EC担当の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと数字の示し方【2026年版】
〜「ネットショッピングが好き」は、EC担当の志望動機として最も弱い書き出しです〜
EC担当は、第二新卒に人気の高い職種です。伸びている領域である、数字で成果が見える、Webのスキルが身につく。そして、未経験可の求人が一定数あります。
ただし、志望動機でつまずく人が非常に多い職種でもあります。理由は、多くの応募者が「消費者としての視点」で志望動機を書いてしまうためです。
「よくネットで買い物をするので」「使いやすいサイトに興味があります」。これは、EC担当の実務とほとんど接続しません。
EC担当の実務は、商品ページの作成、在庫と価格の管理、受注処理、広告の運用、そして数字の確認と改善です。地道な作業と数字の管理が大半を占めます。
この記事では、その理解を示す志望動機の書き方を、例文5本つきで整理します。
1. 結論:EC担当の志望動機は3ブロック
ブロック①:前職で「数字を見て、何かを変えて、結果を確認した経験」
これが最も重要な材料です。ECの仕事は、数字を見て改善を繰り返すことの連続です。前職が販売でも事務でも、この経験があれば書けます。
ブロック②:商品・顧客への理解
ECは、商品を売る仕事です。前職で商品や顧客に接していた経験があると、そのまま強みになります。「なぜこの商品が売れたのか/売れなかったのか」を考えた経験を書いてください。
ブロック③:なぜこの会社のECか
自社EC・モール運営・EC支援会社では、仕事の中身が違います。求人票がどれを指しているかを判別してから書いてください。
2. ECの3つの形と、業務の中身
| 形 | 何をするか | 未経験の入りやすさ |
|---|---|---|
| 事業会社の自社EC | 自社サイトの運営全般 | ○ |
| モール運営(大手ECモール内) | モール内の店舗運営 | ◎ |
| EC支援会社・代行 | クライアントのEC運営を代行 | ◎ |
EC担当の実際の業務
| 業務 | 具体的に |
|---|---|
| 商品ページの作成 | 商品情報の入力、写真の選定、説明文の作成 |
| 在庫・価格の管理 | 在庫数の更新、価格の設定、セールの設定 |
| 受注・出荷の管理 | 注文の確認、出荷指示、配送の追跡 |
| 顧客対応 | 問い合わせ、返品・交換の対応 |
| 販促の企画・実行 | セール、クーポン、メール配信 |
| 広告の運用 | モール内広告、検索連動型広告 |
| 数字の確認と改善 | アクセス数、転換率、客単価の分析 |
この中で、時間の多くを占めるのは「商品ページの作成」と「受注・在庫の管理」です。
華やかなイメージを持って入社すると、地道な入力作業の多さに驚くことがあります。この点を理解していることを志望動機で示せると、それだけで差がつきます。
3. 編集長の実体験:EC担当の方から聞いた話
前職の広告営業時代、通販事業を持つクライアントのEC担当者と、何度も打ち合わせをしました。その方は、アパレル販売から転職してEC担当になった方でした。
私「ECの仕事って、どんな1日なんですか」
EC担当の方「朝、昨日の売上と、アクセス数と、転換率を見ます。ここまでで15分。それから、商品ページの登録とか、問い合わせの対応とか。正直、地味です」
私「イメージと違いますね」
「みんなそう言います。『ECって、企画を考えて売る仕事』だと思って来る人が多いんですけど、実際は入力と確認が8割」
ただ、この方はこうも言っていました。
EC担当の方「でも、面白いのは数字がすぐ返ってくることです。店舗にいたときは、なぜ売れたのか売れなかったのか、感覚でしか分からなかった。
ECだと、商品ページの写真を変えたら、翌日には転換率が動く。この前、1枚目の写真を『商品単体』から『使っている場面』に変えたら、転換率が1.8%から2.6%になった。こういうのが分かるのが楽しい」
この話が、EC担当の志望動機で語るべき内容そのものです。
「地道な作業が大半であること」を理解していること。そして「数字を見て、変えて、確認する」ことに関心があること。
この2つが書かれた志望動機は、「ネットショッピングが好き」から始まる志望動機とは、まったく違って読まれます。
4. 前職の経験を、ECの言葉に翻訳する
| 前職での経験 | EC業務への翻訳 |
|---|---|
| 店舗での販売・接客 | 顧客の購買行動の理解、商品説明の作成 |
| 売り場作り・陳列 | 商品ページの構成、カテゴリの設計 |
| POPの作成 | 商品説明文、バナーの企画 |
| 在庫管理・発注 | 在庫管理、欠品・過剰在庫の防止 |
| 売上の日次管理 | 数字の確認と分析 |
| SNS運用 | 集客施策、コンテンツの企画 |
| 電話・メール対応 | 顧客対応、問い合わせ処理 |
| 事務処理(受注・請求) | 受注処理、出荷管理 |
| データの集計 | アクセス解析、施策の効果測定 |
特に、店舗での販売経験はECと親和性が高いです。
「なぜこの商品が売れたのか」を店頭で考えていた経験は、ECで商品ページを作るときにそのまま活きます。店頭では接客で補える説明を、ECでは文章と写真だけで伝える必要がある——この違いを理解していると、志望動機に深みが出ます。
5. 例文5パターン
例文①:アパレル販売 → 自社EC担当
アパレル店舗で3年間、販売と売り場運営を担当しました。1日平均で約70名を接客し、担当時間帯の売上管理も行っていました。
接客のなかで、お客様が最初に手に取る商品と、実際に購入される商品が違うことが多いと感じていました。記録を1ヶ月つけたところ、購入に至った方の多くが「着用したときのシルエット」を確認してから決めていることが分かりました。そこで、マネキンの配置を変えて着用イメージが先に目に入るようにしたところ、担当時間帯の試着率が約1.4倍になり、客単価が3,200円から3,800円に上がりました。
この経験から、購入の判断がどこで起きているのかを数字で確認することに関心を持ちました。ECは、その過程がアクセス解析で直接見える点で、店頭よりも改善の精度を上げられる場所だと考えています。
貴社は自社ECを主要な販売チャネルとされていると伺っています。店頭では接客で補える説明を、写真と文章だけで伝える必要があるという違いを理解したうえで、商品ページの改善に取り組みたいと考えています。
例文②:営業事務 → モール運営(EC支援会社)
前職では商社の営業部で、営業事務として2年間勤務しました。受注処理、在庫の確認、出荷手配が主な担当業務で、月あたり約180件の受注を処理していました。
業務のなかで、欠品による出荷遅延が月に10件程度発生していました。過去半年の欠品を品目別に集計したところ、上位20品目で全体の7割を占めていることが分かりました。この20品目について発注のタイミングを見直し、在庫の下限値を設定したところ、欠品による遅延は月2〜3件まで減りました。
この経験から、受注と在庫の管理を、数字をもとに設計することに手応えを感じました。ECの店舗運営は、在庫・価格・受注の管理が業務の中心と伺っており、前職で日常的に扱ってきた領域と重なります。
貴社はクライアントのモール店舗の運営を代行されていると伺っています。複数店舗の在庫と受注を並行して管理する形になると理解しており、前職での処理量の経験が活かせると考えています。
例文③:飲食店 → EC担当(食品系)
飲食チェーンの店舗で2年半、ホール業務と店舗運営を担当しました。アルバイト12名のシフト管理と、週2回の食材発注が主な業務です。
担当していた店舗では、季節限定メニューの売れ行きに毎回ばらつきがありました。過去2年の限定メニューの販売実績を集計し、告知の方法(店頭POP、SNS、店内放送)と売上の関係を確認したところ、SNSで事前告知した商品は初週の販売数が明らかに多いことが分かりました。以降、限定メニューの開始1週間前にSNSで告知する運用に変更し、初週の販売数が平均で約1.3倍になりました。
この経験から、告知の方法によって売れ行きが変わることに関心を持ち、その効果が数字で直接見えるECの領域に移りたいと考えるようになりました。
貴社は食品のEC販売を手がけられていると伺っています。飲食の現場で商品と顧客に接してきた経験を、商品ページの作成と販促の企画で活かしたいと考えています。
例文④:Web関連の事務 → EC担当(数字重視)
前職では通販会社のカスタマーサポートとして2年間勤務しました。1日約60件の問い合わせ対応と、返品・交換の処理を担当しています。
業務のなかで、問い合わせの内容を3ヶ月分記録して分類しました。その結果、「サイズが思っていたものと違った」という内容が全体の約3割を占めており、それが返品の最大の理由でもあることが分かりました。この結果を運営チームに共有し、商品ページに実寸表と着用者の身長の記載を追加する提案を行ったところ、該当カテゴリの返品率が約12%から8%程度に下がりました。
この経験から、顧客の困りごとを商品ページの改善につなげる仕事に関心を持ちました。
貴社のEC運営では、商品ページの改善と数字の分析が業務に含まれると伺っています。サポートとして顧客の声を直接聞いてきた経験は、どこを改善すべきかの判断に活かせると考えています。
例文⑤:EC担当(経験1年)→ EC担当(規模拡大)
前職では雑貨メーカーのEC部門で1年間、自社サイトとモール2店舗の運営を担当しました。商品登録、在庫管理、受注処理、メール配信が主な業務です。取扱商品は約400点です。
担当していたモール店舗で、アクセス数はあるものの転換率が低い商品群がありました。上位20商品のページを確認したところ、1枚目の写真が商品単体の白背景で統一されていました。使用場面の写真を1枚目に変更する対応を50商品で行い、変更前後の4週間で比較したところ、対象商品の転換率が平均で約1.4倍になりました。
現職では取扱商品数と担当範囲が限られており、広告の運用や販促の企画に関わる機会がありません。
貴社では商品数が1万点を超え、広告運用まで担当範囲に含まれると伺っています。商品ページの改善で得た知見を、より大きな規模と広い範囲で試したいと考えています。
6. 落ちる志望動機の型5つ
| 型 | 具体例 | なぜ落ちるか |
|---|---|---|
| 消費者視点型 | 「ネットショッピングが好きで」 | 買うことと売ることは別 |
| 成長市場型 | 「EC市場が伸びているので」 | 誰でも言える。自分との接続がない |
| Web憧れ型 | 「Webの仕事に興味があります」 | ECの実務を調べていない |
| 数字なし型 | 数字を扱った経験が一切ない | 改善の適性が測れない |
| 企画志向だけ型 | 「販促の企画をやりたい」 | 実務の8割は入力と管理 |
1番目が圧倒的に多い失敗です。「よく買い物をするので」という書き出しは、応募者の大半が使います。
買う側の経験は、売る側の業務とほとんど接続しません。使うのではなく、「なぜ買ったのか/買わなかったのか」を分析した経験があれば、それは書けます。
7. 面接で追撃される3つの質問
Q1.「ECの仕事は地道な作業が多いですが、大丈夫ですか」
この質問が来る時点で、面接官は実務理解を測っています。
答え方の例
「商品登録や受注処理が業務の大半を占めると理解しています。前職でも月180件の受注処理を担当しており、繰り返しの作業自体に抵抗はありません。そのうえで、作業のなかから改善点を見つけることに関心があります。」
Q2.「転換率が下がったら、何を確認しますか」
数字の見方を測る質問です。専門知識は不要ですが、「切り分けて考える」姿勢が見られます。
答え方の例
「まず、全商品で下がっているのか、特定の商品群だけかを確認します。全体なら流入元の変化、特定の商品群なら価格や在庫、ページの変更の有無を確認したいと考えます。」
Q3.「弊社のサイトを見て、気づいたことはありますか」
EC担当の面接では、ほぼ確実に聞かれます。批判ではなく、「◯◯の点が工夫されていると感じました」+「△△について、どのような意図があるか伺いたいです」という形で答えてください。事前に必ずサイトを見て、3点メモしておいてください。
8. 準備しておくこと
| 準備 | 期間 | 効果 |
|---|---|---|
| 応募先のECサイトを見る | 1時間 | 面接での質問に直結。必須 |
| 基本的な指標の理解 | 3時間 | セッション、転換率、客単価、カート放棄率 |
| 商品ページを1つ書いてみる | 2時間 | 何でもよい。写真と説明文の構成を考える |
| 個人でネット販売を試す | 1〜2週間 | フリマアプリでも可。出品から発送までを体験 |
| 表計算スキル | 1週間 | 実務で毎日使う |
4番目は、意外なほど効きます。フリマアプリやハンドメイド販売で構いません。「実際に出品して、写真と説明文を変えたら閲覧数が変わった」という経験があると、面接で具体的に話せます。
1番目は必須です。応募先のサイトを見ていない応募者は、EC担当の面接で高い評価を得られません。
9. よくある質問
未経験からEC担当になれますか?
なれます。特にEC支援会社やモール運営の代行会社では、未経験可の求人が一定数あります。「数字を見て改善した経験」と「商品・顧客に接した経験」があると、明確に有利です。
どんな前職が有利ですか?
小売・アパレルの販売職、通販会社のカスタマーサポート、営業事務が有利です。いずれも、商品と顧客に近い場所で、数字を扱ってきた経験があるためです。また、SNS運用の経験も評価されます。
「ネットショッピングが好き」は書いてはいけませんか?
書き出しに使うのは避けてください。ただし、「よく買い物をするなかで、なぜこの商品ページで買う気になったのかを考えるようになった」という形なら、分析の視点として成立します。「好き」で終わらせず、分析の話に接続してください。
資格は必要ですか?
必須の資格はありません。強いて挙げれば、Webマーケティングやアクセス解析の関連資格がありますが、実務では成果物と数字の経験のほうが重視されます。資格に時間を使うより、応募先のサイトを見て気づいたことを3つ用意するほうが、面接では効きます。
ECと Webマーケティングは違いますか?
重なりますが、範囲が違います。ECは商品の販売そのもの(ページ作成、在庫、受注、顧客対応)を含み、Webマーケティングは集客と流入の設計が中心です。EC担当は集客も担当することが多いため、Webマーケティングの領域を含むと考えてください。
年収はどのくらいですか?
未経験入社時で300〜400万円が目安です。経験3年で400〜550万円、EC責任者クラスで550〜750万円程度。広告運用や事業全体の数字まで担当できると、伸び幅が大きくなります。企業規模と業界で変動します。
自社ECとモール運営、どちらがいいですか?
未経験ならモール運営が入りやすいです。運用のルールが決まっているため、業務の型を覚えやすいためです。自社ECは、サイトの設計から集客まで範囲が広く、経験者採用が中心になります。モールで2〜3年経験を積んでから自社ECへ移るルートが一般的です。
残業は多いですか?
セール期や繁忙期に集中しやすい傾向があります。特に大型のセールイベント前後は業務量が増えます。面接で「繁忙期はいつか」と「直近3ヶ月の平均残業時間」を必ず確認してください。
10. まとめ:今夜やる3つのこと
EC担当の志望動機は、「買う側」から「売る側」の視点に切り替えた瞬間に強くなります。
今夜やること
① 前職で「数字を見て、何かを変えて、結果を確認した経験」を1つ書き出す(売上でも問い合わせ件数でも構いません)
② 前職で「なぜこの商品が売れたのか/売れなかったのかを考えた経験」を1つ書き出す
③ 応募先のECサイトを開き、気づいたことを3つメモする(写真の使い方、説明文の構成、カテゴリの並び)
③は、面接で必ず聞かれます。「弊社のサイトを見て、気づいたことはありますか」——この質問に具体的に答えられる応募者は、ほとんどいません。30分の準備で、明確に差がつきます。
この先、読むべき記事
- Webマーケターへの未経験転職|第二新卒の入口と最初の3ヶ月(集客側を狙うなら)
- Webディレクターの志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方(制作進行を狙うなら)
- 販売職の自己PR|第二新卒の書類が通る例文6パターンと数字の出し方(販売職からの応募なら)
- 第二新卒が狙える職種一覧|未経験からの入りやすさと3年後で選ぶ全体地図(他の職種も見るなら)
- EC担当の面接|第二新卒が聞かれる想定問答12と準備すべきこと(面接の想定問答)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。