EC担当の面接|第二新卒が聞かれる想定問答12と準備すべきこと【2026年版】
〜EC担当の面接では、「弊社のサイトを見て、気づいたことはありますか」が必ず来ます〜
EC担当の面接には、他の職種にない特徴があります。応募先の「商品そのもの」を、誰でも見られることです。
自社ECでもモール店舗でも、サイトは公開されています。つまり、応募者は事前に商品ページを見て、改善点を考えることができます。
そして、面接官はそれを知っています。だから、必ずこう聞きます。
「弊社のサイトはご覧になりましたか。気づいたことはありますか」
ここで具体的に答えられるかどうかで、面接の流れが決まります。
この記事では、段階別の想定問答12と、事前準備の方法を整理します。
1. 結論:EC担当の面接は3つの軸で採点されている
軸①:サイトを見てきたか
最も分かりやすい判別点です。見てきた応募者と見ていない応募者では、答えの具体性がまったく違います。30分の準備で、明確に差がつきます。
軸②:数字で考えられるか
ECは数字が全部見える領域です。アクセス数、転換率、客単価、返品率。「感覚」ではなく「数字を見て判断する」姿勢があるかが問われます。
軸③:地道な作業を理解しているか
実務の8割は、商品登録・在庫更新・受注処理・問い合わせ対応です。「企画を考える仕事」というイメージで入ると、ギャップが生じます。この理解を示せるかが見られます。
2. 一次面接(人事・EC担当)で聞かれる5問
2-1. Q1「自己紹介をお願いします」
1分。「数字を見て何かを変えた経験」を入れてください。
回答例
「◯◯と申します。前職ではアパレル店舗で3年間、販売と売り場運営を担当しておりました。1日平均70名を接客し、担当時間帯の売上管理も行っています。接客記録を1ヶ月つけたところ、購入に至った方の多くが着用したときのシルエットを確認してから決めていることが分かり、マネキンの配置を変えて着用イメージが先に目に入るようにしました。結果として、担当時間帯の試着率が約1.4倍、客単価が3,200円から3,800円に上がりました。購入の判断がどこで起きているかを数字で確認する仕事に関心を持ち、EC担当を志望しております。」
2-2. Q2「なぜEC担当を志望するのですか」
「ネットショッピングが好きだから」は避けてください。
回答例
「店頭では、なぜ売れたのか売れなかったのかを感覚でしか判断できませんでした。ECは、アクセス数・転換率・離脱の箇所まで数字で見えると理解しています。
店頭で接客によって補っていた説明を、写真と文章だけで伝える必要があるという点も、取り組みたい部分です。何を伝えれば購入に至るかを、数字で検証しながら詰められる環境に移りたいと考えています。」
2-3. Q3「弊社のサイトを見て、気づいたことはありますか」
EC担当の面接で最頻出であり、最も差がつく質問です。
回答例
「拝見しました。3点ございます。
1つ目は、商品ページの1枚目の写真が、商品単体の白背景で統一されている点です。統一感がある一方、使用場面が想像しにくい商品もあると感じました。
2つ目は、カテゴリの分け方が用途別ではなく商品種別になっている点です。お客様が『何に使うか』から探す場合、たどり着きにくい可能性があると感じました。
3つ目は、レビューが多く掲載されている点です。これは購入の後押しとして機能していると感じました。
ただ、いずれも運営上の意図があってのことかと思いますので、その背景を伺えればと考えております。」
ポイントは3つです。
- 3点挙げる(1点だけだと薄い)
- 良い点も入れる(批判だけだと印象が悪い)
- 「意図があるかもしれない」と添える(決めつけない)
2-4. Q4「ECの経験や知識はありますか」
回答例
「実務経験はありません。準備として、フリマアプリで実際に出品を行い、写真と説明文を変えた際に閲覧数がどう変わるかを試しました。1枚目の写真を商品単体から使用場面に変えたところ、閲覧数が明らかに増えました。
また、基本的な指標(セッション、転換率、客単価、カート放棄率)の意味については学習しております。」
「フリマアプリで試した」という経験は、意外なほど効きます。実際に出品して数字を見た経験がある応募者は、多くありません。
2-5. Q5「なぜ弊社ですか」
回答例
「御社は◯◯(商品カテゴリ)を扱われており、前職でも同じ領域のお客様に接していたため、商品と顧客層について理解できる部分があると考えました。
また、御社は自社ECとモール店舗の両方を運営されていると理解しています。両方の運用を経験できる環境は、EC全体の設計を学ぶうえで有利だと考えました。」
3. 二次面接(EC責任者)で聞かれる4問
3-1. Q6「転換率が下がったら、何を確認しますか」
数字の見方を測る質問です。専門知識は不要ですが、切り分けの発想が問われます。
回答例
「まず、全商品で下がっているのか、特定の商品群だけかを確認します。範囲によって原因が変わるためです。
全体で下がっている場合は、流入元の変化を疑います。広告の配信が止まっていないか、検索からの流入が減っていないか。
特定の商品群だけなら、その商品で何か変わったことがないかを確認します。価格、在庫の状況、ページの変更、競合の値下げ。
いきなり全部を見るのではなく、範囲を絞ってから原因を探す順序で進めたいと考えています。」
3-2. Q7「商品ページを改善するとしたら、どこから手をつけますか」
回答例
「アクセス数が多いのに転換率が低い商品から手をつけます。アクセスが少ない商品を改善しても、影響する母数が小さいためです。
改善の順番としては、まず1枚目の写真です。最も目に入る要素で、変更のコストも比較的低いためです。次に、商品説明のうち最初の数行。それから、レビューや実寸などの購入判断に必要な情報が揃っているかを確認します。
変更後は必ず数字を見て、効果があったかを確認したいと考えています。」
3-3. Q8「地道な作業が多いですが、大丈夫ですか」
回答例
「商品登録、在庫の更新、受注処理が業務の大半を占めると理解しています。前職でも、日次の売上記録と発注業務を毎日行っており、繰り返しの作業自体に抵抗はありません。
そのうえで、作業のなかから改善点を見つけることに関心があります。前職でも、記録を続けたことで気づいた点を売り場の変更につなげていました。」
3-4. Q9「在庫を切らしてしまったら、どうしますか」
回答例
「まず、サイト上の表示を確認します。在庫がないのに購入できる状態になっていると、お客様に迷惑をかけるためです。
次に、入荷の見込みを確認し、再入荷の予定が立つなら予約受付や入荷通知の設定を検討します。見込みが立たない場合は、販売を停止します。
そのうえで、なぜ切らしたのかを確認します。発注のタイミングが遅かったのか、想定以上に売れたのか。前職でも、欠品の原因を記録して発注量の目安表を作成した経験があります。」
4. 最終面接(役員・EC責任者)で聞かれる3問
4-1. Q10「3年後、どうなっていたいですか」
回答例
「まず1年で、商品登録から受注処理まで一連の運用を単独で回せる状態を目指します。3年後には、広告の運用と販促の企画まで担当し、売上に対して数字で責任を持てる状態になりたいと考えています。」
4-2. Q11「ECの市場について、どう考えていますか」
回答例
「市場としては拡大が続いている一方、参入も増えており、単に出店するだけでは売れない状況だと理解しています。
その状況では、商品ページの作り込みと、リピートの設計が重要になると考えています。新規獲得のコストが上がるほど、既存のお客様に繰り返し買っていただくことの価値が上がるためです。」
4-3. Q12「他社の選考状況を教えてください」
正直に、社数と段階を答えてください。
5. 面接前日の準備(90分)
| 時間 | やること |
|---|---|
| 40分 | 応募先のECサイトを見て、気づいたことを3つメモ |
| 15分 | 基本指標の意味を確認(セッション、転換率、客単価、カート放棄率) |
| 20分 | 前職での「数字を見て何かを変えた経験」を整理 |
| 10分 | 「サイトを見て気づいたこと」を声に出して言う |
| 5分 | 逆質問を3つ用意 |
サイトを見るときの観点
| 観点 | 見るポイント |
|---|---|
| 1枚目の写真 | 商品単体か、使用場面か |
| 商品説明 | 最初の数行で何を伝えているか |
| カテゴリの分け方 | 商品種別か、用途別か |
| 購入判断の材料 | 実寸、レビュー、Q&A があるか |
| 送料・返品の表示 | 分かりやすい位置にあるか |
| スマートフォンでの見え方 | PCと同じように見やすいか |
| 検索機能 | 絞り込みの条件は適切か |
スマートフォンで必ず確認してください。ECの閲覧はスマートフォンが中心のため、そこでの見え方が重要です。
6. 落ちる回答の型5つ
| 型 | 具体例 | なぜ落ちるか |
|---|---|---|
| サイト未確認型 | 「まだ拝見しておりません」 | 志望度が低いと判断される |
| 消費者視点型 | 「よく買い物をするので」 | 買うことと売ることは別 |
| 批判だけ型 | 改善点を並べるだけ | 意図を考えていない |
| 数字なし型 | 数字を扱った経験がない | 改善の適性が測れない |
| 企画志向だけ型 | 「販促の企画をやりたい」 | 実務の8割は登録と管理 |
1番目は、EC担当の面接では致命的です。
サイトは誰でも見られるため、「見ていない」=「準備していない」と直結します。他の職種より、この判別が明確に働きます。
3番目についても補足します。改善点を並べるだけだと、運営側の事情を考えていない印象になります。「意図があってのことかと思いますが」を必ず添えてください。
7. 未経験でも使える「ECに近い経験」
| 前職の経験 | EC業務への翻訳 |
|---|---|
| 店舗での販売・接客 | 顧客の購買行動の理解 |
| 売り場作り・陳列 | 商品ページの構成、カテゴリ設計 |
| POPの作成 | 商品説明文、バナーの企画 |
| 在庫管理・発注 | 在庫管理、欠品の防止 |
| 売上の日次管理 | 数字の確認と分析 |
| SNS運用 | 集客施策、コンテンツの企画 |
| 受注処理・請求 | 受注管理、出荷手配 |
| カスタマーサポート | 問い合わせ対応、返品対応 |
販売職の経験が最も翻訳しやすい領域です。
「店頭では接客で補える説明を、写真と文章だけで伝える必要がある」という違いを理解していると示せると、実務理解が伝わります。
8. 面接の場での振る舞いで見られていること
| 項目 | 見られている点 |
|---|---|
| サイトへの言及 | 具体的なページや要素に触れるか |
| 数字での説明 | 「だいたい」ではなく数字で語るか |
| 切り分けの発想 | 範囲を絞ってから原因を探すか |
| 断定を避けるか | 「意図があるかもしれない」と添えるか |
| 地道な作業への理解 | 実務のイメージを持っているか |
「断定を避けるか」が、意外に見られています。
外から見て改善点に見えることでも、内部には理由がある場合があります。「なぜこうなっているのか」を確認する姿勢を示すと、入社後に現場と衝突しない人だと判断されます。
9. よくある質問
サイトは必ず見ておくべきですか?
必ず見てください。EC担当の面接では、ほぼ確実に聞かれます。見ていないと、その時点で志望度が低いと判断されます。40分の準備で明確に差がつく、最も効率の良い対策です。
改善点を指摘して、失礼になりませんか?
なりません。ただし、伝え方が重要です。良い点も1つ入れ、「意図があってのことかと思いますが」と添えてください。批判ではなく、観察として伝える形にします。
数字が苦手ですが、大丈夫ですか?
高度な統計知識は不要ですが、数字を毎日見ることに抵抗があると厳しいです。必要なのは、四則演算と割合の理解、そして「数字が動いた理由を考える」習慣です。前職で数字を扱った経験を、1つ用意してください。
フリマアプリでの出品経験は、書いてもいいですか?
書いてください。実際に出品して、写真や説明文を変えた結果を数字で見た経験は、この職種では有効な材料です。「1枚目の写真を変えたら閲覧数が◯倍になった」という具体性があると、なお効きます。
自社ECとモール運営、面接の内容は違いますか?
やや違います。自社ECは集客とサイト全体の設計まで問われ、モール運営はモール内での見せ方と運用ルールの理解が問われます。応募先がどちらかを判別してから準備してください。
「企画をやりたい」と言ってはいけませんか?
それだけだと不十分です。実務の大半は商品登録・在庫更新・受注処理です。「地道な作業が中心だと理解したうえで、その中から改善点を見つけたい」という順序で答えてください。
残業は多いですか?
セール期と繁忙期に集中しやすい傾向があります。特に大型のセールイベントの前後は業務量が増えます。面接で「繁忙期はいつか」と「直近3ヶ月の平均残業時間」を確認してください。
逆質問は何を聞けばいいですか?
運用体制について聞いてください。「取扱商品数は何点くらいでしょうか」「商品登録から発送までは、何名で担当されていますか」「広告の運用は社内でされていますか、外部に委託されていますか」。最後の質問は、担当範囲を把握するのに有効です。
10. まとめ:前日にやる3つのこと
EC担当の面接は、サイトを見てきたかどうかで、ほぼ勝負が決まります。
今夜やること
① 応募先のECサイトをスマートフォンで開き、気づいたことを3つメモする(良い点も1つ入れる)
② 基本指標の意味を確認する(セッション、転換率、客単価、カート放棄率)
③ 前職で「数字を見て何かを変えた経験」を3分で話せる形にする
①が、この職種の面接で最も効きます。「弊社のサイトを見て、気づいたことはありますか」——この質問に、3点を具体的に答えられる応募者は、ほとんどいません。40分の準備で明確に差がつきます。
この先、読むべき記事
- EC担当の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと数字の示し方(志望動機の書き方)
- Webマーケターへの未経験転職|第二新卒の入口と最初の3ヶ月(集客側を狙うなら)
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。