュース検索どのメディアに、どのくらいの頻度で出ているか
プレスリリース配信サイトで社名検索リリースの頻度と内容の傾向
商材カテゴリで検索競合が取り上げられていて自社が出ていない領域はどこか
採用ページ・note等自社発信の量と、外部露出の量のバランス

「業界紙には出ているが一般紙には出ていない」「リリースは年4本」といった事実を1つ書けるだけで、他の応募者と決定的に差がつきます。15分で調べられます。

5-3. 【20分】3ブロックに流し込む

志望動機の型(250〜350字)

ブロック①:前職で伝え方を変えた場面+結果(130字)

ブロック②:そこから広報のどこに関心が向いたか(70字)

ブロック③:貴社の露出状況を調べた事実を踏まえて、なぜここか(110字)

6. 落ちる志望動機の型5つ

NG型具体例なぜ落ちるか
発信好き型「情報発信が好きです」全員が書く。広報=発信という誤解
会社の顔型「会社の顔として広報したい」実務は下ごしらえが大半
SNS型「SNSで自社の魅力を発信したい」職種を取り違えている
ファン型「サービスのファンです」だけ熱意はあるが業務の話がない
華やか型「メディアに出る仕事に憧れて」地味な実務への耐性を疑われる

特にSNS型は職種の取り違えとして扱われます。自社アカウントの運用はマーケティング側の業務であることが多く、広報職の志望動機に書くと理解不足と判断されます。SNSに触れるなら「メディア関係者が情報を得る経路のひとつとして」という文脈にしてください。

7. 面接で必ず追撃される3問

7-1. 「広報とマーケティングの違いは何だと思いますか」

ほぼ確実に聞かれます。第2章の表をそのまま使ってください。

「発信者と、制御できるかどうかが違うと理解しています。マーケティングは自社が発信して、内容もタイミングも制御できます。広報はメディアという第三者に取り上げてもらうため、書かれ方を制御できない代わりに、受け手からの信頼が高いという特徴があると考えています。どちらが上ということではなく、役割が違うと理解しています」

7-2. 「ネガティブな報道が出たら、どう対応しますか」

危機管理の適性を見る質問です。「誠実に対応します」だけでは足りません。

「まず、報道されている内容のうち事実と、事実でない部分を切り分けることが最初だと考えています。そのうえで、事実である部分については何をいつまでに改善するかを含めて説明する必要があります。判断を独断でせず、経営と法務を含めて誰が何を答えるかを事前に決めておくことも重要だと理解しています。前職でクレーム対応をした際も、謝罪より先に事実確認から入ることで話が具体的な改善に移った経験があります」

7-3. 「未経験ですが、記者と関係を作れると思いますか」

「すぐには作れないと思っています。ただ、前職の営業で、自社の説明をやめて第三者の実例を持っていく形に変えたときに反応が変わった経験から、相手が求めている情報を先に理解することが関係づくりの起点だと考えています。記者の方がどんな切り口を探しているかを知るために、まずは担当されている記事を読み込むところから始めたいです」

8. 職務経歴書との書き分け

書類書くこと
職務経歴書担当業務、規模、作成した資料の種類と本数
志望動機なぜ広報か、なぜこの会社か
自己PR伝え方を変えて結果が変わった実績1つ

広報職では「書いたものの実物」が強い武器になります。前職で作った資料(社外に出せる範囲で)、個人のブログやnote、学生時代の広報経験など、文章の実物があれば提出できるようにしておいてください。書類全体の作り方は第二新卒の職務経歴書テンプレを参照してください。

9. よくある質問

未経験から広報に転職するのは、どのくらい難しいですか

職種の中でも最も倍率が高い部類です。募集人数が1〜2名で、応募が数十件集まることも珍しくありません。ただし「広報」に絞らず、採用広報・広報アシスタント・PR会社まで含めると入口は広がります。特にPR会社は未経験採用の枠が比較的あり、そこで実務経験を積んで事業会社に移るルートが現実的です。

PR会社と事業会社の広報、どちらを狙うべきですか

未経験なら、まずPR会社を含めて検討することをおすすめします。PR会社では複数のクライアントを担当するため、メディアリレーションの経験が短期間で積めます。事業会社の広報は1社を深く見られる代わりに、未経験枠が少ないのが実情です。両方受けて、通ったほうから始める形で問題ありません。

志望動機は何文字が適切ですか

Webフォームなら250〜350字、職務経歴書に書く場合は400字以内が目安です。広報職では文章そのものが評価対象になるため、誤字脱字と冗長な表現は他職種以上に厳しく見られます。提出前に必ず音読してください。

SNS運用の経験は評価されますか

されますが、書き方に注意が必要です。「SNSをやりたい」ではなく、「フォロワーがどう増えたか、何を変えたら反応が変わったか」という検証の話にしてください。数字と改善の過程があれば、広報職でも十分に評価されます。

文章力に自信がありません

広報で求められるのは名文ではなく、正確さと構成です。誰が読むかを想定して、必要な情報を必要な順に並べられれば十分です。むしろ凝った表現を使う人のほうが、リリース原稿では扱いにくいと判断されることがあります。

「弊社を取材してもらうなら、どんな切り口がありますか」と聞かれたら

面接で出やすい質問です。事前に1つ用意しておいてください。「◯◯という商材そのものより、代表の方が業界の外から参入されている点のほうが、一般紙では取り上げられやすいのではないかと考えました」といった形で、商品ではなく人・社会の文脈に接続すると説得力が出ます。

年収は上がりますか

未経験入社では下がるケースが多いです。特に営業からの転換ではインセンティブがなくなるぶん総額が下がります。交渉の考え方は第二新卒の年収交渉を参照してください。

マーケティング職と併願してもいいですか

併願は現実的な選択です。ただし志望動機のブロック②は必ず書き分けてください。広報には「第三者に取り上げてもらう」、マーケには「配分を決める」という別の言葉が要ります。マーケ側の書き方は事業会社マーケティングの志望動機にまとめています。

10. まとめ

広報・PRの志望動機は、発信への意欲ではなく第三者に動いてもらう理解があるかで決まります。

今夜やる3つのこと

① 前職で「伝え方を変えたら反応が変わった」場面を1つ、3行で書く

社名でニュース検索して、どのメディアにどのくらい出ているかを確認する

③ 求人票を見て、社外広報/社内広報/採用広報のどれかを特定する

②は15分で終わります。ここで見つけた事実を1つ書くだけで、「発信が好き」から抜け出せます。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。