警備・セキュリティ業界へ転職する|第二新卒が入口を整理する【2026年版】
〜「立っている仕事」だと思っていると、業界の半分を見落とします〜
警備業界と聞いて、多くの人は施設の入口に立つ人や、工事現場で交通を誘導する人を思い浮かべます。そして、それだけの業界だと理解して候補から外します。
ただし、この業界には機械警備という領域があります。建物にセンサーを設置し、異常を検知したら駆けつける仕組みで、実質的にはIT・通信と結びついた事業です。
そして、現場職以外に、営業、管制、企画、システムといった職種があります。
この記事では、業務の区分から整理して、現場職以外の入口をまとめます。
1. 結論:押さえるべきは3点
この業界を考えるときの3つの前提
① 業務は4つの区分に分かれ、性質がまったく違う
② 機械警備は継続的な契約から収益が生まれる
③ 法令に基づく資格と教育の仕組みがある
②が、この業界の安定性を作っています。
契約が続く限り毎月収益が入る仕組みのため、事業として予測が立ちやすくなります。そして、その契約を取り、維持する営業職が存在します。
この理解があると、「人の安全を守りたい」以外の志望動機が作れます。
なお、警備業務には法令上の定めがあり、資格や教育の要件が定められています。この記事は一般的な整理であり、個別の要件は所管の窓口や専門機関に確認してください。
2. 4つの業務区分
| 区分 | 中身 |
|---|---|
| 施設警備 | 建物の巡回、出入りの管理、監視 |
| 交通誘導・雑踏警備 | 工事現場や催事での誘導 |
| 輸送警備 | 現金や貴重品の運搬 |
| 身辺警備 | 特定の人の警護 |
この4区分のほかに、機械警備という提供の形があります。
機械警備は、建物にセンサーを設置して監視し、異常があれば待機所から駆けつける仕組みです。人が常駐しないぶん費用を抑えられ、多くの事業所で採用されています。
出る側の視点は警備員から転職する|職務経歴書に書ける5つのことにまとめています。入る前に読んでおくと、離れる人の理由が分かります。
機械警備が業界を変えた
センサーと通信で監視する仕組みは、この業界の構造を変えました。
機械警備で生まれた仕事
・センサーや機器の設置、保守
・監視センターでの状況の把握と指示
・異常時に現場へ向かう待機と対応
・契約を取る法人営業
・監視の仕組みを作るシステムの職種
このうち、法人営業とシステムの職種は、現場に立つ仕事ではありません。
3. 職種の全体像
| 職種 | 仕事の中身 | 未経験の可否 |
|---|---|---|
| 警備員(現場) | 各区分の警備業務 | 可能 |
| 機械警備の待機・対応 | 異常時の駆けつけ | 可能(運転免許が要件のことがある) |
| 監視センターの管制 | 状況の把握、指示、記録 | 可能 |
| 法人営業 | 事業所への提案、契約 | 可能 |
| 機器の設置・保守 | センサー、カメラの設置 | 可能 |
| 隊員の教育・管理 | 配置、教育、シフトの管理 | 経験により可 |
| システム・IT | 監視の仕組みの構築 | IT経験者 |
第二新卒の入口として広いのは、法人営業と監視センターの管制です。
管制は、監視の画面と通報を見て、状況を判断し、現場へ指示を出す仕事です。夜間の勤務がありますが、体力よりも判断と記録の正確さが求められます。
法人営業は、事業所や店舗に対して警備の仕組みを提案する仕事で、他業界の法人営業と構造は同じです。
4. 話を聞いた例:飲食店から法人営業へ移った人
知人に、飲食チェーンの店舗運営から警備会社の法人営業へ移った人がいます。
その人が書類に書いたのは、次のような内容でした。
前職から出した材料
・店舗の防犯対策を担当し、機器の導入を検討した
・現金の管理と、閉店時の手順を作った
・複数の店舗の状況を比べて、リスクの高い箇所を特定した
・本部と現場の間で、手順の運用を調整した
1つ目と3つ目が効きました。
警備の法人営業は、顧客の事業所を見て、どこにリスクがあるかを指摘する仕事です。導入する側の経験があると、顧客の判断基準が分かります。
面接では「安全を守る仕事がしたい」ではなく、「店舗を運営していて、防犯にどこまで費用をかけるか毎回悩んだ。判断する材料を提供する側に回りたい」という形で話しました。
この業界でも、導入する側の経験は提案する側の材料になります。
5. 資格と教育の仕組み
| 項目 | 押さえること |
|---|---|
| 入社時の教育 | 法令に基づいて実施される |
| 定期的な教育 | 継続的に実施される |
| 業務ごとの資格 | 区分によって定められている場合がある |
| 運転免許 | 待機・対応の職種で要件になることがある |
| 取得の支援 | 事業者が費用を負担する場合がある |
この業界では、教育が法令で定められています。そのため、未経験でも受け入れる体制が制度として整っています。
資格の要件や制度は改定されることがあります。応募先で必要なものは募集要項と面接で確認し、制度の詳細は所管の窓口に確認してください。
資格の考え方は第二新卒に資格は必要か|取ってから動くか、動きながら取るかの判断を参照してください。
6. 待遇と働き方の実態
| 項目 | 傾向 |
|---|---|
| 勤務形態 | 現場職と管制は交替制、夜勤がある |
| 法人営業 | 平日日中が中心 |
| 資格手当 | 支給される場合がある |
| 夜勤手当 | 別途支給される |
| 繁忙期 | 催事や工事の時期に連動 |
職種によって、勤務形態がまったく違います。
夜勤を避けたい場合は、法人営業、機器の設置・保守、教育・管理の職種を選ぶことになります。
求人票の年収欄を見るときは、夜勤手当が含まれているかを確認してください。含まれている場合、夜勤の回数が減ると収入も変わります。
読み方は求人票の年収の読み方|第二新卒が6項目に分解して比較する手順にまとめています。
7. 確認する7項目
確認する7項目
① 業務の区分(施設/交通誘導/輸送/身辺/機械警備)
② 職種(現場/管制/営業/設置/管理)
③ 勤務形態と夜勤の回数
④ 年収に夜勤手当が含まれているか
⑤ 配属先が事前に決まるか
⑥ 資格取得の支援
⑦ 機械警備の契約数の推移
⑦は企業の状態を示します。
継続的な契約が事業の柱であるため、その数が増えているかどうかが事業の勢いを表します。公開されている資料で確認できることがあります。
企業の見方は企業の将来性をどう見るか|公開情報から読む手順、求人票の読み方は求人票の読み方|第二新卒が9項目をこの順で読むと外さないを参照してください。
8. 面接で聞かれることと答え方
| 質問 | 見られていること | 答え方の軸 |
|---|---|---|
| なぜこの業界か | 理解の深さ | 継続的な契約の仕組みに触れる |
| 夜勤は可能か | 条件の合致 | 曖昧にしない |
| 前職で正確さが必要だった経験 | 適性 | 手順と記録で話す |
| 冷静に判断した経験 | 管制の適性 | 具体的な場面で話す |
| 希望する職種は | 認識の確認 | 現場か営業かを明確に |
「人の安全を守りたい」だけの志望動機は、この業界では最も多く聞かれます。
代わりに、「機械警備は契約が続くことで成り立つ事業なので、導入して終わりではなく、その後の対応が仕事の中心になる」という理解を示すと、他の応募者と差がつきます。
また、希望する職種は明確に伝えてください。曖昧にすると現場配属になる可能性があります。
9. よくある質問
未経験でも入れますか
入れます。法令に基づく教育の仕組みがあるため、未経験を受け入れる体制が整っています。
体力に自信がありません
職種によります。管制、法人営業、機器の設置、教育・管理は、現場の立ち仕事とは性質が違います。
夜勤は必ずありますか
現場職と管制ではあります。法人営業や設置・保守では、日勤中心の求人があります。
給与はどのくらいですか
職種と夜勤の回数によります。求人票の年収に夜勤手当が含まれているかを確認してください。
資格は先に取るべきですか
入社後の取得を前提とする求人が多くあります。ただし運転免許は、待機・対応の職種で応募段階から求められることがあります。
機械警備の営業はどんな仕事ですか
事業所や店舗を訪問し、どこにリスクがあるかを指摘して、警備の仕組みを提案する仕事です。他業界の法人営業と構造は同じです。
情報セキュリティとは違いますか
違います。この記事の警備は建物や人の物理的な安全、情報セキュリティは情報システムを守る領域です。後者はセキュリティエンジニアへの未経験転職|第二新卒が入れる領域と学習の順番を参照してください。
将来性はどうですか
人手不足を背景に、機械による監視への置き換えが進んでいます。そのため、機器やシステムに関わる職種の比重が上がる方向にあります。
10. まとめ:今週やる3つのこと
警備業界は、現場職だけを見ていると、事業の半分を見落とします。
今週やる3つのこと
① 求人を職種で分けて読む(現場/管制/営業/設置)
② 年収に夜勤手当が含まれているか確認する
③ 前職で「リスクを見つけて対策した」場面を書き出す
③はどんな職種でも見つかります。店舗の防犯、情報の管理、事故の予防。それが提案する側の材料になります。
この先、読むべき記事
- 警備員から転職する|職務経歴書に書ける5つのこと(出る側の視点)
- ビルメンテナンス・設備管理への転職|資格と夜勤の実際(近い領域の仕事)
- セキュリティエンジニアへの未経験転職|第二新卒が入れる領域と学習の順番(情報を守る領域)
- 求人票の年収の読み方|第二新卒が6項目に分解して比較する手順(手当の内訳の確認)
- 企業の将来性をどう見るか|公開情報から読む手順(企業の状態を調べる)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。