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飲食店から異業種へ転職|第二新卒が店長経験を管理職の言葉に直す5ステップ【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約19分
飲食店から異業種へ転職|第二新卒が店長経験を管理職の言葉に直す5ステップ【2026年版】

〜飲食の店長経験は、20代で「人・物・金・時間」を全部回した実績です〜

飲食店から異業種への転職で、多くの人が自分を過小評価しています。

「飲食しかやってこなかったので、企業では通用しない」

これは事実と違います。飲食店の店長・副店長の経験は、20代では極めて希少です。

シフトを組み、発注を管理し、原価を見て、売上目標を追い、クレームに対応し、アルバイトを育てる。これは「人・物・金・時間」を同時に回す仕事で、企業でいえば小さな事業の運営そのものです。

問題は、それを飲食の言葉のまま書いていることだけ。この記事では、翻訳の型を整理します。

1. 結論:飲食→異業種は「翻訳」でほぼ決まる

飲食店から異業種へ・5ステップ

① 1日の業務を、接客以外も含めて全部書き出す

「人・物・金・時間」の4つに分類して翻訳する

③ 狙う職種を絞る(営業/生産管理/店舗開発/人材/SVなど)

④ 職務経歴書を「接客した」ではなく「何を管理し、どの数字を動かしたか」で書く

⑤ 「なぜ飲食を辞めるのか」に、労働時間以外の答えを用意する

核心は②です。4つに分類すると、書けることが一気に増えます。

2. 飲食の業務を4つに分類する

2-1. 人(マネジメント)

飲食の言葉企業の言葉への翻訳
シフトの作成・調整人員配置の計画と調整
アルバイトの採用面接採用面接の実施
新人の教育・OJT育成、業務の標準化
アルバイト◯名のマネジメントチームマネジメント(◯名)
勤怠の管理労務管理

2-2. 物(在庫・発注)

飲食の言葉企業の言葉への翻訳
食材の発注発注業務、需給の予測
在庫管理・棚卸し在庫管理、実地棚卸
廃棄ロスの削減コスト削減、歩留まりの改善
業者との交渉仕入先との折衝、購買
設備トラブルの手配ファシリティ管理、外部業者の手配

2-3. 金(数字)

飲食の言葉企業の言葉への翻訳
売上目標の達成数値目標の管理、KPI達成
原価率の管理(F/Lコスト)原価管理、損益の管理
日次・月次の売上集計数値集計、レポーティング
客単価・回転率の改善単価改善、稼働率の向上
予算の作成予算策定

原価率を見ていた経験は、企業では「損益に責任を持った経験」です。20代でP/Lに近いものを扱っていた人は多くありません。

2-4. 時間(オペレーション)

飲食の言葉企業の言葉への翻訳
ピークタイムのオペレーション繁忙時の優先順位の判断
提供時間の短縮業務プロセスの改善
オペレーションの標準化業務手順の設計、マニュアル整備
開店・閉店準備定型業務の遂行

この4分類を埋めるだけで、職務経歴書の中身が3倍になります。

3. 狙える職種

職種相性活きる経験
法人営業(食品・飲食向け)現場を知っている営業。強い
スーパーバイザー(SV)・エリアマネージャー店舗運営の経験がそのまま
飲食・小売向けSaaSの営業/CS現場の運用を知っている
店舗開発・FC本部店舗の数字を理解している
一般事務・営業事務発注・集計・調整
生産管理・購買需給の予測、発注の経験
人材(RA・CA)採用・育成の経験
施工管理段取り、業者手配、突発対応

3-1. 特に狙い目:飲食・小売向けのSaaS

飲食業界向けのサービスを提供する企業では、現場経験者が求められています。

POSレジ、予約管理、シフト管理、発注システム、モバイルオーダー——これらの顧客は飲食店です。

現場の忙しさ、ピークタイムの動き、店長が何に困っているか。これは外からは分かりません。

「飲食を辞める」のではなく「飲食を支える側に回る」と考えると、経験が資産になります。IT営業の志望動機カスタマーサクセスの志望動機を参照してください。

3-2. もう1つ:SV・エリアマネージャー

飲食内での職種転換ですが、働き方は大きく変わります。

複数店舗を担当し、数字を見て、店長を支援する立場です。土日休みになるケースは少ないものの、現場のシフトからは外れます。

「業界は好きだが、店舗の勤務形態が続けられない」という場合の、最も現実的な選択肢です。

4. 「なぜ飲食を辞めるのか」への答え方

4-1. 避けるべき答え

答えなぜダメか
「労働時間が長い」条件面。同じ理由で次も辞めると読まれる
「土日休みがいい」同上
「体力的にきつい」同上
「給料が安い」転職先でも保証されない
「業界の将来性が不安」業界批判

4-2. 使える答え

営業・SaaSを志望する場合

「店舗運営を担当するなかで、現場の負荷の多くが、仕組みの問題で発生していることを実感しました。発注の基準がなかったり、シフトの希望を紙で集めていたり。自分の店舗では改善しましたが、1店舗の範囲でしかありません。同じ課題を持つ店舗を支える側に回りたいと考えています」

事務・管理部門を志望する場合

「店長として、シフト・発注・売上の集計を担当していました。接客そのものより、店舗が滞りなく回るように準備を整える部分に手応えを感じていました。それを本業にできる職種に移りたいと考えています」

数字を扱う職種を志望する場合

「原価率と人件費率を毎月見ていました。数字を動かすために何を変えるかを考える作業が、最も面白い部分でした。1店舗ではなく、より大きな単位で数字を見る仕事に移りたいと考えています」

共通するのは、飲食を否定しないことです。変換の型は退職理由の伝え方にまとめています。

5. 職務経歴書の書き方

5-1. 職務要約は「規模と数字」で始める

悪い例:飲食店にて2年間、店舗運営に従事してまいりました。

良い例:飲食チェーン店舗(席数◯席/月商◯◯万円)にて、副店長として店舗運営を担当。アルバイト15名のシフト管理・採用面接・教育、食材と資材の発注、日次売上の集計を担当。発注基準の見直しにより、廃棄ロスを月◯万円削減。

数字を必ず入れてください。席数、月商、スタッフ数、原価率、削減額。

5-2. 実績は「課題→施策→結果」で

【課題】発注量が担当者ごとの感覚で決まっており、欠品と廃棄が同時に発生していた

【施策】過去3ヶ月の使用量を曜日別に集計し、発注の目安表を作成してレジ横に掲示

【結果】廃棄が月◯万円削減され、他のスタッフも発注できるようになった

「他のスタッフもできるようになった」まで書くと、標準化の経験として読まれます。

書類全体の作り方は第二新卒の職務経歴書テンプレを参照してください。

6. 落ちる書き方・答え方5つ

具体例なぜ落ちるか
接客語のまま型「お客様に喜んでいただける接客」業務の情報がない
数字なし型月商・スタッフ数・原価率を書かない最大の武器を捨てている
接客だけ型シフト・発注・数字を書かない実績の総量が3分の1になる
条件逃避型「労働時間が長くて」次も同じ理由で辞めると読まれる
自信なし型「飲食しか経験がないので」自分から評価を下げている

最も多いのが数字なし型です。月商・スタッフ数・原価率は、必ず書いてください。

7. 面接で必ず聞かれる3問

7-1. 「なぜ飲食を続けないのですか」

4-2の型で答えてください。業界を否定しないことが前提です。

7-2. 「デスクワーク中心になりますが、大丈夫ですか」

「店舗でも、シフト作成、発注、日報、売上の集計といった事務作業は毎日ありました。むしろ、その部分に手応えを感じていたのが転職を考えたきっかけです。座って行う業務の比率が増えることには問題ありません」

7-3. 「予定通りに進まないとき、どうしますか」

飲食出身者が最も強く答えられる質問です。

「店舗では、急な欠勤、設備の故障、想定外の混雑が日常的にありました。まず、その日必ず回さなければならないことと、後ろにずらせることを分けます。そのうえで、人手が足りなければ優先度の低い作業を止める判断をしていました。予定が崩れることを前提に組む進め方に慣れています」

8. 店長経験は「マネジメント経験」として書ける

これを書かない人が非常に多いです。

経験企業での扱い
アルバイト15名の管理15名のマネジメント経験
採用面接の実施採用業務の経験
シフト作成人員配置の計画
新人教育育成、OJT
評価面談人事評価の経験

20代でマネジメント経験がある人は多くありません。「アルバイトだから」と過小評価しないでください。人を動かし、育て、評価した経験は、企業でも同じ価値を持ちます。

9. よくある質問

飲食から異業種に転職できますか

できます。特に営業・SV・飲食向けSaaS・店舗開発では、現場経験が直接の武器になります。店長経験があれば、マネジメント経験として評価されます。

年収は上がりますか

職種によります。法人営業やSaaS営業に移ると上がる可能性があります。事務職は横ばい〜やや下がることがあります。第二新卒の年収も参照してください。

土日休みになりますか

法人営業・事務職ならほぼ土日休みになります。ただし、これを面接で志望理由として言うのは避けてください。

パソコンが使えません

エクセルの基本だけ触っておいてください。VLOOKUPとピボットテーブルで十分です。売上集計をしていたなら、数字を扱う経験はすでにあります。

店長ではなくスタッフでも書けますか

書けます。発注、シフトの一部、新人指導、締め作業——担当していた範囲を全部書き出してください。

在籍1年で辞めても大丈夫ですか

大丈夫です。飲食は離職率が高いことが知られているため、他業界より寛容に見られる傾向があります。書き方は在籍半年・1年未満の職務経歴書を参照してください。

また飲食に戻れますか

戻れます。慢性的な人手不足の業界なので、経験者は歓迎されます。この事実は、いま動くリスクを下げる材料です。

SVへの転換も検討したいのですが

有効な選択肢です。店舗のシフトからは外れ、複数店舗の数字を見る立場になります。「業界は好きだが、店舗勤務が続けられない」場合に最も現実的です。

10. まとめ

飲食からの転職は、経験不足ではなく分類不足で落ちています。

今夜やる3つのこと

① 業務を「人・物・金・時間」の4つに分類して書き出す(この記事の表を使ってください)

月商・席数・スタッフ数・原価率・廃棄削減額を、覚えている範囲で数字にする

③ 発注や手順を変えて数字が動いた経験を1つ、課題→施策→結果で書く

①をやると、「接客しかしていない」という認識が事実と違うことが分かります。4分類のうち、埋まらない欄はほとんどないはずです。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。