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特許事務所へ転職する|第二新卒が知る職種と入口の実際【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約18分
特許事務所へ転職する|第二新卒が知る職種と入口の実際【2026年版】

〜資格がなくても、入口は2つあります〜

「特許事務所は、弁理士でないと働けない」

そう思われがちですが、実際には無資格の職員が業務の多くを担っています。

そして、入口は理系だけではありません。手続きを担当する事務職の道があり、文系の第二新卒でも入れます。

この記事では、事務所の種類、職種の違い、それぞれの入口を整理します。

1. 結論:知っておくのは3つ

特許事務所を見るときの3つの視点

入口は「技術系」と「事務系」の2つに分かれる

技術系は理系の知識、事務系は正確さと期限管理が中心

期限が絶対に動かない業務である

③が、この仕事の性質を決めています。

出願や応答の期限は法律で決まっており、1日でも過ぎると権利が失われます。

2. 事務所の規模と特徴

まず、どの規模を見ているかを決めます。

規模職員数の目安特徴
小規模事務所数名〜10名程度幅広く担当。特定の分野に強い
中規模事務所20〜100名程度技術分野ごとに部門が分かれる
大手事務所数百名分野が細分化。外国出願の比率が高い
企業の知財部会社による事務所とは立場が異なる

第二新卒が未経験から入りやすいのは、事務系の職種です。

規模を問わず、手続きを担当する人員の需要があります。

事務所と企業の知財部の違い

  • 事務所:複数のクライアントの案件を扱う。件数が多い
  • 企業の知財部:自社の権利を管理する。事業に近い

企業の知財部は、実務経験者を求めることが多くなります。

事務所で経験を積んでから移る人が多い経路です。

3. 無資格で就ける職種

資格がなくても担う仕事があります。

職種業務の内容向いている人
特許技術者明細書の作成、先行技術の調査理系の知識がある人
特許事務(出願事務)出願手続き、期限管理、書類作成正確さと段取りが得意な人
外国出願担当海外への出願手続き、現地代理人とのやり取り英語を使いたい人
翻訳担当明細書の翻訳語学と技術の両方がある人
調査担当先行技術や他社の権利の調査情報を集めて整理するのが得意な人

2つめの特許事務が、文系の第二新卒にとって最も入りやすい入口です。

特許技術者という職種

弁理士の資格がなくても、明細書を書く仕事に携われます。

理系の学部卒であれば、未経験から採用されることがあります。

ただし、専攻と事務所の得意分野が合っているかが条件になります。

4. 文系からの入口

事務系の職種であれば、文系でも入れます。

求められる要素どこで評価されるか
正確さ書類の記載ミスが権利に影響する
期限の管理複数案件の期限を並行して管理する
段取り逆算して準備を進める
対人のやり取りクライアントや特許庁とのやり取り
英語外国出願を扱う事務所では有利

1つめと2つめが、この職種の中核です。

営業事務、貿易事務、金融事務などで期限のある業務を回した経験は、そのまま材料になります。

効く前職の経験

  • 期限のある書類を扱った経験(貿易事務、金融、経理)
  • 複数の案件を並行して管理した経験
  • 外部機関とのやり取りがあった経験

「1日でも遅れられない業務」を回した経験は、強い材料になります。

英語を使う場面

外国出願を扱う事務所では、日常的に英語の書類を扱います。

読み書きが中心で、会話の機会は限られます。

読解力があれば、話せなくても入れる場面があります。

5. 理系からの入口

技術系の職種は、専攻が入口になります。

技術分野関連する専攻
機械機械工学、精密工学
電気・電子電気電子、情報
化学・材料化学、応用化学、材料
バイオ・医薬生物、薬学、農学
情報・ソフトウェア情報科学、電子情報

事務所ごとに、得意な分野が決まっています。

自分の専攻と合う事務所を選ぶことが、入口を広げる最短の方法です。

メーカーからの転職

研究や開発の経験がある人は、その分野の案件で強みが出ます。

実験や設計の経験があると、発明の内容を理解する速度が違います。

第二新卒で研究職から動く場合、選択肢の一つになります。

求人票で確かめる7項目

読むべき箇所は決まっています。

項目見るところ
職種名特許技術者/特許事務/外国出願担当
技術分野事務所が得意とする分野
応募資格学部の指定、英語の水準
担当件数1人あたりの案件数
教育未経験者の受け入れ実績
資格支援受験の配慮、費用の負担
内外の比率国内出願と外国出願の割合

7つめは、英語を使う量に直結します。

外国出願の比率が高い事務所ほど、日常的に英語の書類を扱います。

6. 働き方の実際

期限が動かないことが、働き方を決めています。

項目実際
期限法定期限は動かない。逆算が絶対
繁忙期限が集中する時期に偏る
業務の性質集中して書類を作る時間が長い
対人の量職種による。事務系はやり取りが多い
残業事務所による差が大きい

期限の管理が業務の中心にあるため、段取りができる人が評価されます。

面接で確かめること

  • 「1人あたりの担当件数はどのくらいですか」
  • 「繁忙期はいつですか。残業はどのくらいですか」
  • 「未経験で入った方は、最初に何を担当しますか」
  • 「教育はどのように行われますか」

1つめが、業務量に直結します。

7. 資格をどう考えるか

弁理士は、働きながら受験する人が多い資格です。

選択進め方
弁理士を目指す働きながら受験。事務所の支援があると進みやすい
資格を取らずに実務を続ける特許事務や外国出願の担当として長く働く
関連する資格から始める知的財産管理技能検定など
英語を伸ばす外国出願の担当として価値が上がる

2つめの道を選ぶ人も多くいます。

特許事務や外国出願の担当は、資格がなくても専門性が積み上がる職種です。

事務所の姿勢を確認する

「受験される方には、どのような配慮がありますか」と聞くと、運用が分かります。

なお、資格の取得費用を会社が負担する制度がある場合、退職時の扱いを確認しておくと後で迷いません。

3年後にどこへ行けるか

特許事務所での経験は、その先の選択肢につながります。

進む先活きる経験
企業の知財部手続きの知識、期限管理
より大手の事務所担当した技術分野と件数
翻訳・調査の専門職語学と技術の組み合わせ
弁理士として独立クライアントとの関係

企業の知財部へ移る経路が、最も一般的です。

事務所で数年経験を積むと、応募できる求人が増えます。

8. 志望動機の作り方

未経験からの応募では、3つを組み立てます。

要素書く内容
なぜこの領域か正確さや期限管理を活かしたい理由
なぜ特許事務所か一般の事務職との違いをどう見ているか
なぜこの事務所か得意分野、規模、扱う案件

2つめが最も差がつきます。

一般の事務職と違い、書類の記載が権利の範囲を左右します。この点への理解を示せると、志望の具体性が伝わります。

例文の骨組み

「前職では貿易事務として、船積書類の作成と期限管理を担当していました。1日の遅れが通関に影響するため、逆算して準備を進めることを徹底していました。特許の手続きも期限が動かない業務だと知り、これまでの進め方が活きると考えました。御社は化学分野の案件が中心と伺い、腰を据えて分野の知識を積める環境だと感じています。」

期限のある業務を回した経験と、事務所を選んだ理由がつながる形にしてください。

なお、知的財産に関する制度の記述は一般的な整理です。個別の手続きや判断は、弁理士など専門家に確認してください。

9. よくある質問

文系でも特許事務所で働けますか

働けます。特許事務(出願事務)や外国出願の担当は、文系の第二新卒が入りやすい職種です。求められるのは正確さと期限の管理、段取りの力です。貿易事務や金融事務など、期限のある書類を扱った経験があると、そのまま材料になります。

弁理士の資格は必要ですか

必須ではありません。無資格の職員が業務の多くを担っています。特許技術者として明細書を書く仕事にも、資格がなくても携われます。ただし、弁理士でなければできない業務もあるため、事務所内での役割は分かれています。

理系だと、どの分野の事務所を選べばいいですか

自分の専攻と合う分野を得意とする事務所を選んでください。機械、電気電子、化学、バイオ、情報など、事務所ごとに強い分野が決まっています。専攻と合っていると、未経験でも採用される可能性が上がります。求人票に技術分野の記載があります。

英語はどのくらい必要ですか

外国出願を扱う事務所では、日常的に英語の書類を扱います。ただし読み書きが中心で、会話の機会は限られます。読解力があれば、話せなくても入れる場面があります。英語を使いたい人にとっては、実務で使い続けられる環境です。

残業はどのくらいありますか

事務所によって差が大きく、担当件数と期限の集中度合いで決まります。面接で「1人あたりの担当件数はどのくらいですか」「繁忙期はいつで、残業はどのくらいですか」の2つを聞いてください。数字で答えが返ってくる事務所は、業務量を把握しています。

未経験で入ると、最初は何をしますか

多くの事務所では、書類の作成補助や期限の入力から始まります。慣れてくると、担当の案件を持ち、クライアントとのやり取りにも関わるようになります。担当を持つまでの期間は事務所によりますが、半年から1年程度を目安としているところが多くあります。

企業の知財部との違いは何ですか

事務所は複数のクライアントの案件を扱うため件数が多く、幅広い技術に触れます。企業の知財部は自社の権利を管理し、事業の判断に近い立場になります。企業の知財部は実務経験者を求めることが多いため、事務所で経験を積んでから移る人が多い経路です。

資格を取らずに、長く働けますか

働けます。特許事務や外国出願の担当は、資格がなくても専門性が積み上がる職種です。手続きの知識と期限管理の力は、経験年数とともに評価されます。ただし、事務所によっては受験を前提とした運用になっていることがあるため、面接で確認してください。

10. まとめ:技術系と事務系、入口は2つある

今週やる3つのこと

技術系と事務系のどちらを目指すかを決める

期限のある業務を回した経験を、数字を入れて書き出す

求人票で、事務所の得意な技術分野と担当件数を確認する

特許事務所は、資格がなくても入口がある領域です。文系なら事務系、理系なら技術系から入れます。

共通して求められるのは、期限を動かさずに段取りする力です。その経験があれば、未経験でも道があります。

なお、知的財産に関する制度の記述は一般的な整理です。個別の手続きや判断は、弁理士など専門家に確認してください。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。