同期が辞めていく焦り|第二新卒が比べる相手を間違えないために【2026年版】
同期の3人目が辞めると、多くの人が落ち着かなくなります。1人目は「そういう人もいる」で済み、2人目で「あれ」と思い、3人目で「自分だけ残っているのでは」に変わる。この順番は驚くほど共通しています。
ただ、その焦りが転職すべきサインなのか、単に周囲の動きに反応しているだけなのかは、区別がつかないまま膨らみます。区別できないまま動くと、動機が「取り残されたくない」だけになり、次の会社でも同じことが起きます。
この記事では、焦りを3つに分解して、それぞれに対する具体的な対応を書きます。
1. 結論:焦りは3種類に分かれる
種類1、比較の焦り。同期の転職先が良さそうに見える。年収が上がったと聞いた。ここから来る焦りです。これは情報が断片的なことが原因で、動く理由にはなりません。
種類2、環境の焦り。人が減って業務量が増える。相談できる相手がいなくなる。これは実際に環境が変わっているので、対応が必要です。ただし対応は転職だけではありません。
種類3、機会の焦り。第二新卒として動ける期間が限られているのではないか。これは事実に基づく部分があるので、期限を意識した判断が要ります。
この3つのうち、どれが自分に効いているかを分けるだけで、次の一手が変わります。1なら動かない、2なら社内で交渉、3なら準備を始める。混ざったまま考えるから、結論が出ません。
2. 3種類の焦りへの対応を表で整理する
| 焦りの種類 | 出てくる言葉 | 実際にやること |
|---|---|---|
| 比較の焦り | 「同期はもっと稼いでる」「良い会社に行った」 | 情報の欠けている部分を埋める。動かない |
| 環境の焦り | 「業務量が倍になった」「教える人がいない」 | 上司に業務量の再配分を相談 |
| 機会の焦り | 「第二新卒でいられるのはあと何年か」 | 期限を決めて準備を始める |
一番多いのは1つめで、一番動くべきなのは2つめと3つめです。ところが実際の相談では、1つめの言葉で語られることが多い。「同期がいい会社に行った」の下に、「自分の業務量が限界」が隠れていることがあります。
見分け方は簡単です。同期の話を一切しないで、自分の状況だけを3分説明してみる。それでも不満が出てくるなら、2か3です。同期の話を抜くと不満が出てこないなら、1です。
3. 編集長の実体験:同期の転職先は3か月後に変わっていた
私が2年目のとき、同期の1人が誰もが知る大手に転職しました。当時、社内では羨望の的でした。
私「どう、新しいところ」
同期「正直、思ってたのと違う。配属が希望と違ってて」
私「聞いてなかったの」
同期「配属先未定で内定もらってて、そこは詰めなかった。給料は上がったんだけど、やってることは前より狭い」
そのとき私が羨ましがっていたのは、「大手に行った」という一行だけの情報でした。配属も、業務内容も、その人が何と引き換えにそれを選んだのかも、何も知らずに比べていた。
転職の話は、良い部分だけが先に伝わります。年収が上がった話は本人も言いやすい。配属が希望と違う話は、半年経たないと出てきません。
比べるなら、同じ粒度の情報で比べる。できないなら、比べない。これが第2章の「1つめは動かない」の理由です。
4. 環境の焦りへの対応(社内でやれること)
人が減って業務量が増えた場合、転職の前にやれることがあります。
手順1、増えた業務を書き出す。誰の分を、いつから、どれくらい引き受けたか。「なんとなく忙しい」を数字にします。
| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 引き継いだ業務 | 「〇〇さんの担当顧客15社」 |
| 時期 | 「6月から」 |
| 増えた工数 | 「週あたり8時間程度」 |
| 落ちている業務 | 「月次の分析レポートが2か月止まっている」 |
手順2、上司に業務量の再配分を相談する。「きついです」ではなく、書き出した表を持っていきます。
伝え方の例です。
「6月から〇〇さんの担当15社を引き継いでいて、週8時間ほど増えています。その分、月次のレポートが2か月止まっている状態です。優先順位をどう置くべきか、ご相談させてください。」
「何を落としていいか」を聞く形にすると、上司は判断できます。「忙しい」だけだと、精神論の話になります。
手順3、1か月様子を見る。変わらなければ、それが会社の答えです。そこで初めて、転職が選択肢に入ります。
この手順を踏むと、転職する場合も志望動機が変わります。「忙しかったから辞めた」ではなく、「業務量の再配分を相談したが変わらなかったので、体制が整っている環境を選びたい」になります。後者のほうが、面接で通ります。
5. 機会の焦りへの対応(期限をどう考えるか)
「第二新卒でいられる期間」への焦りは、事実に基づく部分があります。整理します。
| 項目 | 一般的な整理 |
|---|---|
| 第二新卒の目安 | 卒業後3年以内とされることが多い |
| 未経験職種への転換 | 20代のうちは可能性がある。年齢が上がると経験が求められる |
| 同職種での転職 | 年齢の制約は相対的に小さい |
| 在籍期間 | 1年未満だと理由を必ず聞かれる |
焦りを行動に変える基準は2つです。
基準1、職種を変えたいかどうか。変えたいなら、20代のうちに動くほうが選択肢が多い。同じ職種で続けるなら、急ぐ必要は小さくなります。
基準2、今の会社であと1年で何が積めるか。積めるものが明確なら、1年待つ判断は合理的です。積めるものが思いつかないなら、それ自体が答えになります。
「なんとなく期限が迫っている気がする」ではなく、この2つの質問に答えてみてください。答えが出ないなら、まだ動くタイミングではありません。
「残った側」に起きる4つの変化
同期が辞めた職場で、残った人に実際に起きることを整理します。自分の状況がどれに当たるかを確認してください。
変化1、業務量が増える。最も分かりやすい変化です。第4章の手順で数値化してください。
変化2、教えてもらえる相手が減る。1つ上、2つ上の先輩が抜けると、質問の行き先がなくなります。これは業務量以上に効きます。第二新卒の時期は、まだ教わる量が多い時期だからです。
変化3、社内での立ち位置が上がる。これは悪い変化ではありません。人が減ると、残った人に任される範囲が広がります。この機会をどう使うかで、1年後の職務経歴書が変わります。
変化4、採用が始まる。欠員の補充で新しい人が入ってきます。教える側に回ることになり、それ自体が実績になります。
| 変化 | 悪い方向に働く場合 | 良い方向に使う場合 |
|---|---|---|
| 業務量が増える | 質が落ちて評価が下がる | 担当範囲の広さとして書ける |
| 教わる相手が減る | 成長が止まる | 自分で調べる力がつく |
| 任される範囲が広がる | キャパを超える | 職務経歴書の材料になる |
| 新しい人が入る | 教える手間が増える | 指導経験として書ける |
右の列に持っていけるかどうかは、意識して動くかどうかで決まります。「人が減って大変」で終わらせるか、「担当範囲が広がった1年」として記録するか。同じ状況で、1年後に手元に残るものが変わります。
6. 同期の転職先を聞いたときの3つの確認
どうしても気になる場合、聞き方があります。羨望で終わらせず、情報として使う形です。
確認1「決めた理由の1番目は何だった?」
年収なのか、業務内容なのか、勤務地なのか。1番目を聞くと、その人の判断基準が分かります。自分の基準と違えば、比べる意味がないことが分かります。
確認2「何を諦めた?」
転職は必ずトレードオフがあります。年収が上がったなら、通勤時間か業務量か裁量のどれかが変わっているはずです。ここを聞くと、話が立体的になります。
確認3「活動はどれくらいかかった?」
期間と応募社数。これが自分の準備の目安になります。「2か月で3社」と「6か月で25社」では、必要な覚悟が違います。
| 聞くこと | 得られるもの |
|---|---|
| 決めた理由の1番目 | 判断基準の違いが分かる |
| 諦めたもの | 良い面だけの情報が補正される |
| 期間と応募社数 | 自分が動く場合の目安 |
この3つを聞いた後は、焦りがかなり減ります。断片的だった情報が、具体的な話に変わるからです。
7. 面接で「同期が辞めたから」は言えるか
言い方次第です。そのままだと通りません。
そのまま言った場合 「同期が次々に辞めていって、自分も動いたほうがいいと思いました。」
面接官が受け取ること 「周囲に流されて決める人」「次も同じ理由で辞める可能性がある」
言い換えの例 「担当していたチームで、1年の間に3名が退職しました。私は残ったメンバーの業務を引き継ぎ、担当顧客が15社から40社に増えました。量をこなす経験は積めましたが、1社あたりに使える時間が短くなり、提案の質を上げる方向に進めなくなりました。人数に余裕がある体制で、深く関わる仕事をしたいと考えています。」
「同期が辞めた」という事実を、自分の業務がどう変わったかに翻訳する。これで通る形になります。
同じ事実でも、「周りが動いたから」と「自分の仕事の質が変わったから」では、まったく違う理由に聞こえます。そして後者のほうが、実際に起きていることに近いはずです。
焦りが強いときにやらないほうがいい3つのこと
1つめ、勢いで応募数を増やす。準備なしに20社出しても、書類の質が同じなら結果は同じです。落ち続けると焦りが増幅します。まず1社分の書類を仕上げてから、数を増やしてください。
2つめ、同期に転職先を紹介してもらう。紹介そのものは有効な手段ですが、焦っている状態だと「その会社が自分に合うか」の判断が飛びます。紹介を受ける場合も、第6章の3つの確認を先にやってください。
3つめ、退職を先に決める。次が決まる前に辞めると、選ぶ側の余裕がなくなります。在職中の活動は時間の制約がありますが、条件を妥協せずに済むという大きな利点があります。
焦りは行動を早くしますが、判断は雑にします。早く動くこと自体は悪くありません。判断だけは、焦っていない状態でやってください。第8章の「1か月空けて2回書く」は、そのための手順です。
8. 進め方と時間配分
| 手順 | やること | 目安時間 |
|---|---|---|
| 1 | 同期の話を抜いて、自分の状況を3分書き出す | 15分 |
| 2 | 焦りが1・2・3のどれか判定する | 5分 |
| 3(2の場合) | 増えた業務を表にして上司に相談 | 1時間+面談30分 |
| 4(3の場合) | 「あと1年で積めるもの」を書き出す | 30分 |
| 5 | 1か月後に同じ手順1をやり直す | 15分 |
手順5が重要です。1か月後に書いた内容がほぼ同じなら、それは一時的な感情ではありません。内容が変わっているなら、環境の変化に反応していただけです。
同じことを1か月空けて2回書く。これが、焦りと判断を分ける一番簡単な方法です。
9. よくある質問
同期が全員辞めた会社に残るのは危険信号ですか
一概には言えません。ただし退職者が続く理由は、会社側にあることが多いです。上司や人事が離職について何を話しているかを観察してください。何も語られない場合は、改善の意思が薄い可能性があります。
焦りで転職して後悔することはありますか
あります。多いのは「今の環境から離れること」だけを目的にした場合です。次に何をしたいかが決まっていないと、条件だけで選ぶことになります。
同期と連絡を取らないほうがいいですか
その必要はありません。第6章の3つを聞く形にすれば、情報源として役に立ちます。良い面だけの情報を受け取り続けるのが問題であって、連絡そのものではありません。
業務量の相談をしたら評価が下がりませんか
数字を持っていけば下がりません。「きつい」だけだと印象論になります。第4章の表を作ってから行ってください。
残ったほうが評価されると言われました
短期的にはそうかもしれません。ただし評価が上がっても業務量が変わらないなら、状況は同じです。「評価が上がった場合、業務の配分はどうなりますか」まで確認してください。
同期より年収が低いことが気になります
年収は職種と業界で大きく変わります。同じ会社の同期でも、転職先の業界が違えば比較になりません。比べるなら、同じ業界・同じ職種の相場と比べてください。
3年は続けるべきという意見をどう考えますか
年数そのものに意味があるわけではありません。ただし在籍1年未満だと理由を必ず聞かれます。判断は年数ではなく、積めるものがあるかどうかで行ってください。
焦りが消えないときはどうしたらいいですか
第8章の手順1を1か月空けて2回やってみてください。それでも同じ内容が出るなら、準備を始める段階です。準備を始めると、焦りは行動に置き換わります。
10. まとめ:今週やる3つのこと
同期が辞めていく状況で一番避けたいのは、焦りの正体が分からないまま動くことです。
1つめ、同期の話を一切書かずに、自分の状況を3分で書き出す。スマホのメモで構いません。ここで不満が出てくるかどうかが、最初の分岐です。所要15分。
2つめ、業務量が増えているなら、増えた分を表にする。誰の分を、いつから、週何時間。この表が、上司との相談でも、面接での説明でもそのまま使えます。所要1時間。
3つめ、「あと1年この会社で何が積めるか」を3つ書く。3つ出れば残る理由があります。1つも出ないなら、それが答えです。所要30分。
同期を見て焦る時間より、この3つのほうが早く前に進みます。
この先、読むべき記事
- 転職するか残るか|第二新卒が5つの軸で決めきるための判断表(残るか動くかの決め方)
- 仕事を辞めたいと思ったとき|第二新卒が最初にやる3つの切り分け(気持ちの整理から始める)
- 異動願いと転職はどちらを先に出すか|社内で動かせる範囲を確かめる(社内で動かす選択肢)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。