第二新卒のキャリアを深掘りする。
キャリア相談

同期が辞めていく焦り|第二新卒が比べる相手を間違えないために【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約15分
同期が辞めていく焦り|第二新卒が比べる相手を間違えないために【2026年版】

同期の3人目が辞めると、多くの人が落ち着かなくなります。1人目は「そういう人もいる」で済み、2人目で「あれ」と思い、3人目で「自分だけ残っているのでは」に変わる。この順番は驚くほど共通しています。

ただ、その焦りが転職すべきサインなのか、単に周囲の動きに反応しているだけなのかは、区別がつかないまま膨らみます。区別できないまま動くと、動機が「取り残されたくない」だけになり、次の会社でも同じことが起きます。

この記事では、焦りを3つに分解して、それぞれに対する具体的な対応を書きます。

1. 結論:焦りは3種類に分かれる

種類1、比較の焦り。同期の転職先が良さそうに見える。年収が上がったと聞いた。ここから来る焦りです。これは情報が断片的なことが原因で、動く理由にはなりません。

種類2、環境の焦り。人が減って業務量が増える。相談できる相手がいなくなる。これは実際に環境が変わっているので、対応が必要です。ただし対応は転職だけではありません。

種類3、機会の焦り。第二新卒として動ける期間が限られているのではないか。これは事実に基づく部分があるので、期限を意識した判断が要ります。

この3つのうち、どれが自分に効いているかを分けるだけで、次の一手が変わります。1なら動かない、2なら社内で交渉、3なら準備を始める。混ざったまま考えるから、結論が出ません。

2. 3種類の焦りへの対応を表で整理する

焦りの種類出てくる言葉実際にやること
比較の焦り「同期はもっと稼いでる」「良い会社に行った」情報の欠けている部分を埋める。動かない
環境の焦り「業務量が倍になった」「教える人がいない」上司に業務量の再配分を相談
機会の焦り「第二新卒でいられるのはあと何年か」期限を決めて準備を始める

一番多いのは1つめで、一番動くべきなのは2つめと3つめです。ところが実際の相談では、1つめの言葉で語られることが多い。「同期がいい会社に行った」の下に、「自分の業務量が限界」が隠れていることがあります。

見分け方は簡単です。同期の話を一切しないで、自分の状況だけを3分説明してみる。それでも不満が出てくるなら、2か3です。同期の話を抜くと不満が出てこないなら、1です。

3. 編集長の実体験:同期の転職先は3か月後に変わっていた

私が2年目のとき、同期の1人が誰もが知る大手に転職しました。当時、社内では羨望の的でした。

私「どう、新しいところ」

同期「正直、思ってたのと違う。配属が希望と違ってて」

私「聞いてなかったの」

同期「配属先未定で内定もらってて、そこは詰めなかった。給料は上がったんだけど、やってることは前より狭い」

そのとき私が羨ましがっていたのは、「大手に行った」という一行だけの情報でした。配属も、業務内容も、その人が何と引き換えにそれを選んだのかも、何も知らずに比べていた。

転職の話は、良い部分だけが先に伝わります。年収が上がった話は本人も言いやすい。配属が希望と違う話は、半年経たないと出てきません。

比べるなら、同じ粒度の情報で比べる。できないなら、比べない。これが第2章の「1つめは動かない」の理由です。

4. 環境の焦りへの対応(社内でやれること)

人が減って業務量が増えた場合、転職の前にやれることがあります。

手順1、増えた業務を書き出す。誰の分を、いつから、どれくらい引き受けたか。「なんとなく忙しい」を数字にします。

項目書く内容の例
引き継いだ業務「〇〇さんの担当顧客15社」
時期「6月から」
増えた工数「週あたり8時間程度」
落ちている業務「月次の分析レポートが2か月止まっている」

手順2、上司に業務量の再配分を相談する。「きついです」ではなく、書き出した表を持っていきます。

伝え方の例です。

「6月から〇〇さんの担当15社を引き継いでいて、週8時間ほど増えています。その分、月次のレポートが2か月止まっている状態です。優先順位をどう置くべきか、ご相談させてください。」

「何を落としていいか」を聞く形にすると、上司は判断できます。「忙しい」だけだと、精神論の話になります。

手順3、1か月様子を見る。変わらなければ、それが会社の答えです。そこで初めて、転職が選択肢に入ります。

この手順を踏むと、転職する場合も志望動機が変わります。「忙しかったから辞めた」ではなく、「業務量の再配分を相談したが変わらなかったので、体制が整っている環境を選びたい」になります。後者のほうが、面接で通ります。

5. 機会の焦りへの対応(期限をどう考えるか)

「第二新卒でいられる期間」への焦りは、事実に基づく部分があります。整理します。

項目一般的な整理
第二新卒の目安卒業後3年以内とされることが多い
未経験職種への転換20代のうちは可能性がある。年齢が上がると経験が求められる
同職種での転職年齢の制約は相対的に小さい
在籍期間1年未満だと理由を必ず聞かれる

焦りを行動に変える基準は2つです。

基準1、職種を変えたいかどうか。変えたいなら、20代のうちに動くほうが選択肢が多い。同じ職種で続けるなら、急ぐ必要は小さくなります。

基準2、今の会社であと1年で何が積めるか。積めるものが明確なら、1年待つ判断は合理的です。積めるものが思いつかないなら、それ自体が答えになります。

「なんとなく期限が迫っている気がする」ではなく、この2つの質問に答えてみてください。答えが出ないなら、まだ動くタイミングではありません。

「残った側」に起きる4つの変化

同期が辞めた職場で、残った人に実際に起きることを整理します。自分の状況がどれに当たるかを確認してください。

変化1、業務量が増える。最も分かりやすい変化です。第4章の手順で数値化してください。

変化2、教えてもらえる相手が減る。1つ上、2つ上の先輩が抜けると、質問の行き先がなくなります。これは業務量以上に効きます。第二新卒の時期は、まだ教わる量が多い時期だからです。

変化3、社内での立ち位置が上がる。これは悪い変化ではありません。人が減ると、残った人に任される範囲が広がります。この機会をどう使うかで、1年後の職務経歴書が変わります。

変化4、採用が始まる。欠員の補充で新しい人が入ってきます。教える側に回ることになり、それ自体が実績になります。

変化悪い方向に働く場合良い方向に使う場合
業務量が増える質が落ちて評価が下がる担当範囲の広さとして書ける
教わる相手が減る成長が止まる自分で調べる力がつく
任される範囲が広がるキャパを超える職務経歴書の材料になる
新しい人が入る教える手間が増える指導経験として書ける

右の列に持っていけるかどうかは、意識して動くかどうかで決まります。「人が減って大変」で終わらせるか、「担当範囲が広がった1年」として記録するか。同じ状況で、1年後に手元に残るものが変わります。

6. 同期の転職先を聞いたときの3つの確認

どうしても気になる場合、聞き方があります。羨望で終わらせず、情報として使う形です。

確認1「決めた理由の1番目は何だった?」

年収なのか、業務内容なのか、勤務地なのか。1番目を聞くと、その人の判断基準が分かります。自分の基準と違えば、比べる意味がないことが分かります。

確認2「何を諦めた?」

転職は必ずトレードオフがあります。年収が上がったなら、通勤時間か業務量か裁量のどれかが変わっているはずです。ここを聞くと、話が立体的になります。

確認3「活動はどれくらいかかった?」

期間と応募社数。これが自分の準備の目安になります。「2か月で3社」と「6か月で25社」では、必要な覚悟が違います。

聞くこと得られるもの
決めた理由の1番目判断基準の違いが分かる
諦めたもの良い面だけの情報が補正される
期間と応募社数自分が動く場合の目安

この3つを聞いた後は、焦りがかなり減ります。断片的だった情報が、具体的な話に変わるからです。

7. 面接で「同期が辞めたから」は言えるか

言い方次第です。そのままだと通りません。

そのまま言った場合 「同期が次々に辞めていって、自分も動いたほうがいいと思いました。」

面接官が受け取ること 「周囲に流されて決める人」「次も同じ理由で辞める可能性がある」

言い換えの例 「担当していたチームで、1年の間に3名が退職しました。私は残ったメンバーの業務を引き継ぎ、担当顧客が15社から40社に増えました。量をこなす経験は積めましたが、1社あたりに使える時間が短くなり、提案の質を上げる方向に進めなくなりました。人数に余裕がある体制で、深く関わる仕事をしたいと考えています。」

「同期が辞めた」という事実を、自分の業務がどう変わったかに翻訳する。これで通る形になります。

同じ事実でも、「周りが動いたから」と「自分の仕事の質が変わったから」では、まったく違う理由に聞こえます。そして後者のほうが、実際に起きていることに近いはずです。

焦りが強いときにやらないほうがいい3つのこと

1つめ、勢いで応募数を増やす。準備なしに20社出しても、書類の質が同じなら結果は同じです。落ち続けると焦りが増幅します。まず1社分の書類を仕上げてから、数を増やしてください。

2つめ、同期に転職先を紹介してもらう。紹介そのものは有効な手段ですが、焦っている状態だと「その会社が自分に合うか」の判断が飛びます。紹介を受ける場合も、第6章の3つの確認を先にやってください。

3つめ、退職を先に決める。次が決まる前に辞めると、選ぶ側の余裕がなくなります。在職中の活動は時間の制約がありますが、条件を妥協せずに済むという大きな利点があります。

焦りは行動を早くしますが、判断は雑にします。早く動くこと自体は悪くありません。判断だけは、焦っていない状態でやってください。第8章の「1か月空けて2回書く」は、そのための手順です。

8. 進め方と時間配分

手順やること目安時間
1同期の話を抜いて、自分の状況を3分書き出す15分
2焦りが1・2・3のどれか判定する5分
3(2の場合)増えた業務を表にして上司に相談1時間+面談30分
4(3の場合)「あと1年で積めるもの」を書き出す30分
51か月後に同じ手順1をやり直す15分

手順5が重要です。1か月後に書いた内容がほぼ同じなら、それは一時的な感情ではありません。内容が変わっているなら、環境の変化に反応していただけです。

同じことを1か月空けて2回書く。これが、焦りと判断を分ける一番簡単な方法です。

9. よくある質問

同期が全員辞めた会社に残るのは危険信号ですか

一概には言えません。ただし退職者が続く理由は、会社側にあることが多いです。上司や人事が離職について何を話しているかを観察してください。何も語られない場合は、改善の意思が薄い可能性があります。

焦りで転職して後悔することはありますか

あります。多いのは「今の環境から離れること」だけを目的にした場合です。次に何をしたいかが決まっていないと、条件だけで選ぶことになります。

同期と連絡を取らないほうがいいですか

その必要はありません。第6章の3つを聞く形にすれば、情報源として役に立ちます。良い面だけの情報を受け取り続けるのが問題であって、連絡そのものではありません。

業務量の相談をしたら評価が下がりませんか

数字を持っていけば下がりません。「きつい」だけだと印象論になります。第4章の表を作ってから行ってください。

残ったほうが評価されると言われました

短期的にはそうかもしれません。ただし評価が上がっても業務量が変わらないなら、状況は同じです。「評価が上がった場合、業務の配分はどうなりますか」まで確認してください。

同期より年収が低いことが気になります

年収は職種と業界で大きく変わります。同じ会社の同期でも、転職先の業界が違えば比較になりません。比べるなら、同じ業界・同じ職種の相場と比べてください。

3年は続けるべきという意見をどう考えますか

年数そのものに意味があるわけではありません。ただし在籍1年未満だと理由を必ず聞かれます。判断は年数ではなく、積めるものがあるかどうかで行ってください。

焦りが消えないときはどうしたらいいですか

第8章の手順1を1か月空けて2回やってみてください。それでも同じ内容が出るなら、準備を始める段階です。準備を始めると、焦りは行動に置き換わります。

10. まとめ:今週やる3つのこと

同期が辞めていく状況で一番避けたいのは、焦りの正体が分からないまま動くことです。

1つめ、同期の話を一切書かずに、自分の状況を3分で書き出す。スマホのメモで構いません。ここで不満が出てくるかどうかが、最初の分岐です。所要15分。

2つめ、業務量が増えているなら、増えた分を表にする。誰の分を、いつから、週何時間。この表が、上司との相談でも、面接での説明でもそのまま使えます。所要1時間。

3つめ、「あと1年この会社で何が積めるか」を3つ書く。3つ出れば残る理由があります。1つも出ないなら、それが答えです。所要30分。

同期を見て焦る時間より、この3つのほうが早く前に進みます。

この先、読むべき記事

この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。