第二新卒のキャリアを深掘りする。
業界・職種研究

警備・セキュリティ業界へ転職する|第二新卒が入口を整理する【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約18分
警備・セキュリティ業界へ転職する|第二新卒が入口を整理する【2026年版】

〜「立っている仕事」だと思っていると、業界の半分を見落とします〜

警備業界と聞いて、多くの人は施設の入口に立つ人や、工事現場で交通を誘導する人を思い浮かべます。そして、それだけの業界だと理解して候補から外します。

ただし、この業界には機械警備という領域があります。建物にセンサーを設置し、異常を検知したら駆けつける仕組みで、実質的にはIT・通信と結びついた事業です。

そして、現場職以外に、営業、管制、企画、システムといった職種があります。

この記事では、業務の区分から整理して、現場職以外の入口をまとめます。

1. 結論:押さえるべきは3点

この業界を考えるときの3つの前提

業務は4つの区分に分かれ、性質がまったく違う

機械警備は継続的な契約から収益が生まれる

法令に基づく資格と教育の仕組みがある

②が、この業界の安定性を作っています。

契約が続く限り毎月収益が入る仕組みのため、事業として予測が立ちやすくなります。そして、その契約を取り、維持する営業職が存在します。

この理解があると、「人の安全を守りたい」以外の志望動機が作れます。

なお、警備業務には法令上の定めがあり、資格や教育の要件が定められています。この記事は一般的な整理であり、個別の要件は所管の窓口や専門機関に確認してください。

2. 4つの業務区分

区分中身
施設警備建物の巡回、出入りの管理、監視
交通誘導・雑踏警備工事現場や催事での誘導
輸送警備現金や貴重品の運搬
身辺警備特定の人の警護

この4区分のほかに、機械警備という提供の形があります。

機械警備は、建物にセンサーを設置して監視し、異常があれば待機所から駆けつける仕組みです。人が常駐しないぶん費用を抑えられ、多くの事業所で採用されています。

出る側の視点は警備員から転職する|職務経歴書に書ける5つのことにまとめています。入る前に読んでおくと、離れる人の理由が分かります。

機械警備が業界を変えた

センサーと通信で監視する仕組みは、この業界の構造を変えました。

機械警備で生まれた仕事

・センサーや機器の設置、保守

・監視センターでの状況の把握と指示

・異常時に現場へ向かう待機と対応

・契約を取る法人営業

・監視の仕組みを作るシステムの職種

このうち、法人営業とシステムの職種は、現場に立つ仕事ではありません。

3. 職種の全体像

職種仕事の中身未経験の可否
警備員(現場)各区分の警備業務可能
機械警備の待機・対応異常時の駆けつけ可能(運転免許が要件のことがある)
監視センターの管制状況の把握、指示、記録可能
法人営業事業所への提案、契約可能
機器の設置・保守センサー、カメラの設置可能
隊員の教育・管理配置、教育、シフトの管理経験により可
システム・IT監視の仕組みの構築IT経験者

第二新卒の入口として広いのは、法人営業と監視センターの管制です。

管制は、監視の画面と通報を見て、状況を判断し、現場へ指示を出す仕事です。夜間の勤務がありますが、体力よりも判断と記録の正確さが求められます。

法人営業は、事業所や店舗に対して警備の仕組みを提案する仕事で、他業界の法人営業と構造は同じです。

4. 話を聞いた例:飲食店から法人営業へ移った人

知人に、飲食チェーンの店舗運営から警備会社の法人営業へ移った人がいます。

その人が書類に書いたのは、次のような内容でした。

前職から出した材料

・店舗の防犯対策を担当し、機器の導入を検討した

・現金の管理と、閉店時の手順を作った

・複数の店舗の状況を比べて、リスクの高い箇所を特定した

・本部と現場の間で、手順の運用を調整した

1つ目と3つ目が効きました。

警備の法人営業は、顧客の事業所を見て、どこにリスクがあるかを指摘する仕事です。導入する側の経験があると、顧客の判断基準が分かります。

面接では「安全を守る仕事がしたい」ではなく、「店舗を運営していて、防犯にどこまで費用をかけるか毎回悩んだ。判断する材料を提供する側に回りたい」という形で話しました。

この業界でも、導入する側の経験は提案する側の材料になります。

5. 資格と教育の仕組み

項目押さえること
入社時の教育法令に基づいて実施される
定期的な教育継続的に実施される
業務ごとの資格区分によって定められている場合がある
運転免許待機・対応の職種で要件になることがある
取得の支援事業者が費用を負担する場合がある

この業界では、教育が法令で定められています。そのため、未経験でも受け入れる体制が制度として整っています。

資格の要件や制度は改定されることがあります。応募先で必要なものは募集要項と面接で確認し、制度の詳細は所管の窓口に確認してください。

資格の考え方は第二新卒に資格は必要か|取ってから動くか、動きながら取るかの判断を参照してください。

6. 待遇と働き方の実態

項目傾向
勤務形態現場職と管制は交替制、夜勤がある
法人営業平日日中が中心
資格手当支給される場合がある
夜勤手当別途支給される
繁忙期催事や工事の時期に連動

職種によって、勤務形態がまったく違います。

夜勤を避けたい場合は、法人営業、機器の設置・保守、教育・管理の職種を選ぶことになります。

求人票の年収欄を見るときは、夜勤手当が含まれているかを確認してください。含まれている場合、夜勤の回数が減ると収入も変わります。

読み方は求人票の年収の読み方|第二新卒が6項目に分解して比較する手順にまとめています。

7. 確認する7項目

確認する7項目

業務の区分(施設/交通誘導/輸送/身辺/機械警備)

職種(現場/管制/営業/設置/管理)

勤務形態と夜勤の回数

年収に夜勤手当が含まれているか

配属先が事前に決まるか

資格取得の支援

機械警備の契約数の推移

⑦は企業の状態を示します。

継続的な契約が事業の柱であるため、その数が増えているかどうかが事業の勢いを表します。公開されている資料で確認できることがあります。

企業の見方は企業の将来性をどう見るか|公開情報から読む手順、求人票の読み方は求人票の読み方|第二新卒が9項目をこの順で読むと外さないを参照してください。

8. 面接で聞かれることと答え方

質問見られていること答え方の軸
なぜこの業界か理解の深さ継続的な契約の仕組みに触れる
夜勤は可能か条件の合致曖昧にしない
前職で正確さが必要だった経験適性手順と記録で話す
冷静に判断した経験管制の適性具体的な場面で話す
希望する職種は認識の確認現場か営業かを明確に

「人の安全を守りたい」だけの志望動機は、この業界では最も多く聞かれます。

代わりに、「機械警備は契約が続くことで成り立つ事業なので、導入して終わりではなく、その後の対応が仕事の中心になる」という理解を示すと、他の応募者と差がつきます。

また、希望する職種は明確に伝えてください。曖昧にすると現場配属になる可能性があります。

9. よくある質問

未経験でも入れますか

入れます。法令に基づく教育の仕組みがあるため、未経験を受け入れる体制が整っています。

体力に自信がありません

職種によります。管制、法人営業、機器の設置、教育・管理は、現場の立ち仕事とは性質が違います。

夜勤は必ずありますか

現場職と管制ではあります。法人営業や設置・保守では、日勤中心の求人があります。

給与はどのくらいですか

職種と夜勤の回数によります。求人票の年収に夜勤手当が含まれているかを確認してください。

資格は先に取るべきですか

入社後の取得を前提とする求人が多くあります。ただし運転免許は、待機・対応の職種で応募段階から求められることがあります。

機械警備の営業はどんな仕事ですか

事業所や店舗を訪問し、どこにリスクがあるかを指摘して、警備の仕組みを提案する仕事です。他業界の法人営業と構造は同じです。

情報セキュリティとは違いますか

違います。この記事の警備は建物や人の物理的な安全、情報セキュリティは情報システムを守る領域です。後者はセキュリティエンジニアへの未経験転職|第二新卒が入れる領域と学習の順番を参照してください。

将来性はどうですか

人手不足を背景に、機械による監視への置き換えが進んでいます。そのため、機器やシステムに関わる職種の比重が上がる方向にあります。

10. まとめ:今週やる3つのこと

警備業界は、現場職だけを見ていると、事業の半分を見落とします。

今週やる3つのこと

求人を職種で分けて読む(現場/管制/営業/設置)

年収に夜勤手当が含まれているか確認する

前職で「リスクを見つけて対策した」場面を書き出す

③はどんな職種でも見つかります。店舗の防犯、情報の管理、事故の予防。それが提案する側の材料になります。

この先、読むべき記事

この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。