人事・採用の面接|第二新卒が聞かれる想定問答13と評価される答え方【2026年版】
〜面接官が採用のプロだからこそ、定型文は一瞬で見抜かれます。段階別の想定問答13を、回答例つきで置いておきます〜
人事・採用職の面接には、他の職種にはない特殊な事情があります。面接官が「面接のプロ」であることです。
営業やエンジニアの面接官は、面接を年に何十回か担当する程度です。人事の面接官は、それを仕事として毎週やっています。用意してきた模範解答か、自分の言葉かの区別は、開始2分でつきます。
そのぶん、評価の軸ははっきりしています。この記事では、未経験・第二新卒が人事・採用の面接で聞かれる想定問答13を、一次・二次・最終の段階別に、回答例つきで整理します。
1. 結論:人事の面接は3つの軸で採点されている
人事・採用の面接で見られている3軸
① 採用を数字で見られるか:応募数・書類通過・面接通過・内定承諾のどこで落ちているかを分解できるか
② 現場と対等に話せるか:現場の要求をそのまま受けず、市場の状況を根拠に交渉できるか
③ 候補者側の視点を持てるか:自社都合ではなく、応募する側の手間や不安から設計できるか
未経験者が落とすのが①、差がつくのが②です。
13問はすべて、この3軸のどれかを測るために聞かれています。
2. 一次面接(人事メンバー・採用担当)で聞かれる5問
一次は、職種理解と最低限の言語化能力の確認です。
2-1. Q1「なぜ人事、その中でもなぜ採用なんですか」
「人事全般に興味があります」は最初の減点です。採用・労務・制度のどこかに絞ってください。
「人事の中でも採用を志望しています。前職でアルバイト採用を任されたときに、応募が月12件あるのに面接に来るのは4件という状態で、応募数を増やすことばかり考えていました。連絡を翌営業日から当日中に変えただけで、翌月は12件中9件が面接に来ています。母集団を増やす前にやれることがあったと気づいたのが、採用という仕事に関心を持った出発点です」
2-2. Q2「採用と営業は似ていると思いますか」
意図は、構造で捉えられているかの確認です。ここで対応関係を言えると、一次はほぼ通ります。
「かなり近いと理解しています。母集団形成がリード獲得、書類通過が商談化、面接が提案、内定承諾がクロージング、辞退理由の分析が失注分析にあたると考えています。違うのは、採用では相手も同時に他社を見ていて、こちらが選ばれる側でもある点だと思っています」
2-3. Q3「弊社の採用課題は何だと思いますか」
推測で構いません。むしろ推測を述べることが求められています。
「求人一覧を拝見すると、◯◯職の募集が最も多く、かつ長く掲載されているようにお見受けしました。競合の多い職種だと思うので、母集団形成そのものより、選考中の魅力づけと、辞退の防止のほうが課題になっているのではないかと推測しています。実際にどの段階で苦戦されているか、お伺いしたいです」
2-4. Q4「入社したら、最初の3か月で何をしますか」
「1か月目は、既存の求人票と選考フロー、過去1年の応募から内定までの数字を読み込む時間にしたいです。2か月目からは、辞退された方の理由を職種別に整理して、どこで落ちているかを自分なりに把握したいと考えています。3か月目には担当職種を持たせていただき、その整理を仮説として持った状態で動きたいです」
2-5. Q5「人材紹介会社ではなく、なぜ事業会社の人事なんですか」
人材業界と併願している場合、必ず聞かれます。
「人材紹介は多くの企業と候補者に関われる点で魅力があります。ただ、紹介した方が入社後にどう定着したかまで見届けられる機会は限られると理解しています。要件を決める段階から入社後の定着までを一貫して見る側で経験を積みたいと考え、事業会社を志望しています」
3. 二次面接(人事責任者)で聞かれる5問
二次が山場です。①の数字と②の現場交渉が本格的に見られます。
3-1. Q6「採用目標が未達のとき、まず何をしますか」
「媒体を増やします」と即答すると、ここで落ちます。
「どの段階で落ちているかを先に確認します。応募数・書類通過数・面接通過数・内定承諾数のどれが足りないかで打ち手が違うためです。応募数が足りているのに媒体を増やしても、コストが増えるだけで改善しません。書類通過が低いなら要件と求人票のずれ、辞退が多いなら選考体験か条件の問題として切り分けます」
3-2. Q7「現場から『こういう人がほしい』と要件が来たら、どう進めますか」
②を直接測る質問です。「言われた通り探す」も「無理だと突き返す」も不正解です。
「まず、その要件を絶対条件と歓迎条件に分けて確認します。前職でも、要件が整理されていない求人ほど書類通過率が低い傾向がありました。そのうえで、その条件を満たす人が市場に何人いるかを媒体の検索件数で示して、現場と一緒に優先順位をつけ直す進め方をしたいです。数字を持っていくと、議論が好みの話から現実の話に変わると考えています」
3-3. Q8「内定辞退が続いたら、どうしますか」
「まず辞退された方に直接理由を伺います。人事経由だと本音が出にくいので、差し支えなければ他にどこと迷われたかまで聞くようにしたいです。そのうえで、辞退理由が条件なのか、選考中の印象なのか、意思決定の時期なのかで分類します。条件が理由なら現場と経営に持ち帰る話ですし、印象が理由なら面接官側の改善で対応できます」
3-4. Q9「面接官によって評価がばらつくとき、どうしますか」
人事の実務でよくある論点です。「揃えます」だけでは足りません。
「評価シートの項目を増やすより、まず合否が分かれた候補者を持ち寄って、なぜ判断が違ったのかを言語化する場を作りたいです。前職で書類の差し戻し理由を集計したときも、ルールを増やすより実例を突き合わせるほうが早く揃いました。そのうえで、判断の分かれ目になった観点だけを評価項目に足す順序が良いと考えています」
3-5. Q10「スカウトを1日何通くらい送れますか」
意図は作業量への耐性ですが、本数で答えると弱くなります。
「前職の経験だと、テンプレートをそのまま送るなら1日100通は可能ですが、返信率は落ちると思います。職種と経歴に合わせて冒頭2行だけ書き換える形で、1日30〜40通が現実的ではないかと考えています。ただ、貴社の返信率の実績によって最適な配分は変わるので、まずは既存のデータを見せていただきたいです」
4. 最終面接(役員・経営)で聞かれる3問
4-1. Q11「うちの会社の、候補者から見た魅力は何だと思いますか」
これは人事の面接ならではの質問です。採用担当として自社を売れるかを見ています。
「求人票と社員インタビューを読んだ限り、◯◯の領域で意思決定までの距離が近い点が最大の魅力だと感じました。一方で、その魅力は安定を求める候補者には逆に不安材料になるとも思っています。誰に刺さる会社かがはっきりしているので、母集団を広く取るより、その層に的を絞った訴求のほうが効くのではないかと考えています」
4-2. Q12「3年後、どうなっていたいですか」
「3年後には、採用の数字を見て、どこに手を打つべきかを自分で判断できる状態になっていたいです。個別の候補者対応が上手くなることに加えて、選考フローそのものを設計し直せるところまでを自分の仕事にしたいと考えています」
4-3. Q13「他社の選考状況を教えてください」
人事が相手なので、ここは特に正直に。取り繕うと確実に見抜かれます。
「3社選考が進んでおり、2社が事業会社の採用担当、1社が人材紹介です。要件定義から入社後まで見られるかを軸に絞って応募しています。その中で貴社は◯◯職の採用が事業の速度に直結する局面と理解しており、志望度は最も高いです」
5. 面接前日の準備(90分)
| 時間 | やること | 使う質問 |
|---|---|---|
| 25分 | 求人一覧を開き、募集職種・人数・掲載期間をメモ | Q3・Q11 |
| 20分 | 前職で「人の流れ」に関わった場面を1つ、数字つきで書く | Q1・Q7 |
| 25分 | 採用ファネル(応募→書類→面接→内定→承諾)を紙に書いて、各段階の打ち手を1つずつ埋める | Q6・Q8 |
| 20分 | 逆質問を3つ選ぶ | 第7章 |
配点がいちばん高いのはQ6です。ここを「媒体を増やす」で答えると、採用を数字で見られない人と判断され、二次で止まります。
6. 落ちる回答の型5つ
| NG型 | 具体例 | なぜ落ちるか |
|---|---|---|
| 人好き型 | Q1に「人と関わるのが好きで」 | 全員が言う。業務の話がない |
| 媒体増型 | Q6に「媒体を増やします」 | 分解せずコストを増やす発想 |
| 御用聞き型 | Q7に「言われた条件で探します」 | 現場と対等に話せないと見える |
| 裏方型 | 「表に出るより支える仕事がしたい」 | 採用は対外的な仕事。理解不足 |
| 体験談型 | 「自分の転職で救われたので」だけ | 動機は本物でも業務理解に届かない |
裏方型は人事志望に特に多いNGです。採用担当の1日は、エージェントとの折衝、候補者への魅力づけ、現場マネージャーとの要件交渉で埋まります。「支える側に回りたい」は、業務内容の誤解として読まれます。
7. 逆質問で聞くべき5つ
- 「今、応募から内定承諾までのどの段階がいちばん苦戦されていますか」
- 「求人の要件は、現場とどのように決めていますか」
- 「辞退された方の理由は、どこまで追えていますか」
- 「面接官のトレーニングや評価のすり合わせは行われていますか」
- 「入社1年目の方が、最初につまずくのはどのあたりですか」
1と3は、そのまま自分の評価軸の高さを示す質問になります。制度や福利厚生だけを聞くと志望度が低いと読まれるので、この中から3つ選んでください。
8. 未経験でも「採用に近い経験」は必ずある
面接で使える材料は、人事の実務経験でなくても構いません。次のどれかがあれば十分です。
| 前職 | 使える経験 |
|---|---|
| 店舗・飲食 | アルバイト採用、シフト設計、新人の受け入れ |
| 営業 | 失注理由の分析、初回対応のスピード改善 |
| 事務 | 面接日程の調整、差し戻しの削減 |
| 人材紹介 | 求人要件のヒアリング、候補者の推薦 |
| エンジニア | 後輩のOJT設計、受け入れ資料の整備 |
私自身、人事の専任だったことはありませんが、営業時代にアルバイト採用を任されて「応募への連絡を当日中にする」だけで面接到達数が倍以上になった経験があります。この一件だけで、Q1もQ6も答えられます。志望動機側の作り方は人事・採用の志望動機にまとめています。
9. よくある質問
人事の面接は何回ありますか
一次(人事メンバー)・二次(人事責任者)・最終(役員)の3回が標準です。企業によっては、現場マネージャーとの面談や、「弊社の求人票を改善するとしたら」といった課題が入ります。課題が出た場合、凝った改善案より「誰に向けた求人票か」を明確にできているかで評価されます。
未経験から人事に転職するのは、実際どのくらい難しいですか
職種の中でも倍率は高い部類です。ただ「人事」とひとくくりにせず、採用アシスタント・採用オペレーション・RPO(採用代行)まで含めると選択肢は広がります。事業拡大期でポジションを増やしている企業ほど、未経験枠が出やすい傾向があります。
面接官が採用のプロだと、小手先が通用しないのでは
その通りです。だからこそ準備の方向を変えてください。模範解答を覚えるのではなく、前職の経験を1つ深く掘って、数字と手順で話せるようにするほうが効きます。深く掘った話は、どこから質問されても崩れません。
「あなたを採用する理由を教えてください」と聞かれたら
人事の面接では出やすい質問です。自己PRを繰り返さず、その会社の課題と自分を接続してください。「◯◯職の採用が長期化しているとお見受けしました。私は前職で、母集団を増やす前に歩留まりを直して成果を出した経験があるので、そこから入れると思っています」という形が理想です。
給与や休日について、いつ聞いていいですか
逆質問の1問目には持ってこないでください。2問目以降で「評価制度について教えてください」の流れで聞くのが自然です。人事志望の場合、制度の質問は「関心がある」とも取られるので、聞き方次第でプラスにもなります。
転職回数が多い、在籍期間が短い場合は不利ですか
人事は離職に対する感度が高いため、他職種より厳しく見られます。ただし理由が明確で、志望動機とつながっていれば問題になりません。整理の仕方は退職を悩む期間を最短化する3つの判断軸を参照してください。
労務や制度志望でも、この13問は使えますか
Q1・Q4・Q11・Q12・Q13はそのまま使えます。Q6〜Q10は採用固有なので、労務なら「ミスを減らす仕組み」「期限を守る運用」「法改正への対応」に読み替えてください。評価軸が「正確性」と「遵法性」に変わります。
面接で自社の悪いところを聞かれたら、正直に答えていいですか
「難しそうだと感じた点」として答えてください。「調べた限り、◯◯の領域は競合が多く、候補者から見ると比較されやすいと感じました」といった形なら、批判ではなく分析として受け取られます。「特にありません」は、調べていないと判断されるので避けてください。
10. まとめ
人事・採用の面接は、人柄ではなく採用を数字で見られるかで決まります。
前日にやる3つのこと
① 応募先の求人一覧を開き、募集職種・人数・掲載期間をメモする
② 採用ファネルを紙に書き、各段階の打ち手を1つずつ埋める(Q6の準備)
③ 前職で「人の流れ」に関わった場面を1つ、数字つきで3行書く
②を飛ばすと、Q6で必ず詰まります。逆にここさえ準備できていれば、面接官が採用のプロであることは不利ではなく、話が早いという意味で有利に働きます。
この先、読むべき記事
- 人事・採用の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方(志望動機の作り方)
- 営業から営業企画へ|第二新卒の職種転換で内定を掴んだ求人票の見抜き方(職種転換の全体像)
- 第二新卒の職務経歴書テンプレ|書類通過率を上げる10の改善ポイント(書類の作り方)
- 第二新卒の面接で必ず聞かれる10質問|2ヶ月で2社内定した模範回答完全ガイド(職種を問わない面接対策)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。