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税理士法人・会計事務所へ転職する|第二新卒が無資格から入る職種と実際【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約19分
税理士法人・会計事務所へ転職する|第二新卒が無資格から入る職種と実際【2026年版】

〜資格がなくても、入口はあります〜

「税理士の資格がないと働けない」

会計事務所というと、そう思われがちです。実際には、無資格の職員が業務の多くを担っています。

そして、第二新卒が未経験から入りやすい領域でもあります。人手が不足しており、簿記の基礎があれば入口が開くことが多いためです。

この記事では、事務所の種類、無資格で就ける職種、働き方の実際を整理します。

1. 結論:知っておくのは3つ

会計事務所を見るときの3つの視点

規模によって、仕事の幅がまったく違う

無資格でも、担当を持って動く職種がある

繁忙期の負荷は、事務所によって差が大きい

①が最も大きな違いです。

数名の事務所と、数百名の税理士法人では、同じ職種名でも中身が変わります。

2. 事務所の3つの規模

まず、どの規模を見ているかを決めます。

規模職員数の目安仕事の性質
個人・小規模事務所数名〜10名程度幅広く担当。1人が複数の顧問先を持つ
中規模の税理士法人20〜100名程度部門が分かれ始める。担当制が中心
大手税理士法人数百名以上専門特化。相続、国際、組織再編など

第二新卒が未経験から入りやすいのは、小規模と中規模です。

大手は、資格の保有や実務経験を求めることが多くなります。

規模で変わること

  • 担当する顧問先の数(小規模ほど多いことがある)
  • 業務の範囲(小規模は記帳から申告まで一貫)
  • 教育の設計(中規模以上は研修がある)
  • 繁忙期の負荷(規模より、顧問先の構成による)

「幅広く経験したい」なら小規模、「教育を受けたい」なら中規模が向きます。

3. 無資格で就ける職種

資格がなくても担う仕事があります。

職種業務の内容
税務・会計スタッフ記帳代行、試算表の作成、月次の資料作成
巡回担当(担当者)顧問先を訪問し、月次の報告と相談対応
記帳代行スタッフ領収書や通帳から仕訳を入力する
給与計算・労務補助給与計算、年末調整の補助
内勤事務・アシスタント資料の整理、申告書の入力補助

2つめの巡回担当は、実質的に顧問先の窓口です。

無資格でも、経営者と直接話す立場になります。

資格がなくてもできる範囲

税理士でなければできない業務(税務代理、税務書類の作成、税務相談)は法律で定められています。

無資格の職員は、税理士の指示のもとで補助業務を担う形になります。

このため、求人票では「税理士補助」「会計スタッフ」といった職種名で募集されます。

4. 求められる経験と、あると有利なもの

未経験でも入口がある一方、あると通りやすい要素があります。

要素評価のされ方
日商簿記3級最低限の基礎。持っていると話が早い
日商簿記2級未経験でも実務に入れる目安とされることが多い
経理の実務経験記帳や決算の流れを知っていると強い
会計ソフトの経験特定のソフトの経験は歓迎されやすい
対人の経験巡回担当では、営業や接客の経験が効く

簿記2級は、未経験からの応募で最も分かりやすい材料になります。

勉強中であれば、その旨と受験予定を書くこともできます。

第二新卒に効く経験

  • 数字を扱う業務(経理、営業事務、販売の売上管理)
  • 期限のある仕事を回した経験
  • 複数の相手を並行して担当した経験

「期限を守る」ことは、この仕事の中核です。

申告期限は動かせないため、逆算して進める力が評価されます。

5. 働き方の実際

繁忙期の有無が、この業界の特徴です。

時期何が起きるか
12月〜1月年末調整、法定調書の対応
2月〜3月確定申告。最も忙しい時期
5月3月決算の法人の申告が集中する
その他月次の巡回と決算が通年で回る

繁忙期の負荷は、事務所によって差が大きくなります。

個人の確定申告を多く扱う事務所は2〜3月が重く、法人中心の事務所は決算月の分散度合いで変わります。

面接で確かめること

  • 「繁忙期の残業は、月にどのくらいですか」
  • 「顧問先は、個人と法人のどちらが多いですか」
  • 「決算月は分散していますか」
  • 「繁忙期以外の働き方はどうですか」

3つめの答えで、負荷の集中度合いが読めます。

3月決算の法人に偏っていると、5月に集中します。

6. 求人票で確かめる7項目

読むべき箇所は決まっています。

項目見るところ
職種名「税理士補助」「会計スタッフ」「巡回担当」
資格要件必須か歓迎か。簿記の級
担当件数1人あたりの顧問先数
顧問先の構成個人か法人か。業種の偏り
会計ソフト使用しているソフト名
教育入社後の研修や同行の有無
資格支援受験費用や勉強時間の配慮

3つめの担当件数は、業務量に直結します。

1人で30件以上を持つ事務所もあれば、10件程度の事務所もあります。

記載がない場合

担当件数や繁忙期の残業が書かれていない求人は多くあります。

面接の逆質問で聞いてください。数字で答えが返ってくる事務所は、業務量を把握しています。

3年後にどこへ行けるか

会計事務所での経験は、その先の選択肢につながります。

進む先活きる経験
事業会社の経理決算の流れ、税務の基礎
より大きな税理士法人担当した業種と件数
経営企画・管理部門複数社の数字を見た視点
独立・開業(有資格の場合)顧問先との関係構築

複数の会社の決算を見た経験は、事業会社の経理に移るときに評価されます。

入口として選んでも、その先が閉じることはありません。

7. 資格をどう考えるか

税理士試験は、科目合格制です。

選択進め方
働きながら受験する科目合格を積み上げる。事務所の支援があると進みやすい
資格を取らずに実務を続ける担当者として経験を積む道もある
簿記から始めるまず2級、必要に応じて1級
他の資格を組み合わせる給与計算や社会保険の知識を足す

資格を取らずに、担当者として長く働く人も多くいます。

ただし、事務所によっては受験を前提とした運用になっていることがあります。

事務所の姿勢を確認する

  • 「受験される方には、どのような配慮がありますか」
  • 「資格を持たずに担当されている方はいらっしゃいますか」

2つめの質問で、資格前提かどうかが分かります。

なお、資格の取得費用について会社が支援する制度がある場合、退職時の扱いを確認しておくと後で迷いません。

顧問先の規模も見る

同じ法人顧問でも、相手の規模で仕事が変わります。

  • 小規模な事業者が中心:記帳から相談まで幅広く担当する
  • 中堅企業が中心:経理担当者とのやり取りが中心になる
  • 特定の業種に強い:業界の知識が深まる

「どんな業種の顧問先が多いですか」と聞くと、身につく知識の方向が見えます。

8. 志望動機の作り方

未経験からの応募では、3つを組み立てます。

要素書く内容
なぜこの領域か数字を扱う仕事を続けたい理由
なぜ会計事務所か事業会社の経理との違いをどう見ているか
なぜこの事務所か規模、顧問先の構成、教育の設計

2つめが最も差がつきます。

事業会社の経理は1社の数字を深く見る仕事で、会計事務所は多くの会社の数字を横に見る仕事です。

例文の骨組み

「前職では、営業として月次の売上と回収を管理していました。数字から状況を読む仕事を続けたいと考える中で、1社ではなく複数の会社の数字に関われる点に関心を持ちました。御社は法人の顧問先が中心で、決算月も分散していると伺い、通年で経験を積める環境だと考えています。」

数字を扱った経験と、事務所を選んだ理由がつながっている形にしてください。

なお、税や社会保険の制度に関する記述は一般的な整理です。実際の手続きや判断は、税理士や社会保険労務士など専門の窓口に確認してください。

9. よくある質問

税理士の資格がなくても働けますか

働けます。無資格の職員が、記帳、月次資料の作成、顧問先の巡回など多くの業務を担っています。ただし、税務代理や税務相談は税理士でなければ行えないため、税理士の指示のもとで補助を行う形になります。求人票では「税理士補助」「会計スタッフ」といった職種名で募集されます。

簿記の資格は必須ですか

必須としている事務所と、そうでない事務所があります。日商簿記2級を持っていると、未経験でも実務に入れる目安とされることが多くなります。3級でも応募できる求人はあり、勉強中であればその旨と受験予定を書くことができます。実務経験があれば、資格より経験が見られることもあります。

繁忙期はどのくらい忙しいですか

事務所によって差が大きく、顧問先の構成で決まります。個人の確定申告を多く扱う事務所は2〜3月が重く、3月決算の法人が多い事務所は5月に集中します。面接で「繁忙期の残業は月にどのくらいか」「決算月は分散しているか」を聞くと、実態に近い答えが得られます。

事業会社の経理とは、何が違いますか

事業会社の経理は1社の数字を深く扱い、会計事務所は複数の会社の数字を横に見ます。会計事務所では、業種の異なる会社の決算を短期間で経験できるため、幅が早く広がります。一方、1社の経営に深く関わりたい場合は、事業会社の経理のほうが向いています。

未経験で入ると、最初は何をしますか

多くの事務所では、記帳や仕訳の入力から始まります。慣れてくると月次の資料作成に移り、その後、先輩に同行して顧問先を訪問する形が一般的です。担当を持つまでの期間は事務所によりますが、半年から1年程度を目安としているところが多くあります。

会計ソフトの経験は必要ですか

必須ではありませんが、あると評価されます。事務所ごとに使用するソフトが異なるため、入社後に覚えることが前提になっています。求人票にソフト名が書かれている場合は、経理の実務経験がある人に向けた募集である可能性があります。未経験可の求人では、記載がないことも多くあります。

税理士試験を受けながら働けますか

事務所の姿勢によります。受験を支援する制度があり、繁忙期以外は勉強時間を確保しやすい事務所もあります。一方、業務量が多く両立が難しい事務所もあります。面接で「受験される方にはどのような配慮がありますか」と聞くと、実際の運用が分かります。

担当件数は、どのくらいが普通ですか

事務所の方針によって大きく変わります。1人で30件以上を持つところもあれば、10件程度で深く関わるところもあります。件数が多いほど幅広い業種を見られますが、1件あたりに使える時間は短くなります。求人票に記載がない場合は、面接で確認してください。

10. まとめ:規模と顧問先の構成で、仕事が決まる

今週やる3つのこと

希望する規模(小規模・中規模・大手)を決める

簿記の学習状況を整理し、書類に書ける形にする

求人票の7項目を確認し、記載がない項目を質問リストにする

会計事務所は、無資格でも入口がある領域です。数字を扱う経験と、期限を守る力があれば、未経験からでも道があります。

ただし、規模と顧問先の構成で、働き方がまったく変わります。担当件数と繁忙期の負荷は、必ず確認してください。

なお、この記事の税務や資格制度に関する記述は一般的な整理です。個別の判断は、税理士や社会保険労務士など専門の窓口に確認してください。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。