転職を1年延ばすと決めたら|第二新卒が残る1年で作る3つの材料【2026年版】
転職を検討した結果、こう決める人がいます。
「今は動かない。1年後にもう一度考える」
この判断は、正しい場合があります。
在職1年未満で職務経歴書に書けることが少ない、担当している案件が途中、資格の取得が近い。こうした状況では、1年待つほうが選択肢が広がります。
ただし、問題があります。
「1年後に考える」と決めた人の多くは、1年後に何も変わっていません。
理由は単純で、その1年を何に使うかを決めていないからです。
延期と先送りは違います。
延期は、1年後に有利になるための準備をする期間です。先送りは、ただ時間が過ぎる期間です。
この記事では、残る1年で作る材料、現職での交渉、1年後に動くための準備、そして先送りに変わった兆候を整理します。
1. 結論:この1年でやることは3つ
1. 職務経歴書に書ける実績を3つ作る。数字が出るものです。
2. 現職で変えられる条件を1つ交渉する。異動、担当、働き方のどれかです。
3. 判断の期日をカレンダーに書く。「1年後」ではなく日付です。
3番目が最も重要です。
「1年後」は、いつまでも来ません。
「○年○月○日に、もう一度判断する」と日付で決めてください。
| 決め方 | 1年後に動ける確率 |
|---|---|
| 「そのうち考える」 | ほぼゼロ |
| 「1年後に考える」 | 低い |
| 「○月○日に判断する」 | 高い |
| 「○月○日に判断する。それまでに○を作る」 | 最も高い |
4行目まで決めてください。
2. なぜ1年待つのが有効な場合があるか
第二新卒の転職では、書ける実績の量が結果を左右します。
在職1年未満と、2年では、書類の厚みが明確に違います。
| 在職期間 | 書けること |
|---|---|
| 6ヶ月 | 担当した業務の説明のみ |
| 1年 | 1年間の数字、担当範囲 |
| 2年 | 変化の数字、後輩指導、改善の実績 |
3行目に到達すると、応募できる求人の幅が変わります。
特に「変化の数字」が書けるかどうかが大きい。
「月8件あった手戻りを1件に減らした」という実績は、着任してすぐには作れません。現状を把握し、変えて、結果を確認する期間が必要です。
待つ価値がある場合、ない場合
| 待つ価値がある | 今動くべき |
|---|---|
| 在職1年未満 | 心身の負担が大きい |
| 担当案件が途中 | 労働環境に問題がある |
| 資格の取得が近い | 会社の状況が悪化している |
| 異動の可能性がある | 3年目が近く年齢の制約が出る |
右側の1行目に該当する場合は、待たないでください。
健康を損なってまで在職期間を延ばす意味はありません。この場合、転職は「延期」の対象ではなく、優先事項です。
3. 作る材料その1:数字が出る実績
1年で3つ作ってください。
作り方は、次の手順です。
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 今の業務で、数えられるものを3つ探す |
| 2 | 現状の数字を記録する |
| 3 | 1つ変えてみる |
| 4 | 3ヶ月後に数字を確認する |
2番目を最初にやってください。
変える前の数字がないと、変化を書けません。
これが、多くの人が実績を書けない理由です。改善はしたが、前の数字を覚えていない。
数えられるものの例
| 業務 | 数えられるもの |
|---|---|
| 営業 | 訪問数、受注率、商談期間 |
| 事務 | 処理件数、ミスの件数、処理時間 |
| 販売 | 客数、客単価、再来率 |
| 製造 | 不良率、工程の時間、遅延件数 |
| サポート | 対応件数、解決までの時間 |
どの職種でも、必ず何かは数えられます。
そして、記録は自分のメモで構いません。会社の資料を持ち出す必要はありません。
「今月の処理件数は約200件、ミスは5件」と手帳に書くだけで十分です。
4. 作る材料その2:範囲の拡大
担当する範囲を広げてください。
これは、書類での「できること」の欄に直結します。
| 広げ方 | 具体例 |
|---|---|
| 工程を広げる | 実行だけ→計画から関わる |
| 対象を広げる | 1部署→複数部署 |
| 役割を広げる | 作業者→指導する側 |
| 種類を広げる | 1商材→複数商材 |
3行目が最も評価されます。
後輩や新人の指導を担当した経験は、第二新卒の書類では強い材料です。
そして、これは希望すれば任せてもらえる場合が多い。
「今年入ってきた方の指導を、一部担当させていただくことは可能でしょうか」
この申し出を断る上長は、多くありません。
「やらせてください」は通りやすい
1年待つと決めたなら、その1年は現職で範囲を広げる期間にしてください。
やりたいことを申し出る人は、実は多くありません。だから、申し出ると通りやすい。
そして、断られたとしても損はしません。
「範囲を広げたいと申し出たが、機会がなかった」という事実は、1年後の転職理由として明確です。
5. 作る材料その3:外の基準を知る
1年間、現職だけを見ていると、自分の位置が分からなくなります。
だから、外の情報に触れ続けてください。
| やること | 頻度 |
|---|---|
| 求人票を見る | 月1回、30分 |
| エージェントに登録しておく | 登録のみ、活動はしない |
| 業界の情報を見る | 月1回 |
1行目だけでも効果があります。
月に1回、自分の職種の求人票を10件見る。それだけで、外で何が求められているかが分かります。
そして、求められていることと、自分ができることの差が見えます。
その差が、この1年で埋めるべきものです。
エージェントには登録だけしておく
1年後に動く予定なら、登録だけしておくのも一つの手です。
ただし、活動しない旨を最初に伝えてください。
「現時点では、1年後をめどに転職を検討している段階です。すぐに応募する予定はありませんが、市場の状況を知るためにご相談させていただければと思います」
この伝え方をすれば、頻繁な連絡は来にくくなります。
連絡が負担であれば、登録せずに求人サイトを見るだけでも構いません。
6. 現職で条件を変える
1年待つと決めたなら、現職の条件を変える交渉も同時に行ってください。
転職しない選択をしたからといって、現状のままで良いということにはなりません。
| 交渉できること | 伝え方 |
|---|---|
| 担当業務 | 「○の業務にも関わりたい」 |
| 異動 | 「○部門での経験を積みたい」 |
| 働き方 | 「○の運用を試させてほしい」 |
| 評価・昇給 | 評価面談の場で相談 |
いずれも、評価面談や1対1の面談の場で伝えてください。
正式な場で伝えると、記録に残ります。
そして、この交渉の結果が、1年後の判断材料になります。
| 1年後の状態 | 判断 |
|---|---|
| 申し出が通り、範囲が広がった | 残る選択も現実的 |
| 申し出たが、何も変わらなかった | 動く理由が明確になる |
| 申し出ていない | 判断材料がない |
3行目を避けてください。
申し出ないまま1年経つと、「変わらなかった」のか「変えようとしなかった」のかが分かりません。
7. 先送りに変わった兆候
次の状態になっていたら、延期ではなく先送りになっています。
| 兆候 | 意味 |
|---|---|
| 判断の日付を決めていない | 期限がない |
| 半年経って材料が1つも増えていない | 動いていない |
| 求人票を一度も見ていない | 外の基準を失っている |
| 現職で何も申し出ていない | 変える意思がない |
| 「まだ早い」と繰り返している | 理由が変わっていない |
5行目が最も危険です。
半年前と同じ理由で先送りしている場合、1年後も同じ理由で先送りします。
この状態になったら、期日を前倒ししてください。
半年の中間確認を入れる
1年の期日とは別に、半年時点で一度確認してください。
確認するのは3点です。
- 材料は増えたか(数字が出る実績が1つ以上)
- 範囲は広がったか
- 現職で何か申し出たか
3つとも「いいえ」なら、待つ意味がなくなっています。
その時点で活動を始めることを検討してください。
8. 1年後に動くための準備
期日の3ヶ月前から、準備を始めてください。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 期日の3ヶ月前 | 職務経歴書を作る |
| 2ヶ月前 | エージェントに登録・相談 |
| 1〜2ヶ月前 | 応募開始 |
| 期日 | 内定の有無で判断 |
1行目を先にやってください。
職務経歴書を作る過程で、材料が足りているかが分かります。
足りない場合、期日までにあと1つ作る時間があります。
書類を書くのは、応募のためだけではありません。自分の棚卸しの手段でもあります。
期日に判断すること
期日には、次の順で判断してください。
- この1年で、状況は変わったか
- 変わっていない場合、これから変わる見込みはあるか
- 外の求人と比べて、現職の条件はどうか
2番目で「見込みがない」なら、動く理由が確定します。
そして、その理由は面接でそのまま使えます。
「1年前に、担当の範囲を広げたい旨を上長に相談しました。前向きな回答をいただきましたが、組織の体制上、機会がありませんでした。この1年で自分の担当範囲での改善は進めましたが、次の段階に進むには環境を変える必要があると判断しました」
この説明は、不満ではなく事実の積み上げとして成立します。
9. よくある質問
Q. 1年待つのは遅いですか
状況によります。
在職1年未満であれば、待つほうが選択肢が広がる場合があります。ただし、心身の負担が大きい場合や、労働環境に問題がある場合は待たないでください。
Q. 待っている間にエージェントに登録していいですか
登録して構いません。
ただし、すぐに応募する予定がないことを最初に伝えてください。連絡が負担であれば、求人サイトを見るだけでも十分です。
Q. 現職に「1年後に辞める」と伝えるべきですか
伝えないでください。
まだ確定していない予定を伝えると、責任のある仕事を任されにくくなります。範囲を広げたい旨だけを伝えてください。
Q. 実績が作れそうにありません
「数えられるもの」を探すところからやり直してください。
処理件数、対応件数、ミスの件数。どんな業務でも、数えられるものは必ずあります。
Q. 半年で状況が変わったら、前倒ししていいですか
してください。
期日は自分で決めたものです。状況が変われば変えて構いません。特に、環境が悪化した場合は前倒しを検討してください。
Q. 1年後も迷っていたらどうしますか
迷っている理由を書き出してください。
1年前と同じ理由なら、待っても変わりません。新しい理由なら、その理由に対して判断してください。
Q. 待つ間に年齢の制約が出ませんか
第二新卒の枠は、一般に卒業後3年程度が目安とされます。
3年目が近い場合、待つことで枠から外れる可能性があります。この場合は、待たずに動くほうが有利です。
Q. 現職で申し出ても何も変わりませんでした
それが、1年後に動く理由になります。
「申し出たが変わらなかった」という事実は、面接で使える転職理由です。不満ではなく、事実の説明として成立します。
10. まとめ:今週やる3つのこと
1. 判断する日を、カレンダーに日付で書く。「1年後」ではなく「○月○日」です。
2. 今の業務で数えられるものを3つ探して、現状の数字を記録する。変える前の数字がないと、実績になりません。
3. 半年後の中間確認の日も、あわせて書く。先送りに変わっていないかを確認する日です。
延期と先送りの違いは、その期間に何をするかを決めているかどうかです。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。