外資系は第二新卒に可能か|入口と求められる水準【2026年版】
「外資系は経験者しか採らない」と思われがちですが、第二新卒で入っている人はいます。
ただし、すべての外資系が同じではありません。日本法人の規模、事業の性質、職種によって、求められるものがまったく違います。
そして、最も誤解されているのが英語です。「外資系=英語が必須」ではありません。日本の顧客を相手にする職種では、日常業務で英語をほとんど使わないこともあります。
一方で、日系企業とは前提が違う部分もあります。そこを知らずに入ると、想定と違うことになります。
この記事では、入りやすい職種、英語の実際の水準、日系との違い、そして応募前に確認する項目を整理します。
1. 結論:確認するのは3つ
①その職種で、英語をどのくらい使うか。職種によって、ゼロから毎日まで幅があります。
②日本法人の位置づけ。日本市場向けの事業か、本社の一部門か。ここで働き方が変わります。
③評価と雇用の仕組み。成果の測り方、契約の形、異動の考え方が日系と違うことがあります。
「外資系」という一括りで考えないでください。企業ごとの差が、日系企業以上に大きい領域です。
2. 入りやすい職種・入りにくい職種
| 職種 | 第二新卒の入りやすさ | 英語の使用 |
|---|---|---|
| 国内営業 | 入りやすい | 少ないことが多い |
| カスタマーサポート | 入りやすい | 職場による |
| 内勤営業 | 入りやすい | 少ない |
| 事務・アシスタント | 中程度 | 社内文書で使うことがある |
| マーケティング | 中程度 | 本社とのやり取りで使う |
| 経理・人事 | 難しい | 本社への報告で使う |
| 本社直結の職種 | 難しい | 毎日使う |
最も入りやすいのは、日本の顧客を相手にする職種です。
国内営業やカスタマーサポートでは、日常業務が日本語で完結することがあります。この場合、英語の要件は緩やかになります。
逆に、本社とのやり取りが業務に含まれる職種は、英語が必須になります。
3. 英語の実際の水準
| 業務 | 必要な水準 |
|---|---|
| 社内システムの表示を読む | 単語が読める程度 |
| 本社からのメールを読む | 読解ができる |
| 本社にメールを書く | 定型的な文章が書ける |
| 会議に参加する | 聞いて理解できる |
| 会議で発言する | 話せる |
| 交渉する | 高い水準 |
第二新卒で入る職種では、上から2〜3番目までで足りることが多くあります。
求人票に英語の要件が書かれていない場合は、面接で確認してください。
「業務で英語を使う場面はありますか。ある場合、読み書きと会話のどちらが中心でしょうか」
この質問で、実態が分かります。
資格の点数は必要か
求人票に明記されている場合のみ、意味を持ちます。
書かれていない場合、点数より「業務で使えるか」が見られます。点数が高くても、会議で発言できなければ評価されません。
点数がない場合は、「読む力は業務で使える水準です」と、できることを具体的に説明してください。
4. 編集長の実体験:英語を使わなかった人
私の知人に、第二新卒で外資系のメーカーに入った人がいます。仮にNさんとします。
Nさんは、国内営業の職種で入社しました。
Nさん「英語は正直、得意ではなかったです。ただ、担当するのは日本のお客様なので、日常の業務では使いませんでした」
私「まったく使わないんですか」
Nさん「社内システムの表示が英語なのと、本社からのお知らせのメールが英語です。読むだけなので、翻訳を使えば足りました」
入社から2年経って、Nさんの状況は変わりました。
Nさん「本社の担当者と話す機会が出てきて、そこで初めて必要になりました」
私「困りませんでしたか」
Nさん「困りました。ただ、その頃には業務の内容が分かっていたので、伝えたいことは明確だったんです。あとは言い方だけでした」
Nさんは、業務に必要な範囲だけを学びました。
Nさん「日常会話の勉強じゃなくて、自分の業務の説明を英語でできるようにする形です。それなら1か月で形になりました」
入社前に完璧である必要はありませんでした。
一方、Nさんが入社前に確認しておけばよかったと言っているのは、別の点でした。
Nさん「評価の仕組みが日系と違うことは、入ってから知りました。半期ごとに目標を決めて、達成度で明確に差がつきます」
英語より、評価の仕組みのほうが影響が大きかったそうです。
また、応募の段階で英語の要件が書かれていない求人は、英語が必須でない可能性が高いと考えて構いません。必要な場合、企業は明記します。
5. 日系企業との違い
| 項目 | 日系企業 | 外資系(一般的な傾向) |
|---|---|---|
| 評価 | 総合的。行動も見られる | 目標の達成度が中心 |
| 異動 | 会社が決める | 自分で希望を出す |
| 教育 | 研修が組まれている | 自分で学ぶ前提のことが多い |
| 昇進 | 年次が影響することも | 成果とポジションの空き |
| 雇用の安定 | 比較的安定 | 事業の再編の影響を受けやすい |
| 意思決定 | 合意を積み上げる | 決裁者が決める |
これらは傾向であり、企業ごとに大きく異なります。「外資系だから全部そう」ではありません。
最も差が出やすいのは、教育です。研修が整っていない企業では、自分で学ぶ姿勢が前提になります。
第二新卒で入る場合、この点は面接で確認してください。
「入社後の教育や、立ち上がりの支援について教えてください」
事業の再編について
外資系では、本社の方針で日本法人の事業が変わることがあります。これは日系企業より起きやすい傾向があります。
不安に思う必要はありませんが、前提として知っておいてください。面接で「日本法人の事業の位置づけ」を聞くと、方向性が分かります。
なお、これらの違いは、企業の規模と日本での歴史によって薄れます。日本で長く事業をしている企業では、日系に近い運用をしていることも多くあります。
6. 選考の進み方
| 段階 | 特徴 |
|---|---|
| 書類選考 | 職務経歴書の内容が重視される |
| 一次面接 | 人事。基本的な確認 |
| 二次面接 | 配属先の責任者。実務の質問 |
| 最終面接 | 上位の責任者。本社の人が入ることも |
| 条件の提示 | 個別に決まる。交渉の余地がある |
日系企業と比べて、選考のスピードが速いことがあります。2〜3週間で完了することも珍しくありません。
また、条件が個別に決まる傾向があります。提示された条件が想定と違う場合、交渉の余地があることが多くあります。
面接では、実務の質問の比重が高くなります。「入社後に何をするか」を具体的に答えられるようにしてください。
「外資系」の中身を分ける
同じ「外資系」でも、日本での歴史と規模で性質が変わります。
| 型 | 特徴 |
|---|---|
| 日本で長く事業をしている | 日系に近い運用のことがある |
| 日本に進出して間もない | 少人数。裁量が大きい |
| 本社の一部門としての日本拠点 | 本社の方針が直接影響する |
| 日系企業が買収された | 元の文化が残っていることも |
1番目は、日系企業と大きく変わらない運用をしていることがあります。「外資系だから」という先入観で判断しないでください。
企業のサイトで、日本法人の設立年と従業員数を確認すると、どの型かが推測できます。
7. 応募前に確認する7項目
| 項目 | 質問 |
|---|---|
| 英語の使用 | 「業務で英語を使う場面と、読み書きか会話かを教えてください」 |
| 日本法人の位置づけ | 「日本市場向けの事業でしょうか」 |
| 教育の体制 | 「入社後の立ち上がりの支援はありますか」 |
| 評価の仕組み | 「評価は何をもとに決まりますか」 |
| チームの構成 | 「配属先は何名体制ですか。日本人の比率は」 |
| 上司の所在 | 「直属の上司は日本にいますか」 |
| 雇用の形 | 「雇用形態と、契約期間の定めの有無を教えてください」 |
6番目が意外と重要です。上司が海外にいる場合、日常のやり取りが英語になり、時差の影響も受けます。
7番目も確認してください。外資系では有期契約の形があることもあります。労働条件通知書で必ず確認してください。
面接で見られること
第二新卒の外資系の選考では、次が見られます。
| 項目 | 見られ方 |
|---|---|
| 自分で考えて動けるか | 指示待ちでないか |
| 成果を数字で語れるか | 実績の説明のしかた |
| 変化に対応できるか | 前職での変化への対応 |
| 自分の意見を言えるか | 面接での受け答え |
4番目は、面接の場そのもので見られています。質問に対して、自分の考えを述べられるかどうかが判断材料になります。
「わかりません」で止めず、「現時点ではこう考えています」と答えてください。
8. 進め方と時間配分
| 段階 | 時間 | やること |
|---|---|---|
| 求人の選定 | 90分 | 国内向けの職種を中心に10件 |
| 企業の確認 | 60分 | 日本法人の事業内容を調べる |
| 質問の準備 | 20分 | 7項目から4つを選ぶ |
| 職務経歴書 | 3時間 | 実績を数字で書く |
| 面接準備 | 2時間 | 入社後にやることを具体的に |
職務経歴書は、日系企業向けより数字を多く入れてください。成果を数字で示す文化が強い傾向があります。
英語での職務経歴書を求められることがあります。その場合は、日本語版を作ってから翻訳する形で構いません。
9. よくある質問
第二新卒で外資系に入れますか
入れます。特に、日本の顧客を相手にする職種では、未経験や若手の採用があります。ただし、企業ごとの差が大きい領域です。
英語ができないと無理ですか
職種によります。国内営業やカスタマーサポートでは、日常業務が日本語で完結することがあります。面接で使用の場面を確認してください。
資格の点数は必要ですか
求人票に明記されている場合のみ意味を持ちます。書かれていない場合は、業務で使える水準かどうかが見られます。
日系企業と何が一番違いますか
評価の仕組みです。目標の達成度で明確に差がつく傾向があります。面接で「評価は何をもとに決まりますか」と確認してください。
雇用は不安定ですか
事業の再編の影響を受けやすい傾向はあります。ただし、企業と事業の性質によります。日本法人の位置づけを面接で確認してください。
教育制度はありますか
企業によって大きく異なります。研修が整っている企業もあれば、自分で学ぶ前提の企業もあります。第二新卒で入る場合は、必ず確認してください。
選考は日系より難しいですか
実務の質問の比重が高くなります。「入社後に何をするか」を具体的に答えられるかが、より重視されます。
職務経歴書は英語で必要ですか
求められる場合があります。日本語版を作ってから翻訳する形で構いません。応募の段階で確認してください。
10. まとめ:今週やる3つのこと
外資系は、「英語が必須」でも「経験者しか採らない」でもありません。企業と職種による差が、日系以上に大きい領域です。
1. 国内向けの職種を中心に、求人を10件見る。国内営業、カスタマーサポート、内勤営業。日本の顧客を相手にする職種が、入口として広くなります。
2. 面接で4つ聞く。「英語を使う場面」「日本法人の位置づけ」「教育の体制」「評価の仕組み」。この4つで、入社後が見えます。
3. 職務経歴書に数字を多く入れる。成果を数字で示す文化が強い傾向があります。日系向けの書類より、数字の量を増やしてください。
英語より、評価の仕組みと教育の体制を先に確認してください。
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- 英語を使う仕事の選び方|第二新卒が入れる職種と必要な水準(英語の水準)
- ベンチャーと大企業の選び方|第二新卒が7つの軸で比べる判断表(企業の規模で選ぶ)
- 評価と昇給の仕組みを読む|求人票と面接で確かめる(評価制度の確認)
- 労働条件通知書の読み方|入社前に見る11項目(雇用条件の確認)
- 企業研究のやり方|第二新卒が30分で終わらせる5つの情報源(企業の調べ方)
- 英文レジュメの書き方|第二新卒が日本語の書類との違いを押さえる5点(英文レジュメの書き方)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。